« 陰日向に咲く | トップページ | ライラの冒険 黄金の羅針盤 »

2008年3月 6日 (木)

幽霊人命救助隊

 東大二浪で首吊り自殺した裕ー、キャリァウーマンになり損ねて飛び降り自殺した美晴、会社経営に失敗し服毒自殺した市川、ヤクザ稼業の限界に絶望し、短銃自殺した八木。
 この四人が神様の命令で、地上に降り幽霊になって100人の自殺願望者を救うという荒唐無稽なお話である。しかも夕イムリミットは49日間、1日2人以上のペースで自殺をくいとめなくてはならない。
 これが成功した暁には、成仏して天国ヘ行けるという。なんだか、浅田次郎の「椿山課長の七日間」と通じるものがある。

幽霊人命救助隊 (文春文庫 た 65-1) Book 幽霊人命救助隊 (文春文庫 た 65-1)

著者:高野 和明
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 彼等は人には見えない聞こえない、透過してしまう存在であるが、なぜか物質に対しては存在感がある。だが彼等は物質を動かせない。つまり、例えば誰かがドアを開けない限り、彼等だけではドアを開けられない、入れないのである。
 こんな状態で、どうすれば100人もの人間を救助出来るのか。ところが、彼等はこの八方塞がり状況を打破すべく「七つ道具」を所持していたのである。
 このマンガのようなバカバカしいお話が面白いのは、裕一以外の三人が自殺したのが、裕一よりずっと以前だったということだ。市川が15年前、美晴が17年前、八木に至っては、なんと24年前なのである。
 ということは、市川、美晴、八木にとっては、現代の日本はカルチャーショックで、まるでタイムマシンで未来に跳んできたのと同じなのだ。そのあたりの彼等の驚きようや、時代遅れな流行語が飛び交う様が楽しいよね。

 それから自殺願望者の大半は「うつ病」である。だから著者はうつ病について、かなり詳細に調べている。おかげで自殺とうつ病についての認識がかなり高まってしまった。楽しみながらお勉強出来るという具合で、一粒で二度美味しいのだ。
 ただ100人助けるまでに、何人もの同じような救助が続くので、途中少し辟易してしまうかも…。だが実は、最後100人目の自殺願望者の救助こそ、本作中最大の焦点なのである。この感動のクライマックスでは、きっと誰もが熱い涙を流さずにはいられないだろう。

↓クリックすると僕のランキングも判りますよ。

人気blogランキングへ

※スパム対策のため、TBとコメントはすぐに反映されない場合があります。

↓ブログ村とクル天↓もついでにクリックお願いね(^^♪

にほんブログ村 映画ブログへ

|

« 陰日向に咲く | トップページ | ライラの冒険 黄金の羅針盤 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/21640/11024764

この記事へのトラックバック一覧です: 幽霊人命救助隊:

» 『幽霊人命救助隊』 高野和明 [*モナミ*]
『幽霊人命救助隊』 著:高野和明親からも学校からも期待されていた大学受験に失敗し、自らの命を絶ってしまった、僕。気づくと、険しい崖を、這い登っていた。たどり着いたのは、太陽もないのに妙に明るい空間。そこで出会った、3人の男女。ヤクザな老人と、几帳面そう...... [続きを読む]

受信: 2008年3月 7日 (金) 10時16分

» 幽霊人命救助隊 [カイ的範囲]
【作:高野和明 文芸春秋(文庫) 本体価格686円】  受験に失敗し、首吊り自殺をしたはずの高岡祐一は、気づくとなぜか断崖絶壁を延々とロッククライミングしてした。  長い長い時間を経てようやく頂上に辿り着いて見れば、そこには既に3人の先客が。  朗ヤクザ...... [続きを読む]

受信: 2008年3月 7日 (金) 11時31分

» 「幽霊人命救助隊」 [月灯りの舞]
お盆はナーバスになってしまう。 供養するものと供養されるもの、 死んだ人がいないことを認識してしまう……。 そんな時だけど、幽霊ものの話を読んだ。 といっても怪談ではなく、エンターティメント。 「幽霊人命救助隊」 高野和明:著     文藝春秋/2004.4.10/16... [続きを読む]

受信: 2008年3月24日 (月) 15時44分

« 陰日向に咲く | トップページ | ライラの冒険 黄金の羅針盤 »