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2010年8月15日 (日)

切腹

★★★★☆

 1962年製作だから、約半世紀も昔に創られた時代劇である。モノクロで舞台の大半が井伊家の中であり、わずか半日の出来事にもかかわらず、実に見応えのある作品に仕上っている。数々の欧州映画賞を受賞した小林正樹監督の作品の中でも、本作が最高の出来ではないだろうか。

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 ある日、井伊家の玄関先で切腹させてくれという、奇妙な申出をする浪人が現われる。この浪人の名は、津雲半四郎といい、食いつめた挙句に、最後は武士らしく死にたいというのだ。
 家老の斎藤は、以前にも同様のゆすりたかりが来たことを知っている。それで、そのときの悲惨な模様を話し、もうこのまま帰ってくれ、帰らねば本当に切腹するハメになると諭すのだが、津雲半四郎は切腹の儀を取り消さない。そしてとうとう中庭で切腹の儀が行われることになってしまう。

 だが本当の話は、この井伊家の中庭から始まり、ここを中心に、過去の話がさざ波のように押し寄せてくる。そこに人間の情念がメラメラと燃え続け、少しずつ謎が解明してゆくのである。実に見事な構成ではないか。
 そしてラストの殺陣も凄まじい。ややスピード感には欠けるものの、実戦を意識した力強さは脅威的ともいえる。
 そしてキャストが素晴らしい。ことに津雲半四郎役の仲代達也と、家老役の三國連太郎の掛け合いが見事。また、井伊家随一の使い手・沢潟彦九郎(丹波哲郎)との一騎討ちも迫カ満点である。これこそ本物の時代劇といってよいだろう。

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