七瀬ふたたび
★★★
筒井康隆の原作を読んでから、もう10年以上の時が過ぎている。従って細かいあらすじはとっくの昔に消失してしまった。だが乗っている列車の事故を予知して、次の駅で子供と一緒に降りるシーンだけは、なぜか鮮明に記憶している。
ただ脚本のほうは、微妙にアレンジしている感があり、やや辻褄の合わない部分が気になるんだな・・・。 まず刑事に助けられた黒人へンリーが、敵を数人まとめて倒してしまうシーンは全く不要だ。死力を尽したあとにあれだけの能力を発揮出来るなら、最初からそうしていればよかったのである。 また過去にタイムスリップして、パラレルワールドに行ったら、そこには自分自身も存在するのではないのだろうか。本編では過去の自分になり変わってしまうようだが、なり変わられた過去の自分はどこに行ってしまうのか。そのあたりの説明が全くないのは手抜きとしか言いようがない。 さて最初のうちは、おどろおどろしくサイケデリックなイラスト映像を、なかなか巧みな表現だと感じたが、余りにもその手法に頼り過ぎて、かなりチープになってしまった感が否めない。ここらあたりが邦画SF作品の限界なのだろうか。どうしても製作費が足りないのなら、テーマを超能力者たちの「心の葛藤」に置き換えたほうが良かったと思う。 また主人公の七瀬を演じた芦名星は、まさに七瀬のイメージ通りで、ファッションもバッチリ決まっていたが、その他の役者達がパッとしなかったのが残念である。もし興行成績が良ければ、たぶん続編が作られると思われるが、次回作では原作に拘わらず、もう一捻りして欲しいものである。
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» 七瀬ふたたび [LOVE Cinemas 調布]
筒井康隆の作家生活50周年記念映画にして、累計430万部、ドラマ化4度を誇る同名大ベストセラー小説の初映画化。超能力者の苦悩や葛藤、そして彼らの抹殺を企む謎の組織に立ち向かう火田七瀬を描いたSFドラマだ。主演は『猿ロック THE MOVIE』の芦名星。共演に『すべては海になる』の佐藤江梨子、『ラブコメ』の田中圭、吉田栄作、平泉成と若手とベテランが揃う。監督は小中和哉。... [続きを読む]
受信: 2010年10月12日 (火) 23時07分
» 七瀬ふたたび THE MOVIE [やっぱり邦画好き…]
人の心を読む美しき能力者の活躍を描き、熱狂的なファンを獲得し続けている不朽のSF小説「七瀬ふたたび」。筒井康隆の最高傑作のひとつであり、《七瀬三部作》(「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」)のなかでも中心となる作品として、何度もTVドラマ化されるなど人気を博してきたが、これまで一度も映画化されたことがなかった。その「七瀬ふたたび」が、出版から35年の時を経て、満を持して初の完全映画化される...... [続きを読む]
受信: 2010年10月13日 (水) 00時13分
» 『七瀬ふたたび』 [浮浪雲のように]
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人の心を読むことができるため、子供の頃から異分子として疎んじられてきたテレパス能力者七瀬の元に、同じ悩みを持つ能力者が自然に集まり、グループを形成する。いっぽう彼ら能力者を危険分子として捉え、日々抹殺活動する秘密組織が存在しており、七瀬のグループも狙われ始める。七瀬は彼らのリーダーとして、抹殺組織から逃れるため、痕跡を消して北海道で静かに暮らそうとしていた。
ところが、そうした懸命な努力にもかかわらず、抹殺組織の執拗な追跡により七瀬たちは..... [続きを読む]
受信: 2010年10月13日 (水) 21時07分
» 七瀬ふたたび [象のロケット]
人の心を読むテレパシー能力を持つ七瀬は、同じテレパスである7歳の少年ノリオと、テレキネシス(念動力)の持ち主である黒人青年ヘンリーと3人で、北海道の湖畔の家で暮らしていた。 マカオのカジノで生活費を稼いで帰る途中、七瀬と現地で知り合った瑠璃は狙撃者に狙われる。 謎の組織がエスパー(超能力者)狩りを始めていたのだ…。 SFファンタジー。... [続きを読む]
受信: 2010年10月13日 (水) 22時38分
» 七瀬ふたたび [単館系]
原作はは読んでいませんが、NHKドタマ8でやっていた七瀬ふたたびは
観ました。
このドラマを見て、おお、これは面白い!と思って、録画まして
DVDイメージまでちゃんと作ったのに面倒なので焼くのを後回し...... [続きを読む]
受信: 2010年11月17日 (水) 01時14分
» 七瀬ふたたび [だらだら無気力ブログ]
これまでにも何度もドラマ化されてきた筒井康隆の人気SFを『シルク』の 芦名星主演で初の映画化。未知能力を持つゆえに人目を忍んで生きてきた ヒロインが、同じように特殊な能力を持つ者たちと出会い、彼らを抹殺しよう とする謎の組織に立ち向かっていく姿を描く。 …... [続きを読む]
受信: 2010年12月 5日 (日) 23時31分
» 七瀬 ふたたび [映画、言いたい放題!]
筒井康隆氏の作品の大ファンです。
その映画化となると、
やはり気になるわけですよ。
なかなか当たりには会えませんが、
アニメの「時をかける少女」は大変よかったです。
今回は人気シリーズの映画化。
芦名星さんが、ヒロイン。
どうなんでしょう?
でも観てみないとね。... [続きを読む]
受信: 2011年6月17日 (金) 00時16分
» 【映画】七瀬ふたたび…映像化はたびたび [ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画]
追い詰められて、実に面白くないサブタイトルを付けてしまった事を許してほしいピロEKです。
…しかし筒井康隆って断筆してもこんな感じで食いっ逸れないんだろうなぁ
と、映画の話を既に始めちゃった感がありますがまずは近況報告。
2011年7月9日(土曜日)は夜勤明...... [続きを読む]
受信: 2011年7月12日 (火) 23時30分
コメント
しょーすけ さんコメントありがとう
やはりチープに感じましたか。
メジャーではないので、製作費がないのは仕方ないとして、もう少し心理的な駆け引きを挿入してもよかったと思いますね。仰る通り「芦名星」だけは良かったですね。
投稿: ケント | 2010年10月16日 (土) 15時12分
KLYさんいつもありがとう
僕も原作を読み返しましたが、列車の中のシーンはもっと心理的な葛藤が凄まじいですよね。映画は単なるシーンで全くその辺りはパス状態なのが気になりますね。あの心理駆け引きは別段製作費がかかる訳ではないので、原作以上に細かいやり取りを挿話してもよかったくらいだと思いますね。
投稿: ケント | 2010年10月16日 (土) 15時09分
初の映画化ということで期待して観て来ました。
予算が少ないのか映画と思えないしょぼい場面にちょっとがっかりしましたね。
主役の七瀬役の芦名星は良かったのですけど。
投稿: しょーすけ | 2010年10月13日 (水) 21時05分
現在進行形で原作を読んでいるところなんですが、ちょっとこの映画版は酷いかな…。
余りにも安っぽいですよ。超能力ものってやっぱり見せ方だと思うのですよね。苦笑するしかないような映像を出すぐらいなら予算もうちょっと集めようよプロデューサー!って感じでした。^^;
投稿: KLY | 2010年10月12日 (火) 23時23分