人のセックスを笑うな
★★★☆
この妙なタイトルのせいか、今最も旬な松山ケンイチ主演のせいか、3ヵ月近いロングランにも拘わらず、ここシネセゾン渋谷は連日超満員。
もうそろそろ大丈夫だろうと考えたものの、1ヵ月前に入場出来ず悔しい思いをしたので、用心のため会社を休んで平日の昼に渋谷まで足を運んだ。それでも劇場の半数は埋まっていたから、この映画の人気は異常ともいえる。
なんのことはない、大学生が同級生の女の子の気持ちを無視して、年上の女教師との禁断の恋にのめり込んでゆくという、よくあるストーリーである。
お話は単純なのだが、従来の展開と一味も二味も異なるのは、登場人物の個性が斬新でユニークだからだろう。松山ケンイチに関しては、誰もが知る通りだが、年上の女教師を演じた永作博美の変人ぶりがこの映画の焦点であろう。また彼女の夫役を演じたあがた森魚のオトボケぶりに、なにか大人のしぶとさを感じてしまうのだ。
最近、大人たちが若者たちに翻弄されて、一緒に失楽園を目指してしまう作品が多い。ところが、この作品では大人たちは悠然としている。決して若者たちのペースにはまらず、己が道を自由に突き進む、したたかさを失わないのだ。
そして悩み傷つくのは若者ばかり。ことに喫茶室での蒼井優と永作博美の掛け合いが面白い。どちらが若者なのかわからない、永作博美の傍若無人ぶりには舌を巻く。
もったり感の漂う撮影方法。道路でのシーン、廊下のシーン、そして風景などがゆったりと長回しで流れる。ちょっと薄暗くてピンボケしている映像は少し観辛いが、この映画の雰囲気にはピッタシかもしれない。
さて、この映画の中で何度か風船が登場するのだが、なにか意味があるのだろうか。
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この記事へのトラックバック一覧です: 人のセックスを笑うな:
» 「人のセックスを笑うな」 [元・副会長のCinema Days]
悪くはないのだが、いまひとつ工夫が足りないと思った。監督の井口奈己は矢崎仁司監督の「三月のライオン」のスタッフから映画人としてのキャリアを始めたらしいが、そのせいか作風が良くも悪くも矢崎監督の影響下にある。
音声はオフ気味で演技は常時“自然体”をキープ、長回し主体のカメラワーク、起伏のない(ように見える)ストーリー展開etc.矢崎作品ではおなじみのタッチは通常のドラマを見慣れた目には新鮮に映るが、この調子で決して短くはない上映時間を保たせることは困難だ。
実を言えば矢崎監督の作品の中で唯... [続きを読む]
受信: 2008年3月23日 (日) 19時28分
» 『 人のセックスを笑うな 』 [やっぱり邦画好き…]
映画 『 人のセックスを笑うな 』
[劇場鑑賞]
2007年:日本【2008年正1月26日公開】[ 上映劇場 ]
監督:井口奈己 脚本:井口奈己 本調有香
原作:山崎ナオコーラ「人のセックスを笑うな」
【キャスト】
永作博美 松山ケンイチ 蒼井優 忍成修吾
あがた森魚 温水洋一 桂春團治
公式サイト
恋におちる。世界がかわる。
19歳のボクと39歳のユリのいかれた冬の物語
〜もし神様がベッドを覗くことがあって、
誰かがなさけな... [続きを読む]
受信: 2008年3月23日 (日) 19時34分
» 『人のセックスを笑うな』 @銀座テアトルシネマ [映画な日々。読書な日々。]
美術学校に通う19歳の磯貝みるめは、新任のリトグラフの講師ユリに絵のモデルを頼まれる。アトリエに連れて行かれ、されるがままにするすると服を脱がされてしまう。以来、20歳年上のユリにすっかり骨抜きにされて2人で過ごす濃密な時間にのめり込むが、ある日、夫がいるこ... [続きを読む]
受信: 2008年3月23日 (日) 20時00分
» 人のセックスを笑うな・・・・・評価額1550円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
「人のセックスを笑うな」って・・・・。(笑
何とも人を喰ったタイトルだが、ある意味で日本映画のスタンダードとも言える「芝居を楽しめる... [続きを読む]
受信: 2008年3月23日 (日) 21時20分
» 「人のセックスを笑うな」:大塚三丁目バス停付近の会話 [【映画がはねたら、都バスに乗って】]
{/kaeru_en4/}東邦音楽大学総合芸術研究所かあ。こういうところで学び、恋をする芸術家の卵たちもたくさんいるんだろうな。
{/hiyo_en2/}「ハチミツとクローバー」みたいに?
{/kaeru_en4/}いやいや、「人のセックスを笑うな」みたいにだ。
{/hiyo_en2/}どちらも芸術系大学のキャンパスを舞台にして、誰もが誰かに片想いしているというストーリー。似たようなものだと思うけど。
{/kaeru_en4/}いやいや、タイトルの違いがそのまま内容の違いになっている。
{/hiy... [続きを読む]
受信: 2008年3月23日 (日) 22時33分
» 映画「人のセックスを笑うな」を観た! [とんとん・にっき]
映画「人のセックスを笑うな」の原作は、山崎ナオコーラの第41回文芸賞受賞作品、これがデビュー作だというから凄い。僕の手持ちの本は、2004年11月30日初版発行とありますから、今から4年前?田中康夫の「思わず嫉妬したくなる程の才能」はオーバーとしても、その片鱗は... [続きを読む]
受信: 2008年3月24日 (月) 01時01分
» 【人のセックスを笑うな】 [日々のつぶやき]
監督:井口奈己
出演:永作博美、松山ケンイチ、蒼井優、忍成修吾
「19歳美大生のみるめは、20歳年上のリトグラフの講師ユリに惹かれた。モデルを頼まれ彼女のアトリエで会ううちに二人の距離は縮まっていくが、彼女は結婚していた。
初めての恋に苦しむみるめと、... [続きを読む]
受信: 2008年3月24日 (月) 09時58分
» 「人のセックスを笑うな」レビュー [映画レビュー トラックバックセンター]
映画「人のセックスを笑うな」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:永作博美、松山ケンイチ、蒼井優、忍成修吾、あがた森魚、温水洋一、桂春團治、他 *監督:井口奈己 *原作:山崎ナオコーラ 感想・評価・批評 等、レビューを含む記事・ブログから..... [続きを読む]
受信: 2008年3月24日 (月) 13時49分
» 神童 [松山ケンイチの秘密]
... 嫌気がさしていたある日 落ちこぼれ音大受験生ワオ(松山ケンイチ)と出会う... [続きを読む]
受信: 2008年3月25日 (火) 04時35分
» 『人のセックスを笑うな』 [かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY]
オー、イエース!
美術学校に通う19歳の磯貝みるめは、新任のリトグラフの講師ユリに絵のモデルを頼まれる。初日に観に行った人が混んでいたって言っていたのだけど、公開1週目水曜日ももちろん混んでいた。テアトル系の劇場は、指定席制になって、オンライン予約ができるようになったので、私は2日前にチケット確保して、予告をやっている頃にシネセゾン渋谷に到着したのだけど、その回はもちろん、その次の回も満席になっていた。すごい人気なのは何故?松ケンファン?永作ファン?蒼井ファン?原作ファン?タイトルに惹かれて、... [続きを読む]
受信: 2008年3月25日 (火) 08時10分
» 大学情報の倉庫♪ [いっぽの倉庫]
壱歩(有)がやってる倉庫です。本HPへはブログからリンクがあります。大学生のことならなんでもおまかせ。 [続きを読む]
受信: 2008年3月28日 (金) 16時18分
» ●「人のセックスを笑うな」 [月影の舞]
映画「人のセックスを笑うな」を観た。
原作は、文藝賞を受賞した時に読んだけど、
タイトルにインパクトがあったのだけに、
内容を期待したら、あまりに普通の恋愛小で
印象が薄い。
映画も、小説のゆるさというか、
世界観をそのまま引き継いでいる。
映画... [続きを読む]
受信: 2008年4月10日 (木) 15時35分
» 人のセックスを笑うな [シュフのきまぐれシネマ]
人のセックスを笑うな
3/7(木)@シネセゾン渋谷
撮影禁止とも何とも書いてなかったので写メってきた
劇中で使用されてた
みるめくんのハイカット
真っ赤なハート形のライター
えんちゃんのぽんぽんストラップ
印象に残るシーンで遣われてたモノばかり... [続きを読む]
受信: 2008年4月10日 (木) 23時02分
» 感想/人のセックスを笑うな(試写&単行本) [EDITOREAL]
なんて愛すべき人たちなんだ~! 『人のセックスを笑うな』1月19日公開。39歳のユリと出会った19歳の美大生みるめ。ユリは大学の臨時講師だった。ユリから絵のモデルを頼まれたみるめは、やがて彼女に惹かれ始める。みるめの同級生のえんちゃん、堂本を巻き込み描かれる青春"極甘"ラブストーリー。
人のセックスを笑うな公式サイト
もう大好きすぎる世界! 青春で純情、音が聴こえてきそうな恋愛! 最初から最後まで終始淡々としているのに、胸に残るあったかさと痛さと切なさよ。これぞ青春映画ですとも! 映画では原... [続きを読む]
受信: 2008年4月24日 (木) 22時31分
コメント
こべにさん、コメントありがとう
二度も観たのですか?
たぶん二度目は違った感じだったでしょうね。
猪熊さん、結構女性に人気ありますね。やっぱり優しいからかな。
投稿: ケント | 2008年4月11日 (金) 14時21分
こんばんは!ケントさん♪
コメントありがとうございました。
ファンでもナイのに二度も鑑賞してしまいました
が、松ケンファンなら何度でも観たくなっちゃう
作品のような気がします。
リピーターさんも多いのかな?!と思いました。
ワタシは猪熊さんがスキでしたけど・・・。
投稿: こべに | 2008年4月10日 (木) 23時17分
tessさんありがとう
いつもブログを見ていただいて嬉しいな。
tessさん、いろいろ忙しそうですね。
この映画のタイトルは、エッチ系のようですが、そんな感じは全くなかったですね。
アメリカだと邦画を観ることはなかなか出来ないのでしょう?アマゾンでDVDを買うしかないのでしょうね。
応援ぽちぽちもありがとう(^^♪
投稿: ケント | 2008年3月25日 (火) 22時44分
ケントさん、こんにちわ♪
旅行から帰ってきたら
こちらはすっかり桜が満開でしたよ(^^)
日本も桜の季節ですね♪
ケントさんのブログは毎日お邪魔しているのですが、
何だか落ち着かない日々で、なかなかコメントできなくてすみません。
この映画のことは知りませんでした
3ヶ月もロングランしている人気の映画なんですね☆
”笑うな”。。。ってヘンなタイトルですけれど・・・
笑ったことなんてないですけどね?(笑)
なかなか邦画を観るチャンスがないのですが、
観たいリストに加えておくことにします♪
また来ますネ(^^)ノ
応援ぽちぽち
投稿: tess | 2008年3月25日 (火) 06時41分
真紅さんコメントありがとう
大阪でも大ヒットですか。僕はタイトルとマツケン人気のような気がしますね。
まだTB出来ませんか。
こちらからは出来るのですがね・・・。
真紅さんも原作支持派なのですね。
評判がいいので、いちど読んでみたいと思います。
hitoさんもそう感じましたか。
大人達のしたたかさが妙に新鮮に感じました。
とかくこんなテーマだと切なくなる展開が多いものですが、この映画には少なくとも大人たちには全くそれがなく、結局傷心のまま立ち直れないのは、マツケンだけという構図。それがなんともチグハグなのですが、そこがユニークともいえる。好き嫌いの分かれるところでしょうね。
投稿: ケント | 2008年3月24日 (月) 21時02分
あんさんこんばんは
そうですね。東京では二館のみの上映だったと思います。もちろん、シネコンでやるには一般受けし難い作品なので仕方ないのですが、せめて東京で5館くらいの上映にして欲しいですね。あんさんは、原作読んだようですね。原作の方が良いという人も多いですよ。
投稿: ケント | 2008年3月24日 (月) 20時42分
TBありがとうございます。
ケントさんのおっしゃるように、大人が振り回されず堂々としているのがとても気持ちいいですよね~
もっと切なさ感たっぷりの映画なのかと思っていたら、随所に笑いもあり、意外にサッパリとしていました。
永作さんも蒼井優ちゃんも松山くんもみんな個性的で素敵でしたね。
投稿: hito | 2008年3月24日 (月) 10時04分
ケントさま、こんにちは。
この映画ロングランで、凄い人気ですね。大阪でもまだ上映しています。
やはり、口コミでしょうか? それとも松ケン人気かな。
大人なユリが確信犯的に小悪魔で、翻弄されるみるめがなんともリアルでした。
原作もオススメですよ。
TBができないのでURLに入れておきました。ではでは!
投稿: 真紅 | 2008年3月24日 (月) 09時35分
連日超満員なのですか?スゴイですね。
上映館が少ないせいか、観に来る人は誰かのファンなんでしょうかね。
私は、映画より原作のほうが好きだった少数派です...。
キャスティングは、好きでした(少しフォロー)
あ、失礼しました。
投稿: あん | 2008年3月23日 (日) 23時38分
masakoさん、コメントありがとう
だいぶこの映画がお気に入りのようですね。
確かにおっしゃる通り「同級生の女の子を裏切って」はいい過ぎでした。「同級生の女の子の気持ちを無視して」に表現を変えてみました。(^_^.)
ノラネコさんこんばんは
おっしゃる通り、役者が良くなければつまらない映画になっていたかもしれませんね。
風船は、ゆりちゃんでしたか。なるほどね。
投稿: ケント | 2008年3月23日 (日) 22時06分
こんばんは。
ちょっと懐かしい感じがして、結構好きなタイプの映画です。
やっぱり役者たちが良いですね。
風船は、やっぱりフワフワフラフラのみるめ君?見方によってはゆりちゃんにも見えなくは無いですが。
投稿: ノラネコ | 2008年3月23日 (日) 21時24分
こんばんは。
TBありがとうございました。
まだそんなに人が入ってましたか。上映してる映画館が少ないというのもあるとは思いますが、人気ですね。
私はこの映画、すごく気に入りました。DVD出たら買っちゃいそうです。
ケントさんが言う「同級生の女の子を裏切って」というのは私はそうは思いませんでした。えんちゃんは勝手に片思いしていただけなのかな、と。そしてえんちゃんの気持ちに気づいていないみるめが、ゆりに恋しただけかな、と。
投稿: masako | 2008年3月23日 (日) 20時04分