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2010年3月の記事

2010年3月31日 (水)

通勤地獄 女子高生の頭突き

 いつも朝の通勤は、始発電車に並んで、終点まで座ることにしている。そして朝が弱い人なので、座った途端にぐっすり眠りこけてしまうのだ。私の場合は、後ろへ反るのではなく、前に折れて眠ってしまうようである。
 この日も座席を確保するなり、死んだように爆睡してしまった。30分ほど眠ったころ、後頭をハンマーで殴られたような痛みを感じて跳ね起きた。無防備なところへいきなりだから、痛いのなんの、目から火花が飛び出すとはこのことであろう
 そして私の膝の上には、女子高生が倒れ込んでいた。「どうしたの、大丈夫?」。女子高生は黙って立ちあがり、何もなかったように、再び二本の吊皮にぶら下がる。

Turi_3 
 つまり彼女が勢い良く倒れて、彼女の前頭部と私の後頭部がゴッツンコしたのだ。どこか体の具合が悪いのだろうか?そう思ったが、私の頭もズキズキしてとても席を譲る余裕がない。

 しかし、もうとても寝ていられる気分ではなく、暫く薄目で彼女の様子を見ていた。すると彼女は、吊皮につかまりながら、左右・前後に大きく揺れ始めるではないか。こいつ一体何をしているのだ。
 いつの間にか、吊皮にからんでいた指が、一本一本外れ、とうとう人指し指一本になっている。そして相変わらず大きく揺れ続けているじゃないか。私はとうとう我慢が出来なくなり、席を立つなり、「体調が悪いなら座りなさい」と席を譲ることにした。
 だが彼女は、「大丈夫です…」といいながら、一向に座る気配がない。仕方ないので、私は再び席に戻る。するとまた大揺れが始まるのだ。もう怖くてしようがない。
 だが偶然次の駅で、私の隣に座っていた人が下車した。その瞬間、私の前で大揺れしていた彼女が、その席に滑り込み、すぐに眠り込んでしまったのだ。
 私はホッとして眠ろうとしたが、なかなか寝つけない。そうこうしているうちに、電車は終点にたどり着いてしまった。大丈夫かな?隣を見た瞬間、彼女はスクッと立ち上がり、逃げるように、開いたドアから走り去ったのである。なんだか狐につままれた気分。一体何だったのか、ただ眠かっただけじゃないのだろうか。

 話はこれで終わりではない。二週間後、またまた、この女子高生が現われたのだ。今度は私の斜め前に立ったので、少し安心したが、例によってまた吊皮で大揺れ運動を始めている。
 常習犯だったのか!。あの日以来、座っても熟睡出来ない私だが、気になってウトウトさえ出来ない。そのうえ、あれ以来ずっと後頭部と首の痛みが続いているのだ。
 もしかしてクモ膜下出血?三週間経っても痛みが治まらないので、昨日病院へ行き、CTスキャンと、首のレントゲン検査をしてきた。
 検査と診断に丸一日かかり、大枚を叩いてしまったが、脳に異常がなかったことだけが救いである。診断結果は、頚椎捻挫』で、三種類の飲み薬を処方してもらった。
 先日、今度は網棚の荷物が、座っている私の膝をかすって落ちてきた。かなり重そうな大きな荷物だ。もしまともに頭に当たったら、と考えるとゾッとする。危険がいっぱい!。これからは、電車の中ではうっかり爆睡は出来ないな。

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2010年3月27日 (土)

アイガー北壁

★★★★

 この作品は、ナチス政権下1936年に実際に起こった、山岳史上最大の悲劇を映画化したものである。舞台の中心は、当時前人未到のアルプスの名峰アイガーだ。ことにこの山の北壁は、高さ1800mの岩壁で、ウォーカーバットレス北壁、マッターホルン北壁とともに世界三大北壁と呼ばれている。

Hokuhe
 ドイツ国家の期待を背負って登頂に挑むクライマーは、トニーとアンディ。そして同時にオーストリアのエディー・ライナーとヴィリー・アンゲラーも競って同じルートを登攀し始める。結局このことが、運命の分かれ道となってしまうのだ。

 落石と激しい吹雪の中を命がけで岩壁をよじ登る四人の男達。麓の豪華なホテルの暖かい暖炉の前で、ワインを飲みながら彼等の成否を待つ観光客と記者。この皮肉めいたコントラストが非常に印象的であった。また二次遭難を恐れて救助を躊躇する山男達。生死を彷徨うトニーを気遣ううちに、二人の思いが友情ではなく、恋であることに初めて気付く幼馴染のルイーゼ。そして彼女は、記者として高見の見物をすることに耐え切れず、ペンとカメラを捨てて生身の人間に変身してゆくのだ。

 雄大なアルプスの景色は実に美しく、命がけの登山に挑む男達の意気込みが、ヒシヒシと伝わってくる。しかしあの岩壁登攀シーンは、どうやって撮影したのだろうか。昨年上映された邦画『劔岳 点の記』の登攀実写もかなり厳しかった伝えられたが、このアイガー北壁』は、それどころではない。まさに命がけの撮影だったのではあるまいか。

 トニー生還まであと3メートルのクライマックスシーンがまた感動的だ。もしあそこで彼が助かってしまったら、アイガー北壁に対する恐怖は薄められてしまったし、単なるエンタメ映画に成り下がっていただろう。あの苦悶の表情と悔しい結末があってこそ、この映画が真の登山映画になり得たのだと確信する
 男の映画ということもあり、男性キャストは全員がハマリ役で生き生きしていた。一方紅一点ともいえるルイーゼ役のヨハンナ・ヴォカレクは、前半は冴えない顔付きをした女優に見えたのだが、ドラマの展開に伴い次第に顔が引き締まり、終盤は美しい女性に変身してしまったと感じたのは私だけだろうか。
 それにしても、登山とは恐ろしいものだ。ちょっとしたことが運命を左右する。もし天候さえ良ければ、もしライバルが怪我をしなければ、もし彼等を見捨てて登り続けていれば、もしザイルを外していなければ、もしアイゼンを持っていれば・・・。
 

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2010年3月24日 (水)

NINE

★★★

 イタリアの天才映画監督を主人公にしたミュージカル風の映画。ミュージカル映画とはっきり書かないのは、今までのミュージカルとはちょっと違う風味だったからである。
 と言うのも、歌や踊りのシーンは、主人公グイドのイマジネーションの世界だからである。ただ現実と想像の世界がごちゃごちゃになり、ストーリー展開が雑になっていた感は否めない。
 ストーリーは、スランプ中の大監督グイドが、新作に挑むのだが、マスコミの期待に反して未だに脚本さえ書けない状態が続く。そのプレッシャーを覆すため、妻、愛人、女優、ママなどに助けを求めるのだが、それが見事に裏目に出て、益々ストレスが溜まってしまう。

Nine
 彼の頭の中は、過去の栄光と少年時代の思い出ばかり。偉大で美しいママの幻影も含めて、妄想ばかりが彼の頭の中を駆け巡るのだが、事態は悪化するばかりなのだ。
 1964年、まだイタリア映画が世界を席巻していた時代のお話である。本作は『道』などの名作で知られる、当時の大監督フェデリコ・フェリーニ監督の『81/2』をべースにしているという。
 女優陣は、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ニコール・キッドマン、ケイト・ハドソン、ジュディ・リンチと信じられないほど豪華な布陣。それにママ役で、あのソフィア・ローレンまで登場するのだ。彼女は御年75才になるが、どうみても50代にしか見えない。それに存在感はピカ一で、オーラの輝きは共演女僚の誰にも負けていなかったのは脅威的だ。

NINE Music NINE

アーティスト:サントラ,マリオン・コティヤール,ダニエル・デイ・ルイス,ファーギー,ノイゼッツ,ケイト・ハドソン,グリフィス・フランク,ペネロペ・クルス,ジュディ・デンチ,ソフィア・ローレン,ニコール・キッドマン
販売元:ユニバーサルインターナショナル
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 またペネロペ・クルスの歌とセクシーダンスにも参ってしまった。彼女はこの役での熱演が評価され、第82回アカデミー賞の助演女優賞にノミネートされている。
 監督も第75回アカデミー作品賞に輝いた『CHICAGO』のロブ・マーシャルで、これだけ注目を浴びキャストも豪華なのだが、なぜかネットでの評価は低い。そして劇場も初日から閑古鳥が鳴いていた。一体これはどうしちゃたの?
 やはりストーリー展開がハチャメチャで、ぐうたらでマザコンな主人公に感情移入出来なかったこと、ミュージカルとしても『CHICAGO』の持つ雰囲気を凌げなかったからだろうか。

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2010年3月22日 (月)

雷電本紀

 江戸時代に、優勝28回・勝率9割6分2厘という、とてつもない成績を残した史上最強の力士がいた。そう雷電為右衛門である。その体駆は、身長六尺五寸(197cm)、体重は46貫(172kg)の筋肉質であったという。
 現代の力士でも、これだけ均整のとれた巨漢力士はなかなか見当らない。私の記憶にある日本人力士でいえば、双羽黒(北尾)と水戸泉(現・錦戸親方)くらいだが、スピード、パワー、安定感のどれをとっても雷電には、違く及ばない気がする。現役の外人力士では、関脇の把瑠都が雷電とほぼ同じ体格のようだ。

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 江戸相撲は、もともと巨人の見世物小屋から始まった。これを実力本位の格闘技に変革したのが、第四代横綱の谷風梶之助(二代目)であるという。そして有力力士は藩の士分へ抱え上げられ、滞刀が許されるのだった。
 雷電の幼名は太郎吉(樽吉)といい、信濃の豪農関家の長男に生まれ、幼少のころから数々の伝説を残している。17才のときに、浦風林右エ門に見出されて江戸に上り、谷風の預り弟子になる。
 当時はきわどい勝負で勝っても、藩待のものいいが入り、ほとんどが預り無勝負とされてしまう。従って勝ち名乗りを受けるには、圧倒的に相手を叩きつけるしかない。
 また余りにも雷電が強過ぎるため、鉄砲、張り手、かんぬき、鯖折りが禁じ手になったという逸話もある。そのような制約の中、また当時は年2場所制だったことも考えると、もし現代であれば、雷電の優勝回数は、100回近くに達したのではないかと思われる。

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 また雷電は、生涯に10回だけ負けたというが、そのほとんどは、藩の陰謀やとりこぼしなどで、正面から攻められて力負けしたことはないという。それを証明するものとして、当時最高位だった大関戦では、誰にも負けていない。だから運よく雷電に勝った力士は、雷電に勝ったということだけで、大相撲史上に名を残している者が多いのだ。
 ここまで書くと、いかにも大剛力だけの怪物のようだが、雷電は文武両道で人格者だったらしい。まさに怪物というより正真正銘、正義の人スーパーマンだったのであろう。

 この小説のタイトルからしても、雷電が主人公ではあるのは間違いないが、実はもう一人の主人公がいるのだ。それは雷電の贔屓筋である「鉄物問屋」の鍵屋助五郎である。雷電を表の主役とすれば、助五郎はあきらかに裏の主役といえよう。
 この鍵屋助五郎の話がかなり面白い。芸妓だった女房さよとの出会いと、身受けまでのいきさつなどは、なかなか粋な江戸っ子振りなのだ。また終盤に、雷電達をかばって自分ー人だけが罪をかぶるなど、まるで歌舞伎や講談の世界の、男の中の男一匹なのである。
 雷電の話は誰でも知っているので、それだけでは単調になってしまう。そこで鍵屋助五郎の話を同時進行させたのだろう。これが見事にはまって、飽きずにこの分厚い本を読むことが出来た。

 また江戸相撲界の内輪事情などもよく描かれていて、大相撲の歴史がよく分かったのも嬉しい。谷風や小野川が横綱になったのに、彼等を凌ぐ雷電が横綱になれなかったのは未だに相撲史上最大の謎である。
 当時番付上は大関が最高位で、横綱の免許はいわゆる名誉名人のようなものだったという。従って、雷電の場合は、藩の事情などで横綱免許申請が出来なかったという説が有力である。それにしても、雷電のような偉大な力士は、もう永遠に現われないのだろうか。

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2010年3月20日 (土)

時をかける少女

★★★

 今までこのタイトルの映画を何度観ただろうか。筒井康隆の原作が初めて世に出たのは昭和40年代であるが、昭和58年の大林監督作品を皮切りに、なんと4回も映画化されているのだ。

Tokikake 

  SFファンタジーなので、余り時の経過が長過ぎると陳腐化してしまう。それで4年前に上映されたアニメ版では、原作を大幅に改ざんして、「原作の主人公の姪」が主人公になり、時代背景も原作から約40年後という設定に変えられた。
 そのお陰で、主人公の女子高生が超ミニをはいても違和感がなく、テンポもよくストーリー的にもかなり好評で、期待以上の興行収入をあげたようである。二匹目のドジョウを狙ったのか、本作も時代背景が現代となり、主人公は「原作の主人公の娘」という設定になっている。
 今回は、原作の主人公(母)が高校生だった時代にタイムスリップするという思い切りの良い設定に好感が持てた。また主人公の仲里依紗は、序盤こそぎこちない演技であったが、切なさと爽快感の双方を併せたような存在感が可愛かったね。それに、『純喫茶磯辺』や『パンドラの匣』のときはポッチャリしていたのに、かなりスリムになりキュートになった気がする。
 それと、中尾明慶扮する涼太の風貌が、昭和40年代の青年そのものであったことには笑えたな。彼はまさに私の青年時代の友人と、そっくりだったのである。
 ただ残念なことに、低製作費のためか、ボロアパートを除けば、ほとんど昭和40年代の風景が出現しない。それにタイムスリップ時の映像も、大昔のTVドラマ風でかなりチープである。また中だるみというのか、恋愛ドラマに力点を置き過ぎた結果なのか、母から頼まれた人物探しも中途半瑞だった。
 しかしながら、探していた人物が登場してからは、急にテンポが良くなり、ストーリー展開も面白くなる。ただタイムトラべルファンとしては、もっとパラドックス風味も織り込んで欲しかったな。もしかすると、脚本創りをした人が、タイムトラべルには余り興味がなかったのかもしれない。

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2010年3月15日 (月)

母なる証明

★★★

 今頃になってこの作品を映画館で観た。『殺人の追憶』と『グエムル』のポン・ジュノ監督・最新作だし、ネットではかなり評価が高いからである。
 母の偉大な愛を称えるような邦題、そしてそれを追従するようなコピー文。「殺人事件の容疑者となった息子を救うため、真犯人を迫う母親の姿を極限まで描く、ヒューマン・ミステリー」ときた。

Mother
 そしてカンヌ国際映画祭で絶賛の嵐!韓国では、公開10日で200万人を超える今年最高の大ヒットスタートを記録!と続くのだ。
 確かに母親役のキム・へジャの鬼気迫る演技力と存在感は大賞賛に価するだろう。そして他のキャスト達の演技ぶりもなかなか捨て難いものがある。
 だが私が期待していたものとは、何かが違っているのだ。年を取るにつれ、韓国のキムチパワーには、だんだんついてゆけなくなってきたのかもしれない。毎度のことだが、せっかくシリアスな作品なのに、序盤の場違いな「おバカなスペック」や、警察の無能ぶりと、雑な取り調べには興ざめしてしまった。昔の香港映画同様、そうした無神経さが気に入らない。
 ただラスト近くのドンデン返しには、「また韓国映画にやられた」という愕然とした思いで一杯だった。この映画は、このドンデン返しのために存在する映画なのだ。

 というより、このドンデン返しがなかったら、「母子愛を描いたヒューマンドラマ」にはなり得ず、頭の弱い美形の息子を狂愛する老女の、枯れた官能ミステリー作品で終わっていただろう。
 ところで、あの「放火シーン」のときから気になっていた「針箱」の行方だが、ラストにきちっと落とし前をつけたところで、ポン・ジュノ監督の力量が確認出来た。それから、人いない野原でキム・へジャが腰を振るオープニングと、バスの中で踊りだすエンディングは奇妙だが実に印象的だった。

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2010年3月13日 (土)

ジョゼフィンと魔法のペンダント

★★★

 まさにお子様ランチとしか言いようのないほど、安上がりなデンマークのファンタジー作品であった。オープニングでは、少女ジョゼフィンがタイムマシンで、少年時代のキリストに会い、友達になったとナレーターが告げるのだが…。

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 そしてまた悪魔のタイムマシンを使って、BFのオスカーと一緒に過去の世界へ旅立つ。このタイムマシンは、ただのペンダントで、これを身につけて過去の時代の品物に手を触れると、その品物が存在していた時代に跳んでゆけるという魔法のような代物である。また現代に戻るには、単にペンダントに触れればよいという、非常にシンプルで便利なタイムマシンなのだが三回しか使えないのだ。

 さて果して前作があったのか不明だが、少なくとも本作では、キリストと友人になったという前置きは、全く意味を持たない。それにしても、TVドラマ並の低予算で雑な脚本なのだが、タイムトラべルファンなら、一応タイムパラドクスも設定されているので、そこそこ楽しめるだろう。

 タイムスリップした場所は、オスカーの祖先が住んでいた場所であり、そこで病死したはずの少女を救ってしまうのだ。歴史を改編してしまったために、現代に戻るとオスカーの祖父が生まれていない事になってしまった。当然オスカーも生まれるはずがないので、彼の姿がだんだん消え始めるのだ。ここいらは、完全にバック・トウ・ザ・フィーチャーのパクリだろうね。
 それでもう一度過去に戻るのだが、今度は現代の薬を持ちこんだジョゼフィンが魔女裁判にかけられ、火あぶりの刑に処せられることになってしまうのだ。さてジョゼフィンの運命やいかに…。

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2010年3月10日 (水)

すべて彼女のために

★★★☆

 ある日突然、平和なマイホームに警官達が押し入り、妻を殺人罪で逮捕してしまう。あっという間の出来事に、狂乱する夫と泣き叫ぶ赤ん坊。物語はここから始まるのだ。

Subete
 あれから3年後、無実の妻リザは冤罪を着せられたまま、投監され続けている。だが余りにも証拠と動機が揃いすぎていて、弁護士も匙を投げてしまうのだった。
 それで夫のジュリアンは、家や教職を捨てて、息子オスカルともにリザの脱獄計画を画策する。非力で善良な市民が、たった1人で、国家権力を相手に一体どれだけのことが出来るのか。興味の中心はその一点に尽きる。

 彼は何日もかけて、緻密な調査と綿密な計画を立てるのだが、やはりド素人の悲しさで、スムースに事は運ばない。途中で殺されそうになったり、逮捕されそうになったり、終始緊張の連続であった。この緊張感は凄まじい。
 余りにも大胆な行動を起こす主人公だが、決してこの作品はアクション映画ではない。実に地味で、現実的なのだ。またラストの予測もつかない。フランス映画らしいね。
 妻リザを演じたダイアン・クルーガーは、実に美しい。夫が命をかけて救出しようとする気持ちも分からないではない。
 だが夫ジュリアン役のヴァンサン・ランドンは、かなり老けこんでいるし、僕の好みのタイプじゃなかった。そんな事が影響したせいか、この主人公には、余り感情移入出来なかったな。

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2010年3月 7日 (日)

おとうと

★★★

 山田洋次監督の、吉永小百合による、サユリストのための映画。相変わらず観音様的な演技しか出来ない(させない?)小百合様に、ちょっぴりうんざり。しかし彼女の集客力だけは凄まじい。と言いながらも、サユリストの皆さまごめんなさいネ。決して小百合様をこき下ろす気は毛頭ごさいませんのでお許しを…。

Brother

 また山田監督の作品ということで、期待したのだが、肝心の「おとうと役」がミスキャストのような気がする。まず千春の結婚式シーン。トラさんのときは、さくらのお見合いシーンに大爆笑したが、鶴瓶ではトゲトゲしさばかりが残ってストレスが溜まるし、彼には哀愁が漂わないのだ。『ディア・ドクター』のときは、なかなかニセ医者役が板に付いていたが、今回の役柄と演技力では観客の笑いも涙も誘えない。
 それから、脚本のほうも練込みが足らず、余りにも単調で退屈である。せめて過去を回想するなりして、もう少しおとうとの良さも描けなかったのだろうか。ただラストにボケ祖母役の加藤治子が、満を持して放ったあのセリフだけは印象的だったな。
 僕にとってこの作品の見所は、姉と弟の兄弟愛ではなく、娘役の蒼井優と加瀬亮との良い関係かな。転んでもすぐ起きあがる明かるくたくましい女と、心の底にじっと淡い恋心を抱き続ける優しく無口な男との取り合わせにジンとくるのだ。二つの雨の日のシーン、なんとなくとても嬉しい感じがしたね。この辺りの人情話が山田監督の新骨頂か。

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2010年3月 6日 (土)

扉をたたく人

★★★★

 妻を亡くして心を閉ざしている62歳の大学教授ウォルターは、ふとした出来事からジャンべを弾く移民青年タレクと親しくなる。だがある日、地下鉄乗り場で無賃乗車を疑られたタレクが、逮捕されたまま刑務所から出られなくなってしまう。
 実は彼は不法滞在のシリア人だったのである。その後ウォルターは弁護士を雇って、何も悪い事をしていないタレクを釈放しようするのだが、状況は全く好転しないのだった…。

Tobi
 かつては全世界の人たちが自由に闊歩し、夢を与えてくれたアメリ力だが、あの9.11テロ事件以後は、急に外国人に対して厳しくなってしまった。まるで心を閉ざしていた主人公ウォルター同様、態度を硬化して国の扉を固く閉ざしてしまったかのようである。そういう意味でも、原題は「THE VISITOR」であるが、この邦題のほうがぴったりしているね。

 無愛想で嫌味な爺さんが、移民青年と親しくなり、生き甲斐を見出し次弟に心を開くという展開は、イーストウッドの『グラン・トリノ』とそっくりである。ジャンべを通じたタレクとの世代と人種を超えた交流は、とても心温まる展開だった。そうタレクが逮捕されるまでは…。
 逮捕され拘束されたタレクは、不安と苛立ちが交錯し、ジャンべも叩けず、次第に白人であるウォルターとの距離を感じ始める。このあたりからストーリーは、徐々に暗雲が立ち始めるのだ。
 しかしながら、タレクの美しい母モーナの登場で、一気にラブロマンスの香りが漂い始める。このあたりの転換が難しいのだが、ごく自然にストーリーが流れてゆく様は見事だ。二人の中高年は、それぞれ惹かれ合ってゆくものの、激しい感情表現や露骨なラブシーンもない。これが良かったのだろう。そうしないと、この映画は全く違う作品になっていたからである。
 そしてアメリカ映画らしからぬラストも、なかなか渋くて心に残る締めくくり方であった。観た後に、アメリカの現状をいろいろ考えさせられ、また登場人物たちのその後の行動が気になる作品でもある。

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2010年3月 3日 (水)

のだめカンタービレ最終楽章前編

★★★★☆

 マンガを原作にした映画は、ほとんどが評判が悪いのだが、この映画に限っては大好評なのだ。原作を全く知らない私には、のだめというタイトルからして、何となくバカバカしいイメージが湧いてくる。それで当初は敬遠していたのだが、余りにも評価が高いので、今更だがこの映画を観ることにした訳である。

Nodame1

 原作を知らないので、序盤はそれまでの成り行きが全く分からず、外人が日本語を喋ることにも違和感を抱いていた。ところが序々にボルテージが上がってきて、中盤以降は日本語を喋る外人も気にならず、自然とスクリーンの中に引き込まれてゆくのだった。
 場内は若い女の子ばかりだったが、おじさんが観ても決して場違いな作品ではない。玉木宏のイケ面振りも様になっていたが、なんといっても主演の上野樹里ちゃんは、完全に役柄にハマっていたよね。
 あのマンガそのものの、アニメとの融合シーンは傑作だし、ピアノを弾くシーンもなかなか巧かった。そしてラストのオーケストラの演奏シーンはまさに圧巻である。やはり劇場の大画面で観なくてはだめだね。

 パリの風景にうっとりし、笑いの中に涙が湧き、最後は感動のオーケストラの嵐で締めくくる。当然のことだが、オーケストラは全員の技量と呼吸が揃って、始めて実力が発揮される。だが観客には、その素晴らしい演奏の影に、数々の困難があったことは分からないだろう。
 かなり卓越した脚本と、見事に役柄と個性がハマリ切ったキャストたち。それに大人がキッチリと鑑賞に耐えられるだけの制作費の拠出。映画がやるべきことは、全てやり尽くした感のある作品であった。
 今回はのだめより干秋がクローズアップされていたが、後編はいよいよのだめの出番である。今から4月17日が待ち遠おしいね。

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