まだ見ぬ冬の悲しみも
少しきどり過ぎの感があるタイトル作品を始め、『奥歯のスイッチを入れろ』、『バイオシップ・ハンター』、『メデューサの呪文』、『シュレディンガーのチョコパフェ』、『闇からの衝動』と長いタイトルの中編小説が並ぶ。
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まだ見ぬ冬の悲しみも (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション) 著者:山本 弘 |
『奥歯のスイッチを入れろ』は、バトルスーツに身を固めた超最新サイボークのアクションシーンに終始する。まるでマンガのワンシーンを丁寧に再現したかのような小説で、かなり面白いのだが、バトルシ一ンを詳細に描き過ぎていて、読者はいつまでもお預けを食らい続ける。まるで、板垣恵介のマンガのようでストレスが溜まってゆく。
『バイオシップ・ハンター』は、宇宙ものでバイオシップという生物宇宙船にまつわる話。『メデューサの呪文』は、言葉を兵器に出来る異星人のお話。『闇からの衝動』は地下室にある穴の奥に潜む怪物のお話で、SFチックなホラーである。
そしてタイトルの『まだ見ぬ冬の悲しみも』と『シュレディンガーのチョコパフェ』の二作こそが、目的の時間テーマ小説なのだ。どちちも時間や次元を操ることにより、この世が破壊されるというネガティブポリシーをテーマとしている。
著者の新感覚パラドックス理論と、明快なストーリー展開には、絶大なる拍手を送りたいが、中編ではなく長編作品も読んでみたいものである。
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コメント
TB&コメントありがとう
さすがたちばなさん、こんな本も読んでいたのですね。
山本弘さんは、文章も上手だし、ストーリー構成も巧みですが、なんとなくどこかで読んだこと、観たことがあるという感は否めないですね。
投稿: ケント | 2009年6月 6日 (土) 19時06分
ご無沙汰してます。
TBさせていただきました。
山本弘は、ついついクセになって読んでしまってます。
この「まだ見ぬ冬の悲しみも」は、SF入門編みたいで、読みやすくて良かったです。
(文庫版はタイトルも表紙もガラッと変わってて、面白いですね)
投稿: たちばな ますみ | 2009年6月 6日 (土) 00時10分