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2008年11月26日 (水)

天国はまだ遠く

★★★★☆

 自殺するために一人旅に出たOLの千鶴だが、自殺に失敗し民宿たむらの主人田村との奇妙な出逢いにより、いつしか生きるエネルギーを取り戻すのだった。

     Tenm

 ここまではよくある話なのだが、輝く海、紺碧の空、透明の風が吹き抜ける森を背景に、手作りの素朴な料理を味わうという展開は、なんだか荻上直子の『めがね』と相通ずるところがある。

 原作は瀬尾まいこの同名小説なのだが、まだ未読であり映画との違いを分析出来てはいない。ただ少なくとも映画の中では、千鶴が自殺するきっかけや、田村の苦悩などについてフラッシュバックはしないのだ。

天国はまだ遠く Book 天国はまだ遠く

著者:瀬尾 まいこ
販売元:新潮社
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 結局二人の心の中にあったドロドロとした傷は、ほとんど説朋しないままに終わってしまった。そしてラストシーンでもはっきりとした結論は出さないのだ。あとは観客の想像力に「おまかせ」なのである。
 結局この作品の背後にあるテーマは、都会への心残りと田舎へのこだわりということなのだろうか。あとは原作を読んでみれば、別の解答が得られるのかもしれない。
 早晩、原作を読むことになると思うが、この漠然とした大らかな包容力と自然の癒し、そして「生きる」という事へのささやかなメッセージが溶け込んだこの映画の出来栄えも賞賛に値するだろう。出演者の少ない地味な作品ではあるが、今年の邦画べストワンといっても言い過ぎではないかもしれない。
 

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受信: 2008年11月26日 (水) 19時54分

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受信: 2008年11月26日 (水) 22時56分

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受信: 2008年11月26日 (水) 22時57分

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