奥只見紀行
新潟県魚沼市にある奥只見ダムは、阿賀野川水系只見川最上流部に建設されたダムであり、高さは日本で第5位であるが、総貯水容量は2007年まで日本一であった。
完成は1957年11月だが、ダムサイトは険阻な山岳地帯でかつ豪雪地域であるため、その工事はかなり難航したようである。そのために、まず国道352号と枝折峠を貫く総延長22kmに扱ぶ道路建設から始まった。
さらにこの道路は豪雪に備えるため、総延長のうち18kmをトンネルにしたのである。これがのちの奥只見シルバーラインであるが、完成までの3年間に延180万人を投入した。また難工事のため、雪崩や凍死による殉職者は、なんと44名を数えるに至ったようである。
こうした多くの犠牲者があって完成したダムであり、同時期に完成した黒部ダムと並ぶ日本ダム史上の金字塔となった。映画『ホワイトアウト』のモデルになったのが、この奥只見ダムだという。
そんな歴史的な大事業を背負うダムを見学するということに、思わず身の引き締まる思いがこみあげてくる。それにしてもトンネルが長い。いくつかのトンネルが連なってはいるが、全て繋いだ長さでは、さっき通ってきた関越トンネルより遥かに長いのだ。
それに道幅が狭く側壁は岩肌が剥き出しになっている。さらには急カーブが多いので、ゆっくりと走らねばならないので、トンネルを抜けるのに約30分もかかってしまう。またバス同士がすれちがうときはギリギリで、場所によってはバックすることもある。とてもマイカーでは怖くて走れない。今回ばかりはつくづくツアーのありがたさを身に染みて感じた。
さて目的地の奥只見湖に到着したのは、午後3時を少し回っていた。ところが駐車場からダムまでは、さらに山を登らねばならない。もう歩きたくない人のために、小型ケーブルカーの「スロープカー」が100円で利用出来るが、なにせ単線で1台しかないので、タイミングが悪いと歩いたほうが早いのだ。
そして遊覧船乗り場は、ダムの一番端にあり、周遊コースと銀山平や尾瀬口への定期便がある。私たちはツアー会社の貸切船に乗り、約1時間かけて奥只見湖を周遊することになった。約400人乗りのところを300人なので席はゆったり、ツアーガイドやぜんまい採りのおじさんの話などで盛り上がり、まさに別世界のような奥只見湖を目に焼き付けることが出来た。
この山深い奥只見は、まさにトンネルを挟んだ秘境であり、熊やカモシカが多く生息しているという。今回はやや遅い新緑の季節であったが、是非紅葉の美しい時期にもう一度訪れてみたいものである。
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