ジャケット
★★★★
主人公ジャックは、心優しいのが災いし、湾岸戦争で少年に頭を撃たれるが、奇跡的に一命を繋ぎとめる。しかしその傷のおかげで、過去の記憶が消失してしまう。
この悲しき兵士を、『戦場のピアニスト』のエイドリアン・ブロディが好演する。その後彼は、あてもなく彷徨ううちに、警官殺しの濡れ衣をかけられて逮捕されてしまう。しかし裁判で障害者と認定され、精神病院に収容されるのだった。
そこでは、強度の障害者に対して、奇妙な治療実験を行っていた。患者に麻酔をかけ、拘束衣(ジャケット)で身動きを奪い、死体保管庫に数時間閉じ込めるのである。
ジャックは死体保管庫の中で、苦痛と狂気に苛まれるうち、過去の記憶が断片的にフラッシュバックし、一瞬にして15年後の未来へ跳んでしまう。そしてストーリーは、ここを起点として大きく変貌してゆくのである。
妻殺し未遂で精神病院に入院した患者に、『007カジノロワイヤル』のダニエル・クレイグ、ジャックの恋人役ジャッキーには、キーラ・ナイトレイと豪華なキャスティング。そして主演のエイドリアン・ブロディーは、心優しい表情といい、痩せこけた風貌といい、まさにピッタリハマリ役だった。
生き馬の目を抜くような現代において、心の優しい人は損をする。だがそれは現世という束の間の思い出に過ぎない。来たるべき世界では、必ず報われるはずだ。
死体保管庫の中は、決してタイムマシンではない。主人公が跳んで行くのは、彼の妄想と怨念が創り出す次元を超えた精神世界なのだろう。そこには、宗教的な香りのする死生観が漂っている。いずれにせよ、ジャックは辛い現世から開放されたのではないだろうか。
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» 感想/ジャケット(試写) [EDITOREAL]
ありきたりな映画レビューが多いブログですんません(不本意なのよ)。めげずに懲りずに5月20日公開の『ジャケット』、感想いってみよーかー。エイドリアン・ブロディ×キーラ・ナイトレイ出演。
『ジャケット』公式サイト
1992年、ジャックは湾岸戦争で致命的なダメージを受けながらも奇跡的に回復。故郷への道中である少女と出会った直後、銃撃事件に巻き込まれジャックは精神病院に送られる。「ジャケット(拘束衣)」を着せられ、実験的治療を施されるジャック。極限状態で意識を失い、闇から目覚めたそこは2007年だ... [続きを読む]
受信: 2008年2月13日 (水) 18時28分
» 『ジャケット』 [Sweet* Days**]
ジャケット
CAST:エイドリアン・ブロディ、キーラ・ナイトレイ 他
STORY:1992年、ジャック(エイドリアン・ブロディ)は湾岸戦争で頭を負傷し、記憶を失う後遺症が残る。帰還後、ある殺人事件の容疑者として逮捕されたジャックは精神病棟施設に移送される。そこでは拘束着(ジャケット)の着用を強いられ、治療を施される・・・・
『バタフライ・エフェクト』と似てるって言う声が多いようですが、
確かに未来へ行ったり戻ったりは似ていて、で、更にシリアスでくら~い。
精神的に追いつめら... [続きを読む]
受信: 2008年2月13日 (水) 19時30分
» ジャケット /THE JACKET [我想一個人映画美的女人blog]
脚本を読んだキーラ・ナイトレイが、
監督に断られたのにどうしてもと懇願して出演が決まったという作品。
「今まで出演した中で最高の1本!」とキーラは言う。
その不思議な雰囲気に、全米公開からいつ日本にくるかと心待ちにしてたサスペンス{/kaminari/}
いよいよ今週土曜日公開☆
過去と未来、記憶を辿るストーリー
こういう謎めいた映画大好きなんだけど。。。。。
思ってたほどでもなかったなぁ{/face_ase2/}
主演は、地顔が既に悲壮感漂う、エイドリアン・ブロディ
{/hikari_p... [続きを読む]
受信: 2008年2月13日 (水) 23時58分
» ジャケット [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
出演:エイドリアン・ブロディ/キーラ・ナイトレイ/クリス・クリストファーソン/ケリー・リンチ/ブラット・レンフロー/ダニエル・クレイグ
原案:トム・ブリーカー/マーク・ロッコ
脚本:マッシー・タジェディン 監督:ジョン・メイバリー
&n...... [続きを読む]
受信: 2008年2月14日 (木) 00時24分
» 映画「ジャケット」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:The Jacket
1992年湾岸戦争で気を許した子供に銃を向けられ、頭部に銃弾を受け一命は取り留めるものの突発性健忘症となる男のスリルと愛に溢れた物語。
ジャック・スタークス(エイドリアン・ブロディ)、故郷に向かう雪道をヒッチハイクの途中で出会ったのが、シ... [続きを読む]
受信: 2008年2月14日 (木) 01時17分
» 「ジャケット」 [ひらりん的映画ブログ]
キーラ・ナイトレイ目当てで見てみようと思ったけど、
主役は完全に、エイドリアン・ブロディ。
この人の顔は特徴的なので、多少変装しても間違えないね。
時空を行ったり来たりするみたいだけど、どうなっちゃうんでしょうか??
... [続きを読む]
受信: 2008年2月14日 (木) 01時37分
» ジャケット(映画館) [ひるめし。]
闇の先、君がいた [続きを読む]
受信: 2008年2月14日 (木) 11時20分
» ジャケット [空想俳人日記]
救いたまえ 我が失われた 記憶求めて
うひゃ~、なんなの、この映画は。はじめは、湾岸戦争、一度死ぬ。例のゲーム感覚での殺人。次第に生身の場面、主人公は子供の前に人として接しようとする。すると、子供に殺らるのだ。ううん、こりゃ、アメリカの戦略批判であり、... [続きを読む]
受信: 2008年2月14日 (木) 11時26分
» ジャケット [シャーロットの涙]
1992年と2007年…時空を超え、自分の「死」の真相を探り出すサスペンス・ドラマ
1992年湾岸戦争で重症を負いながらも奇跡的に命を取り留めたジャック・スターク(エイドリアン・ブロディ)
そのことが原因で記憶障害を持つ彼が殺人事件に巻き込まれ、精神病院に入れられてしまう。
実験的治療に拘束衣を着せられて死体安置用の引き出しの中に入れられる・・・
ある程度、寓話的な気持ちで鑑賞したことが、意外にも私には受けが良かった。
実際はただの妄想かもしれないけど。
世の中にはすごい?力を持つ人もいるよ... [続きを読む]
受信: 2008年2月14日 (木) 21時07分
» #6.ジャケット [レザボアCATs]
未来や過去に行き来する話って、なぜか何度見ても飽きない。特にそれが、この作品のように、タイムパラドクスを扱っていて、しかもタイムパラドクスを生じさせないものであれば、余計にありがたい。こういった作品は、ケン・グリムウッドの小説『リプレイ』がやり直し系SFの....... [続きを読む]
受信: 2008年2月16日 (土) 15時40分
» 『ジャケット』 [浮浪雲のように]
[[attached(1,left)]]
{{{:
1992年、湾岸戦争での頭部銃撃で瀕死の重傷を負い、記憶障害になったジャックは、除隊後、故郷のアメリカヴァーモント州に戻る途中、殺人事件に巻き込まれる。
無実でありながら逮捕されるが、障害から精神病院に収容される。
その病院では、手に負えない患者に対し、治療と称して、死体安置のボックスに入れることを行っていた。
ある日、暴れたジャックは、拘束衣で着せられ、ボックスに入れられてしまう。
暗闇の中で彼は悪夢を見るが、閃光の後、突然道に立..... [続きを読む]
受信: 2009年5月18日 (月) 21時13分
» 『ジャケット』 [浮浪雲のように]
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{{{:
1992年、湾岸戦争での頭部銃撃で瀕死の重傷を負い、記憶障害になったジャックは、除隊後、故郷のアメリカヴァーモント州に戻る途中、殺人事件に巻き込まれる。
無実でありながら逮捕されるが、障害から精神病院に収容される。
その病院では、手に負えない患者に対し、治療と称して、死体安置のボックスに入れることを行っていた。
ある日、暴れたジャックは、拘束衣で着せられ、ボックスに入れられてしまう。
暗闇の中で彼は悪夢を見るが、閃光の後、突然道に立..... [続きを読む]
受信: 2009年5月18日 (月) 21時23分
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