崖の上のポニョ
★★★☆
CGを使わない手描きのアニメが、これほど新鮮に感じたのはどうしてだろうか。まるで画用紙にクレヨンで描いたような背景が目にまぶしい。明るく空に抜けるような色彩が、優しく心に問いかけてくるようだ。
かといって全編が、この絵本のようなほのぼのタッチで描かれている訳でもない。子供の絵は『アルプスの少女ハイジ』風。大人の絵は、青年マンガで時々見かけるイラストタッチ風。そして同じ風景が、クレヨン画から時々CGのように精細に描かれることもある。
観る人によっては、一貫性のない雑なアニメーションに写るかもしれない。しかし僕は、この様々なタッチの中に、現実世界とお伽話の世界の勾いを感じた。ファンタジーなのだから、これでいいのだ。
一番感動したシーンは、ポニョが人間の女の子に変身して、魚の形をした荒波の上を力一杯走り続ける場面である。力強い躍動感と生命力に満ち溢れ、ポニョのソウスケに対する素直で純真な愛情を感じざるを得なかった。
この中盤のシーンが事実上のクライマックスであり、後半の母親探しの旅はかなりボルテージが失速し、時間稼ぎの添え物に落ち着いてしまった感がある。後半にはそれほど大きな冒険もないし、ラストの括り方も周知の域を全く出ていないのだ。あれだけの時間を費やした割には、非常に残念なまとめ方に終ってしまった、と感じるのは僕だけであろうか。
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» 『崖の上のポニョ』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「崖の上のポニョ」□監督・原作・脚本 宮崎駿 □キャスト(声優) 山口智子、奈良柚莉愛、土井洋輝、長嶋一茂、所ジョージ、天海祐希、吉行和子、奈良岡朋子、矢野顕子■鑑賞日 7月20日(日)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)<感想> 来たぁぁぁぁぁ〜 メイちゃんがおさかなになって戻って来たぁぁぁぁ〜〜〜 4年ぶりに宮崎駿監督が手掛けた作品は原点に立ち戻り、素朴で且つ心温まるファンタジー。 そのベースに置いたのはアンデルセン童話の「人魚姫」だと... [続きを読む]
受信: 2008年8月30日 (土) 22時49分
» 「崖の上のポニョ」 [てんびんthe LIFE]
「崖の上のポニョ」試写会 東京厚生年金会館で鑑賞
今年の夏のスタジオジブリ作品は巨匠宮崎駿監督のこの作品。
日本人はもちろん世界中から期待される作品です。
「ハウルの動く城」からはや4年がたちつくられたオリジナル作品は、人魚姫をモチーフに作られた完全に子供向けと思われるファンタジー。
人魚姫=美少女というイメージを覆すポニョはお世辞にも美少女とはいえないちょっとぽっちゃり型の女の子だし、原型の金魚(?)は愛らしいけどはっきり言ってブサイクなつくり。
でも憎めなくてそのブサイクさが可愛か... [続きを読む]
受信: 2008年8月30日 (土) 23時12分
» 崖の上のポニョ [★YUKAの気ままな有閑日記★]
宮崎駿監督の作品は大好き持っているDVDやビデオを観る機会も一番多いかもしれないなぁ〜『ハウルの動く城』以来4年ぶりの新作を家族で楽しみにしていた―【スタッフ・キャスト(声優)】*監督・原作・脚本 宮崎駿 *音楽 久石譲*宗介の母・リサ(山口智子) *宗介の父(長嶋一茂)*ポニョのママ・グランマーレ(天海祐希) *ポニョの父・フジモト(所ジョージ)*宗介(土井洋輝) *ポニョ(奈良柚莉愛) *ポニョの妹たち(矢野顕子)*トキさん(吉行和子) *ヨシエ(奈良岡朋子) 他... [続きを読む]
受信: 2008年8月30日 (土) 23時14分
» 「崖の上のポニョ」みた。 [たいむのひとりごと]
金魚、人面魚、半漁人から人間の女の子へ。「人魚姫」がモチーフ。思い描いていたものとはちょっと違っていたが、純真な子供たちを描いたファンタジーがとても清清しい。若干5歳の宗介の王子さまっぷりがとてもいじ... [続きを読む]
受信: 2008年8月30日 (土) 23時22分
» 崖の上のポニョ [Yuhiの読書日記+α]
宮崎駿監督が4年ぶりに手がけた、アンデルセンの童話「人魚姫」を基にした心温まるファンタジー。
<あらすじ>
海を見下ろす崖の上一軒家に住む宗介は、浜辺で瓶に入り込んで動けなくなっていた魚の子供ポニョを助けた。一緒に過ごす内に、お互いのことを好きになる2人だが、フジモトという男によってポニョは海へ連れ戻されてしまった。宗介に会いたいポニョは、フジモトの蓄えた魔法の力を盗み出し、宗介の元を目指す・・・。
宮崎駿監督のアニメということで、上映前からものすごく話題になってましたねー。それに主題歌の「ポ... [続きを読む]
受信: 2008年8月30日 (土) 23時49分
» ★「崖の上のポニョ」 [★☆ひらりん的映画ブログ☆★]
今週はハッピーマンデー付きの3連休なので、二日連続オールナイト敢行のシネコンたち。
一日目は、前作「ゲド〜」でズッコケたスタジオジブリの反撃作。
やっぱり宮崎駿が監督しないと、ダメなのねーーー。
... [続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 01時54分
» 劇場鑑賞「崖の上のポニョ」 [日々“是”精進!]
「崖の上のポニョ」を鑑賞してきました「ハウルの動く城」から4年。宮崎駿監督の次なる挑戦は、CGを一切用いず、手描きでアニメを作るという原点に立ち返ることだった。ストーリーは・・・ある日、崖の上の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、クラゲに乗って家出してきた...... [続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 06時27分
» 『崖の上のポニョ』 [Sweet*Days**]
監督・原作・脚本:宮崎駿
声の出演:山口智子、天海祐希、所ジョージ 他
海の側の崖の上に住む5歳の宗介は、ある日海で空き瓶にハ... [続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 08時16分
» 完全に子供向け。『崖の上のポニョ』 [水曜日のシネマ日記]
5歳の少年が、さかなの子ポニョと出会う物語です。 [続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 09時56分
» 崖の上のポニョ [Akira's VOICE]
大人に希望を。
子供に夢を。
[続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 10時42分
» 崖の上のポニョ [そーれりぽーと]
「もう映画は撮らない」
何度となく引退を宣言しながら撮り続けている宮崎駿監督。
今回は『ゲド戦記』の原作者を激怒させたいわく付きの最新作、『崖の上のポニョ』を観てきました。
★★★★
未曽有のセル画アニメ体験。
スクリーンを埋め尽くす優しいタッチの手書き画が動きまくる快感は、宮崎アニメファン必見でしょう。
テーマも中身も、『となりのトトロ』と同系のファミリー向けですが、だからこそ童心に帰って観れば、大人でもきっと心に響く内容です。
テーマ曲は、インストで最初のフレーズだけ聞くと『となりのトトロ』... [続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 13時12分
» 崖の上のポニョ [夫婦でシネマ]
CGを使わない映像は、手描きの良さを感じさせて素晴らしいものでした。 [続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 15時34分
» 崖の上のポニョ [UkiUkiれいんぼーデイ]
JUGEMテーマ:映画
2008年7月19日 公開
ポニョさん はしゃぎすぎ
久しぶりの宮崎アニメを堪能いたしました。
『ハウルの動く城』から4年ぶりなんですねぇ。
日本を代表するアニメ作家の宮崎駿が原作・脚本・監督した話題の新作。
映画館でこのチラシを手にしたのは随分前だったと思う。
やがて、一度聴くと耳に残るあの主題歌が劇場で流され・・・。
今作は、アンデルセン童話の「人魚姫」を現代の日本に置きかえた作品だと知った。
とこ... [続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 15時55分
» 崖の上のポニョ [シャーロットの涙]
BAKA BAKA BAKA BAKA・・・ [続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 16時29分
» 崖の上のポニョ 観てきました [よしなしごと]
夏休みも終わりに近づいてきましたが、ようやく崖の上のポニョを観てきました。 [続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 18時33分
» 崖の上のポニョ [ネタバレ映画館]
帽子は小さくなってしまったけど・・・いいのか? [続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 19時22分
» 「崖の上のポニョ」守り信じて受け入れた先にみた愛するという事の意味 [オールマイティにコメンテート]
「崖の上のポニョ」は宮崎駿監督4年ぶりの新作で、海に住む魚のポニョが海を冒険中に少年に助けられて人間を好きになるが、ポニョの育て親に再び連れ戻されるが再び兄弟の助けを得て少年に会いに向かうストーリーである。宮崎監督4年ぶりの作品という事で公開前から大きな...... [続きを読む]
受信: 2008年8月31日 (日) 19時44分
» 【崖の上のポニョ】 [日々のつぶやき]
脚本・監督:宮崎駿
かなり前から予告で流れていて、歌がずっと耳について離れませんでした。やっと公開です!
「ヘルパーの仕事をする母リサと船乗りの父耕一と三人で崖の上の家に住む五歳の宗介。
ある日、海で拾った金魚・・のような魚をポニョと名付けて可愛... [続きを読む]
受信: 2008年9月 1日 (月) 10時08分
» 「崖の上のポニョ」 [かいコ。の気ままに生活]
試写会で 観てきました。「崖の上のポニョ」公式サイトポーニョポーニョポニョさかなのこーあの歌がぐるぐる頭まわってます・・とにかくポニョと宗介がかわいい〜フンっていって ハムだけ食べるポニョとか。クラゲにのっかってるのがイチバンかなー?宗介が5才ってだけ...... [続きを読む]
受信: 2008年9月 1日 (月) 11時18分
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妹キャラに萌える..というと語弊がありますがw
[続きを読む]
受信: 2008年9月 1日 (月) 16時16分
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監督:宮崎駿
声の出演:山口智子、長嶋一茂、天海祐希、奈良柚莉愛、土井洋輝、柊瑠美、矢野顕子、吉行和子、奈良岡朋子
評価:80点
よくできたファンタジーと言い切るには、謎が多すぎる作品。
それでもポニョのかわいさにごまかされている?うちに、結構幸せ....... [続きを読む]
受信: 2008年9月 2日 (火) 22時56分
» 崖の上のポニョ [象のロケット]
海辺の小さな町。 崖の上の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、家出したさかなの子・ポニョを助ける。 「ぼくが守ってあげるからね」。 そんな宗介のことを好きになったポニョは、一度は海の中へ連れ戻されるが、「人間になりたい!」と再び宗介のいる人間の世界を目指す。 海の世界は混乱するが…。 スタジオジブリ・ファンタジー・アニメ。 ... [続きを読む]
受信: 2008年9月 3日 (水) 15時08分
» 【2008-170】崖の上のポニョ [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
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生まれてきてよかった。
[続きを読む]
受信: 2008年9月 3日 (水) 21時57分
» 『崖の上のポニョ』 @新宿ピカデリー [映画な日々。読書な日々。]
海を臨む崖の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、瓶に入り込んで動けなくなっていたさかなの子・ポニョを助けた。一緒に過ごすうちにお互いのことを好きになる2人だが、ポニョの父親・フジモトによってポニョは海へ連れ戻されてしまう。それでも宗介を想い、人間になりたいと願... [続きを読む]
受信: 2008年9月 5日 (金) 12時16分
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その者、赤き姿をして大海原に降り立つべし。
てなわけで、グランマンマーレと王蟲は似ている、か?ん? [続きを読む]
受信: 2008年9月 6日 (土) 00時20分
» 崖の上のポニョ [ともやの映画大好きっ!]
【2008年・日本】試写会で鑑賞(★★★★☆)
「ハウルの動く城」以来、4年ぶりとなる宮崎駿監督のオリジナル最新作。
崖の上で暮らすリサ(声:山口智子)と5才になる宗介(声:土井洋輝)の母子。父親の耕一(声:長島一茂)は、船の航海士で留守をしている。ある日、宗介は崖の下の海で、一匹の金魚(声:奈良柚莉愛)と出会う。宗介は指の怪我を治してしまった不思議な力を持つ金魚を、ポニョと名付ける。そんなポニョを連れ戻そうと、父親のフジモト(声:所ジョージ)が海からやってくる。宗介のことが大好きになり、人間に... [続きを読む]
受信: 2008年9月 6日 (土) 18時56分
» 崖の上のポニョ(鑑賞151作目) [別館ヒガシ日記]
崖の上のは地上波をして鑑賞したけども [続きを読む]
受信: 2010年3月23日 (火) 11時01分
コメント
龍女さんこんにちは
フジモトですか・・・なるほどガチンコに言えばそういうことになりますね。ただ児童向けのアニメですから、ポニョの母同様、不思議なおじさんと考えてもいいのじゃないかと思いました。
投稿: ケント | 2008年9月 4日 (木) 14時22分
私がシナリオ的には駄作と言い切ってしまうには理由があります。
ポニョの父親のフジモトがよく描けていなかったからです。
彼をちゃんと描かなかったから、後半のメッセージらしきモノが良くわからなくなってしまいました。
シナリオでは主人公には対立軸が必要です。
テーマを際立たせる為の常套手段です。
ポニョは人間になりたい女の子だから。
人間から海洋生物になったフジモトが対立軸になります。
しかし後半にポニョの人間化を強行に阻止する悪役に徹しきれたとしたら、この映画は面白くなっていたはずです。
これが私がこの映画のシナリオを駄作と呼ぶ所以です。
投稿: 龍女 | 2008年9月 4日 (木) 02時48分
mottiさんコメントありがとう
クライマックスが中盤で、ラストはすんなりグダグダといったところでしょうか。
それでもとても可愛い、素直な映画でした。
投稿: ケント | 2008年9月 1日 (月) 17時07分
ケントさんこんにちは。
ラストがクライマックスだと盛り上がりますもんね。そこへいくとグダグダ感はありました。
考えるとこの作品と一番比べられるだろうトトロも同じくグダグダ感を感じてました僕。
でもとにかく純粋さ、子供目線の世界、あのおっさん(宮崎監督)どんだけだよというくらいかわいい映画でした!
TB,コメントありがとうございました☆
投稿: motti | 2008年9月 1日 (月) 16時24分
hitoさんコメントありがとう
絵は凄くよかったですね。
ストーリーというより、ポニョと宗介の純真で素直な気持ちに感動しましたね。そしてソウスケのなんと優しいこと・・・
「ケントもソウスケ大好き!」
投稿: ケント | 2008年9月 1日 (月) 13時21分
ケントさん、こんにちは!
絵もストーリーも優しい映画でしたね!
大人目線で見てしまうと、「あれ?」というポイントや疑問点が出てしまうので、宮崎作品は子供の頃の純粋な気持ちで見るものなんだと私も思います。
ポニョも宗介もとにかくいい子で可愛かったですね♪
投稿: hito | 2008年9月 1日 (月) 10時11分
龍女さんコメントありがとう
「シナリオ的には宮崎作品の中では駄作」とまで言い切ってしまうのですか。
確かに、深みのないお子様向けのシナリオでしたが、そこまで言い切る自信はないですね。
ただ黒沢明がそうであったように、巨匠といえども年にはかなわないのでしょうね。
投稿: ケント | 2008年9月 1日 (月) 09時52分
残念ながら、シナリオ的には宮崎作品の中では駄作と言わざるを得ません。
しかし、それでも興行成績が良いのは。
キャッチーな主題歌。
日本が誇るアニメ技術の粋を集めた作画。
それには圧倒せざるを得ないからです。
海洋生物を知るには。
何度も見る価値はあるかもしれません。
投稿: 龍女 | 2008年8月31日 (日) 22時39分
なぎささんコメントありがとう
良い作品ではあるのですが、きっとほんまもんのお子ちゃまランチなんですかね。
それにしても興行成績は凄いですね。10人に1人が観ているなんてね。
投稿: ケント | 2008年8月31日 (日) 17時06分
ケントさん こんにちは♪
>ラストの括り方も周知の域を全く出ていないのだ。
あぁ~同感です!
あの締めくくり方には肩透かしな感じを受けました。
ついつい宮崎作品に対しては、作品の奥深くに何かメッセージが潜んでいるのではと、ほじくってみたくなる自分がいるのですが・・・。
これは余りそういうことを考えずに観るべきなんでしょうかね。
すでに鑑賞者が1000万人を突破したとか。
恐るべき宮崎作品ですよね!
投稿: なぎさ | 2008年8月31日 (日) 16時02分
Yuhiさんコメントありがとう
やはり Yuhiさんも中盤まででしたか。
大波のシーンは迫力と感動のシーンでしたよね。
絵のタッチは、多少絵を描くものとして、いい感じでした。
投稿: ケント | 2008年8月31日 (日) 09時52分
こんばんはー!TBありがとうございました~。
私も中盤まではすごく楽しんで見ました。特にあの大波が押し寄せるところは、すごく迫力あって手に汗を握りましたしね。
でも、ケント様の書いておられるように、後半は失速気味でしたねー。ちょっと残念です。
絵のタッチなんかは、手書きらしい味が出ていて、とても好感がもてて良かったんですけどね。
投稿: Yuhi | 2008年8月30日 (土) 23時55分