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2010年4月 2日 (金)

花のあと

★★★★

 『たそがれ清兵衛』、『武士の一分』、『蝉しぐれ』と同様、お馴染み藤沢周平の時代劇である。今回も東北の小藩が舞台であるが、主人公の美女はなんと剣の達人なのだ。
 女ながらに、いまだ男に剣術で負けたことのない以登(北川景子)は、藩随一の剣士江口孫四郎に挑むが、健闘むなしく一敗地にまみれてしまう。初めての立ち合いで、以登は、自分を女子と侮らなかった孫四郎に、一瞬密かな恋心を抱く。だが共に婚約者を持つ身なので、彼女はその思いを断ち切り、江戸に留学中の婚約者を待つことにした。

Hana
 やがて平待だった江口孫四郎は、400石の名門内藤家へ婿入りし、いきなり出世するのだが、藩命により江戸へ向かう。ところがその折に、上司の陰謀により切腹することになってしまうのだ。腑に落ちない以登は、この陰謀を企んだ者を調べ、一人でその犯人と対決することになる。
 いかにも藤沢時代劇という趣きの作品であり、お約束通り汚職にまみれた極悪役人と剣の達人が決闘する。ただし年老いた以登が、孫たちに昔話をするというナレーション構成のため、この決闘の結果が初めから分ってしまい、ドキドキしないところが残念だった。
 四季折々の日本の風景や古い家屋など、その美しい映像にはウットリするのだが、登場人物全員が標準語で喋るところに、映画としての厚みが感じられない。また余りにも現代的で、時代劇に馴染まない俳優がいたのもマイナスだ。

 主役の北川景子といえば、ずっとそのしかめ面が気になったが、ラストの花見でやっと出た笑顔がとても印象的だった。初めての時代劇、その凛とした佇ずまい、しかも注目の殺陣さえも、なんとか様になっていた。いろいろ批判的な意見も出ているが、私はあえて拍手を送りたい。
 一方、孫四郎役の宮尾俊太郎のほうは、以登が命をかけて復讐するほどの魅力的な人物には見えなかった。むしろ顔と行儀は良くないものの、婚約者片桐才助を演じた甲本雅裕の演技に好感を持ったね。
 昔の日本では、長男以外は家のゴミ。家督も全て長男が受け継ぎ、次男以下は部屋住みで仕事もない。彼等にしてみれば、養子縁組によって他家の主になるしか、活躍の場がないのであろう。そのあたりの心情はそれとなく伝ってきた。
 それにしても、スクリーンの前には、年配の人ばかり座っている。若い人はたった一人だけ、それも母親に付き合って観ているようだ。この作品が良い悪いというより、なぜこうも若者に人気がないのだろうか。

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コメント

北川景子はもともとモデルなんで若い女性には人気があったはずなんですが…。まだまだ未熟なところは多いですけど、ある意味もって生まれた容姿と雰囲気だけで、アレだけ凛々しい姿が見せられる女優は今そんなにいませんよ。
もちろん今後の彼女の頑張り次第ですが、私は個人的にとても期待しています。
甲本さんも、いい役者さんではあったけどどちらかというと脇役、それも遠い脇役が多かったなかで、メインキャストもしっかり演じられることが証明されたんで、今後はこういったオファーも増えるかもしれないですね。^^

投稿: KLY | 2010年4月 3日 (土) 00時57分

藤沢周平さんの時代劇の主人公は
恋心をじっと心に秘めて一生を
終わる、というようなストーリーが
多く、今の若い人には受け入れられ
にくいのかもしれませんね。
北川景子さんはTVのトーク番組で
何回か見ましたが、自分をしっかり
もっていて、話がポンポンと
小気味よくおもしろくて、
美しい外見とは反対に男っぽい性格
の人のように思えました。
女性からみても魅力的です。


投稿: Dora | 2010年4月 4日 (日) 14時57分

KLYさんこんにちは
仰るとおり北川景子は良かったと、これから期待できる女優さんの一人だと思いました。
甲本さんといえば、あとで気付いたのですが、築地魚河岸三代目にも出ていましたね。彼のキャラもなかなか捨てがたいですね。

投稿: ケント | 2010年4月 4日 (日) 18時42分

Doraさん久し振りですね。
藤沢周平さんの時代劇がお好きですか?
大体が短編なので、映画化にあたっては、脚本が生命線になりますよね。今回、東北なまりがなかったのが淋しいですね。
私はTVを殆んど観ないので、本作で初めて北川景子を知りました。現代的な女性なのでしょうが、結構和服も似合っていましたよね。

投稿: ケント | 2010年4月 4日 (日) 18時46分

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