モザイク
主人公のミミは、生れ出る前に父が病死し、それを苦にした母も自殺をしてしまったため、もの心ついたころから祖父母に育てられた。
そして小さいころから、古武道の達人である祖父に、武術を通じて超越した精神を磨かれる。
彼女は自衛隊を除隊した後に、『移送屋』という変わった組織に加入する。そこでは、ひきこもりで精神を病んでいる青年を説得し、精神病院に運ぶのが彼女の仕事だったのだが、途中青年に逃げられてしまう。
青年は渋谷の街に潜んでいることが分かり、彼女は青年を探して渋谷を彷徨するのだが・・・
モザイク (幻冬舎文庫) 著者:田口 ランディ |
この小説には、携帯電話と人の繋がりを宇宙的な観点から記述しているが、その中で『メールは一方通行で、ある意味「片思い」のような感覚を抱いてしまう』というような記述があり、なるほどと思った。そしてそこからいらだちが起こり、ストレスが発生するのかもしれない。
この小説は現代人のかかえるデジタル社会の苦悩を、ケータイを利用した全く新しい形の超新興宗教で救出しようとする実験的な作品であり、興味深く読ませてもらった。
それにしても、田口ランディーのセックス描写はいつも凄まじく、とても女性の感性とは信じられない。とにかく不思議で謎の多い女性作家である。
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