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2011年6月の記事

2011年6月30日 (木)

ロスト・アイズ

★★★☆

 失明して自宅の地下室で首吊り自殺した双生児の姉。その死に納得できない妹フリアが、姉にまつわるいくつかの謎を解明しようと素人探偵ゴッコをしているうちに、次々に殺人が起こり、自からも失明し危険な状況に追い込まれてしまう。ミステリーによくあるパターンの展開なのだが、本作ではタイトル通り「失明」が全てのキーとなっている。

Lost

 実は姉の自殺は他殺だったのだが、犯人もその動機もさっぱり見えてこない。それがこの映画の醍醐味なのであるが、ある意味で退屈な側面でもある。ただ主人公が失明後のシーンでは、他の人物の顔が見えないアングルで撮影しているという演出が光った。そのことによって主人公と観客の不安感がリンクして、恐怖感をより一層強力にしたと思う。ただこの方法はホラー映画では良く使われる手法なので、ことさら斬新なわけではない。

何といっても、主演のベレン・ルエダの見事な二役ぶりが光っていた作品といってよいだろう。そして彼女の夫が残した「君の瞳に宇宙が見える」という言葉がいやに印象的であった。

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2011年6月27日 (月)

アリス・クリードの失踪

★★★☆

 二人の男がホームセンターで大工道具、壁紙、カーペットなどを買いこみ、べッドや壁を改造しているようなシーンから始まる。それはある女を拉致して監禁するための準備であった。

Alice_2 
 監禁された女は大金持ちの一人娘であるアリスで、誘拐犯の二人組は、刑務所で知り合ったダニーとヴィックである。約100分の作品であるが、登場人物はこの3人だけという超シンプルなクライムサスペンスなのだ。
 誘拐犯の目的は、もちろんアリスの父親から多額の身代金を受け取ることなのだが、二人の思惑は微妙に異なっている。また監禁され犯人達に全裸にされて、しびんで放尿させられる屈辱を受けるアリスも、意外にしぶとくしたたかである。

 この三人が狭い部屋の中で繰り広げるのは、暴力と恐怖とエロと嘘に塗り固められた世界。それぞれが本当は何を考えているのかよく分からない。途中にちょっとしたドンデン返しがあり、ラストは一体どうなるのか、最後の最後まで予測がつかないはずだったのであるが・・・。結局は犯罪者は罰せられるというありきたりの想定内クローズで幕を閉じてしまった。
 それがこの映画の限界なのだろうか。アイデア作品なので、もうひと捻りかふた捻りくらいは欲しかったな。ちょっと残念な幕引きであった。

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2011年6月25日 (土)

ナイト・オン・ザ・プラネット

★★★★

 1991年製作のアメリカ映画である。ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、へルシンキという5つの都市で、真夜中にタクシードライバーと乗客が繰り広げる5つの物語をオムニバスに描いてゆく。ドライバーと乗客の構成は次の通り。

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1)貧しい女ドライバーと大物キャスティング・エージェント
2)運転もろくに出来ないのだが、人の好い初老のドイツ人ドライバーと貧民街に住む黒人
3)気の短かいアフリカ系黒人ドライバーと盲目の若い女性
4)やたらとおしゃベりなイタリア人ドライバーと心臓の弱い神父
5)不運なドライバーと不運な酔っ払いの不運合戦
 4)だけはドライバーがかなりうるさくて、うっとおしいが、車の中での会話だけの地味な作品ばかりなのに、それぞれ味があってなかなか観応えのある映画であった。是非DVDをレンタルして一度御覧あれ。

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2011年6月18日 (土)

もしドラ

★★★★

 正式なタイトルは【もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら】という、超長くてうざったい題名なのである。ウケを狙ってわざわざこんなに眠くなるような長いタイトルを付けたのだろうか。それにしても長過ぎるので、短縮した『もしドラ』のほうが一人歩きしてしまったようだ。

Moshidora

 この映画の内容は、タイトルそのままドラッガーの『マネジメント』手法を用いて高校野球を演出し、へボ球団を甲子園に出場させるというもの。本当の高校野球を知っている者が観れば、絶対にあり得ないと思うだろう。だが余り硬いことを言わずに、ありがちではあるが、単なる青春スポ根ドラマとして観れば、きっと胸が熱くなるはずである。それと監督役の大泉洋がまさにハマリ役で抜群の演技力だったね。
 原作は岩崎夏海の小説で発売から僅か半年で100万部を突破した大べストセラー。そしてその後、マンガ・アニメに続いて、この映画が上映され、主演はAKBの前田敦子となればきっと劇場は若者で一杯だろう。・・・と思い込んでいたのだが、なぜかこの渋谷ヒューマックスは、タイトルのドラッカーに惹かれたのか、50過ぎのおじさんが目立ったよな。
 さてドラッカーであるが、彼はリーダー的資質の存在を否定する一方で、上司が特つベき唯一の資質は真摯であることだと断言している。確かに人は皆、生まれ落ちたときには真摯な心しか持っていない。だからこそいつも真摯さを貫けば、多くの人々の感動を呼びその結集力は計り知れないものとなるのだ。
 何十年もサラリーマンを続けてきて、この言葉は実に含蓄のある、正しい認識なのだと、はっきり理解出来るようになった。また経営に限らず、何事にも真面目で熱心に取り組む姿勢こそが、実は一番大切なのであろう。

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2011年6月15日 (水)

プリンセス トヨトミ

★★★

 大阪夏の陣で滅亡したと伝えられている豊臣家の末裔が、今も大阪市内で生き永らえているらしい。そして明治維新の政府が、大阪国の存在を認め、その組織に対して国家予算の配分を約束したという。
 会計検査院とは、政府とは独立した組織であり、行政組織や公益法人の検査を行っている。従ってその存在と検査には、普段民間会社に高飛車な国税局でさえ恐れているらしい。
 その恐怖の検査官の中でも殊に有能な検査官である松平元が、二人の部下を伴って大阪にある役所や学校などを検査することになった。その検査過程の中で、松平はある公益法人に不信感を抱き、大阪全体の秘密を知ることになる。

Toyotomi
 まさに大阪人にとっては嬉しくて堪らない映画で、大阪市の絶大なる協力と、大勢のエキストラが集ったのも納得出来るというものである。ただキャストの選び方には多少疑問を感じた。主演の堤真ーと中井貴一は適役なのだが、検査官の部下を演じた綾瀬はるかの天然ぶりに違和感を拭えなかった。大好きな女優さんだけに、もう少し使い方を考えて欲しかったな。
 また現実にも女性検査官は、超優秀な人と変わり者が多いのであるが、歴史ミステリーと大上段に構えた作品としては、かなり迫力を削いだ感が否めない。さらに豊臣の末裔である王女さまについても、その生い立ちなどについて全く言及せず、あれだけ大勢の市民を動かす神秘的なイメージも沸いてこないのが残念だ。
 ただ一つだけ感動したのは、あの地下通路を、普段は余りしゃべらない父親と、語りながら一諸に歩くという、その一点だけであった。

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2011年6月11日 (土)

17人の忍者

★★★★

 1963年公開の東映時代劇であり、約半世紀経過した今でも色あせない作品である。徳川第三代将軍家光に謀反を企む実弟の忠長と外様大名たち。その連判状を巡り、伊賀忍者17名と忠長の家臣たちが、駿府城内で壮絶な死闘を繰り広げる。

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 ただ駿府側には根来忍者の才賀孫九郎が雇われているため、ことごとく侵入方法を見破られてしまい、城に侵入するのはかなり困難な状態になっていた。 そして次から次へと、伊賀17人衆たちは、捕らえられ殺されてゆくのだった。
 伊賀17人衆とは公儀お庭番・伊賀三ノ組のことで、甚伍左を組頭とする忍びの集団である。主な配役は伊賀忍者達に大友柳太郎、里見浩太郎、東千代之介、三島ゆり子、根来忍者には近衛十四郎という豪華なキャストだ。
 この映画の凄いところは、歴史や時代考証に忠実であり、忍者たちも一致団結しながら目的を果たしてゆくという地味で現実的な展開である。従ってこの映画に登場する忍者たちには、力ムイや影丸のようなスーパーマンは登場しない。
 もちろん忍者であるから、水中に潜ったり石垣をよじ登ったりはするのだが、見ていると登山家のロッククライミング程度なのだ。実に地味な忍術なのだが、それが現実であろう。とにかくこれほど地味な忍者映画で初めてである。そこがこの映画の見所なのかもしれない。

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2011年6月 4日 (土)

アジャストメント

★★★★

 いつの頃かは定かではないが、人の運命はチェアマン(神?)の書いた筋書き通りに定められてしまった。だがその筋書きにない別の運命により、上院議員をめざすデヴィッド・ノリスとダンサーをめざすエリースが出逢って恋に落ちてしまう。
 しかし運命をアジャストメント(調整)する組織は、チェアマンの意思を尊重し、二人を引き離そうと釈迦力になって、数々の妨害工作を仕掛けてゆく。ところが彼等がいくら阻害しても、愛の力も凄まじく、全てを捨てて愛を選択しようとするノリスの必死の戦いが偶然という奇跡を呼ぶ。

Adjustment

 まさに荒唐無稽な展開なのだが、真面目で硬派なマット・デイモンが主役だと、現実的なストーリーであるかのように錯覚してしまう。もし彼以外の者が主役を張っていたら、きっと安物のマトリックスの世界に染まってしまっただろう。このアンバランスな配役こそが、この映画にオリジナリティーを与えたのかもしれない。
 また特に莫大な製作費を投入しているわけでもなく、CGもほとんど使用していないところにも好感が持てる。一つ間違えれば、とんでもない馬鹿馬鹿しい作品になっていたかもしれないのだが、全てがマット・デイモンの真摯で誠実な雰囲気によって昇華された感がある。ただラストのあっさりとした収束方法には、賛否両論が出るだろうな。

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2011年6月 1日 (水)

ブラックスワン

★★★★

 ミステリー仕立てのバレエ映画である。ニナは新趣向で上演されることになった『白鳥の湖』の主役に大抜擢され、有頂天になってしまった。だがそのお陰で引退勧告を受けたべスや、主役を横取りされたミラたちの恨みをかってしまう。

Blackswan
 だがニナの最大の敵は自分自身であった。白鳥は完璧に踊れるのだが、大胆さとエロチックさが求められる黒鳥をうまく表現出来ない。彼女は生来内気で、母親に過保護に育てられたため、自分の意思をはっきりと表現出来なかった。そして少しずつプレーシャーに押し潰され、心のバランスを崩してゆくのである。
 ところで彼女が描く妄想と現実の狭間がよく見えないため、かなり分かり辛いシーンが多いと思う方が多いのではないだろうか。ただその現実と虚構こそが、白鳥と黒鳥であり、光と闇の両面を併せ持つ人間の正体であり、この映画の最大のテーマなのだから仕方がない。
 そしてラストの覚醒シーンはもの凄い迫力であった。ナタリーの演技力も素晴らしいのだが、なんと言っても観客を引き込んでしまうようなカメラワークが見事だった。これを芸術と呼ぶのだろうか。それにしても、とても疲れるし後味の良くない作品であることも否めないね。

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