マリと子犬の物語
★★★★
涙には悲しくて流す冷たい涙と、嬉しくて流す熱い涙がある。僕は身近な人が死んで流すだけの、悲しい涙を誘うような作品は好きではない。
だが辛く悲しく冷たい涙を、燃えるような熱い涙に変えてゆくような作品は大好きである。本作はそんな熱い涙で、汚れた心を清らかに洗い流してくれるだろう。
ストーリーはベタで誰にでも判りやすいので、家族連れで観るには絶好の作品だと思う。子供向けの作品かもしれないが、大人もピュアな気持ちになれば十分楽しめるはずだ。
全搬的に評判の良い作品だが、たまに素直になれない人や映画通をきどって、この作品をこき降ろしている輩をみかける。ひどいものになると、あれだけ犬に演技させるには、どれだけムチを打ったかなどと皮肉をとばすおじさんもいた。そのくせ皆、泣くだけは泣けたと書いているのだ。
またお涙ちょうだい風に作っているから嫌だという人に言いたい。そもそも映画とは創作であり、涙に限らず、笑いであろうと、ドキドキ感であろうと、全てそうさせようとして創られたものではないのか。創作が嫌ならドキュメンタリーを観るしかないだろう。
また誰にでも判り易い作品をけなす人にも言いたい。映画の目的はより多くの人に感動を与え、かつ多くの興行収益をあげるためにある。どうしても特定の人にしか判らないような難解な作品を観たければ、商業べースの映画など観ないで、アングラな映画や演劇だけを観たほうがよい。
作品の良し悪しは、決して難解であるか否かで決めるわけではない。逆に判り易い作品の良さを評価出来ない者には、 難解な作品の評価が出来るわけがないのだ。抽象画で有名なピカソだって、生き生きとした人物画や静物画も沢山描いているじゃあないの。
いまや伝説的なマンガ家である「つげ義春」の厭世感漂う作風を、芸術として持ち上げ難解な芸術論をぶっていた評論家にしてもしかり。つげ義春本人いわく、単に夢に見た事を描いただけだと正直に告白している。あれこれきどって評価するのは勝手だが、結局その真意は本人にしか判らないのだ。
話がこんがらかってしまったが、とどのつまり「熱い涙を流せた」のなら、つべこベ小うるさいことを言わなくても良いじゃないか。素直に感動しようよ。それが人間の温かい気持ちなんだよ。
犬の演技もたいしたものだが、とにかく子役の女の子の演技が抜群に凄い、凄すぎるのだ。それに犬を使っているものの、この映画のテーマは「家族の絆と母の愛」だと思う。映画館では子供も大人も若い人も皆が泣いていた。熱い涙を流したい人は、是非この映画を観ようね。
最後になりましたが、中越地震の被災者の方々にお悔やみ申し上げ、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
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JUGEMテーマ:映画
犬は「3日飼ったら恩を忘れない」と言いますなぁ。
今日はお見舞いに来てくれてありがとう・・・
・・・・・・・んっぐぅぅぅ(−゛゛−)
「マリ死んじゃうよぉ・・・死ぬのいやだよぉ」
・・・・・・・ぐがぁぁぁ(つへ`。)ゞ
「マァ〜リィィィィ!!!」
・・・・・・・どぉぐぁぁ〜*△#□※&$。゜゜(;´□`;)゜:。
もぉもぉもぉ、いちいち涙出ますねんコレ(ノ_;)
隣の主婦二人連れ
... [続きを読む]
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満足度[:星:][:星:][:星:][:星:]
【監督】猪股隆一
【脚本】山田耕大/清本由紀/高橋亜子
【原作】桑原眞二 『山古志村のマリと三匹の子犬』(文藝春秋刊)
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コメント
nyancoさんコメントありがとう
子役の女の子は演技というか、感性が素晴らしいですね。将来が楽しみです。
母への愛と母の愛をヒシヒシと感じました。お涙頂戴としか感じられない人は、可愛そうな人なのかもしれませんね。
投稿: ケント | 2008年1月18日 (金) 23時35分
ケントさん、こんばんは♪
早速、コメントとTBありがとうございました。
改めて、今年も宜しくお願いします。
私もこの映画観たのですが、まだレビュー書いていないです。。^^;
本当に、犬の演技も良かったですが、子役の女の子が抜群に上手かったですね。
私もこの映画を観て、お涙頂戴風の作品だとは思わなかったです。
母親への喪失感を埋めるために、余計に子供たちが犬へ愛情を注いだように思えて、自然と泣けてくる良い映画でした。
投稿: nyanco | 2008年1月18日 (金) 17時28分
こーいちさんコメントありがとう
佐々木麻緒ちゃんが『涙そうそう』に出ていたのは、気付きませんでした。
おしゃまだけど可愛い子ですよね。
投稿: ケント | 2008年1月 7日 (月) 20時34分
こんにちは♪
TB&コメントありがとうございました!
こき降ろしている方もいたんですね~。。
好みはそれぞれですけど素直に観ればいい作品ですよね。
佐々木麻緒ちゃんって『涙そうそう』の子なんですね!
演技が凄くて印象に残ってます!
この歳であの演技なんて末恐ろしいですね~。
投稿: こーいち | 2008年1月 7日 (月) 15時38分
kossyさんコメントサンキューです
今回はかなり自衛隊の協力を得たのでしょうね。
ただ高嶋さんの走り方は、ちょっと×ですよ。
「生きている犬に希望を託す」なかなか明言ですね。
またよろしくお願いします
投稿: ケント | 2008年1月 7日 (月) 12時54分
脚本も結構上手くできていましたよね。
別れや再会の核となる部分以外でも、自衛隊ヘリが避難所から飛び立つときのシーンなんかが好きでした。
死んでしまった身内よりも生きている犬に希望を託すなんてなかなかできるもんじゃありませんよね(ここで評価点数もアップしました)。
投稿: kossy | 2008年1月 6日 (日) 20時39分
なぎささんコメントありがとう
佐々木麻緒ちゃんって『涙そうそう』でも出ていましたか。どうも余り記憶が無いですねぇ。この映画ほどインパクトはなかったのでしょうか。
映画でも本でもマンガでも良いものは良い。悪いものは悪い・・・ですよね。
投稿: ケント | 2008年1月 6日 (日) 19時44分
いいわぁ~ケントさん!!!
(*^▽^)人 パチパチ 私も言いたかったことをケントさんが全て書いてくださってました!!!
ほんと、そうなんですよねぇ。
なんか映画通ぶってこういう作品をけなしたりするのって、私は好きじゃないです。
ちなみに私は本作を昨年のベスト5に入れたくらいですから。
佐々木麻緒ちゃんって『涙そうそう』でも子役で出てましたね。
彼女、素晴らしいです!
今年も、素直に感動したままの感想を書いていきたいと思っております。
・・・にしても高嶋さんの走りには笑わせてもらいました。
投稿: なぎさ | 2008年1月 6日 (日) 18時01分
masako さんおはよう
いつも大根の宇津井健も、なかなかいい味出していましたね。家族の愛と絆が見事に描かれていましたね。
犬を使っていますが、テーマは母親の強い愛だと思います。
投稿: ケント | 2008年1月 6日 (日) 09時27分
こんばんは。
本当この映画は、子役2人佐々木麻緒ちゃんと広田亮平君、そして犬の演技がすばらしかったですよね。
嘘のない家族の絆がとてもよかったです。
投稿: masako | 2008年1月 5日 (土) 23時56分
hitoさんこんばんは。
ベタな展開でも何でも、熱い涙が流せれば良いですよね。思い切り泣きました。
MIYAUCHIさん、女の子の名前良く知っていますね。
佐々木麻緒ちゃんというのですか。僕もファンになりそうです。
sakuraiさんコメントありがとう
おばちゃんたちですか・・・ははは笑えますね。
まぁそれだけ興奮したのでしょうかね。
許してあげてください。(^^♪
投稿: ケント | 2008年1月 5日 (土) 20時31分
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
ということで、四の五のいわずに素直に感動しに行く!というスタンスでない人はいかない方がいいですよね。
ただ、おばちゃん(私もその部類ですが・・)たちが、一回ずつ、感想を述べたり、でっかい相槌を打ったり、大きな嘆息をもらしたりするのには辟易しました。ほとんどTVの前の乗りでしたから。
映画を見に来てるんだとというモードが欲しかったのですが、その辺の境界線も吹っ飛ぶくらいの涙だったのかもです。
投稿: sakurai | 2008年1月 5日 (土) 20時09分
こんばんは。
TB・コメントありがとうございました。
私は女の子役の佐々木麻緒ちゃんのファンですが、この映画の演技も素晴らしかったですね。
地震の怖さも伝わってきました。
自然災害は予防というのがなかなかできないだけに恐ろしいですね。
投稿: MIYAUCHI | 2008年1月 5日 (土) 19時08分
こんにちは!
良かったですよね~感動しました、泣かされました!
単純なテーマでストーリーかもしれないし、ベタな展開で泣かせようという意図もわかり易いかもしれないけれど、私もこれいいと思います。
こういうわかり易いストーリーで温かい気持ちになれて感動の涙を流せる、素直に向き合って見るのって大切ですね~。
投稿: hito | 2008年1月 5日 (土) 19時06分