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2009年10月 1日 (木)

カムイ外伝の酷評分析と本当の評価

「ネタバレのオンパレードにつきご注意ください!」

 二年前から死ぬほど期待して、じっと恋焦がれて待ち続けた実写版『カムイ外伝。松竹が熱意を持って宣伝活動を行ったためか、いまのところ興行的にはまずまずのようであります。ところが、ネットでの評判がすこぶる良くない。ことに若い人達が投稿する掲示板などで、そのような傾向が目立ちます。

 私にとって「白土三平とカムイ」は青春そのものであり、たとえ原作ではなく映画といえども、このような感情的で一方的な酷評は許しがたいし、私自身の全人格を否定されているようでやるせなく悲しくてたまりません。この映画に対する私自身の評価も3.5と、それほど高いものではありませんが、前述したネットでの酷評者の評価は1で、そのコメントにもただならぬ気配が感じられます。

 さてここで私自身が熱くなっては、ミイラとりがミイラになってしまう。もう少し冷静になって、原作の解説を交えながら、具体的に酷評コメントの分析をしてゆきたいと思います。

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  まず原作を読んだことがないのに、クドカンの脚本が悪いと勝手に決め付けている人に
 ストーリーが判り難く話が急に飛ぶのは、白土三平の作風でありクドカンだけの責任ではないことをまず理解してください。半兵衛が領主の馬の足を斬ったのも、突然渡り衆が現れたのも、不動が仲間の渡り衆をまとめて殺害したのも、ラストで不動の両手が吹っ飛ぶのも全て原作通りなのです。
 もちろんクドカンの脚本ミスもあります。その理由としては、まず島民全員が毒殺されていたこと。これはちょっと不自然ですね。半兵衛の家の水かめに毒を入れたのに、なぜ島民全員が一斉に他人の家の水を飲んで死んだのか、と突っ込まれてしまいます。
 原作では半兵衛一家だけが全員殺害されています。これは、米の炊き出しに「かめの水」が使われることを知っている不動が、油断したスガルとカムイを殺害する目的で使った非道な術なのです。そのため、家族全員が巻添いを食って毒殺されるはめになってしまいましたね。

 この暗殺手法は同じく白土三平の『忍者武芸帳』で、最強忍者集団である影一族の大半が、蛍火という女忍者一人に一瞬のうちに殺害された手法と同じであります。このような無差別殺害を狙った方法は、毒ガスや細菌兵器同様、仕掛けるほうは無傷で済みますが、これ以上最悪最凶で非人道的な殺人手法はありません。ですから、カムイはこのような悪質な術を施した不動を心底憎み、不動の両手を切断したあとにも、生きたままサメに食わせるという、異常な復讐を成し遂げています。もちろんサメに食わせるシーンは残酷過ぎて、実写で上映することは出来なかったのですが、カムイの憎悪と悲しみの葛藤については、クドカンの脚本では描き切れなかったようですね。

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 それから、あくまでも外伝なのですから、アクションや主な登場人物の個性や感情などをもっと掘り下げて描いて欲しかった・・・という要求が多数ありました。これは私も同感で、いきなりカムイと敵との戦いを挿入するのではなく、まず敵の怖さや強さを誇示するシーンを創ってからカムイ戦に望むというパターンが白土三平の常套手段であります。そのほうがカムイ戦における期待度と興奮が高まるはず。
 またカムイとスガルの関係が希薄だったし、彼ら追われる者たちの心理状態も観る側に伝わってきません。裏を返せば、抜忍を追う忍者達の必然性と、その心理状況なども全く説明されていないところに問題があります。
 結局のところ、在日だった崔監督は、本当は差別を描いた本伝の『カムイ伝』のほうを創りたかったのだと思いました。しかし膨大でスケールの大きすぎる『カムイ伝』をいきなり創るのは、現実問題として実現不可能と判断し、とりあえず様子見というか試作品として『カムイ外伝』のほうを選択したのではないでしょうか。ところが『カムイ伝』を知らない人達は、『カムイ外伝』のほうが理解し辛いという矛盾のトラップにはまり込んでしまったのです。

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 もともと『カムイ外伝』は、マイナーな青年誌『ガロ』において、カムイ伝が大人気を博したため、メジャー出版社である小学館がこれに目を付け、カムイと彼に群がる忍者達との秘術合戦を中心とした一話完結の短編ものとして『カムイ外伝』を少年サンデーに連載したわけです。従って読者の対象は少年であり、忍法の面白さを爽快にスピード感溢れるストーリーで構成されていました。
 具体的には、第1話の「雀落し」から第20話の「憑移し」までの20話をいい、これが『カムイ外伝第一部』といわれる作品群となります。これでおしまいならまだ判り易いのですが、このあと発表場所を『ビックコミック』に移し、内容も人間性と心情を中心とした「中編社会派ドラマ」として成人向けに大改装したのです。これが本作の『スガルの島』を含む全18話となり、『カムイ外伝第二部』と呼ばれている作品群なのです。

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 というわけで、その構成と内容から絵柄までがらりと変わってしまったのであります。従って『カムイ外伝』と一口で簡単にくくる事もできないのです。また当時『カムイ外伝』を読んでいる人達のほとんどは、『カムイ伝』も読んでいる訳であり、いちいちカムイが抜忍になった理由など説明しなくても、承知の助だったのであります。そうしたバックボーンを一切承知していない現在の若い世代に、いきなり『カムイ外伝』を理解しろというのも無理があると思いました。

  ワイヤーアクション、CGなどSFXの出来映えの悪さを必要以上に非難している人に
 確かにハリウッドの最新SFXと比べると、スピード感に乏しく映像の粗さも見られます。ですが全世界を配給対象としている怪物ハリウッドと、日本だけの興行収入に頼る邦画の製作費の違いくらいは理解しましょうよ。SFXのワイヤーアクションはもともと香港発だし、CGに至っては日本人のクリエーターが中心になってハリウッドで製作しているのです。
 従って日本の技術が稚拙なのではなく、ハリウッドという巨大資本に全世界の技術を買収されただけなのです。いまやSFXなどは、金さえ出せばどうにでもなるのです。少なくとも高校生くらいならこの辺りの論理は分かりそうなものだと思うのですが。
 だからといって、この作品のSFXがこのままで良いと甘やかしている訳ではありません。もし次回作が製作されるのなら、もっとスピード感あふれるアクションとカムイの強さをもっと強調した戦い方にしてもらいたいと思います。またアクションシーンの長さについても、緊張感を失わない程度にもう少し長い時間配分を考えて欲しいですね。

  総括として
  私のような「白土教カムイ命」のような輩には、今回の実写映画『カムイ外伝』は、神からの授かりもののようで、諸手を挙げて雄叫びをあげるほど嬉しかったのです。またストーリーは承知の上なので、実写でのカムイやスガルの容姿、飯綱落としや変移抜刀霞斬りの映像を確認するのが目的でした。しかしながら『カムイ』も『白土三平』も知らない世代にとっては、まず「なぜ今頃カムイなの?」という素朴な疑問が湧き出ていることでしょう。これについては、前述した通り、『カムイ伝』に対する崔監督の強烈な思い入れがあったからだと考えたい。監督とほぼ同年代の者として、痛いほど監督の執着心が伝わってくるからであります。

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 それはそれとして、裕福で平和な日本に生まれ育った若者達に、『カムイ伝』の中核的ポリシーとなっている「身分制度と差別」について語ること自体に無理があったのです。また彼らには愛と平和と笑いが必須であり、それらの要素をことごとく排除した本作品が、そもそも受け入れられるはずもないのでしょう。ですがそれは承知の上で、どうしても映像化したかった崔監督は、若者に圧倒的な人気を博している松山ケンイチをカムイに仕立てる事で、そのリスクを回避しようと図ったわけです。
 それは一方では成功したものの、超美貌でひたすら強く逞しいカムイに比べて、かなりイメージが異なってしまう結果を招いてしまいました。さらには本来「男の映画」であるべき本作品に、マツケン目当ての若い女性が乱入したため、「判らない、怖い、残酷」という罵りの嵐と化してしまったのです。原作はもっと残酷でエロいシーンが沢山あります。映画化にあたって、それらをだいぶカットしたのですが、やはり平和な世代の女性には耐えられなかったのでしょう。

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 また最近の若者たちの気質として、じっと辛抱する事が出来ないため、好き嫌いが激しく結論を急ぎ過ぎる傾向にあります。それでちょっと気に入らないことや理解出来ないことがあると直ちに「×××××」で、逆に好きなことや気に入ったことには、どっぷりと漬かり切って「○○○○○」だという、極端な判断を直感的に下してしまう人が増えていることも見逃せない事実であります。
 もうひとつ、マンガの原作ものが実写化されると酷評されるというジンクス。しかしそれは団塊の世代が子供のころや青春時代に夢中になって読み漁った作品に多くみられます。具体的には、『キューティーハニー』、『デビルマン』、『鉄人28号』、『キャシャーン』、『どろろ』と、救いようのないほど容赦なく徹底的に叩きのめされて、累々たる屍をさらしています。これらの例を見ても、ただ人気俳優を配しただけではリスク回避には繋がらないことが分かるはずです。

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 さすがに崔監督といえども、そこまで最近の若者の心理状態を読み切れなかったようですね。その現代若者気質が、今回も例外なく発動されただけであり、この作品の完成度の高低とは無関係に酷評の嵐が流れる事になったのでしょう。それでも今のところ興行ランキング三位と健闘しています。思うにこの3位という評価こそ、この作品の本当の評価なのかもしれませんね。
 崔監督は『カムイ外伝』をあと2作創り、そのあと『カムイ伝』を創る事が夢のようであります。それが実現すれば私も非常に嬉しいのですが、現状の酷評の中ではかなりその実現は厳しいものになりそうです。あとは「トロント国際映画祭」と「ロンドン国際映画祭」でのニンジャ評に期待するばかりです。

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コメント

カムイのバックボーンを理解するには『カムイ伝』から読まなければ解らないでしょうね。劇中1度だけ、カムイが子供の頃のシーンで「非人」という単語が出てきましたが、それだけでも私はドキッとしました。よくセリフとして言わせたなと。
この差別問題が根底にあるからカムイが単なる忍者漫画ではない訳で、外す訳にはいかなかったんでしょうね。さりとて連発する訳にもいかず、痛し痒しだったんだろうなぁと想像しました。

ただやはりチープなワイヤーやVFX話にならない以前に監督がどうしてこれをOKにするのかが解りません。お金がなくてこうなったなら使わなければいいだけですから。別にこんな技術が無くても素晴らしいアクションはいくらでもありますし。逆に狙いでやったならセンスを疑います。

この作品の興行成績3位の殆どは松ケンと小雪、それと宣伝の賜物だと私は観ています。もちろんそれも映画の1部だと思いますから作品自体を否定はしませんけども。

カムイはメジャー映画には向いていないのかもしれません。仰るとおり元々『ガロ』発ですし。メジャーで作品を作ったら、どうしても大衆受けする忍者映画としての格好良さの部分は捨て去れないでしょうし。

投稿: KLY | 2009年10月 1日 (木) 23時31分

どのカムイを読んだか忘れましたが。
ガロでは絶対にないですが。
映画と聞いて、そりゃ無理だろと思いました。
また今の技術があるから作れたということもあるかもしれませんね。
また時が経ったらもっとリアルなカムイが出来るかもしれません。

投稿: v740gle | 2009年10月 1日 (木) 23時53分

KLYさんコメントありがとう
「なぜ抜忍一人に何十人もの忍者達が追いかけるの?」という書き込みをしていた人がいましたが、「カムイ伝」を読まねば理解出来ないですね。読んでいる人なら、将軍家の重大な秘密を握ったのだから当たりだと思いますが、仕方ないでしょうね。今後「カムイ伝」を撮りたい崔監督としては、その秘密を明かせないですからね。
チープなワイヤーやVFXと仰りますが、私にはそれほど悪くは写りませんでしたよ。それこそ大昔は吊るしたピアノ線が、はっきり見えたのに、子供心にも見て見ない振りをしていました。
別段その昔と比べなくとも、皆さんが仰るほど酷いとは感じませんでした。またそう仰っている人達も大勢いますよ。
確かにマツケン効果は高かったし、宣伝の効果も高かったと思いますが、最近の映画なんて皆俳優と宣伝で客引きしていますよね。別段この映画に限った事ではないと思いますね。
マイナーな「カムイ外伝」は、それほど観たくないですね。飯綱落しや変移抜刀霞斬りなしにこの作品は成り立ちませんから・・・。やはり最低限のSFXは必要だと考えます。
最近「チョコレート・ファイター」を観て驚きましたが、世界には物凄いアクションをこなす俳優が多いのに、今の日本では余りみかけません。ですからそうした意味でも、SFXは必要だと思いますよ。
「あずみ」が面白くなかったのも、SFXがほとんど使われなかったからです。
まあ、とにかく万人受けする作品ではないでしょうね。それでも私は崔監督の続編が観たいし、本作もDVDを買いたいですね。

投稿: ケント | 2009年10月 2日 (金) 23時30分

v740gleさんこんにちは
ガロでは「カムイ伝」のみで、外伝のほうは連載していません。外伝は「少年サンデー」と「ビックコミック」ですね。
大昔やはり白土三平の「ワタリ」が、実写映画として上映された事がありました。子供が主演で余りにも特撮技術が幼稚で、白土先生が当時製作者を叱りつけ、二度と映画化はさせないと言ったらしいですね。当時から私は楽しめましたし、最近DVDで再見しましたが、幼稚ではありましたが、それなりに楽しめました。
崔監督もそんな過去を知っているので、かなり原作に忠実に描かざるを得なかったのだと思います。従って多少難のあるSFXであっても、原作を忠実に再現するため、多用したのでしょうね。
それでも仰る通り、年々邦画のSFXも良くはなっていますよね。ハリウッドのほうも年々インフレ気味にSFXを多用するので、いくら追いかけても追いつけないでしょう。

投稿: ケント | 2009年10月 2日 (金) 23時44分

こんばんは。
寺尾さんの映画にTBいただいたのにこっちにコメントっていうのも何ですが。。。

これはまだ鑑賞できていないのですが(今日からTIFFが始まってしまいますので怒涛の10月なんです 涙)、時間があったら観にいきたいと思っています。
というのも、もう20年近く前になるのですが、「カムイ伝」の原作を読んでいます。 当時調べていたことの絡みで原作をかじることになりました。
とは言っても、あまりにも残酷過ぎてしまい、途中でギブアップしてしまいまして。
昔の人は非常なことを堂々としていた訳ですからね。

ものすごーく酷評ということはわかっていますし、松ケン&小雪も大して好きではないので(笑)、ニュートラルな感覚に近い状態で鑑賞できそうな気がします。
時間があったらなんですけどね。
観たらまたお邪魔します。

投稿: rose_chocolat | 2009年10月17日 (土) 18時55分

rose_chocolatさん、コメントありがとう
「カムイ伝」の原作を読んでいる人に出会うと嬉しいですね。それが女性だと格別であります。(^^♪
白土三平の作風は、女性にとっては厳しい面がありますが、それが実態であり真実であると思っています。しかし現在の平和な日本の礎も、そうした過去の人々の犠牲の積み上げによって成り立っていることから目をそらしてはいけないと思っています。
映画を観たら是非また来て、意見を述べてくださいね。(^_^)v

投稿: ケント | 2009年10月18日 (日) 10時51分

ケントさんありがとうございます。
カムイを正当に評価してくださって溜飲が下がる思いです。テーマが暗いとかSFXやワイヤーアクションがチャチだとかグロいとかカムイの本質にはふれずにたんなる娯楽映画の一つとして通り過ぎさられてしまうことが悔しくてなりません。カムイの放った矢が社会に大きな波紋を起こして欲しかったのです。崔監督は原作に忠実に映画化しましたが、たしかに所々で技術的な綻びや演出方法に一部違和感がありますが、いまカムイを世に出すことの意義と挑戦に大いに賛同するものです。次は「黒塚の風」をやりたいとのことですのでぜひ実現してもらうため、まだ映画館にカムイ外伝詣を続けたいと思っています。

投稿: コップニ | 2009年10月28日 (水) 01時39分

初めまして。勇気を出してコメントさせていただきます。

巷の溢れるカムイ外伝の酷評に対し、よくぞおっしゃってくださった!と拍手を送りたいです。

私は父の持っていた『カムイ』を容赦のない残酷さに吐き気を覚えながらも、引き込まれて何度も読み返しましました。
今思えば、幼い娘がカムイを読み耽っていても、咎めるどころか「オマエも観るか?」と言って一緒に『十三人の刺客』や『侍』を観た父は、かなりアバンギャルドな人だったようです(笑)
なので、今回のカムイの映画も実写映像で観られる上に大ファンの松ケン主演という事で、製作発表されてから今か今かと待ち望んでおりました。
そんなワケで6回観ましたが、全然飽きずに楽しめましたよ。

出来としては、全体的に掘り下げが足りない気はしましたが、同時期に上映された時代劇とは比べものにならないくらいしっかり作られていたと思いましたし、むしろ不動の最期はやっぱり鮫に食われなきゃいかんだろ…と、物足りなさを感じました。
しかし不動の腕を切り取られただけで「グロい」とか「気持ち悪くなった」と騒ぐお嬢さん方が大勢いらっしゃったようなので、多くの人に受け入れられるためには仕方がなかったよね…と1人無理矢理納得していた次第です。

映画の酷評については、今の若い人にとって映画は分かりやすい話でないと付いていけないと申しましょうか、深く考えてじっくり消化しようという心構え&習慣が無いので、カムイの世界観が理解出来ず、よくあるアクション映画と同様にただ娯楽だけを求めたためではないかと思います。
まぁ、宣伝で『娯楽アクション』と銘打ったせいもあるのでしょうが…。
私としましては、今後カムイが再び映画化されるのでしたら、もっと身分制度と差別の理不尽さをガンガン前面に押し出して、都合の悪い事には徹底して見て見ぬ振りする日本社会に一石を投じるくらいの内容にして欲しい、と思ってます。
製作会社の方で許さないでしょうが、私は許します(笑)

問題のCGやアクションは、見せ方によっては全然気にならないように出来るはずだと思いますので、崔監督なりの表現方法で頑張って欲しいです。

投稿: たれっくま | 2009年10月28日 (水) 13時30分

コップニさんはじめまして。
暖かいコメントありがとうございました。コップニさんも「カムイ伝」の大ファンなのですね。(^^♪
「SFXやワイヤーアクションがチャチ」と言うことだけで0点というような極端な評価をする若者(と思われる人)が多かったのは悲しい現実ですね。
「黒塚の風」はなかなか味わい深い作品でした。是非続編製作が実現されることを祈っています。

投稿: ケント | 2009年11月 1日 (日) 15時36分

たれっくまさん、はじめまして。鋭い分析と熱い思いのこもったコメントありがとうございました。
女性の方で、カムイ伝に興味を持っていただけるのは非常に嬉しい限りです。きっとお父上の影響なのでしょう。素敵な父上と、父に影響される娘との関係、非常に羨ましい限りです。
確かに私も、「不動の最期はやっぱり鮫に食われなきゃいかんだろ…と」思っています。そうでないとその前の鮫狩りなどのエピソードが生きてこないこともあります。
もし続編が出るならば、私としてはもっと超・『娯楽アクション』に徹し切ったものにするか、仰る通り差別と身分制度の理不尽さを徹底的に追求するマイナーな映画(この場合は、テアトル配給)のどちらかにして欲しいと思いますね。
これからもたまに遊びに来てくれると嬉しいです。
ありがとうございました。よろしくお願い致します。

投稿: ケント | 2009年11月 1日 (日) 15時56分

 忍者ものは好きでありません。CGものも好きではありません。コミックも見ません。なのに、この『外伝』には魅入ってしまいました。
 多くの人がいうように、CGは安っぽいと思います。実写化は難しいと思います。なのに、これには魅入ってしまいました。

 カムイは二重に疎外された男でした。一つは社会の構造からくる差別。もう一つは、同じ被差別の中にあって同僚?からも追われの身になること。

 どうしようもない抑圧状況にあって、それでも“自由”を求めて、逃亡と闘いを続けます。映画に限らずそういう設定のストーリーはありますけど、『外伝』のカムイはきれいごとに描かれていないところが共感を呼びます。

 弱者への寄り添い、弱者への思いやり、弱者同士のきずな、等々、それはそれで尊いことですが、昨今のそういう優しさには少々食傷気味です。私など、ひねくれた者には美し過ぎます。

 強くなくちゃ、強くならなくちゃ、って思います。この作品の中で、「猜疑心で……」という台詞があります。猜疑心などというのは普通否定的な言葉ですが、実際には猜疑心も「生きる力」ではありませんか。

 カムイは猜疑心に固まって、逃げ、闘います。岩山を飛び跳ね、海底から脱出します。けれども、その忍術は抽象的な表現であって、逃げる者の知恵を言っているのでしょう。

 優しさ・絆の時代(くどいけど、それを否定しているのではありませんが)、CGの嘘っぽさだけで本作を退けられるというのでは、カムイが浮かばれませんね。彼は“自由の時代”においてもやはり疎外されるのでしょうか。三重の疎外・差別です。

 私? 原作を見たことはありません。でも、この映画でしっかり、“強いカムイ”に出会えました。

投稿: 百兵衛 | 2015年3月27日 (金) 10時58分

百兵衛さまへ

貴重なコメント大変うれしいです。ありがとうございました。
『CGの嘘っぽさだけで本作を退けられるというのでは、カムイが浮かばれませんね。』とのお言葉は、原作信奉者にとって非常に心強く、ありがたいですね。
出来れば是非、外伝だけではなく「カムイ伝」も併せて読んでいただければさらに嬉しいです。

投稿: ケント | 2015年4月 4日 (土) 21時21分

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