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2008年12月21日 (日)

砂時計

★★★☆

 少女マンガ、TVドラマを経て映画化となった作品だけに、原作やTVを観た人にとってはもの足りないかもしれない。しかし原作もTVも知らない存在としては、映画という制約のある中では、よく頑張ったのではないかと思う。

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 もし文句があるとしたら、これだけの長編を映画化したことに対して批判しなくてはならない。最近の傾向として、映画化にそぐわなくとも興行的に成功すればいいじゃないかという目先の発想から、売れることが確実な原作ものを安易に映画化するという姿勢に問題があるのではないだろうか。

 こうした近視眼的な方法論は、ある意味天に唾しているようなもので、映画界の未来を考えるとそら恐ろしいものがある。出版界がいい例である。安易に芸能人の書いたレベルの低い著作物に力を入れ過ぎているじゃないか。確かに目先だけを考えればべストセラーになるかもしれない。だが出版本来の役割を考えれば、これも大いなる錯覚に過ぎないのだ。
 これらの言い訳として、「最近の若者は活字離れしているから」と言うが、果して本当にそうなのか。くだらない芸能人の覗き趣味ばかりに血道をあげている出版界そのものが、若者たちのレべルを下げて活字離れを引き起こしている張本人なのではないだろうか。
 映画もまさにそれと同じ道を辿ろうとしていることが悲しいし淋しいね。話がまわりくどくて申し訳ないが、映画ファンとしてはどうしてもそのことをはっきり明言したうえでこれらの作品のレビューをすべきだということを言いたかったのである。

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 だからもし映画に不向きな原作物を映画化するにあたっては、原作は8割がた無視して良いのではないか。そして映画としての脚本を作り直して、堂々と「これは映画なんだぞ!」と胸を張ってもよいのではないだろうか。
 また映画はヴィジアルであるという命題の中では、この作品は十分にその部分の役割は果たしている。欠陥としては、たぶん原作に忠実になろうとして中途半端なアレンジを施したところにあったのではないだろうか。所詮2時間前後の上映時間の中で、原作を忠実に完成させることは不可能なのである。黒澤明監督が世界のクロサワに成り得たのは、原作のまんまではなく、映画に最適と思わわるアレンジを、的確に織り込んだからに他ならない。
 いつの間にか、夢中になって映画本質論に終始し、この作品に対するレビューを忘れてしまったが、わかる人はなんとなく判ってくれると確信している。傲慢こいて恐縮してしまうが、たまにこうしたレビューがあってもいいのでは・・・。

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受信: 2008年12月21日 (日) 20時50分

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