悪夢探偵2
★★★★
シリーズ2作目は駄作というのが通り相場なのだが、本作においてはその定石が覆されたようである。むしろ逆にストーリー、映像、キャストなどの全てにおいて、第1作をはるかに凌いでいたのではないだろうか。
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渋谷シネセゾンでは、欧州人が妻と娘を連れて僕の前の席を占拠していた。こんな映画を観て判るのだろうか、と心配していたのだが、得意になって妻子に説明する姿がうざったい。だがこんな場所でも塚本晋也監督が、欧州で高評価を得ているのを垣間見た思いであった。
さて本作では、悪夢探偵こと影沼京一の素性が明かされ、彼が暗い人間に成り果てた理由が解明する。また彼と同じく他人の心が読める母逸子の存在と、その死の謎にも迫っっている。
そして逸子同様、「怖い怖い」と叫び続ける狂気の女高生「菊川」と、その友人二人の死がドラマを盛り上げる。またこの「怖い怖い」が、この作品を観る者にも伝染して、さらに恐怖心を煽るのだ。
他人(ヒト)の心が読めるばかりに、知らなくともよい他人(ヒト)の心の闇が見えてしまう恐怖。真実と他人の心とは、非情で残酷なものなのである。それが信頼する肉親や友人であればなおさらであろう。
前半は暗く冷淡で、ホラー映画そのものであり、なんとなく『呪怨』を髣髴させる創り方でもある。ところが後半は一変して優しさに満ち溢れた展開となってくる。
ことに終盤で母の逸子がハンバーグを作るシーンがなんともノスタルジックで懐かしい。そしてその出来たてのハンバーグが、実に美味しそうだこと…。僅か数分のシーンだが、僕自身もタイムマシーンに乗って、若き日の母に食事を作ってもらっているような気分になってしまったな。
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