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2009年5月31日 (日)

まだ見ぬ冬の悲しみも

 少しきどり過ぎの感があるタイトル作品を始め、『奥歯のスイッチを入れろ』、『バイオシップ・ハンター』、『メデューサの呪文』、『シュレディンガーのチョコパフェ』、『闇からの衝動』と長いタイトルの中編小説が並ぶ。

まだ見ぬ冬の悲しみも (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション) Book まだ見ぬ冬の悲しみも (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

著者:山本 弘
販売元:早川書房
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 『奥歯のスイッチを入れろ』は、バトルスーツに身を固めた超最新サイボークのアクションシーンに終始する。まるでマンガのワンシーンを丁寧に再現したかのような小説で、かなり面白いのだが、バトルシ一ンを詳細に描き過ぎていて、読者はいつまでもお預けを食らい続ける。まるで、板垣恵介のマンガのようでストレスが溜まってゆく。
 『バイオシップ・ハンター』は、宇宙ものでバイオシップという生物宇宙船にまつわる話。『メデューサの呪文』は、言葉を兵器に出来る異星人のお話。『闇からの衝動』は地下室にある穴の奥に潜む怪物のお話で、SFチックなホラーである。
 そしてタイトルの『まだ見ぬ冬の悲しみも』と『シュレディンガーのチョコパフェ』の二作こそが、目的の時間テーマ小説なのだ。どちちも時間や次元を操ることにより、この世が破壊されるというネガティブポリシーをテーマとしている。
 著者の新感覚パラドックス理論と、明快なストーリー展開には、絶大なる拍手を送りたいが、中編ではなく長編作品も読んでみたいものである。

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コメント

TB&コメントありがとう
さすがたちばなさん、こんな本も読んでいたのですね。
山本弘さんは、文章も上手だし、ストーリー構成も巧みですが、なんとなくどこかで読んだこと、観たことがあるという感は否めないですね。

投稿: ケント | 2009年6月 6日 (土) 19時06分

ご無沙汰してます。
TBさせていただきました。

山本弘は、ついついクセになって読んでしまってます。
この「まだ見ぬ冬の悲しみも」は、SF入門編みたいで、読みやすくて良かったです。
(文庫版はタイトルも表紙もガラッと変わってて、面白いですね)

投稿: たちばな ますみ | 2009年6月 6日 (土) 00時10分

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» 「まだ見ぬ冬の悲しみも」山本 弘 [たちばな屋・ミステリ分科会]
SFを、あまり読まない人や、苦手な人に、おすすめします。(私もそう) 全6編の短編集で、すごく読みやすいし、これから派生して、他のSF作品や、作家のものを読もうと思えてきます。 私は、今まで読んできた、いろいろなSFを思い出しながら、読みました。 巻頭の「..... [続きを読む]

受信: 2009年6月 6日 (土) 00時04分

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