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2008年2月13日 (水)

ジャケット

★★★★

 主人公ジャックは、心優しいのが災いし、湾岸戦争で少年に頭を撃たれるが、奇跡的に一命を繋ぎとめる。しかしその傷のおかげで、過去の記憶が消失してしまう。
 この悲しき兵士を、『戦場のピアニスト』のエイドリアン・ブロディが好演する。その後彼は、あてもなく彷徨ううちに、警官殺しの濡れ衣をかけられて逮捕されてしまう。しかし裁判で障害者と認定され、精神病院に収容されるのだった。

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 そこでは、強度の障害者に対して、奇妙な治療実験を行っていた。患者に麻酔をかけ、拘束衣(ジャケット)で身動きを奪い、死体保管庫に数時間閉じ込めるのである。
 ジャックは死体保管庫の中で、苦痛と狂気に苛まれるうち、過去の記憶が断片的にフラッシュバックし、一瞬にして15年後の未来へ跳んでしまう。そしてストーリーは、ここを起点として大きく変貌してゆくのである。
 妻殺し未遂で精神病院に入院した患者に、『007カジノロワイヤル』のダニエル・クレイグ、ジャックの恋人役ジャッキーには、キーラ・ナイトレイと豪華なキャスティング。そして主演のエイドリアン・ブロディーは、心優しい表情といい、痩せこけた風貌といい、まさにピッタリハマリ役だった。
 生き馬の目を抜くような現代において、心の優しい人は損をする。だがそれは現世という束の間の思い出に過ぎない。来たるべき世界では、必ず報われるはずだ。
 死体保管庫の中は、決してタイムマシンではない。主人公が跳んで行くのは、彼の妄想と怨念が創り出す次元を超えた精神世界なのだろう。そこには、宗教的な香りのする死生観が漂っている。いずれにせよ、ジャックは辛い現世から開放されたのではないだろうか。

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