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2010年12月の記事

2010年12月30日 (木)

バーレスク

★★★★

 田舎町から歌手になりたくて大都会のロスにやって来たアリ。彼女はクラブ・バーレスクでウェイトレスを続けていたが、ある日舞台にあがるチャンスをつかむ。そしてひょんなことから、抜群の歌唱力を披露して一躍スターダムにのし上がる。 
 いわゆるよくあるサクセス・ストーリーである。だがさほど苦労もせずに、あっという間にスターになってしまうし、なにもかもがご都合主義なのが気になるんだね。

Burlesqu
 まあミュージカルではないが、アギレラの圧倒的な歌と踊りを鑑賞するための映画なので、多少ストーリーが単調でも仕方ないだろう。事実彼女のダイナミックな歌声とパワフルなダンスには、鳥肌が止まらならないほど驚嘆した。ただシェールが二曲しか唄わなかったのはちょっともったいないよね。
 この映画では不動産屋のマーカスと、ライバルのニッキが悪役を演じているが、二人とも根っからの悪人ではない。全体的にあっさりしているのだ。ここらがこの映画が余り盛り上がらない原因かもしれない。
 『CHICAGO』、『ドリームガールズ』、『マンマ・ミーア!』、『へアスプレー』などには、ストーリーの面白さのほかに、ジーンと胸を打つ感動があったが、本作にはそのどちらもなかったのが残念である。

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2010年12月29日 (水)

キック・アス

★★★★☆

 渋谷シネセゾンのエレべーター前の混雑をみて、一瞬嫌な予感がした。6階でエレべーターを降りると、やはりチケット売場前は大行列だった。
 なんとか三列目に座ることが出来たが、次々に観客が入場し続け、とうとう最前列まで埋まる超満員になってしまった。219席程度の小さな映画館ではあるが、満員御札状態で映画を観るのは5~6年振りだ。しかも平日の昼なのだから脅威的と言わねばなるまい。
 たかがヒーローオタクのコメディーにどうしてこれほど人が集まるのだろうか。どうにも不思議な気分だが、館内は学生風のカップルが多く、真冬なのに熱気ムンムン状態。一体どれほど面白い映画なのだろうか・・・。

Kickass
 力もなければ金もない、もちろん女子にはモテない。ないないづくしの三拍子が見事に揃った高校生デイヴ。チンピラに殴られながらも、捨て身の活動で人を助けたため、ネット上にそのコスプレ姿が流され一躍人気者となってしまう。
 一方では、ニコラス・ケイジ扮するバッドマン風のビッグ・ダディが、ヒット・ガールを伴ってマフィアたちを懲らしめていた。こちらは本物のヒーローで、ヒット・ガールはなんと小学生の女の子なのである。
 この女の子はビッグ・ダディの一人娘で、小さいときから殺人マシーンの訓練をさせられているのだ。父親がそんなことを娘に教えてどうする、と叫びたくなるのだが、ニコラスだとなんとなく許したくなるんだね。
 そしてこの女の子が凄く可愛いのだ。父親の残酷な命令を全て受け入れて、父親の片腕も努めている。彼女は演技力も素晴らしいし、アクションも実に見事にこなしているじゃないの。

 この映画の魅力は、何といってもこの女の子・クロエ・モレッツと、おとぼけヒーロー・キック・アスとのコラボである。とにかく期待以上の大快作であった。ただし、ちょっとエッチで残酷なシーンがあるため、R12指定になっているので子供は観られないよ。なのにヒロインが小学生でいいのかいな。
 ラストの締め方を観ていると、なんとなく続編が出るような雰囲気だったが、果たしてもう一度クロエ・モレッツちゃんのヒット・ガールを観ることが出来るであろうか・・・。

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2010年12月28日 (火)

最後の忠臣蔵

★★★★☆

 年配の人なら誰でも知っている忠臣蔵だが、それは主君の仇討ちのため、吉良邸に討ち入りするまでのお話であった。ところが本作は、生き残った二人の赤穂浪士の討ち入り後の話なのである。
 一人は討ち入りを後世に伝え、残された遺族に支援金を与える役割を担った寺坂吉右衛門(佐藤浩市)。いま一人は、大石内蔵助の愛人可留と彼女が身ごもった可音を助ける密命を受けた瀬尾孫左衛門(役所広司)である。

Saigo
 二人は共に総帥・大石内蔵助の指令によって、他の46人とは別行動をとったわけであるが、吉右衛門が表舞台で活躍したとすれば、孫左衛門のほうは地味な裏方の任務だった。共に大変な任務ではあるが、実は二人に与えられた役割は、天と地ほどの差があったような気がする。
 吉右衛門は討ち入りにも参加し、その任務にも大義名文があり、出会う人々にも感謝されるばかりだ。ところが孫左衛門のほうは、内蔵助の私的な任務につき、隠密裏に事を運ぶ必要があった。それでやむなく討ち入り前日に逃亡した形をとることになる。また尋ねあてた愛人可留もすぐに病死し、残された赤子が成人になる迄、りっぱに育てあげなくてはならないのだ。
 それで本作では、その瀬尾孫左衛門が本懐(討ち入り)を遂げられず、逃亡した形をとってからの、16年後の生き様を追求してゆくのである。もちろん大石内蔵助も吉良邸討ち入りも、サラリとしか描かれていない。それでいて、悲しくて切ない武士道に生きる男の悲哀が見事に描かれているのだ。
 また配給がワーナーということもあってか、大覚寺の竹林、人形浄瑠璃などの描写は、純邦画の時代劇よりも、さらに日本的美意識に拘っているように感じた。そして武士道についての究極な世界観にも揺るぎがない。余りにも完璧過ぎるというか、全く無駄や遊びがない。そして主役・役所広司さんの迫真の演技や、可音役の新人女優・桜庭ななみちゃんの清楚な美しさもよかった。
 心情的には最後に、ゆう(安田成美)と幸せに収まって欲しかったのだが、それでは単なる「子育て忠臣蔵」で終わってしまう。後味は悪いのだが、ラストをああして武士道を強調することで『最後の忠臣蔵』となり得たのだろう。

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2010年12月24日 (金)

未来医師

 医師のパーソンズは、ある日突然25世紀の未来へタイムスリップしてしまう。そこでは人種の混交が進んでいて、白人社会ではなく黄色人種が支配する世界に変貌していた。

未来医師 (創元SF文庫) Book 未来医師 (創元SF文庫)

著者:フィリップ・K・ディック
販売元:東京創元社
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 また平均寿命は15歳で、廷命するための医療行為が重大な罪とされいたのである。だがこの変態的社会に異を唱える種族もいて、パーソンズは彼等によってタイムスリップさせられたのであった。
 ディックの作品としては、余りにも遅過ぎる翻訳本であるが、読んでいて何となくその理由が理解出来た。つまりありていに言えば、ディック自身がほとんど評価していないほど、彼の駄作の一つだからである。
 確かにストーリー全体の構成がちぐはぐだし、人物描写にも深味がない。だが後半になって、冷凍保存されているコリスをどうしても救えない謎に惹かれた。また過去へのタイムトラべルにおけるパラドックスとのしがらみも巧く描かれているではないか。
 まるでこの後半のために無理やり創ったお話という気がしないでもない。そんなタッチのSF小説であるが、タイムトラべルファンなら、一度読んでおいたほうが良いだろう。

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2010年12月20日 (月)

ベストセラー

★★★☆

 女流べストセラー作家が、盗作したと訴えられるオープニングシーンから始まる。だが彼女には盗作した覚えがない。マスコミはこぞって無意識の盗作と騒ぎ立てる。
 このことによって、彼女はかなりメランコリックになり、新作を書けなくなってしまう。それを心配した編集長の薦めで、一人娘を連れて田舎にある洋館に長期滞在することになるのだが・・・。

Best
 この洋館には幽霊が出現するという。そして娘がその幽霊に取り憑かれてしまうのだ。その時点で早くソウルに帰れば何事もなかったのだが、完成間近の原稿を前にして、この洋館から出るわけにはいかなかった。
 ソウルに帰ってから続きを書けばよいだろう。と考えたくなるのだが、娘がこの洋館の幽霊から聞いた話を書いているので、今ここを動けないのである。
 やっと小説は完成し、またまたこの作品がべストセラーになってしまう。めでたしめでたしで、娘と一緒に風呂に入って幸福感に浸る。
 ところがここまでは、この物語の序章に過ぎなかったのだ。またしてもこの小説が盗作だと騒ぎ立てられるのである。そしてそれから次々と、彼女に不幸が襲いかかってくるのだった。

 なかなかスタイリッシュな作品だが、コリアンホラーらしく、最後の最後まで、かなりしつこくねちっこいよな。またホラーというよりは、スリラーといったほうがピッタリかもしれない。そしてラストには、かなり皮肉ぽいドンデン返しも用意されている。ちょっと残念なのは、経盤の犯人達のオロオロ・ドタバタ劇と、最後まで胸につかえるような後味の悪さかな。

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2010年12月19日 (日)

タイム・オブ・ザ・ウルフ

★★★

 ネットではかなり評価が高いが、私は余り波長が合わなかった。内容が暗過ぎて救いようがないのと、画面も暗くて見難かったからである。

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 ポスターにも選ばれているが、少年が火中に飛び込もうとするシーンが、印象的かつ感動的なのだが、途中よく観ていないと、その意味が判らないままで終ってしまうだろう。こうした不親切さも気に入らないところだ。それが欧州の映画なのだと言われればそれまでだが、とにかく私の肌には合わない。そもそもこの紛らわしいタイトルの意味もよく理解出来なかった。

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2010年12月18日 (土)

キス&キル

★★★☆

 普通のキャリアウーマンが、旅先でイケメン男と運命的な出会いをして恋に落ちる。そしてそのままスピード結婚。それから3年間は幸せな生活を送っていたのだが、夫の誕生パーティーの翌日にショッキングな事実が判明する。

Kisskill
 ビジネスマンと思っていた夫は、元CIAの暗殺者であり、現在は昔の仲間に命を狙われているのであった。といった展開であり『ナイト&デイ』と似たような流れである。それでわざわざ邦題を似たようなタイトルに変更したのだろうか。
 主演はアシュトン・カッチャーとキャサリン・ハイグルで、二人とも『ナイト&デイ』のトム・クルーズとキャメロン・ディアスより、フレッシュでボディーもはち切れんばかり。なかなかお洒落でスピード感溢れる展開には好感が持てる。
 ただ後半になって、次から次へとしつこく出現する敵には食傷気味だ。それも親友や同僚、果ては近所のおじさん・おばさんまでが刺客となると、ラブコメとしては少々やり過ぎの感がある。これじゃまるで『カンフーハッスル』じゃないの・・・。
 どちらかと言えば女性を中心に描いているし、イケメンと美女を堪能しながら、お気楽デート映画として軽いノリで楽しめるかもしれない。ただ僕的には、もう少しまっとうな敵を配備して、ピリリとしたアクション風味を味わいたかったな。

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2010年12月16日 (木)

宮島、萩、津和野、尾道の旅

 羽田に午前7時20分に集合ということなので、5時頃には家を出る必要がある。だが駅行きの始発バスは6時なので、亊前にタクシーの予約をしなくてはならない。結局そこのところが迂闊であり、その後いろいろ面倒なことになるのだった。
 出発前日にタクシーの予約を入れたのだが、最寄のタクシー会社は、どこも示し合わせたように、すでに予約で一杯だと言うのだ。理由は早朝につき、出勤する車が1~2台だからだという。

 これで選択肢は、大きく分けて次の二通りとなってしまった。
1)駐車場の予約をして、出発当日に羽田まで車で行く
2)羽田周辺のホテルを予約して前泊する

 ただ当日早朝に羽田までマイカーで行く自信はない。それで急遽、駐車場付きのホテルを探して、前泊予約することにした。
 首都高は余り好きじゃない。また暗くなると道が判らなくなるので、午後3時頃に家を出た。ところが途中渋滞で、ホテルまであと3分位という場所で真っ暗闇に…。初めて走る、人っ子ひとりいない暗闇の湾岸道路周辺は不気味だ。いつの間にか道に迷って約1時間も浪費してしまった。
 それで結局ホテルに着いたのは午後7時。家を出てから4時間もかかってしまったのである。これでは新潟まで行くのと同じじゃないの、トホホホ・・・。えらい苦労をして勉強させてもらったお陰で、なんと帰りは1時間15分で家へ帰ることが出来たのである。

 さて前置きが長くなってしまったが、今回のツアー日程と感想を簡単に記しておこう。
 1日目は、JAL便で羽田から広島まで行き、そこから観光バスの旅が始まる。まず宮島口へ、そこからフェリーに乗り替えて安芸の宮島へ渡った。
 まもなくフェリーの前方には、大きな鳥居と五重塔が見えて来る。早く間近で拝みたいな。と思っているうちに、あっという間に安芸の宮島に到着してしまった。

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 宮島の中には鹿がいるが、雄は角を切られているし、雌はバンビのようで可愛い。それに体は小さいしおとなしくて、ほとんどがじっとしている。奈良公園の鹿とは大違いである。この鹿たちは6000年前からここに生息しているという。それにしても、商店街を歩いている鹿を見ていると、なんだか異様な光景に映るよね。

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 さらに海中に建つ嚴島神社の回廊から眺める朱塗りの大鳥居は、なかなか神秘的であり、さすが日本三景で世界遺産に選ばれただけのことはあった。また凛として水中に佇む能舞台も印象的だ。まさに神々しいとはこのことであろう。

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 そして食いしんぼうとしては、神社を出たあとに食べた「あなご重」と、出来たての「もみじ饅頭」が、とても美味しかったな。それにしても、「もみじ饅頭」製造機があるなんて初めて判ったぜよ。

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 宮島を出ると、次は下関にある火の山公園に向かった。ここからは、関門海峡、瀬戸内海、日本海、壇之浦古戦場、巌流島などが見渡せる。うなるほどの絶景パノラマポイントである。ことに夜景が素晴らしいとのことであったが、あいにく早めに着いたため、夜景の代わりに夕日に輝く日本海を見ることで我慢した。
 そしてバスは関門橋を渡り、北九州の門司港へと向かう。門司港にてバイキング料理を食ベたあと、イルミネーションが輝く夜の港や、門司港駅周辺のレトロ地区を自由散策する。ちょっと小寒かったが、とても静かでロマンチックな夜であった。

四日間の奇蹟 オリジナルサウンドトラック Music 四日間の奇蹟 オリジナルサウンドトラック

アーティスト:加羽沢美濃
販売元:コロムビアミュージックエンタテインメント
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 二日目はまた関門橋を渡って下関に戻り、北長門にある角島へ渡る。ここは吉岡秀隆、石田ゆり子等が出演した映画『四日間の奇蹟』のロケ地でも有名で、白い砂浜とエメラルドグリーンの海が美しい。人口はたったの900人であるが、日本第二位の長さ(全長1,780m)を誇る「角島大橋」が実に素晴らしいのだ。残念ながら突然の強風と大雨のため、ゆっくりと島内を見学することが出来なかったのが心残りである。

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 そして次の秋吉台、秋芳洞まで雨が追いかけてくる。それで秋吉台は、ちらっと眺めただけで、雨の影響のない秋芳洞の中を散策した。ここらは大昔には海だったらしく、いわばこのだだっ広い秋芳洞は、海岸によくある洞窟だったのかもしれないね。
 そもそも「秋芳洞」と書いて「しゅうほうどう」と読んでいたらしいが、大正15年に昭和天皇が皇太子の時に本洞を御探勝になり、「あきよしどう」という名前を賜ったものだという。勝手な邪推をすれば、昭和天皇が読み方を間違えたのだが、誰もその間違いを指摘できず、その時から「しゅうほうどう」が「あきよしどう」に変ってしまったのかも?・・・。

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 角島同様、秋吉台もさらりと眺めただけだったので、別の機会があればゆっくりと散策したいものである。さて我々のバスは、次の目的地「萩」と「松陰神社」へ向かう。いつの間にか雨もあがり、今度はゆっくりと散策できるのが嬉しい。さて全国には「小京都」と呼ばれる町が約50もあるが、「萩」は静かで観光地ずれしていない情緒のある町だと感じた。また「松陰神社」というと世田谷を思い浮かべてしまうが、吉田松陰の生家は萩にあったので、こちらが本家の「松陰神社」なのであろう。このあと萩温泉に泊まって、二日目もおしまいとなった。

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 さていよいよ泣いても笑っても最終日である。今日は「津和野」と「尾道」であり、いずれも小京都である。津和野の古い町並みは、筆頭家老の屋敷跡がある300mほどの通りだけが見所で、前日の萩と比べるとやや見劣りする。またせっかくの観光通りを、「観光客は邪魔・邪魔」とばかり猛スピードで走り抜ける地元の自家用車がいたのも興ざめした。またこの町のペットは、道路脇の水路に放し飼いをしている「錦鯉」なのだが、狭い水路に幽閉されているせいか、運動不足でぶくぶくと太っているのがおかしかったね。

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 ついにラストは憧れの尾道である。なぜ憧れているかといえば、大林宣彦監督の「転校生」、「時をかける少女」、「さび しんぼう」の尾道三部作に感動していた時代があったからである。ことに富田靖子主演の「さび しんぼう」にはメロメロであった。
 あの山並と坂道、フェリー乗り場、そして富田靖子がピアノで奏でるショパンの「別れの曲」。25年前に観たこの映画のひとコマひとコマが、今でも脳裏に甦ってきて胸が熱くなるのだ。

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 まずは「朱華園」という老舗ラーメン店で、本場の尾道ラーメンを食べる。有名店なので店内は満員。ちょっと味が濃いが、昔風でなかなかいい味であった。

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 そしてロープウェイにのって千光寺公園へ。ここの展望台からの大パノラマは、筆舌に尽くしがたいほど素晴らしい。そして下りは少々きついが、「文学のこみち」を徒歩で下っていった。途中、林芙美子や志賀直哉など、尾道にゆかりのある文人達の作品を刻んだ25個の石碑が置かれている。尾道といえば猫で有名だが、この間に見かけた猫は僅かに二匹だけ・・・通った場所がたまたま猫の少ない地域だったのだろうか。

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 さていよいよ最後に、期待の「おのみち映画資料館」に行ったのだが、どういう訳か大林宣彦監督のオの字もないのだ。尾道出身で「尾道三部作」や「新・尾道三部作」を発表している大林宣彦監督の作品展示が一切ないのはなにかキナ臭い。職員に聞いてみると「大林監督の許可が得られなかった」というのだが、なにかすっきりしないのだ。

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 あとで調べると、この「おのみち映画資料館」は市営であり、以前の市長と大林監督の仲が悪かったからだという。しかし現在は市長も代わったことだし、そろそろ大林監督作品を展示してもいいのではないだろうか。いずれにしても、尾道で一番期待していたスポットだけに、私にはかなりのショックであった。

 こんな感じで、ツアーの三日間はあっという間に終了してしまったが、今回のツアーはなかなか情緒と趣きのある場所が多く、総じて満足できた旅と言ってよいだろう。ただ途中の「大雨」と「おのみち映画資料館」だけはちょっと残念だったな。

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2010年12月13日 (月)

武士の家計簿

★★★★

 幕末の加賀藩で、刃ではなく「そろばんと筆」で戦う武士の物語である。主演が堺雅人ということで、かなりコミカルなお話かと思っていたのだが、これが意外と深刻なドラマだったのだ。
 御算用者とは藩の帳簿を記録する武士で、どちらかと言えば下級武士が多いという。現在ならさしずめ会社の経理部といったところであろう。

Bushikake
 彼等は一般的に、ただパチパチとそろばんをはじき、黙々と帳簿を記録しているだけの存在であったようである。堺雅人扮するところの猪山直之は、六歳のころから難しい鶴亀算を解き、御算用者としても抜群の才覚を発揮していた。
 さらには言われるままに計算と記録をするだけでは飽き足らず、奉行たちの不正を指摘したため、能登に転勤を言い渡たされてしまう。ところが上司たちの不正が明るみに出て、直之はいきなり藩主の目に止まって出世をすることになる。

 だが武士とは、身分が高くなればなるほど、見栄を張らねばならず、出費も増えるという構造的な問題があった。そのため猪山家には、父母が作った借金が山程残っていたのである。
 直之は渋る父母を説得し、自からも武士の面子を捨て、猪山家の借金返済に本格的に取り組むことにした。いわば不用資産の売却と経費削減を行うのである。また同じく財政に苦しむ加賀藩の経費削減にも尽力するのだ。現代流に言えば、彼はかなり有能な経理マンだったのである。
 ただ余りにも仕事に没頭し過ぎて、父親の通夜にさえ自室に閉じ込もってそろばんをはじく姿は、ちょっとやり過ぎではないか。またたった四文のために、嫡男に怪我をさせたり、夜中の河川敷や雨中に放り出すのはいかがなものか。
 直之のこれらの行動は、たぶん現代の若者たちには理解されないだろう。だが昔の父親というものは、皆それ以上に厳しかったのも事実である。実は長男だった私も、子供のときに父によく叱られ殴られたものだ…。一瞬、直之の姿が亡父の姿と重ってしまい、あとは次から次へと涙が落ちてくるではないか。
 主人公の猪山直之は実在した人物だが、脚本のセンスが素晴らしいし、時代考証もなかなかしっかりしている。また幕末という武士にとっては厳しい時代背景。そして単なる倹約ではなく、工夫を凝らした倹約や、必要ならば小さな贅沢は残しておくなど、不透明な現代社会にも通ずる生きざまが面白いのだ。
 若い人には理解出来ない感性かもしれない。だが少なくとも、中年以上の方には是非お勧めしたい一本である。

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2010年12月10日 (金)

SPACE BATTLESHIP ヤマト

★★★☆

 久々の邦画SF大作である。いままでの経験からすると、邦画のVFX大作はチープで期待外れに終る作品が多かった。ところが意外と言っては失札だが、本作はなんとか視覚に耐えられるギリギリのところで、踏み留まっていたと思う。

Yamato
 そして興行的にも、是が非でも成功させようという心意気を感じざるを得なかった。その一つは『宇宙戦艦ヤマト』という題材で、いま一つは主演に『キムタク』を配備したことである。さらには山崎努をはじめ、柳葉敏郎、堤真一、緒方直人、西田敏行、高島札子、黒木メイサといった主役級の大物俳優を惜しげもなく投入している。その賜物か、映画館はかなり盛況であった。

 ただ息つく間もない敵のしつこい攻撃にはやや辟易したが、見方を変えればスビード感溢れる展開とも言えるだろう。それにしては、終盤の「全員脱出と突入」までのシーンは少し鼻についた。おいおいそんなにモタモタしていて地球は大丈夫なの?。それから、キムタクとメイサの「いきなりラブシーン」も必然性が不足気味である。キムタクなら何をしてもいいのかいな。

 さてこの物語の中では、観客に二つのアンチテーゼを提示している。ひとつは、より多くの生命を守り、使命を達成するためには仲間を見捨てることもやむを得ないということ。
 これに関しては、前半キムタクは否定的であったが、責任ある立場につくことにより、やむを得ず考え方を変えてゆくことになる。そしてそのことに対する償いもキチッと果すことになる。まさに武士の魂が宿るのだった。
 もう一つは嘘をついても希望を持たせることが必要だということ。何でもかんでも情報開示の時代だが、やはり失望ばかりの情報では生きる糧にならないからね。

 いろいろ批判の多い映画だが、原作はマンガなのだし、何だかんだと細かいあげ足取りをしていたらキリがない。少なくとも今回はVFXの成功と、興行收益の確保さえ出来ればよいのだ。そして本作に刺激されて、VFXを巧みに使ったコミック実写版の邦画が、今後続々と再登場してくることを祈りたいね。

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2010年12月 4日 (土)

ハリーポッター 死の秘宝part1

★★★☆

 このシリーズは本作を含めて過去に7度上映されているが、私は3回観てこのシリーズから足を洗っていた。それも飛び飛びに観ているため、全体のストーリーの流れがだんだん判らなくなってしまった。

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 それでもあえて再びこのシリーズを観たのは、これでこのシリーズが完結するからである。ところが今回観たのは、その完結編のpart1だという。従って本当のエンディングを観るため、もう一度このシリーズを観なくてはならなくなってしまった。

 第一作では小学生だったハリーポッター役のダニエル坊やも、いつの間にか21歳になり、本作では幻想シーンの中ではあるが、ハーマイオニーとのセックスシーンまであるのだ。いずれにせよ、もうお子様ランチとしてのハリーポッターは限界だよね。

 久々に観たハリーポッターではあるが、まあまあといったところか。続編のpart2は、2011年7月15日に日米同時公開ということだが、早く観たくてしょうがない。作品の良し悪しはべつとして、やはり続編というのは観たくなるものなのである。

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2010年12月 1日 (水)

マリア様がみている

★★★★

 原作は少女コミックで、観客も女子高生ばかりだ。おじさんが映画館に入るには、かなりの勇気が必要だったのである。普通ならこんな映画を観る訳がないのだが、ちょうどその時間には他に観たい作品がなく、優待券が期限切れになる前にどうしても消化しておきたかった。
 それでつまらなかったら途中退席する覚悟で映画館に入ったのだが、これがかなり嬉しい誤算であった。どうしてどうして、なかなか面白いし、ラストはおじさんもウルウル状態だったのである。

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 ストーリーのほうは、まさにバリバリの少女マンガで、最初から最後まで、舞台はお嬢様達が通う名門女子高校の中だけなのだ。そしてあこがれの上級生を「お姉さま」にしたいと願う少女の奮闘記というたたずまいなのである。

 おじさんがまず感動したのは、長い黒髪に古しえのセーラー服、膝下までのスカート、そして純真無垢で清楚な女子高生たちの姿だ。今時の女子高生は、パンツの見えそうな超ミニスカートに、茶髪にぞんざいな野郎言葉というイメ一ジだが、それを見事に180度覆している。
 超ミニや茶髪は、男たちの助平心を刺激するだけで、愛しさや美しさを全く感じない。むしろこの映画に出てくる地味で清楚な女子高生にこそ、女性としての魅力をヒシヒシと感じてしまうのである。
 こんなことを感じるおじさんは、もうとっくの昔に「過去の異物」になってしまったのだろうか。しかしおじさんは信じたい。どのように時が流れても、女は女らしく男は男らしいのが自然の摂理なのだと・・・。

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