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2008年5月10日 (土)

ボルベール  〈帰郷〉 

★★★★

 『トーク・トゥ・ハー』でその異色な才能を認められた、べドロ・アルモドバル監督の最新作。カンヌ映画祭で最優秀脚本賞と最優秀女優賞を併せて受賞している。

ボルベール<帰郷> コレクターズ・エディション DVD ボルベール<帰郷> コレクターズ・エディション

販売元:ギャガ・コミュニケーションズ
発売日:2008/01/01
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 ペネロペ・クルス扮するライムンダは、10代のときに火事で両親を失い、 失業中の夫と15歳の一人娘パウラを養うため、毎日休む間もなく働いていた。ところがこの閑人の夫は、忙しいライムンダにセックスを拒まれ、義娘のパウラに手を出そうをする。

 だが驚いたパウラに、包丁で刺されて殺されてしまう。この突発的なトラブルに、ライムンダは夫の死体を隠して娘を守ろうとする。それにしてもライムンダはたくましい。夫の死体を隠した冷蔵庫のあるレストランで、翌日から大車輪で働き始めるのだ。さらにこのレストランは他人の所有物なのに、鍵を預かったライムンダは、さも自分の店のように勝手に使用してしまうのだ。

 あとでこの店の所有者からクレームの電話が届いても、「ごめんなさい、家賃は払いますよ」で済ましている。男顔負けのたいした度胸と行動力である。そしてそのあと、レンタカーを借り、近所の売春婦を無理矢理誘って、死体を捨てるため100キロ以上のドライブに放立つのだ。

 この恐ろしい程に逞しい生きざまは、とても日本人には理解出来ないだろう。やはりラテン系の激しい血と、貧しさの中から発散される生への執着なのだろうか。ペネロペ・クルスは、この逞しいおばさんを演じるため、腰にパットを装着してお尻を大きく見せたという。それでも彼女は美し過ぎるし、スタイルも抜群なのだから困ってしまう。

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著者:ペドロ・アルモドバル
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  その美しさに吸収されたのか、他の女性達の影がやや薄れてしまった。ライムンダの姉ソーレを演じたロラ・ドゥエニャスなんかも、なかなかいい味を出していたのだが、やはり圧倒的な美貌の差は如何ともし難い。

 さてストーリーのほうは、さらに二転・三転してゆく。実は死んだはずのライムンダの母が生きていたのである。そしてさらに母の生存には、ある重大な秘密が隠されていたのだった。

  常人には予測出来ない見事な結末に、思わず息を呑んでしまったが、ここではネタバレは避けておこう。とにかく大傑作には違いないので、DVDを観て自分で確かめて欲しい。

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コメント

こんばんは♪
ペネロペは本当にキレイでしたよね~。
この作品に出てくる女たちの強さはやっぱりラテン系だからでしょうか?
日本のオバちゃんはとても太刀打ちできそうにないと思いました。

投稿: ミチ | 2008年5月10日 (土) 23時23分

TBありがとう。
ちょっと日本人には理解しかねるところがあり、ラ・マンチャというのは、こういう女たちが生命力を溢れさせているところなのかなあ、と思った次第です。

投稿: kimion20002000 | 2008年5月11日 (日) 02時28分

ケントさん、ヽ(;▽;)ノおひさっ♪♪
中々これず、(*_ _)人ゴメンナサイ

4月は忙しくてとうとう映画館に一度も足を運べませんでした^^;
まったり更新中で~す。

ペネロペちゃん綺麗でしたね!色っぽいし。
結構クスクス笑えるシーンがあったりして大好きな
映画です♪

投稿: とんちゃん | 2008年5月11日 (日) 11時14分

ミチさんコメントありがとう
ペネロペのライムンダの逞しさは、抜群でしたが、母親や近所の人々もかなり逞しかったですね。
映画だから笑っているけれど、自分の隣人にこうしたおばさん達がたむろしていたら参りますよね。

投稿: ケント | 2008年5月11日 (日) 13時04分

kimionさんこんにちは
日本人にはとても理解不可能ですよね。
ラテン系の人たちって、神経がずぶといというか、大雑把なのでしょうかね。

とんちゃんオヒサでしたね。
一ヶ月間映画館に行かないなんて珍しいですね。ときとしてそういうこともありますよね。
それにしてもペネロペは圧倒的に美しいですね。あの顔であの図々しい演技がミスマッチのようで意外と受けました。

投稿: ケント | 2008年5月11日 (日) 13時10分

Kentさん、こんばんわ。TB、こちらからも。この監督もペネロペ・クルスも苦手であるにも拘らず、私、大阪と島根の劇場で2回も見ちゃったんですよ!ご縁があるというか、腐れ縁というか。

投稿: Bianca | 2008年5月11日 (日) 18時43分

Biancaさんコメントありがとう
だいぶ厳しい意見ですね。
でもこの作品は二度観たのですよね。
僕はDVDでこの作品を観ましたが、かなり面白かったですよ。ペネロペは、確かに人工的な美しさを感じますが、あれだけの演技が出来ればまずまずだと思いました。

投稿: ケント | 2008年5月11日 (日) 18時54分

ケントさん、こんにちは♪ TBありがとうございました。
…なのに「死神の精度」同様、こちらからのTBが送れない様で
ご迷惑お掛けしてます。ペコリ

この作品、母国語を喋るペネロペが良かったですね~
実は苦手な女優さんだったんですが、
初めて“巧いし綺麗”って感じました。(色っぽいし)
このストーリー展開で、よくぞ ここまでカラッと描けたなぁ~と・・・ 
もし日本人キャスト&邦画にしたら、
かなりジメジメしたものになりそうですね。^^;

投稿: Any | 2008年5月12日 (月) 16時28分

Anyさんコメントありがとう
ペネロペは、国際女優なので、母国語での映画となると俄然張り切ってしまうのですかね。
おっしゃる通り、この映画を邦画にしたら暗いジメジメした映画になるでしょうね。

投稿: ケント | 2008年5月12日 (月) 20時41分

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