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2009年11月の記事

2009年11月26日 (木)

2012

★★★☆

 マヤ暦終末説によると、2012年12月21日に惑星直列と太陽フレアの影響で地球の温度が異常に上昇し、地震・津波などの大規模な地核変動が起こり、地球は終末を迎えるという。これは過去に何度も起きていて、水没したアトランティス大陸もその一例だというのだ。
 この作品では、その2012年に起こる地球終末の日を生き抜こうと、必死で自然に立ち向かう人類の姿を描く。ほとんどCGで創りあげたとはいえ、ともかくいまだかつてない程、もの凄い映像のオンパレードなのである。
 火山の爆発、地割れ、モスクの崩壊、ロサンゼルスの消滅、そしてチベットまでも水没し、北極と南極が入れ替わってしまう。こうなったら地上の人類は誰も生き残れるはずがない。

        2012

 ところがこの事態を数年前に予測したアメリカ政府は、世界の主要国と共同で『方舟』を創るのである。そう、『鋼鉄製ノアの方舟』で人や動物を守ろうと、極秘特別プロジェクトが発動するのだ。

 あらましだけをまとめると、神がかりで壮大な展開なのだが、ストーリーの狂言回しが、離婚した売れない作家という設定がいただけない。どちらかというとコミカルムードなこの男が、別れた女房と子供たちを助けようと、ドタバタアクションを繰り返す。このギリギリ・ドタバタアクションは、まるでインディ・ジョーンズ、ハムナプトラなどの冒険アドベンチャーそのもので、パニック映画としては場違いな異臭を感じた。
 そしてこの男は、あちらにピョンこちらにピョンと、なかなかしぶといというか運が良過ぎるのだ。そして散々仲間に助けられた挙句、助けた仲間は死んでしまい、自分は家族を取り戻すという、人をバカにしたスーパーラッキーマンぶりに腹が立ってくる。
 また黒人地質学者にいたっては、正義ぶるのはいいが、だからといって、自分の乗船権利を譲るわけではなく、しまいには大統領の娘をものにしちゃうのだからたちが悪いよね。いつもながらの事だが、どうしてアメリカ人は父と息子の絆とか、自分にだけ都合のよい正義を振りかざすのだろうか。

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 いろいろ突っ込み所の多い作品ではあるが、とにかく史上最大規模のVFX技術にだけは脱帽するしかない。もしこの映画を観るならば、決してDVDで観てはいけない。やはり劇場の大画面と7.1chの大迫力音響設備が必須でなのである。
 破格の製作費2億ドルにも驚くが、それ以上に、その製作費をわずか3日間の興行収入で回收したという、ハリウッドの圧倒的キャパには土下座するしかないね。
 それにしても2012年12月といえば、あと3年後に迫っているじゃないか。また書店には2012年関連の書籍が山積みだし、来年には『アルマゲドン』のマイケルべイ監督、2012 : The War for the Souls』の上映も予定されている。
 『ノストラダムスの大予言』にはだまされたが、2012年はもう少し科学的だし、もしかすると今度こそ本当に地球壊滅の日がやってくるかもしれない。…そんな気弱な人々をパニックから救うためか、NASAが2012年地球滅亡説を否定するという異例の声明を発表しているという。こんなことを聞くと、逆にアメリカ政府は既に2012年に地球が滅亡することを知っていて、あわてて否定しているのではないかと勘ぐってしまうよな。
 だが某宇宙物理学者によると、惑星直立や太陽フレアよリも、巨大隕石落下による地球壊滅のほうが現実的であるという。そして2036年4月13日に、アポシスという小惑星がカムチャッカ半島に落下する。そうすると少なくとも日本列島の太平洋側は完璧に壊滅するらしい。なんだかこちらの説のほうが恐ろしくなってきたが、もしその時も生きていたら諦めるしかないね。

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2009年11月18日 (水)

ゼロの焦点

★★★☆

 過去に何度もTVドラマや映画化されている作品である。太宰治と同じく松本清張も、生誕100周年を迎えるようだ。松本清張といえば代表的三作として、『砂の器』、『点と線』に並んで本作があげられる。
 松本清張は『或る「小倉日記」伝』で、芥川賞を受賞すると、社会の暗部とドロドロした人間の本質を鋭くえぐる作品を続々と発表し、社会派推理小説という金字塔を築きあげた。本作も単なる謎解きミステリーではなく、敗戦後における女たちの苦渋に満ちた人生を描いている。…はずだった…。

        Zero

 今更の映画化ではあったが、昭和30年代の街並や蒸気機関車など、とてもCGとは思えない大がかりな撮影セットには舌を巻いた。さすが『三丁目のタ日』の東宝である。
 それにしても昔は、事務所や工場の中であろうが、列車の中であろうが、客間であろうが、いたる所でスパスパとタバコを吸っていたんだね。喫煙ル一ムなど隔離された場所でしか吸えなくなってしまった現代と比べると、まるで違う国のように感じてしまうよな。タバコがこれほど追いやられてしまった事は、女性の地位向上の象徴といえよう。そのことがこの作品のテーマとオーバーラップしているのは偶然なのだろうか…。

 さて今回の映画化のもう一つの売りは、主演の三女性に、広末涼子、中谷美紀、木村多江の人気女優を配したことだろう。それぞれの個性を活かした役柄で、女優達の選択に間違いはなかったと思う。ただ木村多江の登場シーンが短かったのが不満であり、この映画のもの足りなさに繋がってくる。
 広末涼子自体は、なかなか演技力もあるし、役柄にハマッていたと思うのだが、余りにも探偵ゴッコにこだわり過ぎた展開がよくなかった。前述した通り松本清張の作品は、単なるミステリーではなく、社会派推理なのだから、犯人探しはほどほどにして、もっと人間ドラマの部分にスポットを当てなくてはならない。
 それだからこそ、社会の底辺で生き抜いてきた木村多江のドラマをもっと掘り下げて描いて欲しかったのだ。誰が犯人かなどということは、賢明なミステリーファンなら、中盤ですぐに判ってしまうはずである。
 松本清張の原作を使うのであれば、砂の器』のように、ここのところをキッチり押さえておかねば意味がないのだ。その小さなほころびが、この作品の持ち味を殺してしまう結果になってしまったことを、犬童一心監督は気付いているだろうか。

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2009年11月13日 (金)

大洗にも星はふるなり

★★★

 登場人物は約10人、観客も同じく約10人。平日とはいえ、お一人様一列独占は、余りにも寂し過ぎる。
 それ程つまらない映画という訳ではないのだが、映画というより舞台劇。回想シーンを除けば、すべてが海の家の中での会話劇なのだ。
 ストーリー設定も大雑把。大洗海岸にある海の家でバイトをしていた男達とマスターの計6人が、同じくバイト仲間のマドンナ江理子に夢中になるというラブコメ。というより、恋愛テーマのお笑いと言ったほうがぴったりかもしれない。

       Ooarai

 まるで吉本の掛けあい漫才とか、お笑い舞台劇を観ているような展開なのだ。まあそれはそれで良いとして、無理矢理笑わそうとしているところが苦しいというか、お寒い限りである。
 またこうした小人数の会話劇をやるなら、もっと演技力のある役者を起用しなくてはならない。まっとうだったのは、山田孝之、安田顕、佐藤二朗の三人だけで、残りの役者たちは、大根というよりド素人という感じが否めない。こうしてみると、普通の役を違和感なく普通にこなしている役者たちの凄さを、改めて思い知らされたわけだ。
 なぜ大洗なのか?下妻物語のようなダサイ風景が登場するわけでもなく、「まずそうなタイトル」をアピールしているだけで得るところがない。また映画館で観る必然性もなく、旧作DVDをレンタルし、乾きものをつまみにビールでも飲みながら、ソファーに横たわって観る程度かな…。
 アイデアとしては面白かったし、7人全てが芸達者で、もうひと捻りあったらかなり素晴しい作品になっていたと思う。そう考えると非常に残念であり、もったいない気がするよね。

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2009年11月11日 (水)

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

★★★★☆

 マイケルが急逝してから約4ヵ月。いまだにはっきりとした死因は不明のようである。だが巷では、過激なリハーサルによる過労とストしス、薬物による副作用が主因との噂も…。
 その過激なリハーサルとは、2009年7月にロンドンで行う予定だった「生涯ラストコンサート」のリハーサルである。ただ歌うだけではなく、過激なダンスやアクションを伴うステージをて10回繰り返すというのは、50才のマイケルには辛いだろうな。薬に頼ったのもなんとなく理解出来るような気がする。
 この過激なリハーサル風景を撮影したものを編集したのが本作品なのだが、どこにも過激さやマイケルの苦悶は見当たらない。むしろリハーサルを楽しむように歌い続け、軽やかなステップで踊っているようだった。ただし一度だけ、余り本気で歌わせないで」と、さらりと言っていたのが気になる。その真意は本人だけが知っているが、今となっては謎の言葉でしかない。

   Thisisit

 このリハーサル風景を観ていて感じたことは、マイケルの優しさと繊細さである。スタッフが失敗しても、決してどなったりせず、優しく諭すだけなのだ。
 一方スタッフ達は、マイケルを心底から尊敬し、彼と一緒に仕事が出来ることを誇りに思い、力の限り一生懸命に練習している。ことにバックダンスの若者たち、ギターの女性、ボーカルの女性などが印象的だったね。正式なロンドン公演も観たかったが、マイケルの真摯で優しい素顔を観ることが出来た、ということで本作の価値は跳ね上がったのだろう。
 事実いつも悪評の絶えないヤフー掲示板での評価が異常に高い。ほとんどの人が満点を付けている。ことにマイケルをよく知らない若い世代が感動しているのだ。
 マスコミの悪意の報道が影響して、マイケルのことを、整形とクスリ漬けの変人としか考えていなかった若者たち。彼等がこぞって、続々と自分の認識が誤っていたことを謝罪し、本作品いやマイケル・ジャクソンに感動しているのである。
 決して今時の若者たちは、偏見と独断でしかものを観ないわけではない。やはり素晴しいものは、誰が観ても素晴しいものなのだ。若者たちの声援の多さに、未来の日本も捨てたものではないと確信し、嬉しさでおもわず感動の涙を落としてしてしまった。

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 はじめは短期間の特別上映の予定だった本作品だが、大好評につき、さらに二週間以上の上映延長となった。現在興行成績及び評価の双方が断トツという、異常なフィーバー現象を起こしている。さらに1988年に製作された『ムーンウォーカー』まで刈り出される始末。
 これでマイケル・ジャクソンは、エルビス・プレスリーと並ぶ伝説のエンターテイナーへと昇格してしまった。マイケルの死は悲しいし、もう彼の生ライブが観られないのは非常に残念である。
 しかしさすがのマイケルも、寄る年波には抗えず、激しいステージもそろそろ限界に近づいていたことは確かであろう。そのことを考えると、若くして惜しまれながら逝去し、伝説のスーパースターとして歴史に名を残したことは、幸福だったのだと考えることもできる。

 子供たちが大好きで、地球環境の破壊に心を痛めていた優しいマイケルは、今天国で楽しくステップを踏みながら歌っているに違いない。偉大なるマイケル・ジャクソンに、心からご冥福を祈ります。

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2009年11月 7日 (土)

PUSH 光と闇の能力者

★★★

 超能力者同士の戦いがテーマのアクション映画なのだが、Xメンを期待すると裏切られるかもしれない。本作での超能力は、未来予知能力と相手の記憶や意志を制御する超能力が中心となり、Xメンのような派手なスペクタクルシーンは少ないからだ。
 ちなみに登場する超能力の種類を分類整理すると次の通り。
①ムーブ 念力による遠隔操作
②ウォッチ 未来を予知する
③プッシュ 相手の記憶や意志を制御する
④スニフ 臭いで相手の過去と現実を特定する
⑤ブリード 声で人や物を破壊する
⑥シフト 物体を別物に作り変える
⑦スティッチ 触れて傷を治す
⑧シャドウ 超能者から人や物を隠す
⑨ワイプ 相手の記憶を特定期間消去する

 とにかく変わった能力が多く、超能力者も多数登場する。

        Push

 ただ舞台が香港であり、高層ビル群の隙間からドロ臭さが鼻をつく。なんだかハリウッド資本の入った香港映画のような感があってかなり違和感を覚えた。また秘密組織ディビジョンと超能力者たちのバックボーンが説明不足で、SFの中にミステリー風味が漂ってくる。
 始めのうちはこの風変わりな展開に、アメコミものにはない重厚さと奥深さを感じたのだが、登場人物が超能力者ばかりであることと、後半になって物語が単調になってしまったのが残念だった。視点はなかなか鋭いのだが、なにか中途半端で食い足りない。
 ただ本作もダコタ・ファニング嬢の存在感によって、かなり救われた。子役のときから注目していたが、とにかくこの天才少女は一体どこまで快進撃を続けるのだろうか。子役で成功した子は、大人なってさほど伸びない例が多いのが一抹の不安ではある。それにしても彼女、どことなく雰囲気が安達祐実に似ていると思わない?

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2009年11月 4日 (水)

ファイナル・デッドサーキット3D

★★★☆

 死の未来を予知し、迫りくる死の運命から逃がれようと、必死にもがき苦しむ男女の恐怖と、多彩な死のトラップを描くパニックホラーシリーズの4作目。本シリーズは予知夢がポイントだが、第一作が飛行機事故、第二作が高速道路での大惨事、第三作がジェットコースター、今回はサーキット場での大事故である。

   Fd3d

 シリーズを重ねるたびに、演出の妙味がだんだん低下しているが、今回は3Dなので恐怖の臨場感がたっぷりと味わえる。刃物やドリルや血しぶきが、観客の目先に飛び込んでくるから堪らない。もうそろそろかなと、心の準備をしておかないと大変なことになる。ことに心臓の弱い人は要注意!
 映画というより、まさに恐怖のアトラクションと言い切るほうが良いだろう。そのためR15指定で、料金も2000円とやや高めの設定となっている。

 ストーリーは実にシンプルなのだ。主人公の予知夢のお陰で、奇跡的に助かった9人の男女。だが、死の運命はそれを許さず、次々と残酷で恐ろしい死が襲いかかってくる~というもの。
 見所は、誰がいつどのような死に方をするのか、といったことだけなのだが、予測がつかないのでドキドキハラハラの連続である。ことに日常で起こり得る事故については恐怖感が増幅する。この映画を観たら、当分は美容院、自動洗車、プール、エスカレーターなどの利用は控えたくなるよね。
 日本語吹替版の評判が悪いが、前述したように、これは映画ではなくアトラクションなのだから、そんなことに目クジラを立てても意味がない。それに重い3Dメガネ着用で視野が狭くなっているし、テンポが早いので字幕を読むには辛いものがある。

 料金が高いし、極端に好き嫌いが分かれる作品なので、事前に次のことをチェックしてから映画館に行こうな。

1.映画ではなくアトラクションだと思って観ること

2.人肉ミンチのような超グロい映像が待ち受けていることを覚悟すること

3.暗示にかかり易い人は、映画を観終わっても恐怖に取付かれるので要注意

4.眼精疲労や心臓病のある人はパスしたほうがよい

 映画が終わってから、「ラストの締めかた意味わかんない~」と彼氏にボヤいている女がいた。またその彼氏もゴチャゴチャと訳の判らん理屈をこねている。おいおい、これってホラー映画の定石なんだけどなあ・・・

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