おくりびと
★★★★☆
本木雅弘扮するチェロの演奏家「小林大悟」は、楽団の解散に伴って、妻と一緒に古い実家のある山形に帰ってくる。そこで仕事を探していたところ、「旅のお手伝い」という広告につられて、仕事内容を良く知らないまま面接に向かう。
結局、その会社での仕事内容は「納棺士」の補佐という職務だった。「旅のお手伝い」とは「旅立ちのお手伝い」の誤植だと誤魔化される。そして人のよい大悟は、断り切れず山崎努扮する社長に、無理やり入社を決められてしまうのだった。
初仕事は自殺者の腐乱した遺体の始末。嘔吐しながらもなんとか遺体を片付けるが、初日から散々な目に遭ってしまう。この辺りまではコミカルな展開なのだが、大悟がだんだん納棺士の仕事に目覚めてゆくに従って、少しずつシリアスなタッチに変わってゆく。
妻の美香役は、アイドルから大人になり切った広末涼子が、なかなか良い味を出していたね。また脇は、吉行和子や笹野高史などの芸達者で固められ、演出面においては文句のつけようがない。そして、心のふるさとである「山形」の落ちついた風景にも、きっと心が洗われることだろう。
納棺士とは?この映画を観て初めて知った職業である。以前は遺族や葬儀屋が行っていた納棺までの死後処理を行う職人である。具体的には、死者の体を清め、死装束をまとわせ死化粧を施すのである。
それにしてもモッくんの手裁きは見事だった。顔つきまでがりりしくなるから大したものだ。彼も役者としてかなり成長したよね。
ちょっと気になったのが、納棺士に対する偏見である。山形の田舎者だけなら仕方ないが、都会育ちの妻までが別居するほど嫌がる理由が弱かったかな。しかしそのことが終盤の感動に繋がってゆくのだから、ここは一応納得しておくしかないだろう。
とにかく終盤は涙が止まらない。ことにラストの収束は見事だった。本年度の邦画ベストワンといってもよいかもしれない。
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