嘘はよみがえる
まだ映画化はされていないようだが、ミステリアスで、恋愛あり、アクションありでまさに映画向けの小説だと感じた。そのうえカべルという秘密結社が、デリバティブマネーを操作して、裏で全世界を牛耳っているという社会派テーマもなかなか興味深い。
また主人公のイヴと、彼女を狙う殺し屋ジュールズの二人が、かなり粘着質でしつこい。この二人の見えざる戦いが、読者をぐいぐいと引っ張ってゆくのだ。とにかく良く出来た作品である。
失踪した上院議員候補べントリーの生死を確認すベく、復顔作業を依頼された復顔彫刻家のイヴは、家族と離れてバトンルージュへ移り、教会地下の作業場で仕事にかかる。ところが、この作業の進行を好まない何者かにより、彼女の周りの人物が次々と殺害されるのだ。さらに魔の手は、彼女の家族にも伸びてくる。
復顔した頭蓋骨は、果してベントリーか否か。刻々と明かされてゆく、べントリーとジュールズの行動、それにカべルの思惑。さらには、イヴを助ける恋人ジョーと、元恋人の友人ガレンの007ばりの活躍にも目が離せない。
最近になってやっと実用化されつつある感のある燃料電池。近い未来には、必ず石油の代替燃料になるに違いない。ところが、まだその実用化が悲観的であった2000年頃から、その役割の重大性に着目した著者の慧眼には敬意を払いたいものだ。
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