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2010年8月の記事

2010年8月30日 (月)

カラフル

★★★★☆

 なぜだかよくわからないが、死んだはずの主人公の魂は、自殺した中学生・真(まこと)の体の中にホームステイすることになる。そして主人公が、生きる勇気を見つけるまでの思春期の葛藤を、独特なタッチのアニメーションで描いてゆく。
 不倫あり、援助交際あり、玉電オタクあり、であきらかに大人向けのア二メなのに、何を勘違いしたのか小さな子供を連れた母親が入場してきたときは首を捻ってしまった。

Cala
 原作は直木賞作家・森絵都のベストセラー小説だというが、まだ未読につき今のところ比較は出来ない。さすがに内容がしっかりしていて、単純なアニメとは一味違っている。是非早々に原作を読んでみたいね。
 自分にも覚えがあるが、いつの時代でも、友だちはありがたいものであり、ことに青春時代に友だちから受ける影響は計り知れない。そして友だちと同じ高校を目指して共に勉強し、二人とも合格したときの感動は永遠に忘れられないものである。
 そんなことを思い出したら、とめどなく涙が溢れ出してくるのだ。うめき声が聞こえるので振り返ったら、後方の座席に座っている男子高校たちが号泣しているではないか。こんな光景ははじめて観た。本当にみんな同じことを考えているんだね。僕も高校時代に友だちとつるんで、よくたい焼き屋へ行ったことを思い出し、一瞬心だけが青春時代にタイムスリップしてしまった。
 人はいろいろなカラーを持っているはず。だからある一面だけで判断しなければ、いろいろな可能性が見えてくる。とにかく人生とはカラフルなものなのだ。
 実に含蓄のある言葉だね。ちょっと見方を変えれば、あんなに嫌いだった家族や友人たちも、本当はとても優しい存在なのだということに気付くこともある。
 写真のような重厚な背景、懐かしい音楽、違和感を感じさせない俳優たちの声。そしてスクリーンを包み込む青春の甘酢っぽい香り、どれをとっても全て良し。とにかく久々に感動したな。

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2010年8月28日 (土)

べスト・キッド

★★★☆

 1985年公開の名作『ベスト・キッド』のリメイク版なので、余り気が進まなかったが,ジャッキー・チェンが出るというので観る気になったのである。珍しく静かで控えめなジャッキー・チェンのたたずまいに好感を持った。またオリジナル版の要素を継承しつつ、現代的なストーリー構築した手腕は実に見事である。

Bestkid_2
 紫禁城、万里の長城、そして山頂に建つ寺などの映像は超美麗だし、アクションシーンも文句のつけようがないほど完成度が高いのだ。もしかするとオリジナルを超えていたかもしれない…。
 ただ残念なことに、ヒロインの少女がいまひとつ可愛くなく、彼女が登場するたびにテンションが下がるのである。英語の出来る少女という要件があったのかもしれないが、もう少しなんとかならなかったのか。
 それから主人公のジェィデン君が小さくて細過ぎる。彼がかなり頑張ってカンフーの型を覚えたことは誉めてやりたいが、あの体で強敵をなぎ倒してゆくにはちょっと無理があるよな。
 つまりヒーローとヒロインを演じる俳優に魅力がないということであり、これはかなり大きな減点項目ではないだろうか。実に残念であり、これがオリジナル越え出来なかった最大の理由かもしれない。  

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2010年8月26日 (木)

悪い奴ほどよく眠る

★★★★

 まずオープ二ングの結婚式で度肝を抜かれる。足に障害を持つ花嫁の登揚。司会者である課長補佐の逮捕。飛び降り自殺があったビルの形をしたウェディングケーキ。そして公団副総裁、部長、課長たちの動揺のうちに式は終わるのである。

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 副総裁の娘婿になった西幸一(三船敏郎)は、一躍重役秘書となり、将来の出世が見えるポジションを手に入れる。この障害者の花嫁・佳子(香川京子)は、清楚で純真な心を持っている。だが結婚以来、いまだに夫と床を共にしたことがない。彼女は夫と結ばれることを心待ちにしているのだが、夫は毎日忙し過ぎてとりつくしまがないのである。
 やがて佳子のうぶで純な心は、西の心を打つようになるのだが、どうもタイミングが良くない。観ているほうもだんだんイライラし、彼女が可愛そうになってくる。香川京子のたたずまいがそう感じさせるのか、ここらの描き方が実に巧いのだ。
 一方主役の三船のほうは、いまいち悪人に徹しきれず、なにか中途半端な存在に終ってしまったが、義父の副総裁を演じた森雅之の演技力はまさに本物であった。彼こそが本作品では真の主役だったに違いない。

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2010年8月25日 (水)

キャタピラー

★★★☆

 若松孝二監督独得の視点から創られた反戦作品であるが、寺島しのぶの体当たり演技がなければ成立しなかっただろう。当然のように彼女は、べルリン映画祭で最優秀女優賞に輝いている。

Cata_2
 大平洋戦争のさなかに、四肢を失い顔は焼けただれ、耳も聞こえずしゃべることも出来ないという状態で戦場から戻って来た久蔵。そして彼を介護する妻のシゲ子の葛藤と愛憎の日々を描いている。
 舞台は北国の小さな村の中だけというより、ほとんどが古い農家の部屋の中ばかり。だからと言って会話劇でもない。だって久蔵は聞こえない、しゃべれない状態なのだから…。

 低予算映画であるが、寒村の風景と芋虫のような久蔵の体付だけは、丁寧に映しあげている。だが本当非常に気の毒な状況にあるこの戦傷者に対して、余り憐憫の情が沸いてこないのだ。
 理由は彼の異常な食欲と性欲にある。そのうえ、戦地に赴く前から、妻を虐待していたこと。そして戦地でも、中国人女性を犯しまくっていたことが、「自業自得」という雰囲気を作り上げてしまったからである。
 軍神と崇められ、勲章を三つ貰った久蔵だが、本当にお国のために働らいていたのだろうか。ただ敵国の女を犯しまくっていただけではないのか。それが戦争だと主張したいのだろうか、戦争を知らない私にはよく理解出来ない。
 この映画は本当に反戦をテーマにしたプロパガンダ映画なのか、それとも戦争という背景を利用したエログロ映画なのか、レベルの低い私にはよく分からなかった。

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2010年8月23日 (月)

きな子~見習い警察犬の物語

★★★

 未熟な訓練士アンコ(杏子)と、きな紛色の見習い警察犬(きな子)の友情物語であり、香川県での実話を基に描いているという。犬が主人公の映画は、いつもストーリー展開は判りきっているのに泣かされる。本作も全くその域を出ていず、やはりこりずに大泣きしてしまった。だがその判りやすさが良いのである。犬映画はいつも安心して観れるし、観終わったあとに優しい気持ちになるからだ。それで夏休と重なって、館内はお子様たちで超満員である。

Kinako
 この映画を観て、警察が所有し使用する直轄犬のほかに、民間が訓練して警察のテストを受けて合格すれば、非常勤の嘱託警察犬がいるとが判った。この映画のきな子は嘱託警察犬を目指している犬である。
 さて警察犬のテストは、当然のことながら、嗅覚テストがかなり重要なポイントになるらしい。犬の嗅覚は人間の4干倍~6干倍だという。これはもう超能力としか言いようがないよね。
 警察犬といえば、シェパードのイメージが強いが、この映画で主役を張ったきな紛色のワンちゃんは、ラブラドール・リトリーバーでとても印象的であった。
 また所長の娘・新奈を演じた大野百花ちゃんの小生意気な演技はなかなかであり、何度も苦笑させられてしまったな。あの子将来は怪物女優になるんじゃないの。

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2010年8月21日 (土)

狂暑の8月を乗越えたい

 暑い暑い暑い暑い、熱い熱い熱い熱い、あちちちちちちちち~!!!
 なんで今年の8月はいつまでも暑さが衰えないのだ。例年なら海はとっくにおしまいで、そろそろ秋風の漂い始める時期なのに、毎日毎日「熱中症」で倒れてゆく人があとをたたない。そして一昨日は、東京都区内に住む20代の男性が、自宅で熱中症で死亡していたという。クーラーが障害となる話は聞いたことがあるが、ついにクーラーがないと生きていけなくなってしまったのである。

 気象庁が、熱帯夜日数の調査を始めて以降、東京では1994年の47日が最も多く、今年は昨日までの段階で37日と、歴代7位の記録になった。今後も暑い日が続き、東京では、熱帯夜の日数が観測史上1位の47日を超えるのは間違いないだろう。

Katu
 よくインドでは日中50度を超えるというが、日本の都市圏での38度は、コンクリートの照り返しやクーラーからの熱風を考慮すれば実質50度近いかもしれないのだ。テレビでは、この猛暑が延々と続く原因は「ラニーニャ現象」の影響だと判ったような分からないような説明をしている。だが本当は宇宙人の仕掛けた猛暑爆弾の影響ではないのかと言いたくなってしまうよね。

 この暑さの影響で、私自信も体調を崩して何度か病床に伏すことになってしまった。最初は氷水を毎日ガバガバ飲み続け、夜は裸のままクーラーを付けっ放しで寝てしまったのが原因となり、真夜中からお腹がパンパンに張って重苦しくて寝られなくなってしまった。それで医者に行ったら急性胃腸炎と盲腸炎だと言われ、抗生物質を飲んで約10日間安静の日々が続いた。

 だいぶ回復してきたのでプールに行き、いい年こいてウォータースライダーで思い切り滑って、水中着地に失敗し、耳と鼻から大量の汚水を飲む羽目になってしまったのだ。とほほほほ。翌日友人と新宿でランチをしビールを飲んで、炎天下を歩いたのが悪かったのか、家に帰ると急に体がだるくなり、めまいと体中の関節がキリキリと痛み始めた。その時熱は37.5度。寝れば治るだろうと、コンタックを服用し普段より早めに寝た。

 ところが翌朝になって悪寒がするので熱を測ったら、なんと38.5度に上がっているではないか。平熱36.0度の私にとっては40度以上の高熱と変わらないのだ。そして喉が異常に腫れていて痛くてしようがない。それでしばらく休んでから、また医者に行くことにした。咽頭炎とのことで、お尻に超痛い注射をして、また抗生物質のお世話になることになってしまったのである。

 それから3日経って、やっと熱が下がってきたが、まだまだ完全回復には程遠い。それにしても懲りないおじさんぶりに、我ながらあきれてしまう。この二回の病気によって二回約束を反古にしてしまった。さらには来週予定していた旅行もキャンセルしてしまったのだ。これでいろいろな人に迷惑を掛けて、金も無駄に捨ててしまった。反省しかりで、当面は禁酒・禁煙でじっと部屋の中で静かに潜んでいるしかないだろう。

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2010年8月19日 (木)

ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー

★★★

 地獄の子ヘルボーイシリーズの第二弾。今回は、魔界の王子と伝説の黄金騎士団との戦いが中心となる。従って、ヒーローものというより、完全に幻想的ファンタジー作品として仕上っているようだ。
 前作同様、監督は『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロで、やはり彼にはファンタジーがお似合いである。従って登場する魔物は、オリジナリティーに溢れていて素晴らしいし、その幻想的な映像に魅了される。

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 ただファンタジーとへルボーイの世界観に、どうもズレを感じてしまうのだ。またへルボーイ自体に全く魅力を感じないのは私だけであろうか。
 死神がテスに残した「世界崩壊」の意味は?。そしてへルボーイ二世の誕生へと話は続いてゆく。従ってさらに続編の予定があるのだろう。そのあたりのストーリーの行く末は非常に興味深いのだが…。

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2010年8月15日 (日)

切腹

★★★★☆

 1962年製作だから、約半世紀も昔に創られた時代劇である。モノクロで舞台の大半が井伊家の中であり、わずか半日の出来事にもかかわらず、実に見応えのある作品に仕上っている。数々の欧州映画賞を受賞した小林正樹監督の作品の中でも、本作が最高の出来ではないだろうか。

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 ある日、井伊家の玄関先で切腹させてくれという、奇妙な申出をする浪人が現われる。この浪人の名は、津雲半四郎といい、食いつめた挙句に、最後は武士らしく死にたいというのだ。
 家老の斎藤は、以前にも同様のゆすりたかりが来たことを知っている。それで、そのときの悲惨な模様を話し、もうこのまま帰ってくれ、帰らねば本当に切腹するハメになると諭すのだが、津雲半四郎は切腹の儀を取り消さない。そしてとうとう中庭で切腹の儀が行われることになってしまう。

 だが本当の話は、この井伊家の中庭から始まり、ここを中心に、過去の話がさざ波のように押し寄せてくる。そこに人間の情念がメラメラと燃え続け、少しずつ謎が解明してゆくのである。実に見事な構成ではないか。
 そしてラストの殺陣も凄まじい。ややスピード感には欠けるものの、実戦を意識した力強さは脅威的ともいえる。
 そしてキャストが素晴らしい。ことに津雲半四郎役の仲代達也と、家老役の三國連太郎の掛け合いが見事。また、井伊家随一の使い手・沢潟彦九郎(丹波哲郎)との一騎討ちも迫カ満点である。これこそ本物の時代劇といってよいだろう。

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2010年8月13日 (金)

武士道残酷物語

★★★☆

 時代劇だと思っていたら、いきなり救急車が女性を病院に運ぶシーンで始まった。予告編なのかと思ったが、やがて主演の中村錦之助が現代人として登場する。何か変だなと思っていると、彼の先祖の回想シーンとなり、やっと舞台は戦国時代に変っていた。

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 そしてストーリーは、先祖六代に亘るオムニバス方式として展開するのである。そして7人の主役は全て錦ちゃんが演じるのだ。モノクロ時代にしては画期的で斬新なアイデアである。
 監督は『また逢う日まで』、『ひめゆりの塔』などで何度もブルーリボン賞を受賞している社会派映画監督の今井正で、本作もべルリン映画祭グランプリに輝いている。
 原作は南條範夫の『被虐の系譜』であるが、それにしてもケバイタイトルをつけたものだ。タイトルからはキワモノ的な臭いがプンプンする。だが当時、ヤコぺッティの『世界残酷物語』が大ヒットし、残酷ブームが爆発していたことから、興行面での配慮があったのだろう。
 錦ちゃんは本作でブルーリボン賞主演男優賞を頂いているが、さすが小姓から老人まで、きどりのない七変化の演技力は大したものである。おそらく現代の時代劇俳優では、彼を凌げる者は皆無であろう。

 さて七話のうち、五話は藩主に対する武士の「異常な忠義心」を描いているのだが、かなり暗く重く心にのしかかる。そこまでする必要があるのか、と思うような執拗な展開に少し辟易するかもしれない。
 そして家訓として、武士たる者は主君のためには、死ぬことも覚悟しなくてはならない」という葉隠の一節が、何度も主人公のセリフとして発せられるのだ。ところが彼の上役たちには、そんな武士道よりも自已保身しか見えてこない。なんだか、主人公一人が空回りしているようで滑稽である。
 さらには天皇の戦争責任を示唆しながら、現代サラリーマン社会の構図をオーバーラップさせている。実に判り易いのだが、かなり強引で極論的な発想であり、ある意味大人のマンガと言ってもよいかもしれない。結局は、大左翼・今井監督のプロパガンダ映画だったのだろうか…。

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2010年8月12日 (木)

ソルト

★★★★

 ウォンテッド以来、久々にアンジーのアクションを観た。6人の子育てをして、かなりやつれたアンジー。もう年令的にもアクションは無理かと思っていたのだが、なかなか大した女性ですな。往年のキレとセクシーさはやや薄れたものの、頭を使ったアクションを披露してくれたのが凄い。

Salt
 本作はスパイ映画であるが、前半は北朝鮮でのリンチや、ケネディ暗殺事件などの背景が映し出され、かなりシリアスなスパイ映画なのかと思った。ところがである。アンジーがパンティーを脱いで、監視カメラにかぶせるあたりから、急にいろいろと忙しくなり始めた。

 CIA本部からの脱出、高層ビルの外壁移動、トラックの屋根へダイビング、ロシア大統領暗殺、パトカー暴走ジャンプ、味方の精鋭部隊皆殺し、ホワイトハウス潜入、降下するエレべーターへの大ジャンプと、息つくまのない派手なアクションシーンが次々と続いてゆく。アンジーの本領発揮、アンジーにしか許されない女優アクションシーンのオンパレードとなる。
 だがこの映画はそれだけでは終わらない。一転・二転して更に大ドンデン返しが控えていた。スパイのスパイがあちこちにゴロゴロしているのだ。一体誰を信じたらいいのだろうか。インセプションの多重構造の夢同様、これは多重構造のスパイ映画という展開なのである。
 ちょっとくどい感もあったが、どちらにせよ、アンジーだから良いじゃないか。そんな雰囲気が漂う「アンジー映画」であった。確かにアンジーファンなら必見の一本であろう。

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2010年8月 9日 (月)

GOEMON

★★☆

 評判の悪かった『キャシャーン』の紀里谷和明監督が、5年振りに満を持して放った「異聞・石川五右衛門」、といった雰囲気の豪華絢爛絵巻である。紀里谷監督は写真家出身なので、いつも映像表現にこだわるのだが、はっきりいってあのギラギラ映像は大嫌いだ。

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 通常、石川五右衛門は、百地三太夫の弟子ということになっているはずだが、本作では服部半蔵の弟子になっている。また三太夫の命令で信長の首を狙っていたはずだが、逆に信長を慕い、秀吉を憎むという構図なのである。

 さらに淀君が秀吉と敵対し、石田三成は秀吉暗殺を企んでいる。さらに秀吉は、光秀をだまして本能寺で信長を討たせ天下をとる。というとんでもないスト一リー展開なのだ。
 新解釈というよりは、これはもうパラレルワールドでの出来事、といったほうがよいかもしれない。それほど荒唐無稽で奇想天外なストーリーであった。そのうえ冒頭に述べたようにギンギラギンの映像である。
 ある意味チャレンジ精神旺盛な新感覚映画と誉めたい気もするが、どうしても先日観た市川雷蔵の『忍びの者』と比較してしまうのだ。となるともう話にならないくらい駄作としか写らない。

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2010年8月 8日 (日)

キングス&クイーン

★★★★

 エマニュエル・ドゥヴォス演じるノラは、三度目の結婚を目前にし、愛する父親が末期ガンで倒れ愕然とする。彼女には一人息子がいるが、現在父親に預けている。

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 この息子は最初の夫との間に生まれた子で、父親はお腹の中にいるときに死亡したため、父親の顔を知らない。従って2人目の夫を父親のように慕っているのだが、3人目の父親になる男には全くなつかないのだ。
 それで困ったノラは、精神病院に入院中の前夫イスマエルを探し出し、息子を養子にしてくれと頼む。勝手にイスマエルの元を離れて、行方をくらましていたのにである。この彼女の独断と偏見と、一人よがりには呆れてものも言えない。
 フランス映画には、こうした理解し難い主人公がよく登場する。それが面白いのだという人もいるが、私には納得出来ない感性である。タイトルのキングスは、三人の夫と父親のことだろう。そしてもちろんノラが、四人の男達を翻弄する女王様なのである。
 150分とかなり長い上映時間にもかなり辟易したが、終盤の逆転サヨナラホームランによって、この作品の評価が一気に上昇してしまった。これもまたフランス流であろうか。

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2010年8月 7日 (土)

恋する彼女、西へ

★★★

 キャリアウーマンの杉本響子は、広島へ出張するのだが、そこで原爆投下直前の広島から、現代の広島へタイムスリップしてきた青年将校・谷田貝亨とめぐり合う。そしてとまどう谷田貝を助けているうちに、二人はいつの間にか愛し合ってしまうのだった。

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 タイムトラべルを利用したラブ・ファンタジーでは、よくあるパターンである。映画化されたものでは、古くは時任三郎、原田知世の『満月、また現在上映中の『ちょんまげプリン』などがある。
 本作は上映館も少なかったし、なかなかDVD化もされなかった。はじめはその理由が判らなかったのだが、本作を観てからいろいろ調べたら、広島のご当地映画で自主製作に近い環境だったことが判った。きっとそれがDVD化を遅らせた原因なのだろう。

 映像の荒さ、登場人物の少なさ、過去の映像の少なさなど、確かに映画を観れば、すぐに低予算であることが判る。だからといって、決して内容が貧弱な映画ではない。また原爆という暗い記憶に、少しでも公明を与えようとする気持ちが伝ってくる。
 ところで、鶴田真由が演じる杉本響子は33才、これは文句ないのだが、21才の谷田貝亨を30代の池内博之が、演じていたのにはかなり抵抗がある。いくら昔の人が老成しているといっても、ちょっとなあ。従って、青年将校の初々しさが全く感じられなかった。これが致命的だね。
 もし小林桂樹の存在がなかったら、どうにもならない作品で終わっていただろう。小林桂樹は、あと数年で90才に届く。ただ黙って立っているだけで人を感動させる凄い存在感に、思わず身震いしてしまった。

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2010年8月 5日 (木)

インセプション

★★★

 他人と夢を共有し、潜在意識の中に侵入し、他人のアイデアを盗んだり、夢の中で他人に意識を植え込んでしまう特殊な産業スパイのお話。主演のコブにレオナルド・ディカプリオ、謎の日本人フィクサー・サイトウに渡辺謙というキャスティングが売りである。

Inception
 夢の中に侵入するという映画は、とくに目新しい企画でもなく、名作としては『マトリックス、邦画でも『悪夢探偵』が上映されている。ただこの作品では、夢が多重構造になっていて、夢の中の夢の中の夢をみるという仕組みなのだ。
 そしてそれらの夢は、かなり現実に近いため、何が現実で何が夢なのか判らなくなってしまう。難解なシナリオであるが、論理的に整備されたアカデミックな作風でもない。またエンターティンメントでありながらも、余り派手なアクションシーンもなく、かなり退屈だったことは否めない。
 こうしたテーマの深い作品は、単発映画には不向きである。2時間半という長い上映時間がその証拠である。この2時間半が上映時間の限界点だからだ。
 本来であれば6時間以上かけなければ、この作品本来の持ち味は、十分発揮することは出来ない。だからといって興行的に2~3部作にするわけにもゆかず、無理やり一本に押し込んだ結果、中途半端な作品に終ったのではないだろうか。
 この映画の最大の見所は建物が上下左右に歪んでゆくシーンであるが、それはすでに予告編で鑑賞済みなので、大きな驚きもなかった。だからといって、これだけの大作をDVDで観てもつまらない。なにか歯切れがよくないが、やはり劇場にて鑑賞するしかないのだろうね。 

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2010年8月 2日 (月)

イン・ザ・ベッドルーム

★★★★

 社会派サスペンス・ドラマであるが、なぜこのようなタイトルになってしまったのか。たぶんラストに主人公がある事をなし終えて、疲労感を漂わせ夜明前の寝室に戻ってくるシーンを象徴したのだろう。
 大学生のフランクは、アルバイト先で、年上の女ナタリーと知り合い夢中になってしまう。だが彼女は二人の子持ちで、亭主と別居中であるが、いまだ正式に離婚していなかった。

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 そのことが原因でフランクは、ある日亭主のリチャードと言い争いとなり、彼に拳銃で射殺されてしまうのだ。そのときナタリーは、子供たちと共に2階に避難しており、殺害現場を直接見ていた者がいなかった。それが致命的になり、終身刑と思われていた判決が覆される。なんと「事故死」と判定され、執行猶予付の短期間懲役という信じられない判決が下るのだ。

 この判決に不満を訴える両親のマット・ファウラーとルースだったが、すでに下された判決を覆すことは不可能である。その日から妻のルースは、夫のマットと口を聞かなくなり、二人の仲はだんだん険悪になってくる。
 絶望の日々を送る二人が救われる日は、もうやってこないのか…。そんなある日、マットは意を決して、あることを決行するのだった。
 とにかく、暗く重いものがのしかかってくるような作品であり、ラストの後味も悪い。もう少し何とかならなかったのか。それにしても老夫婦の葛藤演技は、まさに現実そのものであり、人生経験の長い観客ならば、きっと深く胸をえぐられてしまうだろう。映画の出来自体は素晴しいのだが、何度も観たくなる映画ではないことも確かである。

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2010年8月 1日 (日)

地上5センチの恋心

★★★★

 10年前に夫と亡くしたオデットは、ゲイで美容師の息子と、男まさりの恐怖のフリター娘の三人で暮らしている。彼女は昼は百貨店の売子、夜は羽飾りの内職をしながらも、明るく暮らしていた。
 それは大ファンの作家・バルタザールの小説を読むことで、元気づけられていたからである。ある日、彼女はこのあこがれのバルタザールのサイン会に行くが、興奮のあまり口もきけなくなってしまう。それで息子に勧められて、バルタザールに手紙を書くのだった。

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アーティスト:サントラ,ジョセフィン・ベイカー
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 バルタザールが悩んでいるタイミングと重なったこともあるが、その手紙が縁になり、彼女はバルタザールと同居することになる。だが彼女は、バルタザールが迫ってきても、決して肉体関係を持とうとしない。
 そのくせ彼女は有頂天で、空に舞いあがってしまう。だがそれは自分の心の中にだけに納めて、バルタザールには決して本心を見せようとしないのだ。
 主演のオデットを演じたカトリーヌ・フロは、53歳になるオバさんだが、はしゃぎまわっているときは、40代前半に見えるほど可愛いときがある。空を飛ぶシーンや、家族全負でダンスを踊るシーンはとても魅力的で、思わず幸せな気分になってしまうだろう。
 それにしてもフランス人は、セックスに寛大なのかな。そんな周囲の中にあって、キスも拒むオデットの純情で前向きな雰囲気には、とても好感的な印象が残った。
 『アメリ』ともやや通ずるような、不思議な感覚の漂う大人のラブストーリー。ハリウッド全盛の現代で、たまにこうしたお洒落なフランス映画を観るのもよいだろう。

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