アブラクサスの祭
★★★☆
躁うつ病に悩む若い僧侶・浄念が、周囲の人々に支えられながら、音楽によって自己を取り戻してゆく姿を描いている。おおらかな説法が出来ず、愛らしく悩ましい真面目な僧侶と音楽の取り合わせをテーマにした映画は珍しいよね。
そもそも坊さんは、高所から偉そうに説教をたれるもの。だが坊さんも人間である。セックスもすれば歌も唄う。うつ病にとりつかれて何が悪い。だからと言って、この作品では、うつ病自体には言及していない。とにかく周囲の人々の優しさと寛容さが一番の薬ということなのである。
主役の浄念役には、ミュージシャンのスネオヘアーが扮しているが、映画初主演とは思えないほどピッタリと役柄にはまり込んでいた。また妻役のともさかりえは『ちょんまげぷりん』同様、ちょっぴり気は強いが理解のあるお母さん役が良く似合う。
また住職役の小林薫は、おおらかな中にピリリとした独待の風味を醸し出しているし、年齢はかなり違うが、その妻役の本上まなみがとても優しくて美しかったな。坊さんたちは皆美女にもてるのだろうか。
それから、波打ち際でのエレキギター演奏は圧巻である。あれはかなり危険な気配があったね。まさに命がけの演技といえよう。
ただラストのやかましいハードロックには辟易した。心臓の弱い私は、胸が苦しくなり吐き気を催してしまったもの。それに映画でなければ、あんな騒音にはご近所から必ず文句が出るはずである。せめてラストの曲は、エンディングクレジットで流れたようなおとなしい曲にして欲しかったな。
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