カラヴァッジョ天才画家の光と影
★★★★
まさにタイトル通りの映画であった。イタリアの天才画家であるカラヴァッジョの、波乱に満ちた激動の半世を、胸が苦しくなるほど激しく描いている。
カラヴァッジョの画風は、徹底した写実性と明暗対比、そして卓越した感情表現にある。これは彼の人生そのものでもあり、後世に多大な影響を与えている。だが当時は、その強烈過ぎる表現が、著しく品位を欠くとの批判もあったようだ。また娼婦モデルを使って、聖母マリア絵を描いたことも非難の元になったようである。
それにしてもこの男の自尊心の強いこと。まさに誰にも彼の暴走は止められなかった。ある意味彼ほど愛され、かつ憎まれた男も少ないであろう。その究極ともいえる波乱万丈の人生は、タイトルの光と影そのものである。だからこそ、天才的な画力を発揮し得たのであろう。そして、その光と影は相乗しながら、どんどん肥大化してゆくのだった。
ラストの展開を以外に感じる人もいるかもしれない。だが僕にはそれが必然の成行というか、彼にとってはそうなるしか選択肢はあり得ないと感じてしまった。
どんなに光り輝く芸術を残しても、その裏にどれだけの犠牲があったのか、それを決して忘れてはなるまい。それが彼の業であり、定められた因果なのであろう。
最後にクリックしてランキングを確認してくれると嬉しいな↓↓↓
↓ブログ村とクル天↓もついでにクリックお願いします(^^♪
| 固定リンク | 0
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 俺たちは天使じゃない(2022.08.15)
- NINJA THE MONSTER(2022.08.11)
- 秘忍伝 NINJA KILLER(2022.08.06)
- ソード・オブ・レジェンド 古剣奇譚(2022.07.29)
- アトリエの春、昼下がりの裸婦(2022.07.19)
コメント
こんにちはKLYさん
いつもコメントありがとう
確かに、カラヴァッジョを演じたアレッシオ・ボーニは肖像画にそっくりでしたね。
そして演技力も腹が立つほど抜群でした。
それにしても芸術家とは、〇〇と紙一重なんですね。
投稿: ケント | 2010年3月 1日 (月) 20時43分
徹底的にリアリズムを追求した彼だからこそ、自分を偽ることが出来なかったのでしょうか。しかし、あまりにもストレートに自分を表現することは、確実に敵を作りますよね。それは現代でも全く同じことですし。言ってみれば「大人になれなかった」ということなんでしょうけども。
しかしそこまでの純粋さがなければ彼のあの絵も無かったのではないかと思うのです。芸術家とはこういうものなのかもしれません。
投稿: KLY | 2010年2月28日 (日) 21時39分