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2011年1月の記事

2011年1月29日 (土)

あの頃ペニー・レインと

★★★★

 家出した姉が残していったロックレコードのお陰で、弁護士への道を外れて、ロックライターを目指す天才少年のウィリアム。そしてひょんなことから、新鋭ロックバンドのリーダーに気に入られ、ロックバンドのツアーに同行することになる。

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 そのツアーにはグルーピーの女の子も一緒にいたが、ウィリアムはその中の一人ぺニー・レインと名乗る魅力的な少女に一目惚れしてしまう。だが彼女はバンドのリーダーラッセルに夢中だった。

 このぺニー・レインが実に可愛いのだ。いったい誰が演じていたのかと思ったら、なんとあのケイト・ハドソンの若かりし日だった。
 ロック全盛期をやや過ぎた1970年代の話であり、なかなか音楽も素晴らしい。だがもうこの年になると、音楽よりも人と人との出会いとか、少年のピュアな心とか、母親の深い愛情とかのほうに心を打たれてしまうのだ。
 それにしてもアメリカの少年・少女たちの大胆なこと。日本ではなかなかここまで出来ないよね。でも母親の口うるささと、子供たちへの思いだけは万国共通であった。

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2011年1月26日 (水)

僕と妻の1778の物語

★★★★

 ガンで余命1年の宣告を受けた妻と愛妻家の夫とのラブストーリーである。この類の物話は、捨てるほど手垢のついたお話なので、簡単に先読み出来てしまう。ただ僕の好きなSF作家の眉村卓氏の実話だということで映画館に足を運んだわけである。

Bokuto
 彼は妻の悦子さんを元気づけようと、毎日楽しいショートショートを1日1話書き続けた。そのせいもあってか、悦子さんは余命1年と宣告されてから、5年間も生き続けたという。

 眉村卓氏が妻の悦子さんを亡くしたのは、67才のときだが、映画では30代として描かれている。また主人公の名前は、眉村ではなく牧村になり、奥さんの名も節子に変わり、それぞれ草薙剛、竹内結子が、まさにハマリ役の好演をしていた。
 それにしても、いくらプロの作家といえども、5年間にわたって毎日一話を書くのはしんどかったろう。もしかすると、ガンで苦しんでいる妻の痛みを、少しでも分かち合おうとしたのであろうか。実に心温まる夫婦愛だ。
 普通なら、妻が死ぬシーンで泣けてくるのであるが、本作では生きているときの夫婦愛のほうに涙してしまった。

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2011年1月23日 (日)

帰還

 実はキャメロン・ディアス主演の『運命のボタン』という映画を観て、どうもボタンを押した後の成り行きとか結末がはっきりしないのでリチャード・マシスンの原作を読むことにしたのである。ところがこの原作は、僅か17頁の超短編であり、結末も赤の他人ではなく自分の旦那が事故で死ぬのだ。しかも100万ドルではなく2万5千ドルの生命保険が手に入るという皮肉。さらに「知らない人が死ぬと言ったじゃないの!」と抗議すると、「あなたはほんとうにご主人のことをご存知だったと思いますか?」と問われる超皮肉。

運命のボタン (ハヤカワ文庫NV) Book 運命のボタン (ハヤカワ文庫NV)

著者:リチャード・マシスン
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 実にシンプルなのだが、だらだらとおかしな方向転換をしてしまった映画よりずっと出来が良い。そりゃあ原作だから当たり前か・・・。
 さてそんなわけで超短編の原作は、わずか10分程度で読み終わってしまったのだが、この『運命のボタン』以外にもマシスンの短編・中篇が以下の通り12篇収録されている。
『針』、『魔女戦線』、『わらが匂う』、『チャンネル・ゼロ』、『戸口に立つ少女』、『ショック・ウェーヴ』、『帰還』、『死の部屋の中で』、『子犬』、『四角い墓場』、『声なき叫び』、『二万フィートの悪夢』
 ほとんどがホラーまたはSFであり、どの作品もなかなか面白かった。その中で偶然タイムトラベルものが一作見つかったのである。タイムトラベルファンとしては嬉しくて小躍りしてしまった。帰還』という作品である。

 愛する妻を残して、タイムマシン(時間転移機)で500年後の未来に跳び立つ男の話だが、ちょっとしたミスから安全ベルトが外れてしまう。しばらくして気が付くと500年後の世界にたどり着いているのだが、そこの住人に元の世界には戻れないと言われる。だが彼はもう一度愛妻に逢いたくて、無理やり元の世界を目指すのだった。
 といったお話であり、その後マシスンは同じ設定のタイムマシンを使った連作中篇シリーズを思いつき、『ショック・・・・・・』、『旅人』などを書いたという。なんとなく梶尾真治の『クロノス・ジョウンターの伝説』みたいだな。是非この二作も読んでみたいのだが、絶版なのかなかなかみつからないのが残念である。

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2011年1月21日 (金)

スプライス

★★★★

 一言で言えば、『スピーシーズ』に似ているが、もっと出来が良い作品である。ただラストに続編の匂いを感じたのがいただけない。もし続編が出来たら、スピーシーズの二の舞になるだろう。是が非でも、これはもうこの一作だけでやめて欲しいね。

Spraise
 この映画は、遺伝子組換えとかクローンを扱った作品であり、ある意味「神」を冒涜するような映画でもある。ただそれはあくまでも心情的なものであり、そのあたりは映画の出来・不出来とは別の世界なのだ。
 そういう意味では、本作はなかなかチャレンジ精神の旺盛な作品であり、かなり注目すベき作品と言ってよいだろう。そしてエンターティンメントとしても合格する作品でもある。
 ただいかれた夫婦が主役になっており、舞台もこの夫婦の周辺だけというB級映画なので、かなり好き嫌いの別れる仕上がりといってよい。しかしながら、もっとスケールアップして、深刻な脚本にしてみても『バイオハザード』になってしまうだけである。「神」を冒涜するような発想には賛成出来ないものの、個人的にはこうしたB級クリチャー映画にはゾクゾクするほうだ。
 さてこの作品に登場するクリチャーは、どこかコミックの『寄生獣』と似ている。単なる怪物ではなく、十分な戦力と知能を持ったクリチャーだからである。それだけに、かなりこのクリチャーには同情的であり、終盤にかけて後味の悪い思いで一杯なのも否めない。
 やはりクロ一ンとは、経済とか医療分野の発展と結びつけてはならない。すなわち、やはり神の領域なのである。タイトルの『スプライス』とは、「結合」という意味だが、人間の都合だけで「結合」を行ってはならないのだと、つくづく実感した映画でもあった。

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2011年1月17日 (月)

トロン:レガシー

★★★

 とにかくスケールはデカイし、VFXも「凄い」の一語に尽きる。さすがウォルト・ディズニーなのだが、いまひとつ盛り上がりに欠けていた。
 ストーリー性が余りないのは事前に判っていたので、とくに文句をつける気はない。だが期待していた3Dが余りパッとしないのだ。アバター以上との前宣伝をうっていた3Dであるが、印象的には2.5Dといった感じがする。

Toron
 25年前にディズニーランドで観た『キャプテン・イオ』の驚愕があったので、ディズニー映画に期待したのが間違いの元であった。アバターのときにも感じたが、最近の3D映画は前方に飛び出してくるのではなく、奥行き重視という方向に向っているようである。そのあたりが、私の思い込みとのブレなのかもしれない。

 短時間のアトラクションは、3Dのほうが楽しいが、やはり映画は3Dではなく2Dのほうが観応えがあることを再認識してしまった。これでもう3D映画を観ることもないだろう。なにせメガネの上にメガネはうざったいし、通常より500円増しというのもいただけない。

 最近は映画だけではなく、TVやパソコンにも3Dが取り入れられているが、これはユーザーの希望ではなく、メーカーの希望に過ぎない。本当の意味でヒットする3Dは、メガネなしでホログラムのように空中に浮かぶ、実物そのものの3Dでしかないと思う。だがメーカーとしては、それまでの技術革新を待っていられない。それで中途半端な3Dを幾度となく繰り返しているのだろう。

 さて3D論議で本作の中味についてほとんど触れていないが、まず細かいことを言わずに、アクションと音楽と映像だけを楽しもうではないか。またジェフ・ブリッジスの若い顔はCGなのか、はたまたメイクなのかなどを考えるのも楽しい。
 また架空世界の住人(プログラム)を人間とみて、それを創ったジェフ・ブリッジスを神と見たてたある種の宗教観を見い出すことも出来る。ただそれにしては、余りにもストーリーに奥行きがなさ過ぎるんだよね。それにしても、ある意味ディズニーらしくない映画であった。

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2011年1月12日 (水)

アンストッパブル

★★★★

 いくつかのミスが重なって暴走してしまった無人列車。しかも貨物には大量の危険物が搭載されている。このまま暴走を続ければ、やがては市街地に入り、急カーブのある高架で脱線し墜落することになるだろう。そしてその墜落先には多くの燃料タンクが設置されており、大爆発を引き起こし町中が吹飛んでしまうというのだ。

Unstoppable

 鉄道会社ではいろいろな手段を尽くして暴走列車を止めようとしたり、脱線させようと試みるのだが、なかなかうまくゆかない。また鉄道会社の経営者も、最小限の損失に抑えようとするため、思い切った手を打てずにぐずぐずしている。

 そこに偶然、暴走列車に向かって走ってくる別の列車があり、衝突寸前ギリギリ引き込み線で待機する。そしてそこに乗っていた運転手と車掌が、暴走列車を追いかけることを決意するのだった。果たして彼らはどのようにして、暴走列車を止めようとしているのだろうか。
 ここまで書くと、まさにパニック映画そのものなのだが、ほとんど派手なCGなどのVFXを使わず、重厚で地味な手作り映像に徹している。また主人公二人の私生活での苦悩なども盛り込んでおり、なかなか渋い創り方をしているのが嬉しい。
 さらにこの作品は実話を基にしているという。だとするとかなり怖い話である。鉄道会社が利益を優先する余り、かなり安全面を犠牲にしているし、鉄道員にもかなりいい加減な人間がいるようだ。
 本作は鉄道会社の協力なしには創れない。従ってその協力を得るために、二人の鉄道員をヒーローに仕立てあげて、パニック映画風に仕上げたのではないだろうか。
 本当の目的は、この重大な事故を引き起こした鉄道会社の経営姿勢と、無責任でいい加減な鉄道員の存在を批判することだったのかもしれない。そういう見方をすれば、本作はアクション・パ二ック風味の社会派ドラマともいえるだろう。
 いずれにせよ、この映画を観るほうも、休む間もなくドキドキハラハラ状態が続く。なかなか体力のいる映画なのだ。かなり迫力のある面白い作品であるが、最後に列車を止める方法が納得いかない。それならなぜ、最初からああしなかったのだろうか…。

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2011年1月 7日 (金)

アブラクサスの祭

★★★☆

 躁うつ病に悩む若い僧侶・浄念が、周囲の人々に支えられながら、音楽によって自己を取り戻してゆく姿を描いている。おおらかな説法が出来ず、愛らしく悩ましい真面目な僧侶と音楽の取り合わせをテーマにした映画は珍しいよね。

Aburakusasu
 そもそも坊さんは、高所から偉そうに説教をたれるもの。だが坊さんも人間である。セックスもすれば歌も唄う。うつ病にとりつかれて何が悪い。だからと言って、この作品では、うつ病自体には言及していない。とにかく周囲の人々の優しさと寛容さが一番の薬ということなのである。
 主役の浄念役には、ミュージシャンのスネオヘアーが扮しているが、映画初主演とは思えないほどピッタリと役柄にはまり込んでいた。また妻役のともさかりえは『ちょんまげぷりん』同様、ちょっぴり気は強いが理解のあるお母さん役が良く似合う。
 また住職役の小林薫は、おおらかな中にピリリとした独待の風味を醸し出しているし、年齢はかなり違うが、その妻役の本上まなみがとても優しくて美しかったな。坊さんたちは皆美女にもてるのだろうか。
 それから、波打ち際でのエレキギター演奏は圧巻である。あれはかなり危険な気配があったね。まさに命がけの演技といえよう。
 ただラストのやかましいハードロックには辟易した。心臓の弱い私は、胸が苦しくなり吐き気を催してしまったもの。それに映画でなければ、あんな騒音にはご近所から必ず文句が出るはずである。せめてラストの曲は、エンディングクレジットで流れたようなおとなしい曲にして欲しかったな。

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2011年1月 5日 (水)

失われた七日間

★★★★

 韓国のTVドラマで、主演は韓国のキムタクことユン・サンヒョンである。タイトルのイメージから、記憶喪失を題材にしたドラマのように感じるが、一週間が逆に過ぎてゆくというミステリアス・ファンタジーなのだ。

 ドラマ/失われた七日間 ドラマ/失われた七日間
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 毎日が繰り返すという設定の作品は幾つかあるが、毎日が逆に進んでゆくというのは初めてである。あらゆる種類のドラマで氾濫している韓国ならではの、苦肉のアイデア作品なのであろう。それにしても上手に明日から今日へ、今日から昨日に繋がるストーリー展開が、良く出来ているので感心してしまったな。こうした作品は、いつの間にか韓国のお家芸になってしまったようである。

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2011年1月 1日 (土)

2010年ケントが観たシネマベストテン

新年、明けましておめでとうございます。

  過ぎてみればあっという間でしたが、このブログもめでたく誕生5周年を迎えました。これからも『ケントのたそがれ劇場』をごひいきに、ご愛顧くださいますよう宜しくお願い申し上げます。

Photo_2

  さて2010年は、ハリウッド映画が不作の年でしたが、邦画のほうはなかなか好調だったと思います。ことに新感覚の時代劇復活と学園ドラマ、そしてアニメの秀逸作品が目立ったような気がしました。
 
 さて今年も100本足らずの少ないシネマ鑑賞の中での選択でお恥かしい限りですが、ケントの独断と偏見で選んだ2010年映画ベストテンを発表いたします。(順不同)

「劇場で観た映画のベストテン」

           
 最後の忠臣蔵

 おまえうまそうだな

 カラフル                        

 孤高のメス

 キック・アス          

 インビクタス/負けざる者たち

 しあわせの隠れ場所   

 アイガー北壁        

 告白

 君に届け            

「選外だったけれど、記憶に残ったで賞」

 ちょんまげぷりん  
 ボーイズ・オン・ザ・ラン             
  RAILWAYS 

 
  「DVD特別賞」

  切腹              
  宮本武蔵                              
  雨月物語                               
  エスター                                 
  13ラブ30

 ではまた、本年もよろしくお願い致します。

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