ルネサンスへ飛んだ男
時間反射機を使って、20世紀から15世紀のフィレンツェにタイムトラべルをした青年のお話である。タイトルやブックカバーのイラストから想像して、J・デヴローの『時のかなたの恋人』のようなラブファンタジーをイメージしていたのだが…。
ルネサンスへ飛んだ男 (扶桑社ミステリー) 著者:マンリイ・ウェイド ウェルマン |
ところがこれが大いなる勘違いであり、そして嬉しい誤算でもあった。この作品でもリズという清楚で心優しい奴隷少女が登場するが、お互いにほのかな恋心は抱くものの、大恋愛には至っていない。
どちらかというと、恋愛よりも史実に基づいた脚色の精緻さに重心を置いているようだ。従って、荒唐無稽と思われる出来事が全て、歴史上の事実だったことを知ったときには驚愕の思いであった。
そして科学的知識の豊富さと、絵に描いたようなラストのドンデン返しにも、誰もがきっと脱帽してしまうだろう。そして本作が書かれたのが、1948年というからさらに感心させられてしまう。
それにしてもこれほどの力作が、なぜ2005年まで日本で翻訳されさかったのか。そのことについては、翻訳者があとがきで記しているが、完全版と削除改訂版の二つの版が存在しているのが原因らしい。
もちろん本書は、完全版に基づいて翻訳されているのだが、削除改訂版の良い部分もかなり取り入れているという。ということは、翻訳者の力量も相当なものだということである。
余り期待せずに買った本だが、時としてこのような幻の名作に出会えることがとても嬉しい。だから古本あさりを止められないのかもしれないね。
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コメント
Tessさんこんばんは
この本は、ブックオフのネット販売で買いました。
アマゾンでも売っていますよ。
しかし米国にいると、日本の書籍を買うには手間がかかりますよね。アマゾンなら簡単だけど送料が高いしね。
竜巻きは都会でも起こるのですね。
ビルの窓が壊れると、ガラスの雨だから恐ろしいです。いつも応援有難う。
投稿: ケント | 2008年3月28日 (金) 21時49分
ケントさん、こんにちわ(^ー^)
これ、面白そうですね♪
読みたいリストにメモしておきます♪
今度里帰りした時に、手に入れられるといいなと思います。
47年も経てから翻訳されるという事も興味深いですね。
良い作品と言うのは時を超越した力を持っているんでしょうね。
ところで話はそれますが、
いつだったか竜巻は都心には襲ってこないと言ったのは、間違いでした!
先週だったか、私の住む街に襲ってきて高層ビルの窓や建物もかなり被害を受けました。ビックリです。
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また来ますネ(^^)ノ
PS:なかなかお返事できなくてすみません
投稿: tess | 2008年3月28日 (金) 06時41分