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2008年8月31日 (日)

ポンコツタイムマシン騒動記 

 町の発明家先生が、廃品回収した電機製品を利用してタイムマシンを作りあげ、娘のトキ子とラーメン屋の三郎少年を乗せて過去に旅立つ。コミカルなジュブナイルで、舞台はたったの2ヵ所、登場人物も10人以下という、映画ならばさしづめ「超B級低予算映画」といったところか。

ポンコツタイムマシン騒動記 (講談社 青い鳥文庫fシリーズ) Book ポンコツタイムマシン騒動記 (講談社 青い鳥文庫fシリーズ)

著者:あさり よしとお,石川 英輔
販売元:講談社
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 ストーリーも単純で、同じ場所を行ったり来たりするだけである。これは舞台劇にはおあつらえ向けだね。ところがタイムトラベルファンにとっては、この単調さがなかなか味わい深いのである。
 同じ場所といっても、時間軸と次元が異なるため、正確には違う場所になるのかもしれない。その同じような場所での微妙な変化を楽しむのが、タイムトラベルファンの醍醐味なのだ。

 これはバック・トゥ・ザ・フューチャーの、主人公マーティーを取り巻く人々の変化と、ある意味似ているよね。しかし決定的に違うのは、本作ではタイムマシンで跳ぶ世界は、全てがパラレルワールドだということである。この設定には少しイライラするのだが、現状の理論では一番矛盾の少ない設定なのだろう。
 ちなみに、バック・トゥ・ザ・フューチャーの場合も、ある意味パラレルワールドに近いのだが、両親が結れそうもなくなると、マーティーの写真が消えそうになる発想は、パラレルワールドではない感じでもあり、ちょっとはっきりしないのである。

 この小説は1979年に朝日ソノラマから出版され、その後の2003年に大幅に改訂して講談社から再版されたという。朝日ソノラマ版を読んでいないので、どの部分を手直ししたのかは判らない。
 しかしほのぼのとした時代背景はともかくとして、タイムトラベル理論には余り古さを感じないことからして、そのあたりを直したのかもしれないね。また、あさりよしとお氏が描くイラストの雰囲気も、本書のイメージにピッタリとはまっていると思う。

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