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2008年6月の記事

2008年6月30日 (月)

クローズZERO

★★★

 レンタル開始から、1ヵ月以上も経過しているのに、いつでもどこでもレンタル中のこの作品。やっとの思いでレンタルが叶った。ネットの評価も良いし、よほど面白い映画なのだろうと、期待に胸が膨らむ。

「クローズ ZERO」オリジナル・サウンドトラック Music 「クローズ ZERO」オリジナル・サウンドトラック

アーティスト:サントラ,Ruka for Meisa Kuroki,横道坊主,THE STREET BEATS,ガガガSP,浅井健一,The Birthday
販売元:FOR LIFE MUSIC ENTERTAINMENT,INC(PC)(M)
発売日:2007/10/24
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 序盤は確かに素晴らしい、ロックのノリも良い。邦画もなかなかやるじゃないか。原作がコミックなのだから、こういう風に大げさに創ればいいんだ。
 ところがその感動も、残念ながら序盤だけ。その後は特に心に残るストーリー展開もなく、驚くような派手なアクションもない。ただ普通に殴りあうシーンばかりで、TVの学園ドラマに成り下がってしまった。

 なんだなんだ、やっぱり邦画はダメか。結局バカになり切れない。どこかで真面目ぶって、中途半端な出来になるんだね。
 また、あのトラさんヤクザのチンピラがらみの展開もうざったい。あくまでも鈴欄高校の現役学生たちのスーパーマンぶりを観たいのだ。SFXやワイヤーを駆使して、1人で100人を一瞬にしてのしてしまう位の思い切りが欲しいな。
 もう大昔の作品となったが、江口洋介や織田裕二のデビュー作である『湘南暴走族』を期待したのだが、残念ながらまだまだ超えられないよね。

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2008年6月28日 (土)

石油暴騰にもの申す

 それにしても、今年に入ってから異常に高騰したまま突っ走る原油価格には、呆れてものも言えない。2007年初頭には1バレル60ドル位だった原油価格が、とうとう140ドルを超えてしまった。
 この現象は、サブプライム問題で行き場のなくなった投機マネーが、小さな市場である原油を始めとする商品先物市場に一斉に流れているからだという。需給関係の全くない、人為的な相場なのである。専門家の分析では、本来の需給関係に戻れば、せいぜい1バレル70ドル位がまっとうな相場だともいう。

        Shiyouka

 これで儲かるのは、原油産地国や金持ちの投機家だけで、一般の消費者や価格に転嫁出来ない生産者は、壊滅的な大被害を被っているのだ。全世界の政治家達は、一体こんな状況をいつまで放って置くのだろうか。サミットやら国連やらでもっと討議し、生活に密着する投機に対しては、もっと厳しい規制を敷いてもらいたい。
 しかしながら、実際にこれで儲けている国々が反対するのは目に見えている。そうした難しい状況であることは判るが、だからといって野放しにしておいて良い理由にはならないはずだ。

 こうなると資源が少なく、食料自給率の低い日本は益々窮地に立たされることは明白である。もう他人頼みではどうにもならない。だから今後日本が一番力を入れなくてはならないことは、自分の事は自分で出来るシステムを作るということであろう。
 まず農業と漁業は、あらゆる規制を解除して、大企業化して自給自足出来る仕組みを作り上げなくてはならない。もちろんそのために困る農家と漁師の人たちには、国がそれなりの補償を考えなくてはならないだろう。
 農業と漁業を近代化かつ大規模化することにより食料の自給率を高め、過疎化した地方に活気を与えれば、雇用の増大にも繋がり一石二鳥となるではないか。やみくもに不要な道路を造るばかりが能じゃないぜ。

 それからもう一つ、石油に替わる資源の開発を急ごう。これは各企業の研究開発に委ねるだけではなく、国家レベルで全大企業を統括し、共同研究するよう大号令を発しなくてはならない。もちろんかなりの税金負担も覚悟せざるを得ないだろう。
 自動車はガソリン車から燃料電池車化するにあたり、国が先導してスタンド等のインフラ整備を行うことが必要だ。また火力発電所も太陽光や風力、地熱などを利用したものに切り替える。そして原発から発生する放射性物質や廃棄物を化学的に無力化する研究に力を注ぐこと。それが出来なければ原発は徐々に廃止してしまうべきだ。
 また島国で火山の多い我国の特性を利用して、温泉や海水・海流、もっといえば雷や台風などを利用したエネルギー源の開発もやるべきではないだろうか。もちろん一部の大学などで既に研究していると思うが、そんなレベルではなく、国と全大企業が一丸となってチャレンジしなくてはならない。なに、まるで戦時中みたいだって・・・。そうまさしく現代は武器を使わない戦争に突入しているのだ。その認識をもたなければ、いずれ日本は消えてなくなることだろう。

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2008年6月26日 (木)

西の魔女が死んだ

★★★★

 長野の山奥に住む外人のおばあちゃんと、神経過敏症で登校拒否を続ける孫娘の共同生活が始まった。最初チラシを見たとき、てっきり洋画なのだと勘違いしていたが、純然たる邦画なのである。
 優しく冷静で淡々としているが、大らかで芯が強く、1人山奥で時給自足の生活を続けるおばあちゃん。長野の大自然に、一面野イチゴの畑がとてもよく似合う。

          Scan10366_3

 TVもなければ、インターネットも新聞もないし、洗濯機さえない。毎朝にわとり小屋から卵をとり、裏山に咲き誇る野イチゴの実を摘む。そして手づくりのジャムを作る。また足で洗濯物を踏み洗い、草の上にシーツを広げて干す。
 おばあちゃんの祖母は、魔女だったという。そしておばあちゃんの妹は、外国で占い師をやっているらしい。ということは、孫の「まい」も魔女になれるかもしれない。
 「まい」は魔女になりたくて、魔女になるための修行をすることになる。だがその修行とは、早寝早起きをして家事の手伝いする、という日常的な営みを実践することなのだった。
 この映画は多少ファンタジー仕立てではあるが、決して荒唐無稽な話ではなく、老女と孫娘のシンミリとした愛情を現実的に描いたという趣きがある。
 中盤までは、何事もなく祖母と孫娘「まい」の淡々とした田舎の生活が続く。それはあたかも、癒された「まい」の心の中を語っているかのようだった。ところがある事件を境に、また「まい」の心は凍結してゆくのだ。
 そして終盤の残酷な別れ方に、観客はきっとなんともいえない後味の悪さ感じることだろう。車を見送るおばあちゃんの、いかにも淋しそうな表情がなんともいえない。
 子供はやはり母親が一番好きだし、いつの時代にも残酷で、簡単に心変わりしてしまうものなのだ。ここで「まい」を責めても仕方がない。実は僕も小学校に入るまでは「おばあちゃん子」だったので、その気持ちがよく理解出来るのである。

 僕の父方の祖母も、死ぬまで一人で生活していた。やはり芯が強く働き者で、孫たちも決して甘やかさず、えこひいきもせず厳しく躾けられた。それでいて、もの知りで粋でいなせな江戸っ子風情を漂わせていた。
 こんな祖母と数年間二人で暮していたが、小学校に入学する段になり、父母の元に戻された。このときは、祖母と一生一緒に暮すのだと泣き晴らした記憶がある。
 それで父母と暮してからも、毎週土曜日になると、一人で電車を乗り継いで、祖母の家へ泊りに行ったものだ。それを小学三年生位まで続けていたが、やがていつの間にか祖母の家には行かなくなり、時々祖母が訪ねてきても余り喋らなかったような気がする。

 その後、父が若死したこともあり、だんだん祖母とは疎遠になり、僕が20才になったときに、肺炎をこじらせてあっという間に他界してしまった。いつも、僕の結婚式に出てから死にたいと言っていたという。
 もっとたびたび逢いに行けばよかった。いくら悔いても、もうどうにもならない。父のときも、母のときも同じだが、肉親のありがたみは、いつも死んでから判るのだ。人の世はいつも皮肉なものなのであろうか。
 この映画を観て、そうした僕の過去の記憶が怒涛の如く黄泉がえり、どうしても涙がとまらなくなってしまった。美しい田舎の風景や食卓を飾る美味しそうなサンドイッチなど、とにかく全編を通して哀愁を感じずにはいられない。いつまでも心に残る素晴らしい映画だと思う。

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2008年6月22日 (日)

シニアのためのディズニーシー

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 ディズニーランドがお子様向けだとすれば、ディズニーシーのほうは大人向けと言ってもよいだろう。
 ランドはディズニーキャラクターの着ぐるみマスコットが、そこかしこにウロウロしているが、シーのほうでは余り見かけない。またアトラクシションも、遊園地的な乗り物よりも、船や列車などの現実的な乗り物に力を置いている気がする。
 それにかなり「ステージショー」が充実しているのだ。時間的には短いものの、3本も観れば1万円位の価値があるかもしれない。それに機械的なアトラクションと違い、生身のショーは迫力があっていいよね。大人がリピートしても、飽きないはずである。
 だからシニアは当然ランドではなく、シーを目指す。だからといって、孫連れで行くことを薦めている訳ではない。是非勇気を振るって、シニア同士達でチャレンジしてみようではないか。

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 さて嬉しいことに、ランドもシーも、シニアパスポートは、5100円と超破格の割引料金が適用される。通常料金が5800円、マジックキングダムでも5400円なのだから、その安さが判るというものだ。
 さてシニアにとって一番困るのは、どんなアトラクションが、どこの場所にあるのか、一体どんな内容なのかが、さっぱり判らない事である。ましてや、混雑していて1時間以上も並ぶのは、まっぴらごめんであろう。
 そうしたシニアのために、極力待ち時間が少なく、無駄に歩かず、満足出来るショーやアトラクションを、効率よく巡り歩く『シニア向けコース』を考えてみようか。

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 まずシニアはまっとうに会社に行く必要がないのだから、絶対平日に出かけようじゃないの。もちろん、GWや夏休み、年末年始などの連休は、もってのほかである。
 また働いているシニアも、どんどん有休をとりなさい。もし未だに「会社人間」から脱却出来ない輩は、そもそもディズニーリゾートなんぞに興味はないだろうから、ここでは無視することにしよう。

 次に日帰りはきついので、当日の夜は近くのホテルを予約しておこうね。電車で行く場合は、ディズニーのオフィシャルホテルであるベイエリアのホテルが便利である。
 JR舞浜駅前にある「ウェルカムセンター」で仮チェックインすれば、荷物をホテルまで運んでくれるし、入場制限のないパスポートも購入出来るから嬉しい。それにオフシーズンの平日なら、これらの豪華ホテルに、朝食付で1万円前後で泊まれるよ。

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 さていよいよ次は、シニア向けのショーやアトラクションの見所について紹介しよう。地域ごとに、危険なコースター系の乗り物や、お子様向けのアトラクションを避けてセレクトしてみた。

 まず出入口正面にある大きな港メディテレーニアンハーバーでは、船を使ったパレード風のショーや花火が行われるので、ネットなどであらかじめ開始時間を把握しておこう。
 港の右にある舟着き場から、ロストリバーデルタ行きの蒸気船(トランジットスチーマーライン)、向って左側の建物の裏手にあるベネツィアン・ゴンドラもお勧めだが、夜は超混雑することと、海上ショーの開催時にはストップしているので要注意。 

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 港から左手の方向へ行くとオールドアメリカンな街並が続き、正面には大きな汽船が見える。
 ここアメリカンウォーターフロントでは、収容人数1500人を誇る大型屋内劇場ブロードウェイ・ミュージックシアターでの『ビッグバンドビート』と呼ばれるジャズとタップダンスのショーが楽しい。またミッキー、ミニー、デイジー、マリーのキャラクターも出演するので、小さい子供でも楽しく観ることができる。そうした演出がディズニーの素晴らしいところだね。

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 パークを一周する蒸気船(トランジットスチーマーライン)に乗ったら、高架電車(エレクトリックレールウェイ)に乗ってポートディスカバリーへ行こう。足の悪い人は係員に頼ベばホームまでエレべーターを使えるよ。
 ポートディスカバリーでは『アクアトピア』という水上コーヒーカップがお勧めだ。余り待たずに楽しめるし、夜はロマンチックな照明に酔い知れることだろう。

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 またここポートディスカバリーの一番人気は、ストームライダー』という、嵐を擬似体験出来るアトラクションだ。前方のスクりーンを観ながら座席も揺れるという、ランドのスターツアーズとそっくりのアトラクションである。それほど怖くはないが、終盤にスプリンクラーで水をかけられることを覚悟しておこう。このアトラクションは、必ず大行列になるので、ファクトパスをとるか、夜9時ころに訪れるほうがよいだろう。

 ポートディスカバリーから、ロストリバーデルタまでは、歩いてもたいした距離ではない。次はロストリバーデルタの船着き場手前にあるハンガーステージで『ミスティックリズム』というショーをみよう。このショーこそ、シニアにとっては、ディズニーシー最大の見所となるので絶対に外さないこと。
 森の中に滝が流れ、動物や精霊たちが、空中パフォーマンスを含めて、縦横無尽に動き回る。劇団四季の『ライオンキング』や、シルク・ドゥ・ソレイユの『ドラリオン』を髣髴させられる神秘的な世界。照明も音楽もダンスも幻想的で、必ず心が癒されるはずである。このショーの間隔はかなり長いので、事前に開始時刻を必ず調べておこうね。

 さてこのショーが終ったら、次は橋を渡って林の続く道を通って『アラビアンコースト』に向かおう。途中、シーで一番人気のアトラクション、インディージョーンズ』がある。しかしここは何時間もの行列に耐えなくてはならないし、暗闇のコースターという創りで、シニアには少しきついのでパスしてしまおう。どうしても乗りたい、というシニアは、20分程度の待ち時間で済む夜9時以降に訪れたほうがよいだろう。

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 『アラビアンコースト』でのお勧めは、マジックランプシアター』かな。劇と3D映画をドッキングさせたアトラクションでユニバーサルスタジオの『ターミネーター』と似ているかもしれない。それほど面白くはないが、一度観ておいても損はしないだろう。

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 次は『アラビアンコースト』の向かい側にある『マーメードラグーン』へ行こう。ここはほとんどのアトラクションが地下にあるので、雨が降ってきたときは混雑するかもしれないね。
 この中は薄暗くて、かつボンヤリ灯る照明が幻想的なので、これまでのシーの印象とは、だいぶギャップを感じることだろう。さてここでの見所は、なんといっても『マーメードラグーンシアター』で、人魚姫と魚たちとのミュージカルが楽しい。そして彼等の空中パフォーマンスに大注目である。

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 マーメードラグーンを一周したら、ロストリバーデルタの船着き場まで歩いて、蒸気船に乗ってメディテレーニアンハーバーに戻ろう。これでミステリアスアイランドを除いて、ほぼ全地城を巡ってしまったことになる。
  ミステリアスアイランドは後回しにして、メディテレーニアンハーバー周辺にあるイタリアンレストランで、ピザをつまみにして生ビールなどを飲もうじゃないか。

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 あとは休憩しながら、残ったアトラクションやショーの優先順位をつけてみよう。観るべきポイントは既に書き尽くしたので、あとは各人の体力と趣味に合わせて、どうするかを決めて欲しい。

 最後におじさんが困ったのは、喫煙所が少なく、分かり難い場所に隠すように置いてあることだ。各テーマポートに1カ所はあるはずであるが、地図を見てもよく判らず、結局2ヵ所しか発見出来なかったな。
 あと海の近くで風が強いため、季節によっては、かなり寒い日もある。荷物にはなるが、リュックなどに折りたたみのウィンドブレーカーを忍ばせておくと良いかもしれない。ではシニア諸君、たまには青春時代に戻って、ディズニーシーを十二分に堪能してちょうだいね。

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2008年6月21日 (土)

ボーン・アルティメイタム

★★★★

 本作を観た人達から、本作はこのシリーズ中最高の出来だという声が多かった。と言われても、僕は初回作はよく覚えていないし、2作目は全く観ていないので、比較のしようがないのだ。

ボーン・アルティメイタム DVD ボーン・アルティメイタム

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2008/03/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 しかし、ことアクションに関しては、超一流の出来だと言い切っていいだろう。息もつかせぬスピード感、全編ハードアクションの塊りのような炎の映画である。
 ことに殺し屋を追いかけて、屋根やべランダを飛び回るリアルなアクションシーンには、しびれてしまった。ただダニエル・クレイグ主演で2006年に上映された、『007カジノロワイヤル』でのパルクールシーンとタブって見えたのは、決して僕だけではないだろう。
 それにしても、アクションシーンには文句のないところである。だが惜しいかな、ストーリー展開のほうは平凡であった。
 シリーズ完結編で、全ての謎が解き明かされるといううたい文句の割には、結末にもそれほどの驚きがない。また恋愛シーンもなく、心理描写もない。とにかくアクションオンリーなのである。
 まあこういう映画も悪くはないが、アクションだけでは、満点を付ける訳にはゆかないだろう。

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2008年6月18日 (水)

15秒 

 僅か15秒の時間の遅れにより、鉄道、CATV、工場の機械に異変が起こり、2名が死亡してしまうことになる。ところがこの時間の遅れは、人為的に引き起こされたものであった。
 まるで神のように、時間を動かすことが出来る人間が存在するのか。完全時計とは一体何なのか。あたかもタイムマシーンのような装置を想像させる序盤の展開。

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 だが結局は、かったるい小説だった。鉄道員の実態に鋭いメスを入れたまでは良かったのだが、それ以上のストーリーがなさ過ぎる。
 だから小説を読んでいる気がしない。鉄道と無線マニアの解説書を読んでいる気分なのだ。

文節が極端に短い文章が、それに拍車をかけるようでもあった。アイデアは悪くないのだが、遺憾せん小説になっていないのが悔やまれる。
 だから、ミステリーであリながら、全くドキドキすることもなく、高揚感も味わないままラストを迎えてしまった。一体この小説で何を描きたかったのか、何を主張したかったのかが、よく見えてこない作品だったな。

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2008年6月15日 (日)

僕の彼女はサイボーグ

★★★★

 未来からやって来たサイボーグとへタレ男のラブストーリー。大人版の『どらえもん』といったところだろうか。
 だが決して馬鹿にしてはいけない。笑いあり、涙あり、ド派手なアクションとSFXあり、そして音楽も良い、まさに娯楽の殿堂、究極のエンタメ映画に仕上がっているのだ。

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 なんだ、なんだ!邦画でもここまで出来るじゃないか!と思わず唸ってしまった。また俳優も、SFXも、製作も日本人だが、監督だけが韓国人のクァク・ジェヨンという変り種の映画である。ということは、今まで優れたエンタメ邦画がなかったのは、全て監督のせいだという証明になるよね。
 『ゴジラ』、『デビルマン』、『あずみ』、『鉄人28号』、『少林少女』の監督たちは、この映画を観て大いに勉強してくれ給え。

 またこの映画の中で、主人公が故郷を訪れるシーンがあるが、これには思わず涙せずにはいられなかった。人は誰でも故郷があり、ノスタルジーを追い求める本能であろうか。
 知らぬ間に涙が溢れ出して、僕の心は熱くて熱くて堪らなかった。おばあちゃん、お母さん、そして故郷の町と、少年時代の友だちの姿が、僕の脳裏に津波の如く押し寄せてくる。だから、この過去のシーンだけは、全く別の映画を観ている感があったね。

 それにしてもサイボーグ役のはるかちゃんが可愛い!おじさんは、この映画を観るまで彼女の存在を知らなかった。女優というより、アイドル系という感もあるが、かなりアクションをこなせるようだね。
 近々上映される『女座頭市』が楽しみになってきた。きっと彼女は、この映画を手始めにして、大ブレイクするに違いない。いずれ、今のところ第二部で頓挫している『あずみ』も演じて欲しいなあ…。

 最後にタイムトラべルにつきものの、タイムパラドックスについて一言。はじめのうち、第1回目のタイムトラべルの意味が全く判らなかったが、終盤で見事に2回目との因果関係を解き明かしている。このあたりでも、僕の瞳は濡れっ放しだったよな。
 ところがラストシーンでの、3回目のタイムトラべルは、余計なお世話である。このあとの展開を、あえて描かないところは憎いが、もしハッピーなら未来への繋がりが消失する可能性が高いじゃないか!。そうすると現在の状況もなく、3回目のタイムトラべルもあり得ないことになる。
 それなら、はじめから無意味なラストシーンは不要だということになる。もしこのラストがなければ、満点を付けるつもりだっただけに、とても残念である。しかしそれにしても、素晴らしい映画であることには、変りがない。ホント、実はこんな邦画を一度観たかったんだよね!

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2008年6月14日 (土)

カレンダーボーイ

 『カレンダー・ガールズ』という英国映画があったが、本作は全くそれとは関係がないので念のため…。本作は、中年の男性2人が、同時に少年時代にタイムスリップして、あの3億円事件を阻止し、クラスメートの少女を救うというお話である。

カレンダーボーイ Book カレンダーボーイ

著者:小路 幸也
販売元:ポプラ社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 タイムスリップものは数々あれど、2人同時に心だけがタイムスリップし、毎日寝るたびに過去と現在を往復するという話は珍しい。浅田次郎の『地下鉄に乗って』とやや似てはいるが、心だけタイムスリップというところが全く異なっている。
 また昭和時代のノスタルジーに浸るという展開は、広瀬正の『マイナスゼロ』を思わせる。なかなか楽しくて、一体どのような結末を迎えるのか、ワクワクしながらページをめくり続けた。
 だがラストの収束がかなり大雑把で判り難いね。なんだか急に面倒くさくなって、適当に幕を下ろしてしまった感がある。それまでは、かなり面白い話だったので、非常に残念な気分になってしまった。

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2008年6月 8日 (日)

アウェイ・フロム・ハー 君を想う

★★★☆

 年のせいか、もの忘れが酷い。アルツハイマーではないかと、夫の反対を押し切って、自らさっさと施設に入ってしまう妻。1ヵ月間の面会禁止期間が解かれたあと、夫は胸をときめかせて、妻に逢うために施設を訪れるのだが…。
 ところが、彼がそこで目にしたのは、施設内にいる重病患者に恋をしている妻の姿だった。しかも彼女の記憶からは、すでに夫に関することが全て消失していたのである。
 夫は、怒りと悲しみと苛立ちを胸に秘めながら、それでもいつかは自分のことを思い出してくれるだろうと、毎日妻のもとに通う。だが妻と男との恋は激しくなるばかりで、一向に夫のことを思い出す気配がない。

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 ところがある日、男が突然退所することになり、妻と男は泣きながら別れることになる。失意に明け暮れる妻は、なにもする気が起こらなくなり、病状は更に悪化してゆくのだった。たまりかねた夫は、妻が恋している男を施設に戻そうと、男の女房に逢いに行く…。

 初めのうちは、アルツハイマーに悩む夫婦のあり方を描いた、カナダ版『明日の記憶』なのかと思っていた。ところが終盤に近づくにつれ、この作品はヒューマンドラマではなく、ミステリーなのではないかという思いが強くなるのだ。
 そしていきなり、ラストのドンデン返しと皮肉な結末・・・やはり思った通りだった。ネタバレになるので、細かい解説はしないが、ミステリーというより、ある意味ホラーと言ってもよいだろう。
 男にとっては軽い気持ちの浮気も、女にとっては一生涯許せない重大な罪なのだ。世の男性諸君、身に覚えのある人は、くれぐれも用心するように!。
 それにしても、結果としてもて遊ばれた「あの夫妻」には、どう言い訳するんだろう…。この先の成行きも十分に怖いよね。

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2008年6月 7日 (土)

ルイスと未来泥棒 

★★★

 養護施設に捨てられた少年ルイスは、子供ながらに超発明狂で、マイペース人間。だがいつも、ロクでもないものしか発明出来ない。そのために、何度も養子縁組のチャンスを逃しているのだった。

 ある日、「忘れた記憶を呼び戻す」という奇跡的な発明をするのだが、タイムマシンで未来からやってきた山高帽の男に、その発明品を盗まれてしまう。それでルイスは、その泥棒を追いかけて未来へと跳んでゆくのだった。

ルイスと未来泥棒 DVD ルイスと未来泥棒

販売元:ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント
発売日:2008/04/23
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 結局のところ楽しくて良心的な映画だったのだが、中盤までの退屈感は一体何だったのだろうか。前半「お子様ランチ」で、後半「お刺身定食」に、メニュー変更したのが原因かもしれない。
 それにしても、あの大雑把でカクカクした絵も余り好きじゃない。DVDでの鑑賞なので、3D仕様を楽しめなかったことも、かなり影響しているかもしれない…。

 いきなり文句ばかり垂れてしまったが、決して悪い映画ではないので誤解のなきよう。テーマが僕の大好きなタイムトラベルものだったので、期待過剰になり過ぎたのだ。
 かなり『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』を意識して作られているが、その結末においては異なっていたし、ディズニーらしい良い味を出していたと思う。
 ただ映画館での一回こっきりの鑑賞では、かなり判り辛いだろう。僕は幸いDVDだったので、何度か繰り返して観ているうちに、ストーリ一の全貌と製作者の狙いを理解することが出来た。

 とどのつまり、お子ちゃまには少し不向きかな。だからといって、大人にも諸手をあげて楽しめる作品とも言い難い。天下のディズニーにしては、珍しく中途半端なアニメを創ってしまったものである。

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2008年6月 3日 (火)

通勤地獄 始発駅での座席の選び方

 途中駅から座れるほど通勤電車は甘くない。だが始発駅なら座れるはずである。しかし、ただ座ればいいというものでもない。

           Orenge

 まずガラガラに空いているときは、隅の席を狙う。隣に誰が座るか判らない状況下で、少なくとも片側の安全は確保しておきたいからだ。また雨の日には、隅の手すりが傘かけにもなる。

 次に、そこそこに席が埋まっているときは、大きな人が座っている列は避ける。7人掛けだからいずれ狭苦しくなるからだ。
 それと、心情的には女子学生の隣に座りたいものの、これはなるべく避けたほうが良い。彼女たちは余り遠距離まで乗らないため、いずれどこかで降りてしまうのだ。そのあとに、でかい男が座る可能性が高いからである。

 最後に、ほぼ全座席が埋っているときは、6人しか座っていないが、小さなスペースしかない席を見付けて座るしかない。そのときは恥ずかしさを堪えて、すみません!少しずつ詰めてもらえませんか!」と大声で怒鳴るのだ。これでかなりのスペースが確保出来るはずである。

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公認会計士vs特捜検察

 凄い本である。小説ではなく、ドキュメンタリーなのだが、大長編の告白文といってもよいだろう。
 一部上場会社だったシロアリ駆除会社「キャッツ」の役員三人による、株価操縦・粉飾決算などの特別背任罪が、いつのまにか著者である公認会計士の、有価証券虚偽記載罪にすり替えられてしまう。
 とにかく逮捕された公認会計士自身が、冤罪に怒り、全精力を注ぎ込んで無罪主張文を書いたのだから迫力がある。だが専門用語や金融・会計の仕組みを知らない人にはかなり読み難いだろう。

公認会計士vs特捜検察 Book 公認会計士vs特捜検察

著者:細野 祐二
販売元:日経BP社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 初めこの分厚い本を読むのはかなりしんどかったが、中盤を過ぎた頃からは、裁判の成行きが気になり、むさぼるように一気に読み込んでしまった。
 一番ショックだったのは、検察の独善的かつ封建的な取り調べ方法である。 
 これがもし本当なら、こんな恐ろしいことはない。検察側に不都合な証人や証拠は全て無視し、陰で証人を脅迫しながら、検察に都合のよい証言書に無理やり署名させるのだから…。
 今時まだこんな野蛮な国家権力乱用を続けているのかと、信じられない気分で一杯だ。さらには、それら検察の横暴ぶりを承知しながらも、99.9%の有罪判決しか出さない裁判官にも憤りを禁じ得ない。これでは裁判所の独立性など全くないではないか。
 だが、本書が摘発されていないこと、また映画『それでもボクはやってない』でも同様の状況だったことを考えると、検察の横暴と検察ベったり裁判官の存在は嘘ではないのだろう。

 ただ一方通行の話なので、ここに書かれていること全てを、鵜呑みにするわけにもゆかない。それに本書中には、どうしても納得しかねることが三点ある。それをまとめると次の通りになる。

1)そもそもこの裁判の発端となった「村上専務詐欺事件」について、余り詳しく書き込まれていないのが不思議である。なぜ村上専務は、8億円もの個人資産を、いとも簡単に手渡したり、あっさり高利貸しの保証人になったりしたのか、全く合点がゆかない。
2)正義感に溢れる著者が、どうして大友社長から1000万円の裏金を受取ったのか。あとで返す積もりだったと弁解しているが、一時的にせよ受取った事実は歯切れが悪過ぎる。
3)株の買占めに対坑するためとはいえ、なぜ大友社長は60億円もの大金を使う気になったのか。そもそも自分が大株主なのだし、それほどの金を使うほど買占めに狼狽する必要があったとは思えない。

 この三点について、著者の書いた事が真実かもしれないが、余りにもその経緯や背景についての説明が少な過ぎるし、心理描写なども全く描かれていないのだ。なにか、嫌な臭いがする。もしかすると、検察同様、自分に都合の悪い部分を隠しているのではないだろうか…。

 裁判のほうは最高裁まで控訴され、未だに著者は1人で国家権力と戦い続けているという。とにかくもの凄いエネルギーである。私も含めて普通の人ならば、とっくに諦めているだろう。
 なんだか映画『不撓不屈』のモデルになったTKC創設者の飯塚税理士を思い出してしまった。今の時代にも、細野会計土のようなサムライが残っていたとは驚愕の限りであり、さすがの私も脱帽せざるを得ない。だが前述の三つの疑問だけは、いつまでも私の心にくすぶり続けている。

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2008年6月 1日 (日)

山のあなた 徳市の恋

★★★★

 清水宏監督が昭和13年に発表した『按摩と女』のリメイク版だという。オリジナル版はまだ観ていないが、本作を観ながらもなんとなく眼に浮かぶようであった。
 多分、カラーであることと、俳優の違いを除けば、脚本と演出やカメラワークは、オリジナルそのままなのであろう。ゆったりとした展開に、大自然に囲まれた山奥の温泉郷の佇い。それにしても新禄が眼に痛いほど美しい。カラーである利点を大いに生かし切っていることを考えると、オリジナルを超えているのかもしれない。観ているだけで、とても心が癒される映画である。 

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  徳市を演じた草彅剛は、按摩さんになり切っていた。また子役の「チェッ」と言う捨てゼリフも、昔のわんぱく小僧そのままである。
 だがなんと言っても、謎めいた女性を演じたマイコの色白の肌と、むらさき色の和服がとても印象的であった。彼女がいなければ、きっとこの映画への興味は半減したことだろう。
 山奥の温泉郷で知りあい、ほのかな恋心を寄せ合う男と女。そして按摩の徳市が女に抱くひたむきな恋…。
 そこには現代人のような激しい恋愛は介在しない。告白など全くない彼等の淡い恋は、やがて靄の中に消えてゆく。
 そう昔の恋とは、こんなものだった。年配の方なら、誰もがこうした甘酸っぱく、ほろ苦い想い出を持っているはずだ。そしてそうした想い出ほど、いつまでも心の中に美しいままで残っているものなのである。
 それにしても、まるで過去にタイムスリップしたような、いまどき珍しいほどノスタルジックな匂いのする映画であった。  

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