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2010年8月13日 (金)

武士道残酷物語

★★★☆

 時代劇だと思っていたら、いきなり救急車が女性を病院に運ぶシーンで始まった。予告編なのかと思ったが、やがて主演の中村錦之助が現代人として登場する。何か変だなと思っていると、彼の先祖の回想シーンとなり、やっと舞台は戦国時代に変っていた。

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 そしてストーリーは、先祖六代に亘るオムニバス方式として展開するのである。そして7人の主役は全て錦ちゃんが演じるのだ。モノクロ時代にしては画期的で斬新なアイデアである。
 監督は『また逢う日まで』、『ひめゆりの塔』などで何度もブルーリボン賞を受賞している社会派映画監督の今井正で、本作もべルリン映画祭グランプリに輝いている。
 原作は南條範夫の『被虐の系譜』であるが、それにしてもケバイタイトルをつけたものだ。タイトルからはキワモノ的な臭いがプンプンする。だが当時、ヤコぺッティの『世界残酷物語』が大ヒットし、残酷ブームが爆発していたことから、興行面での配慮があったのだろう。
 錦ちゃんは本作でブルーリボン賞主演男優賞を頂いているが、さすが小姓から老人まで、きどりのない七変化の演技力は大したものである。おそらく現代の時代劇俳優では、彼を凌げる者は皆無であろう。

 さて七話のうち、五話は藩主に対する武士の「異常な忠義心」を描いているのだが、かなり暗く重く心にのしかかる。そこまでする必要があるのか、と思うような執拗な展開に少し辟易するかもしれない。
 そして家訓として、武士たる者は主君のためには、死ぬことも覚悟しなくてはならない」という葉隠の一節が、何度も主人公のセリフとして発せられるのだ。ところが彼の上役たちには、そんな武士道よりも自已保身しか見えてこない。なんだか、主人公一人が空回りしているようで滑稽である。
 さらには天皇の戦争責任を示唆しながら、現代サラリーマン社会の構図をオーバーラップさせている。実に判り易いのだが、かなり強引で極論的な発想であり、ある意味大人のマンガと言ってもよいかもしれない。結局は、大左翼・今井監督のプロパガンダ映画だったのだろうか…。

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