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2007年11月14日 (水)

僕のピアノコンチェルト

★★★★

 邦題やチラシを見る限り、天才ピアニストのお話しと勘違いしてしまうだろう。もちろん主演の少年は、実物の天才ピアニストであり、劇中もピアノの演奏が一番感動的ではある。

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 しかし原題が主人公の名前であることからも判るが、この作品は音楽映画はなく、脅威的な天才少年の悩みを描いた物語なのである。だからピアノはひとつのアイテムであり、選択肢のひとつに過ぎない。
 主人公のヴィトスは、幼い頃からIQが異常に高く、中学生になると既に大学教授レべルの知能を保有してしまう。
 いやそれ以上だろう。抜群のピアノ演奏力はともかくとして、金融オプション取引で大儲けし、大人の女性にプロポーズし、あげくは飛行機の操縦までしてしまう。
 こうなると天才というよりは、超人とか怪物といったほうがピッタシだよな。だからこそ彼も普通の人になりたいと苦悩するのである。
 少年が唯一心を許し癒せるのは、田舎で木工職人として生活する祖父の存在だ。この漂々としながらも、渋い老木のような祖父は、少年を叱りもせず、甘やかすこともない。
 ただ淡々と少年と遊んだり、一緒に仕事をしたりする。だが少年が困ったときには、さりげなくアドバイスをしたりする。
 まさに男の子にとっては、最高のおじいちゃんであり、観客も少年の心に戻って、ついついうなづいてしまうのだ。また死に方も実にあっさりとしていて、実に好感が持てるじゃないか。
 この作品の奇妙なオープニングが、あのラストシーンに繋がってゆく様は、なかなか見事で味わい深い。全く現実的な映像ではあるが、不思議とファンタジックな香りのする一風変わったスイス映画である。

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コメント

今晩は!、ご無沙汰してました。
お久しぶりです!~この映画良かったです(^^♪
ピアノ作品、と言うか音楽の映画は大好きなので必ず見に行きます。
でも、この映画はピアノ演奏もさることながら、神童と呼ばれるのに疲れ、窓から飛び降り頭を打って普通の人になってしまう。
しかし、これはヴィトスの策略でした。
お祖父ちゃんのために、数学の天才は株取引して大儲けしたりして、念願の飛行機を買ってあげる。
心が温まる、家族の物語面白かったです。

投稿: パピのママ | 2007年11月22日 (木) 23時24分

パピママさんこんにちは。ご無沙汰です。
TBコメントありがとう。
このスイス映画は、なかなか変わっていて面白いですよね。とにかくおじいちゃんがとても良い味出していましたよね。僕はヴィトスが普通の人になったのはすぐに嘘だとわかりましたが、ママさんはどうでしたか?
東京では銀座テアトルシネマの単館上映ですが、もっといろいろな劇場で上映してもいいのにと思いました。もったいないです。

投稿: ケント | 2007年11月23日 (金) 13時21分

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