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2009年4月 7日 (火)

闇の子供たち

★★★☆

 タイでの少年・少女の人身売買・売春・内臓の密売の実体に迫る梁石日の原作を、亡国のイージス』の阪本順治監督が映画化した衝撃作品である。当然のことながら、タイでは上映禁止になってしまったという。
 本作はフィクションのはずであるが、映像の創り方がドキュメンタリー風であり、少年・少女たちの自然な演技が、いかにも真実であるかのようである。またタイでの内臓移植手術や少年・少女売春が実際に存在している事は、だいぶ前からマスコミで取り上げられている。
 だからと言って、この作品の中で演じられている事の全てが真実とは限らない。しかしこの映画を観ていると、まるで全てが事実のことのように感じてしまうから恐ろしいのだ。

         Yami

 生きた少年たちから摘出した内臓の移植手術、貧困のためとはいえ、僅かな金と引き替えに、幼い子供を売り渡す親たち、エイズに感染した子供達を生ゴミと一緒に捨てる闇の業者。背筋が凍りつくような展開に、かなり気分が滅入ってしまうはずである。

 これらが事実だとすれば、見て見ぬ振りをしているタイ国は、真の宗教国家とは言い難いではないか。だからこそ上映禁止になったのであろうが、全くの事実無根であれば、名誉毀損で国家が訴えてもいいはずである。それがないということは、かなり真実に近いのかもしれない。
 だが僕はタイ国や、タイ国民だけを一方的に非難する気が起こらない。なぜならば、社会悪はこれらを利用する者がいるから発生するのだから、大金をはたいて刺用している外国人(日本人も含む)こそ真の悪者ではないだろうか。
 映画では、一件落着したような大団円であるが、ほんの一部の業者が逮捕されたに過ぎない。タイ国の貧困と大金をはたいて買う側が存在する限り、こうした闇の業者は次から次へと発生することだろう。悲しいがそれが現実なのだ。
 ラストの意外な締め方には、賛否が分かれるところである。確かにそれまでのドキュメンタリー調から、一瞬にしてドラマタッチに変換したので戸惑ってしまった。だがこれは原作者の良心であると解釈したい。

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