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2011年3月の記事

2011年3月29日 (火)

ミスティック・リバー

★★★★

 クリント・イーストウッド監督のサスペンス映画ですが、単なる謎解きミステリーではありませんでした。
 いたずらをして遊んでいた3人の少年達・・・うち1人が拉致され心に大きな傷を受けてしまいます。そして彼は大人になり、その不幸な出来事がトラウマになって、ある晩に『事件』を引き起こしてしまうのです。

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 同時間に起きた19才の少女殺害事件を追う刑事は、少年時代の友人の1人であり、殺された少女の父親が、なんと偶然にもあと1人の友人なのでありました。スタンド・バイ・ミーを思わせる作風ですが、この作品ではほとんどの時間が、大人になってからの3人の葛藤を描いています。
 キャストは殺された少女の父親ジミー役に、ショーン・ペン。少年時代に拉致され、陵辱された過去を持つデイブ役にティム・ロビンス。妻に家出されて、なげやりな人生を送っている刑事ショーン役に、ケビン・べーコンと、まさにそれぞれがはまり役であり、絶妙の演技力を発揮していました。
 キャストの演技力といい、重厚なテーマといい、さすがに2003年のアカデミー賞にノミネートされ、最有力候補と騒がれただけの力を持った作品であると思いました。
 しかし映画を観終わったあとの、この後味の悪さは一体どうにかならなかったのでしょうか。

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2011年3月28日 (月)

シティー・オブ・ゴッド

★★★★

 ブラジルのスラム街を牛耳るギャングの実話なのですが、このギャング達のほとんどが子供であるという凄まじさには、度肝を抜かれます。彼らは平気で盗みを働き、麻薬を売り、挙句はピストルやマシンガンを撃ちまくり人殺しも朝飯前なのであります。

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 この映画では、禁句であるはずの子供を殺すシーンも平気で描いていますし、タランティーノも真っ青のハチャメチャ映画なのですが、南米人特有の明るさのためかそれ程凄惨な感じがしないのです。また軽快なリズムとスピーディーなカメラワークも良かったし、素人である子供達の迫真の演技にも脱帽しました。
 しかしブラジルの現状がこれほど酷いとは・・・・平和な日本人にはちょっと信じ難いかもしれませんね。退屈しない映画ではありますが、かなり好き嫌いが分かれる作品かもしれません。

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2011年3月26日 (土)

小さな中国のお針子

★★★★

 四川省が舞台であり、監督もキャストも中国人なので、てっきり中国映画だと思っていましたが、実はフランス映画でした。この作品は中国の文化大革明を背景に、四川省の山奥に住む美しい少女と2人の青年とのラブロマンスであります。主人公の青年2人は風貌も、考え方も山奥に住む人々とは全く異質で、まるで現代からタイムスリップしてきたような違和感がありました。

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 この2人の青年が山奥にやってきたのは、当時の中国の歴史を知らないと、なかなか理解出来ませんが、知識人や資産家などの反革命分子の子供を『再教育』するためのシステムだったようです。またこの作品の原題である『バルザックと小さな中国のお針子』というタイトルから考えると、文学が人生に与えるうる影饗力の凄まじさを描きたかったのかもしれません。そこには原作者であり監督である「ダイ・シージェ」の西洋文学への熱い思い入れが感じられました。
 個性豊かな村人、可愛いお針子、現代的でハンサムな2人の主人公とキャストも素晴しいし、山々に囲まれた四川省の美しい風景の中で奏でられるバイオリンの音色にもうっとりさせられました。ただお針子がバルザックの影響を受けて、1人立ちしてゆくまでの心の葛藤が全く描かれていないので、どうしてもあの別れのシーンは納得がいきませんでした。中国の当局によりカットされたのかもしれませんが非常に残念でたまりません。本来はあそこで感動の涙を流したかった人が大勢いたのではないでしょうか。

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2011年3月24日 (木)

シンドラーのリスト

★★★★

 ユダヤ人約1000名をナチの強制收容所から救った男(シンドラー)の伝説を忠実に再現した作品であります。またこの映画は当時スピルバーグが、従来の彼のカラーを超越して、懸命に描いた力作中の力作と思われます。そして後に『ビューティフル・ライフ』『戦場のピアニスト』がこの作品の影響を受けて作られたような気がしてなりません。

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 3時間15分という大長編であり、固いテーマでありながらも、全く退屈することなく映画の中に惹きこまれてしまいました。その辺りの手法は、さすがにスピルバーグと感心した次第であります。このように書くと、まるで良いことずくめの名作中の名作のようですが、2つ気になることがありました。
 それは・・・初め計算高く要領の良い好色ペテン師だったシンドラーが、『ある時』を境にモーゼきどりの『人徳者』に豹変してしまったことです。それはたぶん、モノクロ映像の中で赤い服を着た少女が登場し、ナチによって殺害されたころからだと思います。でもそれが何故なのか、葛藤もなければ、その他一切の説明もありませんでした。もう1つは、せっかく大金をはたいてユダヤ人1000人を助け出しておきながら、数ヶ月も工場を稼動させずに、放って置いた事です。
 あのままでは資金も底をつき、また収容所に逆戻りになってしまったはずです。たまたま運良く終戦になりましたが、余りにもそのあたりの辻褄が合わな過ぎます。どうしてもシンドラーを神にしたかったのかもしれませんが、非常に無理の残る展開で、残念で仕方ありません。

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2011年3月21日 (月)

少女の髪どめ

★★★★

 イラン映画は性にも政治にもあたり触りのない『子供を主演とした作品』が多いと聞きました。そんなイランの状況の中では、この映画は、ある意味で画期的な恋愛作品なのではないかと感じました。
 イランには、政変の激しいアフガンから何度も、多勢の難民が不正入国しています。従ってアフガン人を雇用するには政府の承認が必要であり、抜きうち調査も頻繁に行われます。またIDカードを所持していなければ、小さなホテルにさえ泊まることも出来ないようです。
 そうした厳しい取り締まりの中でも、闇でアフガン人が雇用されるのは、彼等は賃金が安くとも一生懸命働くからではないでしょうか。

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 さて前置きが長くなりましたが、簡単にストーリーを、ご紹介しましょう。 工事現場で買出しや、お茶出しなどの楽な仕事を任せられていたイラン青年が主人公なのですが、ある日ひ弱で力のないアフガン少年に楽な仕事を交替させられてしまいます。その少年は力仕事は全く出来ないのですが、洗濯やお茶出しが上手で、その美味しいお茶の味は、現場の男達の評判になります。
 主人公の青年は不愉快になり、その少年を幾度もいじめ、とうとう二階から少年にペンキを降りかけてしまうのです。
 少年がペンキで汚れた髪を洗い、隠していた長い髪をとかしているのを物影で覗いていた青年は、少年が本当は美しい少女だったと知って、今までの情況を全て理解し、彼女に対する冷たい仕打ちを反省するのです。ところが、そのこころは反省を超えて『淡い恋心』になり、だんだんと『激しい恋心』に変わってゆくのです。
 その後青年は、うって変わってことごとく少年(少女)を守りつづけてゆくのですが・・・・
 この青年と少女は、最後まで言葉を交わしません。そんな展開が平和で自由な世界しか知らない日本の若者達には物足りないようですが、戦前の日本でも男女は自由に会話が出来なかったことを思い出しましょう。
 言葉はなくとも、心を通わせた若い男女が、じっとお互いの瞳を見つめ合う仕草だけで、きっと何かを感じあうはずであります。これは昔も今も、国境もありません。男女のそして人間のこころの会話なのではないでしょうか。
 久々に感動的な映画を観ましたが、やはりエンデングは、平和な世界にいる僕達には、ちょっとせつな過ぎました。

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2011年3月19日 (土)

シェーン

★★★☆

 あの懐かしい主題曲と、ラストの「シェーンカムバック」コールで、お馴染みの名作中の名作であります。

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 西部劇にもいろいろありますが、この作品には、インディアンや騎兵隊は出て来ませんし、保安官さえも登場しません。
 小さな村で、牧場地を巡っての農民と、ならず者一家の抗争に、アラン・ラッド扮する流れ者が絡んでくるというよくある単純なストーリー展開であります。
 悪い映画ではないのですが、何故名作なのかは、今一つ理解出来ませんでした。多分、音楽が良かったことと、黒沢映画や座頭市などと雰囲気が似ているため、日本人の心に触れたのかもしれませんね。

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2011年3月18日 (金)

暴走機関車

★★★★☆

 あの黒澤明監督が、米国で映画化するために書いた脚本をアレンジし、ロシアのアンドレイ・コンチャロフスキー監督がメガホンをとったサスペンス・アクション大作である。
 豪雪の中、アラスカ刑務所から脱獄した二人の凶悪因人が、こっそり貨物列車に乗り込んで逃亡する。ところが運転手が心臓発作で急死し、列車はものすごいスピードで暴走してしまう。
 先にある古い橋を渡るには、低速で走らなければ橋が破壊してしまうのだ。そこで鉄道局は、途中でこの列車を脱線させようとする。ところが無人だと思った列車に人が乗っていることが分かり、脱線はとりやめになるのだが・・・。またその先には曲カーブや化学工場があるという。

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 まるで先頃公開されたトニー・スコット監督の『アン・ストッパブル』そのものではないか。だが『アン・ストッパブル』のほうは、実話をもとに作られたという。そして『アン・ストッパブル』では、すぐに列車の暴走が始まるのだが、この映画では前半に二人の因人が脱獄するまでの経緯を詳しく描いているのだ。
 どちらが面白いかは、観る人の好みかもしれない。せっかちな現代人には、列車の暴走シーンが長くアクションに特化した『アン・ストッパブル』のほうが好みかもしれない。だが私は、人物描写のある本作のほうが面白かった。ただ所長がしつこく追いかけてくるという展開は、暴走機関車というテーマに水を差すようで、ちょいといただけなかった。
 黒澤監督のオリジナル脚本は、『アン・ストッパブル』同様、アクション中心のシンプルな構成だったという。それを米国側が、脱獄の背景や列車暴走の経緯等を付け加えてしまったため、黒澤監督がそれを承知せず、実現しなかったと言われている。まことに皮肉な話である。
 まあいずれにせよ、主役の囚人たちとシべリアの大雪、そして機関車の重厚な風貌などが重なって、凄まじい迫力を生み出していたことは確かであろう。まさしく名作にふさわしい映画だと感じた。

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2011年3月14日 (月)

ヒア アフター

★★★★☆

 心にズシンとくるこの感動は一体何なのだろうか。淡々と流れるエンディングクレジットを観ながらも、どどまることのない涙が頬を伝って落ちてくる。これはもしかすると、人間の根源にかかわるテーマなのかもしれない。
 またこの作品は、人はどこから来てどこに行くのか」という、人類永遠のテーマに挑戦しているような気がする。いつもクリント・イーストウッド監督の作品は、はずれがなく人の心を揺るがすツボを心得ているものだ。CG大作ばかりが氾濫しているハリウッド映画の中で、彼の作品だけはいつも感動を提供してくれる清涼剤である。

Hereafter
 オープ二ングの大津波シーンの凄まじさに度肝を抜かれたが、その後の展開は実に地味であった。そしてストーリーはこの津波に卷き込まれて死にそこなったニュースキャスターの女性と、双生児の兄を失った少年、そしてマット・デイモン演ずる霊能力者の生き方をパラレルに描いてゆく。
 三人はそれぞれ、パリ、ロンドン、ロスに住んでおり、接点は全くないのだが、「死」ということを共有しているのだった。そして終盤に偶然か奇跡か、ロンドンのブックフェアーでこの三人が交錯することになる。
 ここで観客の心は作品の中に吸い込まれてしまうのだ。そしてジワーッと感動の嵐が押し寄せてくるのだ。実に見事なエンディングであった。
 ただしこの作品は、ある程度観る人を選ぶかもしれない。私は大感動したのだが、よく意味が分からない人もいるだろう。ストーリーがあるようでないような感じもするからである。そして常に死生感を持っているか否かによっても、感動の度合いが異なってくるだろう。ただ変なオカルト映画にはなっていないので、嫌味がないことも確かである。

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2011年3月13日 (日)

映画館で大地震を体験した

 池袋にあるヒューマックスシネマという、ビルの8階にある映画館で、『英国王のスピーチ』という映画を観ていたときである。突然映画館全体が大きく揺れ始めた。そのうち収まるだろうとタカをくくっていたのだが、一向に揺れが収まらない。
 だんだん不安になってきたので、急いで席を立ち出口へと向かった。すると次々と逃げ出す人が増えてくるではないか。廊下に出ると更に激しい揺れが起こってきた。それで思わず壁の近くの床にへたりこんでしまったのである。
 たぶんこのビルは崩壊するに違いない。俺は今日ここで死ぬのだろうか。もの凄い恐怖感と絶望感が襲いかかってくる。死神が俺を呼んでいるぞ! もうだめだと覚悟を決めると、少し揺れが穏やかになってきた。

そのときやっと従業員が非常口の扉を開けてくれたのだ。8階から非常階段を下りながら、思わずニューヨーク9.11の光景を思い出してしまった。
 やっと地上に降り立ってホッとしたが、その後も余震が続き電車は全て止っている。ケータイは使えないし、公衆電話は長蛇の列だ。それでも30分位並んで家に電話したが応答音さえない。まさか、まさか家が崩壊してしまったのだろうか。不安・不安・不安でかなり心が折れてしまった。そのうえデパートをはじめとして全てのビルがシャッターを下ろし始めたのだ。外は木枯らしがピューピューと吹きすさんでいる。
 そのうえJRも私鉄も全く動く気配がないし、現情報も今後の対応も教えてくれないし、駅の地下通路も封鎖すると言う。公共機関からは何の通報も連絡もない。このまま路上で凍りつくしかないのだろうか。
 少なくとも新宿まで戻りたい。だがバスもタクシーも超大行列で、明日まで待っても乗れそうもないだろう。それで明治通りを新宿へ向って歩くことにした。皆考えることは一緒で、狭い歩道は歩行者で超混雑している。

ビルの上からの落下物に注意しながらやっと新宿に着いたのは、池袋を出て約1時間15分後であった。
 京王線と小田急線をあてにしていたのだが、両線とも復旧は夜中の12時頃となるらしい。まだまだ時間がだいぶあるので都庁まで歩いて暖をとることにした。都庁はかなり空いていて、ゆっくり腰かけて休むことが出来た。・・・と思う間もなく、いつの間にか次々と人々が押し寄せてきて、配給されているダンボールの争奪戦になってしまった。2時間ほど休んでいると、TVで京王線が動き始めたと放送しているではないか。
 すぐに立ち上がり新宿駅に向かった。さすが京王線だ。地下鉄以外では一番の復旧である。だから京王線が大好きなのだ。バンザイ京王線!かくして家に着いたのは1時半。電話の反応がなかったのは停電のためだったらしい。お疲れ様でした。
 まさに地獄のフライデーだったが、東北地方の方々が受けた傷跡に比べればほんのかすり傷にもならないだろう。だがこの体験を教訓にして、今後は個人・企業・行政・国の全てが一体となり日本を再生して行かねばならない。いずれにせよ今回ばかりは他人事とは思えない。最大の被害を受けた東北地方の方々には、心の底からお悔やみ申し上げます。

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2011年3月10日 (木)

パンドラの火花

 タイムトラべル小説なのだが、今だかつて読んだことのない展開であった。ある意味、罪と罰の根源を問うクライム・サスペンスともいえるだろう。従ってタイムトラべルファンではなくても、十分に読み応えのある重厚な作品に仕上がっている。

パンドラの火花 (新潮文庫) Book パンドラの火花 (新潮文庫)

著者:黒武 洋
販売元:新潮社
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 背景は2040年。死刑制度が廃止になるのだが、すでに死刑執行が決定していた死刑因たちの処遇が宙に浮いていた。そこで政府は、すでに完成しているタイムマシンに模範死刑因を乗せて過去へ跳び、死刑因自身に過去の自分を説得するよう命じる。そして過去の凶行を未然に防げれば、死刑囚の罪は消えると言うのだった。
 かくして3台のタイムマシンが、それぞれ死刑因と監視員の2人ずつを乗せ、35年前の世界へと時空を跳び立ってゆくのである。ストーリーはこの三人の死刑因達の行動を、それぞれ角度を変えて描くオムニバス形式になっているが、ラストの帰還編とエピローグで見事に一つの話として繋がってゆく。実に興味深い話ではないか。
 また、この小説を原作にしたデジタルコミックもネットで発売されている。こちらのほうはまだ未読であるが、近藤崇氏の現実的な中におどろおどろしさを併せ持つ、魔化不思議なタッチの画が気になってしょうがない。こちらも是非一読してみたいものである。

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2011年3月 8日 (火)

シリアスマン

★★★☆

 オープニングの謎の小話が今一つ理解出来なかったし、全搬的に理不尽さが目立つ作品である。だが監督はあの『ノーカントリー』のコーエン兄弟だという。そして2010年のアカデミー作品賞にもノミネートされているのだ。
 確かに今までに観たことのない感触が漂っているし、ある意味かなり残酷で疲れる映画でもある。一体この映画の正体はなんだったのだろうか。単純な私の脳力では解説することは困難であるが、なぜかスクリーンの中に引き込まれてしまうのだった。

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 時代背景は1967年の米国で、主人公のラリーは超真面目なユダヤ系の数学教授。ある日突奴として、このラリーに不幸の嵐が襲いかかる。職場の大学では、韓国人の学生に無理やりワイロを押し付けられて脅迫される。家に帰れば、子供たちは我がまま放題で勝手なことばかりしている。また妻は浮気をしていながら、自分の正当性を主張しラリーを責め立てる。そのうえ無職の兄弟が居候を決めこんでいるのだ。
 それだけではない、隣人のロシア人らしき男が、勝手に家の境界線を動かし、抗議しても居直って凄むだけで話にならない。教会や弁護士などに相談しても、明確な解決案は全く出てこないのに、高額の相談料ばかりを請求してくるのだ。まだまだほかにもいろいろ不条理な出来事が続いてゆく。そしてラストも救われない。もうみているほうがイライラしてどっと疲れが出てくる。
 途中いいことになりそうな出来事もあるのだが、もうひとつ踏み込めない。なにひとつ悪いことをせず真面目で善良な小市民なのに、なぜもこう続々と不幸に見舞われるのだろうか。
 私自身も真面目で誠実なのだが、何をやっともうまくいかず、つくづく運も才能もない自分を嘆いていた。だが、この主人公を観ていると、まだまだ自分は幸せでラッキーなほうなのだと、変に納得してしまった。それがこの映画を観た最大の収穫だろうか。

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2011年3月 5日 (土)

デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~

★★★

 ロバート・ダウニー・Jr扮する建築家のピーターは、実家に帰っている妻の出産に立ち合うため空港へ向かう。ところが空港で妙な男にバックを間違えられ、その中から大麻が発見されてしまうのだった。そんなことから、飛行機に乗れなくなってしまう。さらに不運なことに、財布の入った荷物を飛行機の中に置き忘れてしまったのだ。

Duedate

 途方に暮れているピーターの前に現れたのは、彼が飛行機に乗れなくなってしまった原因を創ったあの妙な男だった。彼も飛行機に乗れなくなって、レンターカーを借りて大陸を横断するつもりだと言う。そして一緒に乗っていかないかと誘われる。ピーターは、こんな不愉快な男と一緒に車で旅をするのはまっぴらだと思った。だが妻の出産に間に合わすため、渋々男の車に同乗することになる。
 この少しいかれた小太りのヒゲ男は、イーサンと言いハリウッドへ行き、俳優になるつもりだと言うのだが・・・。ピーターとイーサンとは環境も価値観も全く異なっているため、話は全然噛み合わない。それどころか、イーサンと知り合ってからのピーターには災難ばかりが降りかかってくる。
 とにかくピーターがイラつくように、観ているほうもだんだんムカついてくる。途中でピーターは、イーサンがトイレに入っている隙を狙って、彼を置き去りにして車を発進させるのだが、良心の呵責に苛まれて引き換えしてしまう。これが災いして、またまたとんでもない災難に巻き込まれてしまうと言うコミカルタッチのロードムービーである。
 イーサン役は、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のザック・ガリフィナーキスであり、これがなんともへんてこりんで品のないな野郎なのだが、なんとなく憎めない。ただ笑いよりもイライラのほうが募るのが難点と言えるかもしれないね。

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2011年3月 2日 (水)

あしたのジョー

★★★★

 上映当初はネットでの評価がかなり低かったため、余り期待せずに観たのだが、思った以上に良い出来だったと思う。私はちばてつやのマンガに夢中になった世代であるが、マンガと比べてもそんなに大きな乖離はなかった。もちろんマンガのほうは大長編なので、かなり省略されているし登場人物も少ない。だが逆に2時間程度の上映時間の中によくまとめたものだと感心してしまった。

Ashita
   キャストは主役の矢吹丈に若手の山下智久 、あの力石徹には伊勢谷友介 、そして丹下段平には芸達者の香川照之という布陣である。ジョーを演じた山下智久は可もなく不可もなくだが、力石徹役の伊勢谷友介の演技は素晴らしく、減量時の体の創り方も生半可ではなかった。見事な役者魂である。
 試合中に顔がゆがむCGがちょいと大げさだが、マンガが原作ということで我慢できるギリギリの範囲に収まっていたと思う。ストーリーはマンガを読んでいるので全て承知の上で観たのだが、途中で飽きる事もなく最後まで楽しく観覧できた事はそれなりに出来が良かった証拠であろう。

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