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2007年12月の記事

2007年12月31日 (月)

アイ・アム・レジェンド

★★★☆

 世界中が正体不明のウィルスに冒され、66億人があっという間に絶滅する。だがそのウィルス発生地のニューヨークで、ウィル・スミス扮する主人公ネビル博士と、愛犬サムだけが奇跡的に生き残っていた。
 ネビルは特殊免疫を持ち、今もなお1人虚しく免疫の研究を続ける。そしてサムと一緒に狩りをしたり、DVDレンタル屋を覗いて見たりと、寂しく虚しい生活をしているのだった。

      Scan10285

 それにしても、誰もいない荒れ果てたニューヨークの描写は凄すぎる。実写なのか、セットなのか、はたまたCGなのか全く区別がつかない。
 もし自分がこんなふうに、一人ぼっちで取り残されたらどうするのだろうか。そんなことをぼんやり考えながら、スクリーンを追ってゆくのも楽しかったのだが・・・。
 日が暮れると状況が一変する。ネビルは、あわてて家に帰り、窓のシャッターを降ろすのだ。夜になると、ウィルスに冒されて凶暴になった「ダーク・シーカーズ」というゾンビと吸血鬼の合いの子のような怪物が徘徊するからなのだ。
 このダーク・シーカーズと遭遇するまでは、『渚にて』を髣髴させられるようなSF映画だった。ところがダーク・シーカーズ出現後は、急に『バイオハザード』風味のホラー映画になってしまうのだ。ロンドンを舞台にした『28日後』ともダブルかな・・・。
 それとダーク・シーカーズのボスが、かなりしつこい。自分の女をさらわれて怒り狂ったのだと思うが、余りにも頭が良くて素早くて強過ぎるのである。なんとなく今度は『猿の惑星』を思い出してしまった。
 そして終盤に突然登場する二人の人間。スクリーンの中で、ネビルがパニックになって戸惑っていたが、観ているこちらも夢の続きなのかと目を疑った。なぜ「か弱い彼ら」が生き抜いたのかは藪の中。
 このあたりからラストまでが早い。最後になってまとまりがなく、不自然でなにか物足りない。それにしても、ラストはタイトルの意味を、無理やりこじつけたような気がしてならない。中盤までほぼ満点の出来だっただけに、非常に残念であった。

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2007年12月30日 (日)

AVP2エイリアンズVS.プレデター

★★☆

 前作は南極での死闘の後、宇宙船で帰星するプレデターの遺体から、チェストバスターが飛び出す衝撃のラストシーンでエンディングになっていた。本作はその続編で、エイリアンに乗っ取られた宇宙船が、再び地球に戻って来るところから始る。

      Scan10295

 宇宙船が不時着するのは、アメリカの田舎町。森の中から這いだしてくるエイリアンは、下水道に侵入して増殖してゆく。
 そして次々と人を襲い始めるのだ・・・。このあたりのくだりは、まるでB級ホラーそのものである。
 今度は仲間の宇宙船が、エイリアンによって破滅したことを知ったプレデターが、エイリアン退治に地球へ向かう。そして田舎町は大混乱となる。
 ストーリーもへっちゃくれもない。エイリアンは殺しても殺しても、次から次へとウジ虫のように湧いて出るのだ。これでは切がない。
 エイリアンの第一作が素晴らしかったのは、エイリアンが一匹しか出てこなかったからである。その後の続編では、ウジャウジャ出てき過ぎるので、恐怖感が湧かなくなってしまった。本作はそのウジャウジャの極みである。
 今までH・R.・ギガーの芸術的デザインに惹かれて、このシリーズをしらみつぶしに観てきたが、もういい加減にこれで打ち止めにしたいね。またこれ以上エイリアンを貶めるような続編の製作もオシマイにして欲しい。

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2007年12月29日 (土)

グミ・チョコレート・パイン

★★★☆

 奇妙なタイトルに惹かれて、この風変わりな映画を観たのだが、何のことはない「ジャンケン」のグー・チョキ・パーのことだった。
 もっと昔は「グリコ・チョコレート・パイナップル」だったのだが、いつの間にか「グミ・チョコレート・パイン」に変わっていたのである。グリコというお菓子がなくなったので、当然といえば当然だよね。

           Scan10284

 原作は大槻ケンヂで、妄想と狂気とオナニーに溢れた作品である。80年代に青春を送ったおじさんならともかく、とても若い女性向きの映画とは言い難い。
 ところが館内には20代の若い女性が溢れんばかり。一体この映画のどこが気に入ったのか。マンガも出版されているので、その影響なのだろうか。
 ストーリーは、失業して久し振りに実家に戻った中年男が、一通の妙な手紙を受けとるところから始る。それは高校時代に片思いをした山口美甘子からだった。そして青春の回想と現実の世界が交叉してゆく。
 青春時代は誰でも、人のやらない事をやって得意になる。そして甘酢っぱい恋心と、性へのあこがれ・・。この作品の根底には、大林映画とエロビデオとロックへの思いが込められている。
 だから団塊の世代が「三丁目のタ日」に感動したように、40代のおじさん達には堪らなく懐かしく、胸がキュンキュン鳴ることだろう。
 青春時代を思い出すとき誰もが考えるのは、あの日あの時に、もしああしていたら、「自分の人生は大きく変わっていただろうな」ということであろう。この作品でもその謎を問いかけてくるのだが、結局それはもう取り返しのつかない事なのだ。それが青春という亡霊なのだから・・。

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2007年12月27日 (木)

茶々

★★★

 NHK大河ドラマの総集編を観ているような映画だった。淀君の波乱万丈な生涯を、2時間のドラマに圧縮するのだから無理が出る。
 中盤までの見所は、豪華絢爛なセットとCGの戦国絵巻物だけ・・・。そして切り貼りしたような展開に眠くなってしまった。

           Scan10286

 いっそ聚楽第で秀吉と会うまでの話は、省略しても良かったかもしれない。誰でも知っている歴史を、真面目に挿入し過ぎた感があるね。
 それでも終盤に近づくにつれて、だんだんスクリーンに心が惹き込まれてくるのだ。ことに落城寸前の大坂城で、成長した干姫と実母の小督との会見シーンには胸が熱くなってしまった。
 これまで淀君は、わがままな悪女としてのイメージが強かったが、本作では戦乱の世に咲いた、当代稀な女傑として描かれている。主演は元宝塚で男役をしていた和央ようか。秀吉に渡部篤郎、家康に中村獅童を揃えた異色のメンバーである。
 ただ和央ようかの顔はやはり男役向であり、秀吉がメロメロになったほどの色香は感じられない。だが一方で男以上に強い女を演じるという矛盾の人物だから、仕方がないのだろうか・・・。
 それから、あの子役は和央ようかにそっくりだったな。ことに「人を刺すような目付き」は、そのまま和央ようかにも引き継がれたよね。きっとあの目こそが、『茶々』そのものなのかもしれない。  

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2007年12月24日 (月)

おもいでエマノン 

 ノーネーム(名無し)の逆さ綴り「EMANON」を通称とする少女「エマノン」。彼女は太古の時代からの記憶を持ち続けている。
 だがその記憶は、子供を産むと、その子に引き継がれ、自分自身の記憶からは消去されてしまうのだ。そして記憶を引き継いだ娘がエマノンとなり、全国放浪の旅に出る。

おもいでエマノン (徳間デュアル文庫) Book おもいでエマノン (徳間デュアル文庫)

著者:梶尾 真治
販売元:徳間書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 なかなか斬新なアイデアである。このエスパー少女を主人公にして、オムニバススタイルのショートストーリーが連なっている。本書にはタイトルの「おもいでエマノン」ほか全8作のストーリーが詰め込まれている。
 著者の梶尾真治は、初めの「おもいでエマノン」だけで完結にするつもりだったらしい。そのあと好評を得たため、何となくエマノンを登場させているうちにシリーズとなってしまったようだ。
 本作以外にも『さすらいエマノン』、『かりそめエマノン』、『まろうどエマノン』と、たて続けに出版されている。そして今も継続中である。小説のほうは無理の引き延ばしている感があり少し食傷気味だな。
 だが鶴田謙二が描くカバーイラストがとてもいいね。亜麻色の長髪をなびかせた大きな瞳の少女は、エマノンのイメージぴったりだ。このイラストに惹かれてこの本を手にする人も多いことだろう。

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通勤地獄 怖い女

 満員電車でちょっと体が触れても、すぐ振り返って、凄い形相で睨んでくる女性が、時々いるんです。睨むだけならともかく、ヒジを曲げてひとの体にゴリゴリ押しつけたり、体中を鎧のようにガチガチにして、激しくイヤイヤするように体を震わせるのです。
 「なんだよ、こら!俺だって押されているんだから、しかたないだろ!お前一人の専用車両じゃないのだぞ!」と怒鳴りつけたいところですが、痴漢と勘違いされても困るので、こちらも静かに睨み返して、あとは無視することにしています。

          Ocha

 このたぐいの女性は、かつて車内でかなり嫌な経験をしたのか、それとも自意識過剰なのか、はたまたいつでもどこでもこういう態度なのでしょうか。
 それから端のほうのつり革につかまっていると、後ろから腕をこじ入れて無理やり隅の支柱につかまる女性がいます。そして人を車両の奥に押しやろうとするのです。私のほうも押されたら、つり革の前からどかなければならない。
 だから私も必死で踏ん張ってみるのですが、女性でも凄い腕力でグリグリと私を押しのけてくるのです。彼女の腕が肋骨に食い込んでくる。
 「何するんだ!いつまでもしがみついてるんじゃない。この腕が痛いんだよ!」と怒鳴りつけたいのですが、仕返しに「痴漢です!」などと嘘の発言をされても困るので、おとなしく我慢しているしかないのであります。
 そのうち私のほうが奥に弾き飛ばされて、つり革の前の席は彼女のものになってしまった。トホホホな情けなや。いずれにしても、怖い女性は疲れますよね。

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2007年12月23日 (日)

クィーン 

★★★★☆

 1997年にダイアナ元妃が事故死したとき、世論にバッシングされて揺れ動く英国王室の内実を描いた衝撃のドラマである。
 エリザベス女王を演じたへレン・ミレンは、この作品で第79回アカデミー主演女優賞に輝いている。彼女は容貌だけではなく、その佇まいにおいても、まるで本物のエリザベス女王そのものであった。

クィーン<スペシャルエディション> DVD クィーン<スペシャルエディション>

販売元:エイベックス・エンタテインメント
発売日:2007/10/24
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 それにしても現役の女王であるエリザベスの心情に深く踏みこんだり、王室と政府とのしがらみを、よくもここまで克明に描いたものだ。日本ではとても出来ない芸当である。英国という国の懐の広さに驚かされた。
 ダイアナの死によって、それまでくすぶっていた王室に対する国民の不満が吹き上がる。これをマスコミが煽った一時的な現象とタカをくくる王室側。放っておけば王宮の崩壊に繋がると、必死で女王を説得する若きブレア首相。
 女王に好感を持つブレアに対して、彼の妻は王室に対して、とても冷やかで批判的である。この対照的な夫婦の姿こそ、英国民の王室に対する見識を代表しているのであろう。
 ダイアナ元妃の人気は、国際的スター以上のレべルであった。そして離婚と死により人々は益々判官びいきになってくる。だからその対極にある王室が悪者になるのだろう。
 しかし我々は彼等の私生活やその内実を、どこまで理解しているのか。たぶんマスコミのリークと、映像の作り出すイメージだけで単純に判断しているに過ぎない。
 従ってどちらに非があったのかなど、軽々しく口にすべきではないのだ。公平に考えれば喧嘩両成敗であり、どちらにも非はあるのではないか。所詮人間などそんなものだ。
 正直この映画を観て、ダイアナや王室のことはさておいて、エリザべス女王に対する畏敬の念だけは深まった。
 もはや王室は、国民の支持なくしては存在出来ない。彼女は信念を曲げて、国民にひざまずく。だがその威厳と品位は損なわない。
 エリザべス女王が即位して55年。英国の伝統と歴史を体感している彼女の存在は大きい。彼女は既に80歳を超えたが、もし彼女に万一のことがあれば、今度こそ英国王室の存在が危ぶまれるだろう。

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2007年12月22日 (土)

神童

★★★

  今年は天才少年(少女)ピアニストブームなのだろうか。この『神童』を始め、『僕のピアノコンチェルト』、『4分間のピアニスト』、『私の小さなピアニスト』、『ピアノの森』とまさにピアノ映画ラッシュである。

神童 DVD 神童

販売元:VAP,INC(VAP)(D)
発売日:2007/11/21
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ピアノについてはよく判らないが、少なくとも音楽の基本であり、集大成でもあることぐらいは承知している。また幼少期から特別レッスンを受け続けていなければ、一流の音楽家になれないとも聞く。
 さらに努力だけでは超一流にはなれないだろう。指の長さにしろ、音感にしろ、生まれ持った天賦が必要なのである。
 この映画は、さそうあきらのマンガを原作としているが、それほど原作に忠実ではない。咋今は原作に忠実過ぎて、映画の持ち味を損なっている作品が多い中、ある意味原作に不忠実なのは評価出来る。
 だが原作者の意図する部分にまで手を入れてしまうのはどうだろう。百歩譲って、それでも映画としての特性を生かせれば良いのだが、かえってマイナスとなるのであればやめた方がいい。

12歳/成海璃子ファースト写真集 Book 12歳/成海璃子ファースト写真集

販売元:リトル・モア
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 それにしても、この映画が素晴らしかったのは、主演の成海璃子の演技力(ピアノ演奏も含めて)とその存在感に尽きると言ってもよいだろう。将来が楽しみな女優である。

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2007年12月20日 (木)

きみにしか聞こえない

★★★★

 1時間の時差があるケータイ電話の恋。まるで韓国映画『イルマーレ』のケータイ版じゃないか。原作者は今流行りの乙一であるが、僕はまだ未読である。しかしこの映画を観て無性に読みたくなってしまった。
 話すことが嫌いで孤独な少女と、話したくとも言葉を持たない聾唖の青年のラブストーリーなのである。それをとり持つのが、捨てられていた不思議な携帯電話。
 この電話は心で話す事で通じるのだ。だから聾唖者でも会話が出来る。そのうえ電話器がなくとも大丈夫なのだ。それではなぜ携帯電話など拾う必要があったのかと言いたくなるが、たぶんこれはイメージなのだと考えるしかない。

きみにしか聞こえない DVD きみにしか聞こえない

販売元:メディアファクトリー
発売日:2007/12/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 この映画の見所は二つ。一つは壊れたものを丁寧に修理して、大切に使う聾唖青年の優しい心象風景。
 そしてもう一つは、終盤のタイムパラドックスへの挑戦である。1時間の時差が、ここで本領発揮するのだ。
 またもう一人のケータイ友達である「原田」の正体も同時に明かされる。その手際良さは実に見事な職人芸である。
 もしかすると始めに終わりありきで、終盤の数十分のために創られた作品なのだろうか。このあたりの感覚は『いま、会いにゆきます』とも重なってくる。

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2007年12月18日 (火)

マリア 

★★★★

 イエス・キリストを描いた作品は数多くあるが、聖母マリアと父ヨセフを描いた映画は珍しい。だから予告編を観たときからこの作品に注目していた。
 とりたてて変化に富むストーリーはなく、神の子を受胎したマリアが、馬小屋で出産するまでを淡々と描いている。だから前半は少し退屈なのだが、クライマックスのイエス誕生のシーンでは、胸が熱くなり思わず大粒の涙を流さずにはいられない。

     Scan10282

 この映画の邦題は『マリア』であるが、原題は『The Nativity story』である。だからキリスト降誕シーンがハイライトになるのは当然であろう。もちろんキリスト降誕も感動的ではあるが、「生命の誕生」という神秘的儀式の尊さに心が洗われる思いがした。
 また養父ヨセフの無償の愛にも胸が熱くなる。妻と子を守る。これこそ父親本来の姿なのだ。この父性愛こそがイエスに引き継がれたのだろうか・・・。
 人は何のために生まれたのか、その答えがこの作品にある。「人は人を産んで育てるために生まれたのだ」。
 キリスト教会系の人たちなのか、かなり多勢の外国人たちが劇場に入場していた。彼等が時々笑うのだが、どうも日本人的には笑えるシーンとは思えない。
 やはり感性が違うのか、それとも字幕が適切ではなかったのだろうか。外人たちはいちいち感情を声にする。なんとなくやかましいのだ。
 だがさすがにキリスト降誕シーンのときは、一瞬静まりかえってしまった。そのあと今度は鼻をすすり始めた。魂を揺さぶる根源的な感動だけは、きっと世界共通なのであろう。 

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2007年12月16日 (日)

20世紀少年

 それにしても浦沢直樹氏は、一体ポケットをいくつ持っているのだろうか。YAWARA!』、『MASTERキートン』、『MONSTER』、『PULUTO』、そして本作『20世紀少年』と、全く毛色の違ったヒット作を、次々と書き続けている。天才というのか、感性豊富というベきか、あるいは努力家なのだろうか。

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス) Book 20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)

著者:浦沢 直樹
販売元:小学館
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ほぼ共通しているのは、登場人物が多く、謎を小出しにし、しつこくそれを追いかける、というパターンであろう。あとローマ字のタイトルが好きだということかな・・。それから長編物に限れば、話をどんどん広げてしまい、最終回になって急にボルテージが下ってしまう悪いクセもある。
 本作にもその傾向が現れていて、主人公と思れる人物が何人も登場する。最初はケンヂ、次がオッチョで、カンナへと繋いでゆく。そして時々「ともだち」が顔を出す。そんな具合で、最後は誰が主人公なのか判らなくなってしまうのだ。
 そしてストーリーは、少年時代と現在をいったり来たり・・。このような手法は、白土三平の『カムイ伝』そのものであり、浦沢氏も多分その影響を受けているのだろう。
 『鉄人28号』もどきのロボットが登場するところから、ここで描かれている少年時代は、昭和30年頃と推測される。浦沢直樹氏の生年からすると、まだ彼が生まれて間もない頃である。後に描かれる『PLUTO』も、『鉄腕アトム』のオマージュだから、同じく昭和30年頃のマンガの影響を受けているのだ。
 団塊の世代であれば分かるのだが、なぜもっと若い彼が、この時代に興味を持つのか聞いてみたいものだ。
 この時代の東京は、車も少なかったし、土地も安かった。それであちこちに空地が沢山あり、三角べースの野球をしたり、キャッチボール等をしたものである。
 このマンガの主人公達も、そんな原っぱの空地で、隠れ家ゴッコをしていた。そしてそこで生まれた荒唐無稽な空想が、大人になって次々と実現されてゆくという展開なのである。
 まず先に述べた『鉄人28号』もどきのロボット、細菌による世界壊滅、東京での万博開催などなどが、次々と現実のものとなるのだ。
 これらの事件の主犯と思われるのは、「ともだち」と呼ばれる新興宗教の教祖で、ケンジたちの少年時代の友人なのである。
 だから少年時代に謎を解く鍵があり、それを現在起こっている事件と結びつけてゆく。

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (20) (ビッグコミックス) Book 20世紀少年―本格科学冒険漫画 (20) (ビッグコミックス)

著者:浦沢 直樹
販売元:小学館
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 少年時代の描写は、まるで『スタンド・バイ・ミー』の世界であり、自分の少年時代とも重なって、懐かしさが竜巻のように蘇ってくる。ちょうどいま『三丁目のタ日』などのレトロブームであり、団塊の世代たちには嬉しいマンガであろう。
 このマンガは、全22巻で終了したばかりある。ところがその終わり方が、夜逃げをしたようで、すこぶる評判が悪いのだ。
 どうみても、無理やり店じまいをしたとしか思えない。新作『PLUTO』に早く乗り換えたくなったとも噂されている。これだけ引っ張ったのだから、ラストにはもっと感動的な「再会シーン」を用意して欲しかったね。
 殊にこのマンガの大きな謎である「ともだち」の正体が、不明のまゝ終了した事には、強い疑念と不快感を表明したい。売れっ子マンガ家の悲哀というのか、宿命というのか、浦沢氏に限らず、強引に引き伸ばしたと思ったら、急に打ち止めという長編マンガが多いよね。
 せっかく楽しく読ませてもらっても、これでは水の泡である。大体10巻位で終了するような構成が一番艮い。そういう意味では、岩明均の『寄生獣』を見習って欲しい。このマンガは引き延ばそうとすれば出来たものを、きちっと無理なく10巻で完結させている。
 出版社も営業第一だけではなく、もう少し読者と作品を大切にしてもらいたいものである。
  そういった不満が多かったせいか、最近別巻として上巻が発行された。これを読む限り、なるべく読者の不満を解消しようとする気配を感じる。
 ああ良かったと思ったが、その後発行された下巻を読んだところ、まだ奥歯にものの挟まった状態に逆戻り・・。どうして浦沢直樹という人は、もったいぶるのが好きなのだろうか。彼は何のための上下巻追加発行だったのかを、全く理解していないようだね。それともこれが彼の限界なのか。

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2007年12月15日 (土)

歌謡曲だよ、人生は

★★★★

 ダサい、古い、そしてバカげているのだが、なぜか心踊り、胸がキュンとなる。だがそれはオジさんだけだから、決して若い人はこの映画を観てはいけないよ。

歌謡曲だよ、人生は DVD 歌謡曲だよ、人生は

販売元:ポニーキャニオン
発売日:2007/12/05
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 タイトルがおっとろしい。それに蛭子能収の描いたポスターが郷愁を誘う。歌謡曲をテーマにした短編オムニバスが、これでもかとばかりに連発されるのが嬉しいね。
 ほとんど会話らしいものがなく、体中で喜怒哀楽を表現している。当然登場人物も限られており、玉石混淆なのは仕方ないだろう。だがどれもが歌謡曲の懐かしさに救われている。
 全10話の中で特に記憶に残ったのは、『小指の思い出』、『ざんげの値打ちもない』、『いとしのマックス』、『逢いたくて逢いたくて』、『みんな夢の中』。エンディングの『東京ラプソディ』では、とうとう堪えきれずに、泣きながら一緒に歌ってしまう始末…。
 DVDだからよいものの、もし映画館で大泣きしながら歌ったらどうなるのだろう。 おそらく皆の冷たい視線を浴びて、恥かしさに身悶えるのが関の山であろうか。
 それとも全員が立ち上がって、一緒に大熱唱するのだろうか。いやいやそんなことは絶対あり得ないが、ついそんなことを想像し、期待してしまう泣き上戸オジさんなのだ。

エンディングテーマ曲が聞きたい人はhttp://utagoekissa.web.infoseek.co.jp/kayoukyokudayojinseiha.html

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2007年12月12日 (水)

椿三十郎

★★★

 決して出来が悪いわけではない。織田裕二を初めとする全キャストも、かなり熱演していたと思う。

     Scan10279_2

 だがこの映画ではダメなのである。なぜいまさらこの作品のリメイクをする必要があったのか。キムタク主演の『武士の一分』に触発され、どうしても時代劇をヒットさせたかった興行事情であろうか。
 しかしリメイクというよりは、俳優を替えただけの完全コピー版ではなあ…
 『用心棒』や『椿三十郎』は、三船敏郎のために創った映画といってもよい。三船の迫力と凄みこそがこの映画の見所なのだ。

 織田裕二はよくがんばったと思う。しかし三船と比較されては、織田の立つ瀬が全くないじゃないか。
 映画館は黒沢作品を懐かしむ年配者と、黒沢を知らない世代が半々だ。エンディングクレジットが流れ始めると、待ってましたとばかりにゾロゾロと出口に向かったのが年配者たち。クレジットを最後まで観ていたのが若い世代だった。
 北野武の『座頭市』のときはもっと酷かった。上映半ばで数人の老人たちが席を立ってしまったのだ。リメイクに期待して足を運んだものの、やはり思い込みの残像には勝てないのだろう。
 現代はTV時代。そして時代劇といえばNHKの大河ドラマと『水戸黄門』ぐらい。これでは、俳優達も軽く見えるし、殺陣だって出来るはずがない。米国映画で西部劇を演ずる俳優がいないのと同じである。
 ましてや時代背景が違うので、どこを見回しても「凄み」の漂う俳優なんていないのだ。これは致し方ないことであり、誰を責めるものでもない。
 とは言うものの、この映画を観ているうちに、黒沢作品をもう一度観たくて観たくて堪らない感情が、怒涛のように押し寄せてくるのだった。

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2007年12月 9日 (日)

XX エクスクロス 魔境伝説

★★☆

 それにしてもやかましい映画だった。やたら大きな効果音を出せば怖がるってもんじゃないぜよ。
 エクス・クロスって一体何のことかと思ったら、あの狂女の持っていた巨大なハサミのことなの?確かにハサミを広げれば、という字になるものな。

     Scan10280

 しかしこの映画はどう評価すればいいんだ。途中まではかなりホラーだったのに、愛子があのハサミ狂女と戦い始めたところから、急にゴレンジャーやらターミネーターになっちゃった・・。
 そしてラストのドタバタと、芸のない締めくくりには、飽きれてものも言えないね。よくもこんな趣味の悪い作品を映画化したものだ。これはもうB級というよりD級だな。

     Scan10288

 ただし、時間を戻して愛子と、しよりのストーリーをパラレルに描いてゆく手法と、ハサミ狂女は観応えがあったね。もう少し真面目に創れば、あるいは傑作ホラーになり得ただけに、非常に残念でたまらない。
 ホラーなのかコメディーなのかアクションなのか。そしていろんな作品を寄せ集めてのゴッタ煮。一体深作健太監督は何を創りたかったのだろうか。ちょっと理解に苦しむ作品だよな。
 だがネットでの評価は以外と高いのだから、まさに何が評価されるか判らない時代である。たぶんこの映画のハチャメチャおバカ振りを、タランティーノに重ねて評価しているのだろうね。
 でもそれはちょっと違う気がするんだけどなぁ・・。オタクぽいところは似ているけれど、タランティーノなら、もっと残酷でエログロじゃないの。そもそも12チャンネルの温泉番組じゃあるまいし、バスタオル巻いて風呂に入ることが、おじさん的には一番気に入らないのだ。

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2007年12月 6日 (木)

転々

★★★★

 新宿テアトルは超満員で立見が出る勢いであった。そして館内は笑いの坩堝である。僕も久し振りに大声で笑いころげてしまった。

           Scan10272

 お話はしごく単純明快。貧乏学生のオダギリ・ジョーに張り付いていた借金とりの三浦友和が、「百万円やるから俺の散歩につきあえ!」と言い出す。金欠病のオダギリは、金欲しさにこの怪しげな申し出を受け、二人で懐かしい場所を歩き回わるのである。
 ただこれだけのことで、全くストーリーになっていないのだが、散歩途中で巡り合う人々との掛け合いが面白い。またヤクザな三浦が、百万円使ってまでオダギリと散歩する理由が、なかなかいじらしいのだ。
 後半は小泉今日子との擬似家庭シーンに、かなり時間を裂くのだが、これがこの映画のテーマだったのだろうか。虚構と知りつつも、皆が家族の役割を真剣に演じている。
 その中になんともほのぼのとした家庭風景をみた。そしてなんとなくホロリとさせられる。人は現実より虚構に生きるほうが、上手に生きられるのだろうか・・。
 前半はただバカのように笑い転げていたが、終盤になって少し考えさせられたね。こんな変わった映画も楽しいものである。ただしこの映画を観るには、多少の人生経験が必要かもしれない。

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2007年12月 2日 (日)

青空のルーレット

★★★☆

 東京には夢が落ちているという。だが夢の数より、夢を追う人々の数のほうが圧倒的に多い。
 それは誰もが知っている単純明快な方程式である。だから東京の澱んだ川に夢を捨ててゆく。その怨念が川に溢れ、東京の川はますます汚れてゆくのだ。

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著者:辻内 智貴
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 やがて臆病な人々は、初めから夢など持とうとしなくなり、望みもしないサラリーマン生活に埋没してしまう。
 夢のある大都会。しかしその多く夢が屍となって彷徨う悲しい街・・。そこに生まれるのは、無表情で冷たいコンクリートジャングルばかり。
 汚れきった川や海は、蓋をされ埋め立てられて息も出来ないが、まだわずかに青空だけは残されている。だがこの青空さえも、やがてはコンクリートと鉄筋で覆い尽くされてしまうのだろうか。
 そんな東京において、いまだに夢を追いつづける人々が残っているのは嬉しい限りである。先日も自主製作映画を創り続ける若者たちの作品を観たばかりだが、なんと爽やかで気分が良くなることか。

     Ao

 この映画でも作家を目指す者、ミュージシャンを目指す者、マンガ家を目指す者たちなど、まだ夢のかけらを放さない人々がテーマになっている。
 ストーリー展開やカメラワークに未熟なところがみられる作品だが、「夢を追いかけることの素晴しさ」を再認識させてくれる、という意味では心温まる映画であった。
 この映画を観て、ただ「青臭い」としか感じられなかった人は、この悲しくなった大都会に汚染されてしまった犠牲者なのかもしれないね。僕もその一人であったが、死ぬまでに一度は本当の夢を追いかけてみたいものだ。

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2007年12月 1日 (土)

オリヲン座からの招待状

★★★★

 とにかく中盤からは泣きっ放しで、ハンカチが水びたしであった。僕だけではなく、劇場中にすすり泣く声がこだまする。
 TVが普及する前、娯楽の王様は「映画」だった。ニュース専門の映画館もあったし、都内の国電ならほとんどの駅に、私鉄でも急行の止まる駅なら必ず映画館があった。
 ただし僕達貧乏人が観る映画館は、封切り館ではなく、三本立て大人70円・学生50円・子供30円という三流館だけだった。まさにこの映画の『オリヲン座』そのものだったのだ。

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 古いフィルムは傷だらけで、スクリーンに雨が降る。そして時々フィルムが切れて、大騒ぎとなった。よく「10円返せ~!」と叫んだものだ。
 そのうえ椅子は、木製の長イスで、天井からブラ下った大きな扇風機がヤル気なさそうに回転していた。それに比べれば、この映画の『オリヲン座』のほうがまだマシかもしれない。
 映画の中でも観客がだんだん減ってくる。館主の死後に、美人の奥さんと映写技士の恋が噂となり、それが観客減少の原因であるように描かれていたが、真犯人はTVの登場であったことは間違いない。館主の家にさえTVが置いてあったのは皮肉である。
 客がゼロでも映写機は回さなくてはならない。365日休日がなく、夜遅くまで働かねばならない。そして売店で売れ残ったアンパンを夕食にする日もある。
 こんな辛い商売があるだろうか。心底映画に惚れていなければ無理であろう。それでも観客が多ければ我慢も出来るが、閑古鳥が鳴くようでは侘しくて死にたくなるよね。
 実際こうして潰れた映画館は数知れない。残ったところもピンク映画専門館になり下がった。
 そして潰れた映画館の跡地は、ボーリング場となり、やがてボーリングも衰退してスーパーマーケットに変身したものだ。
 どうしてオリヲン座が、最後まで正統派映画館として頑張ることが出来たのであろうか。そこが不自然であるが、この作品では余りドロドロした部分は描きたくないようだ。
 だから宮沢りえと加瀬亮との恋も、淡いほたるの光のようなプラトニックな部分しか見せてくれない。それは劇中のオリヲン座と同じように、子供も大人も楽しめる美しい映画を志したからであろうか。

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 暗く長い映画不況のトンネルを越え、近年再び映画が脚光を浴びている。殊に邦画が活発に製作され始めていることが一番嬉しいね。
 一時はTVとビデオに押されて、邦画といえば「ヤクザ映画」と「ピンク映画」ばかりだった時代もある。最近は余りも多作なため、中には駄作もあるが、相対的に邦画のレべルが高くなったと思う。
 ヨーロッパ映画が振るわず、大作CGばかりのハリウッド映画に飽き飽きしている映画ファンにとって、癒しと感動を与えてくれる邦画は、まさにオアシスである。
 渋谷全線座や飯田橋の佳作座などが、次々と廃館となっていた頃、このまま映画の灯が、完全に消えてしまうのではないかと心配だった。かく言う私自身も情けないが、ビデオ三昧で映画館通いを止めてしまった時期もある。
 しかし映画はやはり映画館で観なくては、本当の醍醐味が味えないことに気付いた。私だけではなく、日本中の映画ファンが目覚めたのであろう。
 そして映画が復活したが、映画館はどんどんシネコン化している。確かにシネコンは綺麗で便利だが、哀愁は湧かない。だからこの映画をどこの映画館で観たまでは記憶に残らないのだ。
 いろいろな制約がある中で、ずっと頑張っている飯田橋ギンレイホールや、最近復活した早稲田松竹のような名画座に、絶大なる拍手を送りたいものである。

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