虹色ほたる
上下巻を合併しても約500頁程度の小説だが、なぜ上・下二冊に分冊したのだろうか。出版社側の経営判断なのだと思うが、文庫本を二冊合計して1000円を超える価格はちょっと誌者側には厳しいね。だがそれにしても、どの書店にも平積されているところをみれば、かなり売れているのだろう。
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虹色ほたる―永遠の夏休み〈上〉 (アルファポリス文庫) 著者:川口 雅幸 |
さてストーリーのほうだが、夏休みのある日、小学6年生のユウタは、亡父との思い出の残る山奥のダムを一人訪れる。そこでユウタは突然雷雨に襲われ、足を滑らせて気を失ってしまう。気がつくとそこは1970年代の村の中であり、まだダムも作られてはいなかった。
そこにはカブト虫やクワガタ虫がうじゃうじゃ生息し、蛍もたくさん飛び交っている。まさに失われた日本の原風景が目前に展開されていたのだ。そしてその世界では、同年令のケンゾーとの冒険、そして妹のような謎の少女・さえ子との出会いがある。
いずれは元の世界に戻らねばならない運命のユウタは、夏休みを思い切りこの不思議な村で遊びほうけることに決める。そしてやがてやってくる友たちとの別れの日…。
ラストはいきなり10年後の世界だ。そこで感動のクライマックスを迎えることになる。本作は、誰の心の中にも存在するノスタルジーを、甘く切ないオブラートで包んだファンタジー作品と言えよう。
やや子供向けの作品であるが、大人が読んでも十分楽しめるだろう。ただ少し残念なのは、過去にも未来にも亡父が現われないことである。そのあたりも含めて、余りにもべタ過ぎる展開が物足りない。無印良品ではあるが、ファンタジーとしては、もうひと捻りが不足していたのではないだろうか。
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