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2010年7月 6日 (火)

春との旅

★★★★

 足の悪い元漁師の老人と失職した孫娘が、親族を頼って渡り歩く旅を描いたヒューマンドラマであり、まさに大人の味が一杯詰まった映画であった。
 キャストは元漁師の老人に仲代達也、孫娘に徳永えり、その他大滝秀治、菅井きん、小林薫、田中裕子、淡島干景、柄本明、香川照之といった芸達者なべテラン陣が脇を固めている。とにかくこんな豪華な脇役キャスト陣は、最近観たことがないよね。だから地味ではあるが、大人の匂いプンプン漂ってくるのだ。

Haru
 この映画のメインテーマは、老後の生き方と、過ちと責任の問題であろう。それがこの話の主人公である老人と孫娘の、それぞれが抱える葛藤となっているのである。
 自分のことは自分が一番よく判っている。また死期が近づいてきて、自分のこれまでの生き様を否定してもどうにもならない。
 せめて親族だけには甘えてみたいが、いい年をして相手の家庭を破壊するわけにはゆかない。みじめな旅になるのは判っているが、もう一度だけでも確認したい。

 きっと彼はそう思って苦しい旅に出たのであろう。孫娘もそれを承知で一緒についてゆく。そして彼は自分の思いを遂げ、孫娘の愛情を確認し、満足して「次の旅」に向かったに違いない。
 名優・仲代達也を相手にして、純朴で垢抜けない孫娘を演じた徳永えりが、なんともいえない良い味を出していたよね。また愁眉は閉店後の蕎麦屋での会話である。ここでは二人の表情とセリフだけが勝負だ。それを見事クリアして、しみじみと家族の絆の重さを感じさせてくれた、二人の演技力に拍手・拍手。

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コメント

とにかく素晴らしい役者たちでした。この人たち見るだけでも価値あります。徳永えりは若いのに負けてなかったし。
小林政広監督は当たり外れあると思いますが、ここ2作『ワラカラナイ』と本作はとても良く出来ていると思います。その前の『白夜』は最低でしたが。(笑)

投稿: KLY | 2010年7月 6日 (火) 20時14分

KLYさんこんにちは
仰る通り、素晴らしい配役でしたよね。まさか淡島干景さんをまた観れるなんて思いもよらなかったです。彼女はまだまだ現役で頑張っているのですね。
こうした良い作品の配給が望まれますが、興行的はかなり厳しいでしょうね。

投稿: ケント | 2010年7月 7日 (水) 10時21分

>みじめな旅になるのは判っている
ここですね。
恥をさらしながら、相手も心の弱さをさらけ出している。
その辺の描き方は、お見事でした。
お隣仙台も出てきて、結構うれしかったです。

投稿: sakurai | 2010年7月26日 (月) 18時10分

sakuraiさんコメントありがとう
仲代達也もこれが最後の主演映画でしょうかね。共演者たちの顔ぶれをみて、なんとなくそんな雰囲気がありました。
また徳永えりが、これほど素晴らしい女優だとは思いませんでしたね。ずらっといならぶベテラン俳優を前に、一歩も日かなかったですからね。そしてあのダサイ雰囲気がよかった。

投稿: ケント | 2010年7月27日 (火) 10時34分

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