暴走機関車
★★★★☆
あの黒澤明監督が、米国で映画化するために書いた脚本をアレンジし、ロシアのアンドレイ・コンチャロフスキー監督がメガホンをとったサスペンス・アクション大作である。
豪雪の中、アラスカ刑務所から脱獄した二人の凶悪因人が、こっそり貨物列車に乗り込んで逃亡する。ところが運転手が心臓発作で急死し、列車はものすごいスピードで暴走してしまう。
先にある古い橋を渡るには、低速で走らなければ橋が破壊してしまうのだ。そこで鉄道局は、途中でこの列車を脱線させようとする。ところが無人だと思った列車に人が乗っていることが分かり、脱線はとりやめになるのだが・・・。またその先には曲カーブや化学工場があるという。
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どちらが面白いかは、観る人の好みかもしれない。せっかちな現代人には、列車の暴走シーンが長くアクションに特化した『アン・ストッパブル』のほうが好みかもしれない。だが私は、人物描写のある本作のほうが面白かった。ただ所長がしつこく追いかけてくるという展開は、暴走機関車というテーマに水を差すようで、ちょいといただけなかった。
黒澤監督のオリジナル脚本は、『アン・ストッパブル』同様、アクション中心のシンプルな構成だったという。それを米国側が、脱獄の背景や列車暴走の経緯等を付け加えてしまったため、黒澤監督がそれを承知せず、実現しなかったと言われている。まことに皮肉な話である。
まあいずれにせよ、主役の囚人たちとシべリアの大雪、そして機関車の重厚な風貌などが重なって、凄まじい迫力を生み出していたことは確かであろう。まさしく名作にふさわしい映画だと感じた。
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