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2008年4月13日 (日)

デス・プルーフ

★★★☆

 デス・プルーフとは、「耐死亡性」を備えていること。映画のスタントマンが乗る車は、当然この仕様になっている。
 この作品ではカート・ラッセル演じるところの殺人鬼マイクもスタントマンで、この仕様の車を暴走させる。そして事故を装った殺人を実行するのだ。

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 さてスタントマンといえば本物のスタントマン、いやスタントウーマンのゾーイ・べルが本名で出演している。しかも彼女は『キル・ビル』で、ユマ・サーマンのスタントで大怪我をしたにも拘わらず、最後まで撮影を続けたタフネスウーマンだという。スタントだけではなく、ラストのど迫力アクションにも度肝を抜かれてしまった。
 さすがにプロのスタント演技はもの凄いね。高速で突走る車のボンネットの上に乗ったまま、殺人鬼マイクの車に後方と側面からガンガン車をぶつけられる。それでも必死でしがみついて落ちない。あれは本物のスタントなのか、合成なのか、だぶん両方なのだろう…。

 タランティーノのもうひとつのこだわりは、1971年に公開された幻の名画『バニシング・ポイント』である。ストーリー中にも、何度かこの映画の話が出るが、とうとうラストには『バニシング・ポイント』で使用された70年型の白いダッジ・チャレンジャーでのカーチエイスとなるのだ。

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 『バニシング・ポイント』については、僕も大昔に下北沢の『オデヲン座』という映画館で観たことがある。当時二番館では三本立てが主流であったが、映画ウィークの特別企画として、なんと五本立てを上映していたのだ。
 その五本立てに惹かれて、特にお目当ての作品もないまま映画館に足を運んだ。その五本の中でも未だに記憶に残っているのは、『バニシング・ポイント』だけである。
 『バニシング・ポイント』は、平均時速200Kmで田舎道をバンバン飛ばす白塗りのダッジ・チャレンジャーを、パトカーが追いかけてゆくだけのシンプルな映画だったと思う。それでもいつまでも僕の脳裏にこびりついているのだから、それだけ面白い映画だったのだろう。タランティーノだけではなく、映画ファンなら誰でもが忘れ得ぬ作品なのである。
 この映画は『バニシング・ポイント』のオマージュとして作りあげたのだろう。しかしさすがのタランティーノにしてみても、カーチェイスだけの映画創りは難しかったのかもしれない。それで女たちの長話を挿入し過ぎてしまったのだろうか。
 あの無駄話にはとことん辟易し、僕は途中でDVDを早送りしてしまったほどだ。女たちのおしゃべりにムカついた男性は多いだろうな。考え過ぎかもしれないが、それがタランティーノの作戦だったのかもしれない。
 あえて観客にストレスを惹き起こさせ、観客たちのイライラ心と殺人鬼が暴走する心理との一体感を合成したかったのか。いずれにせよこの映画は、終盤のカーチェイスにタランティーノの全エネルギーが注入されているといってもよいだろう。

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コメント

DVDで何度も見てます。気に入ってますから。

>あの無駄話にはとことん辟易し、僕は途中でDVDを早送りしてしまったほどだ。女たちのおしゃべりにムカついた男性は多いだろうな。考え過ぎかもしれないが、それがタランティーノの作戦だったのかもしれない。
 そのあなたのムカツキ気分よくわかります。ボクはムカツクより あくびしてしまいましたね。
”もう グダグダトークはいいから はよ アクション(行動)起こしてよ~”って^_^;

 おっしゃるとおり ゾーイベルはタフネスウーマンですね。まともに殴りあいのケンカしたも ボク ノックアウトされて のびちゃいそう(>~<)

投稿: zebra | 2014年5月 6日 (火) 09時08分

zebraさん、こんにちはご無沙汰しています。
それにしても、古い記事にコメントいただき恐縮しています。
ただ残念ながら、もう6年以上前に見た映画なので、かなり中身を忘れています。この映画もかなりインパクトのある映画だったと思うのですが、もっと大昔に見たバニシングポイントのほうを覚えているのですから、人の脳の構造は不思議ですね。

投稿: ケント | 2014年5月31日 (土) 09時33分

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