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2008年2月10日 (日)

レンブラントの夜警

★★★

 レンブラントを演じたマーティン・フリーマンは、本物と瓜二つだし、絵の中で描かれた人物たちも、そっくりである。そして暗くてくすんだような映像も、まるでレンブラントの絵を見ているようだった。
 ただストーリーについては、かなり判り辛いので覚悟しておこう。少なくとも事前に、レンブラントと当時の時代背景について調べておいたほうがいいだろう。

         Scan10301

 また同時代のオランダの画家フェルメールを題材にした、『真珠の耳飾りの少女』を期待してしまうと失望するかもしれない。
 だがもともとレンブラントとフェルメールは作風にしても、人物的にも対象的なので仕方のないところだ。レンブラント風味の映画としては、よく雰囲気が出ていたのではないだろうか。
 映画の中でレンブラントが筆を持っているシーンがほとんどない。それが訝しかったが、事実ほとんどの絵は弟子が制作し、彼が手を入れることはなかったようだ。
 『夜警』という絵画にだけ焦点を絞り、その絵の中に潜んでいる歴史・権力・欲望・孤独などを演劇的手法を用いて巧みに描いているのは実に見事である。
 だがやはり、我々はオランダの歴史を知らないし、長い会話劇を字幕で追ってゆくのも辛い。また状況描写に終始し、肝心の心理描写が不足ぎみである。そんな状況下での139分がまた更に辛いのだ。そのうえあの無音のエンディングクレジットにも心が踊らない。

 もしかすると我々は、『レンブラントの夜警』という邦題に騙されているのではないだろうか。このお話は『夜警』の謎を解くミステリーなどではなく、愛妻を失ったレンブラントの失意を描いたラブストーリーだったのかもしれない。

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コメント

コメント&TBありがとうございます。こちらからも、TBさせていただきます。
そうですね。確かに、レンブラントと彼の生きた時代についてある程度知識を仕入れておかないと分かり辛かっただろうと思います。

「夜警」の謎解きにしても、少々、無理が感じられる部分もありましたし...。

レンブラントの絵を思わせる映像は印象的でしたが...。

投稿: MANAMI | 2008年2月10日 (日) 18時59分

MANAMIさんコメントありがとう
MANAMIさんには、期待外れの作品のようですね。
観客が多い割には、退屈な映画であったと思います。やはりタイトルの付け方が上手かったのでしょうか。
もし原題のまま日本で上映していたら、こんなに観客は集まらなかったでしょうね。

投稿: ケント | 2008年2月10日 (日) 20時16分

こんばんは
前知識を入れてから…というより、元々レンブラントに興味のある人が見に行くべきでしょうねぇ;
なんでこんなに混んでるのか…って、ちょっと不思議です;何を期待して見に行ってるのでしょうかね。汗

そうそう、絵を描いてるシーンがあまりないのですよね。スケッチ程度のものなら多少ありましたが。。。

投稿: シャーロット | 2008年2月10日 (日) 23時16分

シャーロットさんコメントありがとう
>元々レンブラントに興味のある人が見に行くべきでしょうねぇ
ははは、全くおっしゃる通りですね。だから、「何を期待して見に行ってるのでしょうかね」となるのですね。(^_^;)
絵を描いてるシーンがないのは、上のブログに書いた通り、実際に彼は描かず弟子が描いていたからなのでしょうね。

投稿: ケント | 2008年2月10日 (日) 23時37分

ケントさん、こんにちわ~♪
なるほど、この映画私もてっきり、絵画のなかに隠された重大な謎解きミステリー風なのかと思っていましたがちがうのですね・・
キャストも私にはあまり馴染みのない俳優さんばかりですが、歴史ものも結構好きなほうなので17世紀のオランダにも興味があるし、機会があったらDVDで観てみようかな☆
もちろんレンタルで(笑)
参考になりました♪
また来ますネ(^^)ノ
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投稿: tess | 2008年2月11日 (月) 04時10分

tess さんこんにちは、コメントありがとう(^^♪
「夜警」という絵画は、火縄銃手組合からの依頼で描かれた作品でしたが、登場人物の各人が同じ金額を払ったが平等に描かれておらず、何も関係のない少女を目立たせたため物議をかもした作品のようです。
この映画では、それを誇張して火縄銃手組合の悪事を暴く風刺画とされて、火縄銃手組合の連中からリンチをくらうというお話です。
謎解きミステリーというよりは、読み方を変えた歴史物語といったところでしょうか。

投稿: ケント | 2008年2月11日 (月) 14時58分

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投稿: シネトレ | 2008年2月12日 (火) 17時45分

ケントさんこんばんは!
コメントありがとうございました。

謎解きミステリーというのではありませんでしたが、
この絵がレンブラントの人生のターニングポイントになっていて、このことや妻の死を境に人生がひっくり返ってしまう、というところが、なかなかに新しい見方なんだと思いました♪

投稿: とらねこ | 2008年2月14日 (木) 22時49分

とらねこさんこんにちは
確かに、レンブラントにとって人生のターニングポイントだったのでしょうね。妻の死も重なって、それ以後の彼の活動はだいぶ縮小してしまいましたからね。
実際にも同様だったようですね。妻は本作同様、結構商売上手だったらしいですよ。

投稿: ケント | 2008年2月16日 (土) 21時07分

こんにちは~

私には難解すぎて、さっぱり解らず入り込めませんでした。
予告からでは、ミステリー要素満載という雰囲気だったのですが、確かにレンブラントのラブストーリーという方がスッキリするかもしれないですね~

投稿: hito | 2008年2月19日 (火) 15時06分

Hitoさん、TB&コメントありがとう
Hitoさんもこの映画観たのですね。劇場は混んでいましたか?
さてこの演劇のような映画には、困りましたね。登場人物が知っている俳優ならいいのですが、日本人には馴染みのない人ばかり、そのうえ名前もすぐに覚えられないし、字幕を追っているので更に辛いですよね。
難解というより、退屈な映画といったほうが当てはまるかも・・・レンブラントの絵画が好きな人以外には余りお奨めできないですよね。(^_^;)
思い切って、本格的なラブストーリー仕立てにしたほうが、一般受けしたのではないでしょうか。

投稿: ケント | 2008年2月19日 (火) 16時19分

こんにちは!、TBさせてもらいます。
たまには映画でアートな感じを味わうのもいいかな、と思い観に行ったんですけど、正直イマイチでした。
描き方が高尚過ぎるのか、凡人な私にはあまり面白くなかったです。
でも、この絵に対する理解度はもちろん深まりましたし、当時の画家ってこんなんだったんだ、というのも見えてそういう点では観て良かったかなと思ってます。

投稿: パピのママ | 2008年3月18日 (火) 16時22分

パピのママ さんこんにちは
やっと暖かくなってきましたが、まだ朝晩は小寒いですね。^_^;
レンブラントの絵に興味がないと余り感動しないかもしれませんね。
僕自身も彼の暗いタッチは余り好みではありません。
映画の中でもなにを訴えたかったのか、いまひとつはっきりしませんね。

投稿: ケント | 2008年3月19日 (水) 12時42分

ケントさん、こんにちは。
この作品は大きな期待を込め、DVD鑑賞となりました(笑)

ケントさんのツボは刺激されなかったみたいですね。
スワロは結構ツボでした!
内容云々よりも舞台劇のような構成が面白くて。
内容は・・・結構難しかったと思うんですよね。
はっきり言ってスワロもいまひとつ理解していませんでしたし(汗)

>事実ほとんどの絵は弟子が制作し、彼が手を入れることはなかったようだ。
がびーん!
まぁ、所詮人だし・・・
うちの弟も小学校のときは母親に作文書いてもらってたし。

この作品でレンブラントを理解するのはかなり難しいと思いますが、
予告編の「愛に生き~」といったキャッチコピーとは裏腹に
実際の愛憎劇の部分も少々希薄だったと思います。
でも、なんか面白かったんですよね~

投稿: swallow tail | 2008年8月24日 (日) 17時09分

swallow tailさんコメントありがとう
DVDが出ましたか。
僕は絵が好きなので、映像は楽しめましたよ。その意味では劇場の大スクリーンが良かったですね。
ツボが刺激されなかったのは、予告編などで期待しすぎたからかもしれません。
おっしゃる通り、愛憎劇の描き方が淡白でしたよね。

投稿: ケント | 2008年8月24日 (日) 19時36分

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