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2010年3月15日 (月)

母なる証明

★★★

 今頃になってこの作品を映画館で観た。『殺人の追憶』と『グエムル』のポン・ジュノ監督・最新作だし、ネットではかなり評価が高いからである。
 母の偉大な愛を称えるような邦題、そしてそれを追従するようなコピー文。「殺人事件の容疑者となった息子を救うため、真犯人を迫う母親の姿を極限まで描く、ヒューマン・ミステリー」ときた。

Mother
 そしてカンヌ国際映画祭で絶賛の嵐!韓国では、公開10日で200万人を超える今年最高の大ヒットスタートを記録!と続くのだ。
 確かに母親役のキム・へジャの鬼気迫る演技力と存在感は大賞賛に価するだろう。そして他のキャスト達の演技ぶりもなかなか捨て難いものがある。
 だが私が期待していたものとは、何かが違っているのだ。年を取るにつれ、韓国のキムチパワーには、だんだんついてゆけなくなってきたのかもしれない。毎度のことだが、せっかくシリアスな作品なのに、序盤の場違いな「おバカなスペック」や、警察の無能ぶりと、雑な取り調べには興ざめしてしまった。昔の香港映画同様、そうした無神経さが気に入らない。
 ただラスト近くのドンデン返しには、「また韓国映画にやられた」という愕然とした思いで一杯だった。この映画は、このドンデン返しのために存在する映画なのだ。

 というより、このドンデン返しがなかったら、「母子愛を描いたヒューマンドラマ」にはなり得ず、頭の弱い美形の息子を狂愛する老女の、枯れた官能ミステリー作品で終わっていただろう。
 ところで、あの「放火シーン」のときから気になっていた「針箱」の行方だが、ラストにきちっと落とし前をつけたところで、ポン・ジュノ監督の力量が確認出来た。それから、人いない野原でキム・へジャが腰を振るオープニングと、バスの中で踊りだすエンディングは奇妙だが実に印象的だった。

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コメント

TBありがとうございました。
何か期待していたものと違う・・というのは、なんとなくわかります。
でも、あたしがこの映画から感じられたのは、凡百の韓国キムチパワーとは、一線を画していたような。。
見てすっきり・・・とは程遠かったですが、見た甲斐のある映画でした。
ああいう女優さんは、日本にはまず、いないタイプですよね。きれいにこじんまりまとまってて。

投稿: sakurai | 2010年3月15日 (月) 16時02分

sakuraiさんこんにちは
「凡百の韓国キムチパワーとは、一線を画していたような。。」
もちろん私もそれは同感です。そしてこの作品も良く出来ていることは否めません。ただ年を取ってくると、韓国流の過激さと極端な展開などに付いて行けなくなりました。
若い頃は「オアシス」とか「魚と寝る女」とか、「オールド・ボーイ」など過激な作品に感動したのですが・・・。
あと序盤のおバカなシーン(ゴルフ場と警察の取調べ)など、私的にはちっとも笑えなく、どちらかといえば「真面目にやれ!」という感覚なんですね。
ただおっしゃる通り、キム・へジャの演技力と、ラストのドンデン返しは絶賛に値しますね。

投稿: ケント | 2010年3月15日 (月) 16時30分

こんにちは。
うーん、多くの韓国作品をご覧になっているからこそ感じられる感想にさすがだなぁと思いました。
私などのように昨年初めて韓流映画(ドラマはいまだにないです。)なるものを観始めた者にとっては、リアルタイムでポン・ジュノ作品を観たこと自体が初めてで、この作品も痛く心に響いています。
何しろ、韓流作品にも結構当たり外れがあるんだなと、最近ようやく気付き始めたぐらいですから。(笑)

投稿: KLY | 2010年3月15日 (月) 20時33分

こんにちは。
最後のどんでん返しには、やられました・・・
男の自分には分からないあまりにもの母性に、驚きを隠せませんでした。
しばらく、自分の心が揺れ動いてましたから。

韓国映画をたくさんご覧になっているようですね。
自分は、まだまだ・・・
いろいろ観たいと思います。

投稿: | 2010年3月16日 (火) 23時01分

KLYさんこんにちは
韓国映画は昔よく観ましたが、最近は久し振りに観ました。昔観て良かったのはなんといっても『八月のクリスマス』、『ラブストーリー』、『猟奇的な彼女』などですね。
時間テーマものの『イル・マーレ』や『リメンバー・ミー』にも感動しました。
何と言っても韓国映画の良さは、思い切ったアイデアと過激な表現なのですが、年とともに過激な部分には耐えられなくなってしまったのです。

投稿: ケント | 2010年3月17日 (水) 21時41分

亮さんしばらく振りです。
やはり皆さんラストのドンデン返しには参ったようですね。ただ良く考えると途中の映像で、石を投げられそのまま恐れて帰ってしまう映像があったような気がします。ですから、ドンデン返しになるわけですが、ある意味嘘の映像を流したということになりませんかね。
はっきり覚えていないので確信出来ませんが、もしそうだとすると、かなり問題です。亮さんはどう思いますか?

投稿: ケント | 2010年3月17日 (水) 21時52分

いやぁ、自分の場合は、そのドンデン返しも効きましたが、息子と同じようなしょう害がある青年が犯人ではないことをしっているにもかかわらず、息子を助けるために、全てに眼をつむった部分に衝撃を受けました。
あれを母性というのか・・・ 男には分からない部分を感じました。
全てを忘れるツボをついて、最後にバスの中で踊っている姿。
今も、強烈な印象です。

投稿: | 2010年3月18日 (木) 23時13分

亮さん
 仰るとおり「息子と同じようなしょう害がある青年が犯人ではないことをしっているにもかかわらず、息子を助けるために、全てに眼をつむった部分に衝撃を受けました。」は同感であります。誤逮捕とあの面会シーンはなかなか味かありましたね。
ただ誤逮捕の理由がはっきりしない。韓国の警察は本当にあんなに無能なのか?この監督が警察嫌いなのか?そこのところがモヤモヤしています。

投稿: ケント | 2010年3月19日 (金) 09時57分

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