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2010年5月の記事

2010年5月29日 (土)

パーマネント野ばら

★★★☆

 管野美穂が映画で主演を張ったのは、『Dollsドールズ』以来約8年ぶりである。今年33歳になるというが、まだまだ若くて清楚な美しさも健在だね。
 男運の悪い女ばかりが住んでいる、とある海辺の田舎町。子連れ出戻り女の「なおこ」を演じる管野美穂は、まだ母親というイメージが感じられない。そして怒るでも笑うでもなく、だからといって不機嫌でも鬱でもなく、なんとなくいつもボーっとしているのだ。

Nobara

 実家は、この町唯一の美容院、というより、パーマ屋さんといった雰囲気で、パンチパーマの達人である母親が、一人できりもりしている。この母親役には、夏木マリが扮して、ド迫力のこわもて演技で迫る。
 常連客のおばあちゃん達のエゲツないY談、小池栄子と池脇干鶴が演じるところの、男運の悪い友人たち。このあたりのとぼけたバカバカしい展開は、『純喫茶磯辺』『インスタント沼』などを髣髴させられる。
 だが後半の温泉旅館シーンあたりから、急にシリアスで謎めいた展開に変化してしまうのだ。そして予告編で流れていた公衆電話のシーン。ここでピンときた。そして結未も、やはり思った通りであった。
 この心臓を裏返したようなどんでん返しは、ある意味「夢落ち」のような気もするが、それを差し引いてもなかなか良い味がする。故郷の町を嫌っていたなおこだったが、結局故郷には、彼女を優しく見守る人々で溢れ返っていたということなのだ。
 故郷とは実にありがたいものである。いくら嫌いでも、淋しくてどうしようもなくとも、結局救っとくれるのは故郷しかないのだ。あとになって、じわりじわりと心を包んでくれる。そんな印象的な映画に仕上がっていると思う。

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2010年5月26日 (水)

インクレディブル・ハルク

★★★★

 2003年に上映された前作『ハルク』は、人間ドラマに焦点をあて過ぎ、ヒーローものとしてはかなり評価が低かった。それで今回は、続編ではなくストーリー・キャスト・スタッフを一新して製作されたようである。従ってハルク誕生シーンは、観客たちの周知であることを前提に、オープニングであっさりハイライト風に流している。

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 主演はエドワード・ノートンだが、彼はこの脚本作りにも係っているようだ。前作ではエリック・バナが演じていたが、ノートンのほうが変身したハルクとのギャップが大きくてよかったと思う。
 ブラジルで合気道を修得しているシーンで、そのインストラクターをどこかでみたことがあるなと思っていたら、やはりあのヒクソン・グレイシーだった。最近格闘技界からは身を引いているが、いまだ健在だったんだね。
 また主人公の恋人ベティ役には、リヴ・タイラーが抜擢。前作は大好きなジェニファー・コネリーだったので、役不足かなと思ったが、意外といっては失札だが、なかなかの好演ぶりであった。
 それにしても変身するとあれだけの巨人で、変身が解けてもボロボロのズボン以外は何も無し。この状態で隠れて暮らしたり、偽造パスポートもなく他国へ移動するのは、かなり難しいはずである。そのあたりが、この映画をシリーズ化できない原因ではないだろうか。
 エンディングクレジットのあとに、『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jrが登場し、「これからは生身の人間ではなく、鉄の時代だね」、てなことを言っていたのが印象的である。『アイアンマン』の宣伝ジョークだろうが、まさにその通りで、ハルクの限界を見極めたような本音のセリフに苦笑してしまったね。

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2010年5月23日 (日)

書道ガールズ!!-わたしたちの甲子園-

★★★★

 先日剣道部の女子高生を描いた『武士道シックスティーン』を観たばかり。今度は剣を筆に変えた書道部の女子高生を描いた『書道ガールズ』である。そして主演は何とまた『武士道シックスティーン』の成海璃子なのだ。
 そして今度は書道家の娘であり、書道部メイトは、『武士道シックスティーン』の北乃きい同様、明かるさいっぱいの桜庭ななみ。偶然なのだろうが、なんだかスポコンシリーズを観ている感じだった。

Shodog
 書道といっても、座ってお手本を観ながら、一人でじっくり書く「お習字」ではない。5m四方の巨大半紙に、ほうきのような大きな筆で、音楽にのりながらエイッヤッ!と、書きなぐるような「書道パフォーマンス」のことである。
 この書道パフォーマンスは、不況の影響で活気を失った日本一の紙の町、四国中央市を盛り上げようと、愛媛県立三島高校の書道部員が始めたという。そしてその様子がTV放映されたお陰で、地元の「四国中央まつり」のメインイベントとして『書道パフォーマンス甲子園』が開催されることになったという。

 この映画はそれに至るまでの実話をもとにして製作された。次々とつぶれてゆく地元の商店。そしてこの町のどこからでも見えるのが、地元の特産品である「紙を産み出す工場の煙突」。
 この町が好きで好きでたまらない少女の思い。それが少女たちのパフォーマンス書道を産み出すことになった。実にいい話じゃないか。都会を夢見て故郷をあとにする若者が増える中、自分の生まれ育った土地を愛する少女の清い心に感動した!
 もうそれだけで泣いて泣いて泣きじゃくってしまった。いまどき生足もさらさず、黒いストッキングを履いていた女子高生たち。たったそれだけみても、純な心が見えてきた。
 ただちょっと残念だったのが、三人のおとぼけ男子部員の存在だ。彼等が実在の人物であろうがなかろうが、全く不要の登場人物だったのではないだろうか。

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2010年5月22日 (土)

武士道シックスティーン

★★★☆

 もっとつまらない映画だと思ったけれど、以外に面白かった。『スウィングガール』、『フラガール』、『書道ガール』系のスポコン作品かと思っていたら、これが微妙に違うんだな。どちらかといえば剣道の試合よりも、剣道を通じた女子高校生の「友情物語」に力点をおいているようだ。

Bushido16
 主演は剣術道場の娘で、剣道達人の磯山香織を演ずる成海璃子と、おちゃめで逃げ回るばかりだが、本当は強い?西荻早苗役の北乃きいの二人である。水と油のような性格の二人であるが、これが以外にお互いを高め合うことになるのだった。

 磯山家は、母親が亡くなり、西荻家のほうは、変人の父親が家出中。どちらも複雑な家庭に育っているという共通点がある。そして香織のほうは、子供の頃から道場主の父親に剣道漬けにされ、いまだ友達もなく普通の女子高生のようにはしゃいだこともない。
 だから本当は、普通の女の子になりたいのだが、すでにもう後戻り出来ないほど剣道にのめり込んでしまっている。小さいときから一緒に習ってきた兄は、すでに剣道を捨ててしまった。本当に自分は剣道が好きなのだろうか、ただ父親の喜ぶ顔を見たかっただけなのだろうか。
 彼女が葛藤するシーンでは、急に胸が熱くなってしまった。そして香織の、真摯な求道者であるが故の、誰にも心を開けない孤独との戦いが印象的だ。思わず三島由紀夫原作・市川雷蔵主演の『剣』を思い出してしまったよ。
 なかなか丁寧な創りで良い映画だし、主演の二人の熱演も光っていたのだが、今の時代に感覚的にマッチしていないのと、映画館の大画面・大音響で観る意味が問われるところが、興行的には厳しいのだろうな。

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2010年5月16日 (日)

上野界隈の老舗めぐり

 人形町・神田・湯島・上野・浅草あたりには、所々にポツン・ポツンと老舗が残っている。五月のゴールデンウィークは、渋滞する遠出を避けて、都内のこうした場所の老舗めぐりが楽しいね。
 今回は亀戸天神の藤まつりへ出掛けて、東京スカイツリーを眺め、昼食は浅草の老舗うなぎ屋へ行こうかと考えていた。だが根津神社のつつじ祭も観たくなり、ならば昼食は湯島か上野で食べよう、ということになってしまった。

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 湯島界隈なら、三代目なばや』の串焼重か、鳥つね』の親子丼。上野界隈なら御三家のとんかつを食いたい。御三家とは「ぽん多」、「蓬莱屋」、「双葉」の三店である。だがこの御三家のとんかつは、約3000円と高価なのが厳しい。

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 そこで今回は、御三家のあとに位置する『井泉』でヒレカツ定食を食べることにした。御三家のうち、ぽん多はロース専門、蓬莱屋はヒレ専門、そして双葉は本店がロース専門で、支店がヒレ専門となっている。ところが井泉には、ロースもヒレもある。また店の雰囲気もなかなかお洒落なのだ。
 そしてヒレ力ツ定食が1800円で、クーポンを持参すると、名物のヒレカツサンドを三切れ分、お土産サービスしてくれるのである。
 たった三切れとバカにすることなかれ、ボリュームがあるし、普通に買えば約430円もするのだ。そしてこのカツサンドは、歯切れがよく、美味なのだから嬉しくなってしまう。

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 このお土産カツサンドを食べながら、上野・鈴本』で寄席をみる予定だったのだが、あいにく貸切興行で入場出来なかった。昨日までのHPにはそんなこと一言も載っていなかったのに、そんなのありなの、クックックッ悔しい!。
 仕方がないので、甘味処『みつばち』へ行き「小倉あんみつ」を食べることにした。ここは、蜜壷がテーブルにおいてあり、好きなだけたっぶりと、黒蜜をかけられるのが嬉しい。ここ『みつばち』は店売り中心で、店内は12人程度入ると、座席が埋ってしまうので、すぐにギュウギュウ詰めになる。

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 近くの上野にも、『みはし』というもう少し大きな甘味処があるのだが、なんといっても黒蜜かけ放題と、元祖小倉アイスのせあんみつに引き寄せられてしまう。まさにみつばちになった気分である。

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 小倉あんみつを十分に堪能したあと、今度は上野広小路近くにある『うさぎや』のどらやをお土産に買ってしまった。なんとあんこの好きな男なのかと、呆れる人もいるだろう。まあ、実家が和菓子屋だったので勘弁してちょうだい。ここのふっくらしたホットケーキのような、賞味期限1日のどらやき」を食べたら、もうコンビニのどらやきは食えなくなるね。
 次回は人形町あたりに出向いてみようかな。ということで、お粗末さまでした。

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2010年5月15日 (土)

セブンティーン・アゲイン

★★★★

 高校バスケットボールのスター選手マイクは、大学のスカウトが見守る大事な試合を投げ出し、恋人・スカーレットの元へ走る。スカーレットが妊娠したためである。
 だがそのために、大学進学は不可能となり、過去の栄光も水の泡。20年間、毎日それを悔やむ人生を続けたため、妻子に見捨てられ、家庭は崩壊寸前。そのうえ会社での昇進も、完璧に絶望的な状態となる。
 八方塞がりのマイクには、もしもう一度青春時代に戻れたらと、強く悔やみ・念ずる以外に成すすべがない。ところがその願いが通じたのか、ある大雨の日に17歳の姿に戻っている自分を発見して驚愕する。

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 このお話は『リプレイ』のように、若かりし日にタイムスリップするのではなく、同時代に体だけが若返るのである。だから人生をやり直すといっても、昔と同じ環境で再出発するわけではないのだ。
 従って、マイクの感性は現代高校生としては、古過ぎてオジン臭い。そのうえ編入する高校には、娘と息子も通学しているのである。いってみれば、トム・ハンクスの『ビック』の逆バージョンなのだ。
 そこがなかなか面白いし、若かりし日のマイクを演じたザック・エフロンの好演も光っていたね。また彼のクールなイケ面とオジンの感性がブレンドされ、なかなか好感の持てる青年に仕上がっているじゃないの。僕はゲイじゃないけど、オジさんからみても惚々するほどカッコ良くみえたね。
 お決まりのパターンかもしれないけれど、息子との友情と妻への愛情にはウルウルとなってしまった。さらに娘に迫られて、必死に逃げ回わるシーンには大笑い。
 そしてラストシーンは、100%予想通りの展開であったが、それでも胸にジーンときてしまう。ハラハラ・ドキドキ、笑いあり涙ありで、おまけに「後ばかり振り返らず、前を見よう!」という教訓付、絵に描いたようなハッピーエンド。いくつか辻褄の合わない部分もあるが、僕はこういう話に心が癒される気質なのだから、楽しくて嬉しくてしょうがない。

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2010年5月12日 (水)

あなたは私のムコになる

★★★☆

 典型的キャリアウーマン、恐怖の女編集長であるマーガレット(サンドラ・ブロック)は、ビザ問題で突然窮地に立たされる。そこで自分のキャリアを守るため、年下の部下アンドリューに偽装結婚を命じるのだ。

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 典型的なラブコメであるが、女上司が年下の部下に、無理やり偽装結婚を命じるというパタ一ンが現代的な発想なのであろう。ここまできたかと、時代の変遷を感じるよね。ただそれ以外は、よくあるラブコメの展開となり、ラストもお決まりの結末であった。
 毒にも薬にもならないが、面白いことは間違いない。しかし唯一サンドラが、小さな布きれ一枚のスッポンポンを披露してくれたことを除けば、ほとんど印象的なシーンはなかったな。風景は綺麗だしおばあちゃんが可愛いので、暇なときに彼女と一緒にDVDを観るのには、うってつけの作品かもしれない。

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2010年5月11日 (火)

通勤地獄 傘は大嫌いだ

  梅雨どきは、毎日傘が手放せないので、荷物になって困っている。電車の中では、例え座れても端の席以外は、股間に傘を挟むしかないよね。まして座れないときは、濡れた傘を網棚に乗せることも出来ず、吊り革と傘で両手をふさがれて、全くお手上げ状況である。
本も新聞も読めず、PDAもケータイも使えず、『何も出来ずに』ただただ悶々と長時間立っているばかり。

Kasa
 では折りたたみ式の傘を持てばいいと言われそうだが、それでなくとも満杯のカバンが肥満児になってしまうし、小さすぎて余り用をなさないので私は好きじゃない。そんな訳で例え梅雨どきでも、家を出たとき、会社を出たときに降っていなければ、傘は持たないことにしている。
 ところが途中で降られて、ついついコンビニで安い傘を飼う羽目になってしまうのだ。トホホ・・・だから金はたまらずに、傘ばかり一体何本たまるのだろうか。
 一方で、電車の中に置き忘れた傘がごまんとある。この傘は一体どうなるのだろうか。傘の忘れ物は圧倒的に多く、毎年忘れ物第一位の座をゆずらない。
 さてこの忘れ物の回収率だが、途中で気が付いてすぐに回収されるのが約二割、その後落とし物センターで一週間保管される。その落とし物センターに引き取りに来る人は約一割位いるという。
 さて残りの7割は、とりあえず警視庁に移管されるが、その数がなんと約34万本もあるらしい。その後再び電鉄会社に戻されて、今度は競売にかけられるという。
 ブランドものの高い傘は別として、たぶんふつうのボロ傘などは二束三文、いや引取り処分費をとられていることだろう。私が言いたいのは、これらのボロ傘を処分せず、駅に備え置いて無料貸し出ししてくれないかな。ということなのだ。
 そうすれば、雲行きが多少怪しいときでも、荷物になる傘を持ち運ばなくて済むからである。もし駅に付いてから雨が降っても、コンビニのお世話にならず、この無料貸し出し傘を利用出来るじゃないか。

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2010年5月 9日 (日)

ゼブラーマン ゼブラシティーの逆襲

★★☆

 予告編で、仲里依紗演じるゼブラークイーンの歌とダンスを観て、マイケル・ジャクソンの『キャプテン・イオ』を思い出してしまった。それがお目当てでこの映画を観た訳だが、仲里依紗に関しては、歌もダンスも演技も、はたまた見事に熟れたボディーも十分堪能できたので、全く文句を言うところがない。

Zeb2_2 
 またVFXのほうも、前作に比べると格段の進化である。ところが、肝心の中味が全くないのだ。前作は確かにチンケなB級映画だったかもしれないが、ドキドキワクワクさせる展開の妙味があり、心の琴線に触れる熱いパワーで溢れ返っていたはずである。
 せめてラストくらい真面目に創って欲しかったのだが、とうとう最後までおバカなおふざけシーンで終始してしまった。この映画の持ち味は、真剣におバカな演技」をするところにあったはずである。単なるおバカだけでいけない。
 続編の宿命なのかもしれないが、すでに鮮度の落ちた感もある。そのうえ観客おいてけぼりで、製作側だけが楽しんでしまったのではないだろうか。何か非常に残念で辛い気分になり、当面落ち込んでしまいそうだ。 

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2010年5月 8日 (土)

私たちの幸せな時間

★★★★☆

 韓国映画ということで、嫌韓派はボロクソに叩いているが、この作品にはほとんどキムチ臭が漂ってこない。オープニングで血みどろの殺人現場が写されるが、これは結果の風景でしかないのだ。
 またわざとらしいどんでん返しもなければ、ドロドロとした人間関係の描写もほとんどない。それでいて、性格破綻者の心理状態の変遷を、自然な形ですんなりと描いているのである。これは主演の二人が、若く美しい男女だったからかもしれない。

私たちの幸せな時間 [DVD] DVD 私たちの幸せな時間 [DVD]

販売元:アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2007/12/21
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 大金持ちの娘だが、ある事件の日から母親に対して反抗的になり、心を閉ざして自殺を繰り返す元歌手のユジョン。もう一人は、貧困のどん底から殺人を犯し、死刑執行だけを待ち望み、反抗的な投獄生活を送る死刑因のユンス。
 通常なら全く出合うはずがない二人である。ところが刑務所でボランティアを続けるシスターの叔母に連れられて、ユジョンは刑務所内を訪問し、死刑囚のユンスと面会することになるのだった。

 はじめはのうちは、反発し合う二人だったが、やがて自分たちが似た者同士で、心の深いところで繋がっていることに気付くのである。そして二人は、毎週木曜日の面会日が待ち遠しくなるのだった。
 ラブストーリー仕立てであるが、決して単純なラブストーリーではなく、どちらかといえば人間ドラマといったほうがよい。社会の底辺に生きざるを得ない人々は、不運で実に気の毒である。だが同時に、上流社会に君臨している者でも、私達の知り得ない秘密の苦悩を背負っている場合があるのだ。その秘密が明かされるとき、落ちてくる涙を止めることは出来ないだろう。

 また映像も悪くはないが、音楽の使い方がうまいと感じた。クラシカルでオーソドックスな名曲が、実にタイミングよく流れて、心の中に染み込んでくるからである。
 それにしてもラストシーンは切なく悲しいよね。「死のボタン」を押す死刑執行人たちも辛いはずである。生きるということ、死ぬということ、人を愛するということ、人を憎むということ、そして人を赦すという辛さをしみじみと問いかけてくる素晴しい作品だった。

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2010年5月 5日 (水)

シャッター アイランド

★★★☆

 すでに上映開始から1ヶ月近く経過しているのだが、館内はほぼ満員という盛況ぶり。ディカプリオ人気とTVでの宣伝が効を奏したのだろうか。それにしても年配者の姿が目立つのは意味不明。
 さて、じっくり謎解きを楽しんでもらおうと、超日本語吹替版」が製作されたので、字幕版をパスしてこちらを観た。一体何が「超日本語吹替版」なのかと気にしていたが、通常の吹替版のような違和感がない自然な会話のように感じたくらいで、特にこれだ!というような特徴は見出せなかった。

Sisland

  さてストーリーは、連邦保安官のデカプリオが相棒を伴って、船で孤島に到着するところから始まるのだった。この島には刑務所のような病院があり、そこには精神を病んだ犯罪者だけを収容されているという。そして連邦保安官は、その病院から逃亡した患者を探すためにやってきたらしい。
 一体逃亡者は、この島のどこに隠れているのか。またこの病院の中では、何が行われているのか。そしてその主某者は誰なのか。なかなかミステリアスな構成で、孤島と病院も不気味な存在である。だがほとんど何も考えないうちにストーリーはどんどん進展し、何が謎で何をしたいのかと思う間もなく、いつの間にかエンディングを迎えてしまった。
 取り立てて可もなく不可もなく、ミステリーとしても特に目新しさも感じない。戦争時の虐殺体験と、妻の異常な死という二重のトラウマによる心的外傷後ストレス障害。現実なのか幻覚なのかと観客を戸惑わせるのだか、私にはなんとなく「夢オチ」のようですっきりしないのだ。それにしても詳しく書くとネタバレとなるような作品のレビューは難しいよね。

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2010年5月 4日 (火)

たんぽぽ娘 

 1962年にロバート・F・ヤングが発表したラブファンタジー作品。ロマンチックSF短編の旗手である梶尾真治が影響を受けた作品だという。だからファンタジーSFファンには堪らない魅力を持つ短編なのだ。

Tanpopo
 ところが残念なことに絶版で手に入り難い。こうなると益々欲しくなるのがファン心理なのである。それでアマゾンマーケットプレイスで探したら、たんぽぽ娘ー海外ロマンチックSF傑作選2』が、何と中古品で15,000円也!
 さすがの私も15,000円払うほどオタクではない。そもそも短編なので、ほかのタイトルで収録されている書籍があるはずである。そう考えて調べたところ、文春文庫の『奇妙なはなし』というタイトルの中に、たんぽぽ娘』が収録されているではないか!。
 ところがこちらも絶版で、やはりアマゾンで中古品が2,600円~8,500円とある。みんな良く知っているのだ。それで地元の図書館の蔵書をネットで検索したら、あったあった!やっと見付けて貸出予約をすることが出来たのである。

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 てなわけで、やっと手にした『たんぽぽ娘』は、期待にたがわず、実に素晴らしい「珠玉の名作」であった。そしてストーリーは判り易く、ポエムのように美しく流れて、あっという間に読了してしまった。

 主人公は法律事務所を経営するマークという44歳の男性である。彼は毎年四週間の夏休みのうち、前半の二週間は、妻と息子が選ぶ避暑地で親子水入らずで過ごし、後半の二週間は、湖のほとりにある山小屋で妻のアンと二人で過ごす習慣になっていた。
 ところが今年は、アンに陪審員の役が回ってきたため、マークは一人ぽっちで、山小屋で過ごさなくてならない。だがそのお陰で彼は不思議な体験をすることになる。

 それは彼が、湖の先にある森を抜けたところにある丘を散策しているときに起った。そこには古風な白いドレスを身につけ、たんぽぽ色の長い髪を風になびかせている若い女が佇んでいたのだ。
 彼女の名前はジュリーといい、未来からタイムマシンに乗ってやってきたという…。その日から、マークとジュリーは毎日のように丘の上で逢う。そしてマークは年がいもなく、彼女に淡い恋心を抱き始めるのだった。

 ここまで書けば、だいたいの成り行きがわかるだろう。決して不倫小説ではないので念のため。本作は恥しくなるほど純情で優しい、リリカルなラブファンタジーなのだから。
 そして忙しい現代では、いつの間にか忘れ去ってしまった清らかな心を蘇らせてくれる。さらに感動のラストシーンは、タイムトラべルによる循環の輪によって、実に見事に収束されているではないか。
 かなり古い本ではあるが、それこそ時代を超えた珠玉の名作といえよう。さらに付け加えると、この『奇妙なはなし』には、本作のほか福島正美『過去への電話』、つげ義春『猫町紀行』、江戸川乱歩『防空壕』、谷崎潤一郎『人面疸』など、そうそうたる19作の短編が収められている。なぜこんな凄い短編集が絶版なのか、つくづく不思議でならない。

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2010年5月 3日 (月)

てぃだかんかん

★★★★

 タイトルの「てぃだかんかん」とは、てぃだ(太陽)がかんかん照りという、沖縄弁で「幸せの象徴」を意味するようである。主人公の金城健司は、チビでボケで無学歴で貧乏で何をやってもダメな落ちこぼれ男。
 だが小さいときから海が大好きだった彼は、枯れ始めた沖縄の海を救うため、珊瑚の養殖に夢中になるという話である。そしてこれは、養殖珊瑚の移植・産卵を世界で初めて成功させ、環境大臣賞と内閣総理大臣賞を受賞した「金城浩二」の実話だという。
 主役の健司役には、お笑いナインティナインの岡村隆史が大抜的された。演技力不足なのか沖縄弁のためか、あるいは実在の人物がそうしたパーソナリティーなのか、前半は何かチグハグした感があった。

Tida
 それにしても、主人公の人柄なのか沖縄人の特徴なのか、彼は実に良い友人達を持ったものだ。世界にも例を見ない珊瑚の産卵に挑戦するには、彼一人ではなにも出来なかっただろう。ラストに彼自身が語ったように、まさにこの奇跡の偉業は、彼をとりまく人々の協力の賜物である。
 ことに今どきありえないほど献身的な妻には、オーラというか後光が輝いていたものね。そのうえ絶世の美女ときては、余りにも不釣り合いな夫婦に現実味が沸かなかった。このバカな夫の見果てぬ夢にとことんつきあう妻には、演技派美女の松雪泰子が好演。また健司の母には、これまた演技派年増美女の原田美枝子なのだが、遠目に見るとこの二人は何となく似ていたな…。
 さて珊瑚という生物が産卵するということは、この映画を観て初めて知ったのであるが、そのありさまは実に神々しい。まるで宇宙から星々が降り注いでいるかのようであった。とにかく海中シーンは圧巻である。
 前半はなにかモタついた感があったが、このラストシーンをだけで★★★★となってしまった。終盤は涙でボロボロになることを覚悟しておこう。

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2010年5月 1日 (土)

ウルフマン

★★★☆

 ウルフマンというと、なんとなくXーMENのローガンを思い出してしまうのだが、本作のウルフマンとは、いわゆる昔ながらの『狼男』といったほうが判り易い。そうあの満月の夜になると、狼人間に変身する『狼男』のことである。
 狼人間の映画は吸血鬼と並び、これまで何度も映画化されてきた。一番新しいところでは『ニュームーン/トワイライトサーガ』に登場するジェイコブだが、私が過去に観た作品だけでも古い順に並べると次の通り。
1941年『狼男』
1981年『ハウリング』、『狼男アメリカン』、『ウルフェン』
1984年『狼の血族』
1986年『ティーン・ウルフ』
2003年『アンダーワールド』
2004年『ヴァン・へルシング』、『ハリー・ポッターとアズカバンの因人』
 このほかにも20作近く映画化されているのだが、いわゆる元租『狼男』といわれるのは、1941年『狼男』であり、DVDもリリースされているようだ。本作は、その元租『狼男』のオマージュとも言える作品に仕上げている。
 従ってストーリーだけではなく、狼男の特殊メイクも、デザインはもとより、ヤクの毛を使用した地味なものになっている。だから『ハウリング』や『狼男アメリカン』のように派手なVFXを期待すると、かなり拍子抜けしてしまうだろう。

 主演のベニチオ・デル・トロは、古谷一行そっくりで笑えるが、狼男としてはハマリ役かもしれない。また父親後のアンソニー・ホプキンスの、余裕たっぷりの怪演ぶりも注目に値するだろう。
 ただオリジナルにこだわり過ぎた結果、ちょっぴり古い感性が鼻に付く。もう一捻りのストーリー展開が欲しかったし、もっと派手な変身シーンを織り込んでも良かったのでは…。

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