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2008年8月 7日 (木)

新・家族狩り

 前から気になっていた天童荒太の作品を、やっと読むことが出来た。序盤はやや荒っぽい展開かなと感じたが、中盤から物語の中にグイグイと引き込まれてしまう。それで全5巻の大長編を僅か一週間で、一気に読み抜いてしまったのである。

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 やはり登場人物が豊富なことと、それぞれの家族環境が誰にでも起こり得る事情なので、感情移入し易いためだろう。主人公と思われる人物が続々登場し、時間と場面も次々に切り替わってゆく。
 あえて主役と思われる登場人物をあげると、頑固一徹・暴虐無人で自分の勘だけを信ずる初老の馬見原刑事。虐待される少女・駒田玲子の家庭環境に深くこだわり過ぎて、自分をコントロール出来なくなる足の悪いケースワーカー氷崎游子。人間不振でやる気のない美術教師だったが、ある事件を境に人間性を取り戻す巣藤浚介の三人だと思われる。またこのほかにも準主役級の人物が、数多く登場するので誰がとうなるのか予測が出来ない。

 そして物語は、この三人の主役を軸にして、彼等を取り巻く家庭環境や人間関係、社会や事件などを掘り下げてゆく。そして同時期に起こる二つの「少年による父母殺害事件」の犯行理由を追求してゆくことになる。
 文章が巧いわけでもない、テーマが斬新だというわけでもない。だがこの小説には、熱くほとばしる情熱が溢れている。そして「現代家族」という病巣の中で、もがき続ける人々の苦しみを、改めて感じざるを得ないだろう。

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