羽田に午前7時20分に集合ということなので、5時頃には家を出る必要がある。だが駅行きの始発バスは6時なので、亊前にタクシーの予約をしなくてはならない。結局そこのところが迂闊であり、その後いろいろ面倒なことになるのだった。
出発前日にタクシーの予約を入れたのだが、最寄のタクシー会社は、どこも示し合わせたように、すでに予約で一杯だと言うのだ。理由は早朝につき、出勤する車が1~2台だからだという。
これで選択肢は、大きく分けて次の二通りとなってしまった。
1)駐車場の予約をして、出発当日に羽田まで車で行く
2)羽田周辺のホテルを予約して前泊する
ただ当日早朝に羽田までマイカーで行く自信はない。それで急遽、駐車場付きのホテルを探して、前泊予約することにした。
首都高は余り好きじゃない。また暗くなると道が判らなくなるので、午後3時頃に家を出た。ところが途中渋滞で、ホテルまであと3分位という場所で真っ暗闇に…。初めて走る、人っ子ひとりいない暗闇の湾岸道路周辺は不気味だ。いつの間にか道に迷って約1時間も浪費してしまった。
それで結局ホテルに着いたのは午後7時。家を出てから4時間もかかってしまったのである。これでは新潟まで行くのと同じじゃないの、トホホホ・・・。えらい苦労をして勉強させてもらったお陰で、なんと帰りは1時間15分で家へ帰ることが出来たのである。
さて前置きが長くなってしまったが、今回のツアー日程と感想を簡単に記しておこう。
1日目は、JAL便で羽田から広島まで行き、そこから観光バスの旅が始まる。まず宮島口へ、そこからフェリーに乗り替えて安芸の宮島へ渡った。
まもなくフェリーの前方には、大きな鳥居と五重塔が見えて来る。早く間近で拝みたいな。と思っているうちに、あっという間に安芸の宮島に到着してしまった。
宮島の中には鹿がいるが、雄は角を切られているし、雌はバンビのようで可愛い。それに体は小さいしおとなしくて、ほとんどがじっとしている。奈良公園の鹿とは大違いである。この鹿たちは6000年前からここに生息しているという。それにしても、商店街を歩いている鹿を見ていると、なんだか異様な光景に映るよね。
さらに海中に建つ嚴島神社の回廊から眺める朱塗りの大鳥居は、なかなか神秘的であり、さすが日本三景で世界遺産に選ばれただけのことはあった。また凛として水中に佇む能舞台も印象的だ。まさに神々しいとはこのことであろう。
そして食いしんぼうとしては、神社を出たあとに食べた「あなご重」と、出来たての「もみじ饅頭」が、とても美味しかったな。それにしても、「もみじ饅頭」製造機があるなんて初めて判ったぜよ。
宮島を出ると、次は下関にある火の山公園に向かった。ここからは、関門海峡、瀬戸内海、日本海、壇之浦古戦場、巌流島などが見渡せる。うなるほどの絶景パノラマポイントである。ことに夜景が素晴らしいとのことであったが、あいにく早めに着いたため、夜景の代わりに夕日に輝く日本海を見ることで我慢した。
そしてバスは関門橋を渡り、北九州の門司港へと向かう。門司港にてバイキング料理を食ベたあと、イルミネーションが輝く夜の港や、門司港駅周辺のレトロ地区を自由散策する。ちょっと小寒かったが、とても静かでロマンチックな夜であった。
二日目はまた関門橋を渡って下関に戻り、北長門にある角島へ渡る。ここは吉岡秀隆、石田ゆり子等が出演した映画『四日間の奇蹟』のロケ地でも有名で、白い砂浜とエメラルドグリーンの海が美しい。人口はたったの900人であるが、日本第二位の長さ(全長1,780m)を誇る「角島大橋」が実に素晴らしいのだ。残念ながら突然の強風と大雨のため、ゆっくりと島内を見学することが出来なかったのが心残りである。
そして次の秋吉台、秋芳洞まで雨が追いかけてくる。それで秋吉台は、ちらっと眺めただけで、雨の影響のない秋芳洞の中を散策した。ここらは大昔には海だったらしく、いわばこのだだっ広い秋芳洞は、海岸によくある洞窟だったのかもしれないね。
そもそも「秋芳洞」と書いて「しゅうほうどう」と読んでいたらしいが、大正15年に昭和天皇が皇太子の時に本洞を御探勝になり、「あきよしどう」という名前を賜ったものだという。勝手な邪推をすれば、昭和天皇が読み方を間違えたのだが、誰もその間違いを指摘できず、その時から「しゅうほうどう」が「あきよしどう」に変ってしまったのかも?・・・。
角島同様、秋吉台もさらりと眺めただけだったので、別の機会があればゆっくりと散策したいものである。さて我々のバスは、次の目的地「萩」と「松陰神社」へ向かう。いつの間にか雨もあがり、今度はゆっくりと散策できるのが嬉しい。さて全国には「小京都」と呼ばれる町が約50もあるが、「萩」は静かで観光地ずれしていない情緒のある町だと感じた。また「松陰神社」というと世田谷を思い浮かべてしまうが、吉田松陰の生家は萩にあったので、こちらが本家の「松陰神社」なのであろう。このあと萩温泉に泊まって、二日目もおしまいとなった。
さていよいよ泣いても笑っても最終日である。今日は「津和野」と「尾道」であり、いずれも小京都である。津和野の古い町並みは、筆頭家老の屋敷跡がある300mほどの通りだけが見所で、前日の萩と比べるとやや見劣りする。またせっかくの観光通りを、「観光客は邪魔・邪魔」とばかり猛スピードで走り抜ける地元の自家用車がいたのも興ざめした。またこの町のペットは、道路脇の水路に放し飼いをしている「錦鯉」なのだが、狭い水路に幽閉されているせいか、運動不足でぶくぶくと太っているのがおかしかったね。
ついにラストは憧れの尾道である。なぜ憧れているかといえば、大林宣彦監督の「転校生」、「時をかける少女」、「さび しんぼう」の尾道三部作に感動していた時代があったからである。ことに富田靖子主演の「さび しんぼう」にはメロメロであった。
あの山並と坂道、フェリー乗り場、そして富田靖子がピアノで奏でるショパンの「別れの曲」。25年前に観たこの映画のひとコマひとコマが、今でも脳裏に甦ってきて胸が熱くなるのだ。
まずは「朱華園」という老舗ラーメン店で、本場の尾道ラーメンを食べる。有名店なので店内は満員。ちょっと味が濃いが、昔風でなかなかいい味であった。
そしてロープウェイにのって千光寺公園へ。ここの展望台からの大パノラマは、筆舌に尽くしがたいほど素晴らしい。そして下りは少々きついが、「文学のこみち」を徒歩で下っていった。途中、林芙美子や志賀直哉など、尾道にゆかりのある文人達の作品を刻んだ25個の石碑が置かれている。尾道といえば猫で有名だが、この間に見かけた猫は僅かに二匹だけ・・・通った場所がたまたま猫の少ない地域だったのだろうか。
さていよいよ最後に、期待の「おのみち映画資料館」に行ったのだが、どういう訳か大林宣彦監督のオの字もないのだ。尾道出身で「尾道三部作」や「新・尾道三部作」を発表している大林宣彦監督の作品展示が一切ないのはなにかキナ臭い。職員に聞いてみると「大林監督の許可が得られなかった」というのだが、なにかすっきりしないのだ。
あとで調べると、この「おのみち映画資料館」は市営であり、以前の市長と大林監督の仲が悪かったからだという。しかし現在は市長も代わったことだし、そろそろ大林監督作品を展示してもいいのではないだろうか。いずれにしても、尾道で一番期待していたスポットだけに、私にはかなりのショックであった。
こんな感じで、ツアーの三日間はあっという間に終了してしまったが、今回のツアーはなかなか情緒と趣きのある場所が多く、総じて満足できた旅と言ってよいだろう。ただ途中の「大雨」と「おのみち映画資料館」だけはちょっと残念だったな。
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