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2007年11月の記事

2007年11月28日 (水)

恋空

★★★

 この作品はケータイ小説が原作となっているという。そのせいか興行成績は抜群だが、ネットでの評価は余り良くない。というより、良し悪しが超極端である。
 お話としては最近はやりの病死ラブストーリー。そして数々の苦境を乗り越えながら、最後まで真実の恋を貫いた強い女性の恋物語といったところか・・。

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 ところで予備知識の全くない、場違いなおじさんの目で観た公正?な評価は、「う~ん、女子高生を対象にしとるんだから、こんなもんじゃろう。それになんだかんだと言っても泣かされたからのう・・」
 「じゃがあえて言えば、テーマは陳腐化しているし、設定が荒っぽくテンポが早過ぎたせいか、各シーンが色あせてしまったのう。」「だから突っ込み好きの人には、絶好のカモ映画じゃな。」
 ところで最近の女子高生って、あんなに簡単に、それも図書館の中だろうが、青カンだろうが平気でやっちゃうのかな。それも避妊具もつけずに・・。
 もしこれが本当に今時の子どもたちの実態なら一大事だし、逆にそうでなければ、作者は不良少女かおバカさんということになるよね。
 まあ少女マンガだと思えば、こんなものかと知らぬ振りも出来よう。またこまいことに目クジラを立てるのは大人げない気もする。ただ同年代の娘を持つ父母は、自分の娘は大丈夫かと心配になるだろうね。
 最後にちょっと視点を変えて、ヒロインのメーキャップに着目したい。主演の新垣結衣が、可憐であどけない少女から、色香の漂う美女に少しずつ変身してゆくのを、じっと見守ってゆくのも楽しいぞ。
 だからこそ高校のトイレでルージュをひく、あのオープニングシーンが印象的になるのだ。

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2007年11月25日 (日)

キヲクドロボウ

 その昔下北沢には、映画館が三館あった。いずれも封切館ではなく、二番館又は三番館だったと思う。記憶が確かなら、邦画の『北沢エトワール』、『グリーン座』と洋画のオデヲン座である。
 当時梅が丘で菓子屋を営んでいた両親は、店を閉めた後に下北沢までよく映画を観に行ったものだ。この時間からだと三本立ての一本しか観れないのだが、料金が半額以下になるのがミソであった。

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 もちろん小学生だった僕も一緒に連れられて、超満員で立見の館内で汚れた空気を吸いながらうつらうつらしていた。
 そして映画が終ると、駅前の『代一元』というラーメン屋で支那そばを食べて、小田急線の最終電車で帰るのが定例パターンであった。今考えると、とんでもない両親である。
 ただそのお陰で、僕もいつの間にかラーメン党の映画好きになったのだから、ある意味では感謝すベきかもしれないね。
 時は移り、その代一元も、三館あった映画館も全て消失し、うたかたの夢となり果ててしまった。今下北沢には、いずこともなく若者達が集まってくる。そして本多劇場を始めとするマイナーな劇場が点在する街となった。
 久し振りに下北沢に降り、懐かしさが蘇ってしまったせいか、前置きが長くなってごめん。

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 さて僕の足は、相変わらず狭苦しく混雑している南口駅前通りを、『トリウッド』と呼ばれるミニ映画館を目指してトロトロ進んで行く。ここはインディーズ映画を専門に上映している映画館であるが、今日は山岸謙太郎監督の自主製作映画『キヲクドロボウ』の初日なのである。
 僕がこの映画を観る気になったのは、そのタイトルが僕の好きなテーマであること、予告編を観る限り、300万円の製作費とは思えないSFXの素晴らしさに興味を感じたからである。
 上映時間は約1時間半。SFXの出来の良さは、嘘ではなかった。ことに空中を飛ぶ未来カーのカーチェイスは、メジャー映画にもひけをとらない。
 これだけ精巧なCGを使って、300万円の製作費で納まるはずがない。たぶん共同製作者として名前を連ねている石田肇氏が、無償であのCGを創ったのだろう。

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 ストーリーのほうは、前半は興味深く観ていたものの、残念ながら後半は少し退屈感があった。ラストのどんでん返しは良いとしても、前後関係を知らされていない観客には、少し判り難いだろう。
 またせっかく記憶をテーマにしているのだから、記憶の争奪戦だけではなく、盗んだ記憶を活用したドラマ性も欲しかったね。メジャーになるには、もう少し観客の心情を理解する努力が必要かもしれない。
 しかしながら、インディーズとは思えないCGや、映画に対する熱い思いには思わず感激してしまった。少なくとも、つまらないTVドラマよりは遥かに上である。
 帰りに南口階段下で、この映画のビラを配っている若い男女を見た。こうして無償で頑張る仲間たちの友情も含めて、この作品が仕上がっていることを忘れてはなるまい。
 有名大学に入って、大会社のサラリーマンになることしか考えない若者ばかりが増えた日本。そうした中で、本当の夢を追い求める若者達の存在が嬉しかった。
 僕はこうした若者達が大好きだし、もの凄く羨ましい。微力ながらこれからも応援するので、良い映画を創り続けて欲しいね。
 (本作は自主製作映画につき、あえて評点はつけませんでした) 
 

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2007年11月23日 (金)

奥秩父紅葉狩りの旅

 秩父方面へ来るのは数10年振りである。当時、年末年始を田舎で過ごそうと、秩父鉄道の終点からひとつ手前の白久という駅で降り、『鹿の湯』というランプの宿に泊った記憶がある。
 もうこの鹿の湯は廃湯になっているが、このあたりの地名を聞くだけで、懐かしさがこみあげてくる。今回は白久の手前の武州日野にある『白雲荘』という宿に泊ることにしたこの宿は部屋数が10室と小じんまりしているが、小綺麗で渋味の香る佇まいが嬉しい。

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 また小じんまりしているからこそ、料理も美味しいのだ。ぼたん鍋を期待したのだが、最近は鴨鍋に変更してしまったのが残念である。

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 部屋の造りは、それぞれ特長があり、何回来ても楽しめるようになっているそうだ。私の泊った部屋は和洋折衷で、吹き抜け天井仕様に古い家具がよく似合う。

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 また全室に露天風呂が付いているのだが、これが雰囲気抜群で、かなり豪華なのだ。庭を含めると、風呂場の広さは、居室以上なのだから贅沢だよね。
 これでほとんどの部屋の宿泊料が、2万円末満なので二度びっくり。出来れば連泊して、ゆったりと露天風呂で寛ぎたいところである。
 秩父の温泉は穴場かもしれない。ここ以外にも、秩父七湯といわれる温泉が点在し、『秘湯を守る会』に加入している宿も数軒ある。
 また秩父の夜祭り、長瀞、紅葉、きのこ狩りなどの見所・遊び所も多い。それで東京から近いうえに、小綺麗で雰囲気の良い格安料金の宿が多いから嬉しいのだ。
 なんだか宿の宣伝マンのようになってしまったので、話題を変えることにしよう。次は長瀞のラインの話である。

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 小さな木舟に乗客が20名。船頭が前後に1人ずつ乗って船を操る。前方で舵をとるのがべテランで、後方はガイド役を兼ねた新人という組合わせ。この組合わせは、1年間変らず続くという。だから息が合うのだろうか。
 船下りコースは二つに分かれる。上長瀞から長瀞までのAコースと長瀞から終点野上までのBコースがある。それぞれ約3Kmの行程で、通しのCコースというのもありだ。

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 長瀞の語源は、長くトロトロとした流れが続くところからきているという。だから流れはゆったりとしていて優雅である。だが水量が増えると、一部の場所が急流となり水しぶきがかかるという。
 私が乗ったBコースでは、ギリギリ少な目の水量のため、船はそれこそトロトロで、恐怖感は全く湧かなかった。それにしても舟下りをしながらの、奇岩と紅葉見物は楽しいよね。
 船は川の流れに乗って進むだけなので、上流には漕ぎ戻すことが出来ない。それで人間はマイクロバスに乗り、船は数隻まとめてトラックで運ぶのだ。クレーンで船を吊り上げて、
トラックに載せている様子を観れば、あっと驚くため五郎であろう。

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 これで船賃は、AコースもBコースも約1500円。高いか安いかは、その人の価値観によるが、次はAコースを下ってみたいね。
 さて昼食どきは、ソバ屋に行列が出来る。秩父のソバはこしがあってなかなか旨い。だが歯ごたえのある「みそ田楽」はもっと美味しかったな。
 次は
紅葉の名所中津峡。黄色・赤・オレンヂに染まった渓流沿いをゆっくりとドライブするのも楽しいし、目の保養になる。行けども行けども景観が続くので、かなり奥地まで走り込んでしまった。
 するとだんだん紅葉も少なくなり道も狭くなってくる。そのうえ道路が半分陥没しているではないか。ここでこの先を進むのを諦めて、来た道をそのまま戻ることにした。

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 トンネルを越えたところに、行きに観た茶店があったので、そこでしし鍋を食って一服つける。おっとその時、草むらから大きな猪が出現!

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 と思ったら、なあ~んだ剥製じゃないか。それにしても驚かせるなってば。
 さて次は三峰神社へ行こうと、ロープウェイ乗り場に行ったら、ただいま運行休止中だという。この絶好の行楽季節に休止とは不届きな野郎だ。
 あとで判ったのだが、ロープウェイは休止ではなく、廃止になったのだった。その理由は、古くなったロープウェイの支柱が金属疲労を起こしていて、その補修に約10億円かかるからだという。
 実は山頂迄の道路が開通してから、ロープウェイの利用者がピーク時の約20%程度に激減し、補修したところでその費用を回収する見込が立たないらしい。無理にその費用を捻出すると、運営母体の秩父鉄道の存続まで危ぶまれるというのだ。
 そんなわけでロープウェイには乗れずじまい。それで山道をぐるりと回わり、車1台しか通れない小さなトンネルと秩父ダムの上を通って三峰山頂へ向かった。
 ダムを抜けると、急に道幅が広く綺麗に舗装された道路が続く。それに山頂には、りっぱな駐車場が作られているではないか。
 ただこんな山奥で駐車料金500円は少し高いかな。しかし先程の新しい道路の通行料だと思えばこんなものかもしれないね。
 三峰神社に行くには、さらにここから約15分山道を歩かなくてはならない。それにしても、よくこんなところに神社を建てたものだと感心してしまう。

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 とにかく立派な神社だった。最近建て替えた本堂も凄いが、日本武尊の石像も立派なものだ。なぜかその脇に極真空手の故大山倍達総裁の石碑が建っていた。

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 極真空手がこの神社の有力スポンサーなのだろうか。いずれにしても大枚を叩いてくれるスポンサーがいなければ、こんな立派な神社は建たないはずである。
 帰りは道の駅に立ち寄って、地元の野菜やそばなどを買った。その入口に、「最近山合いに熊が出没するので注意!」という立て看板を見つけてどきっとしたねえ~。
 いつの間にか薄暗くなってしまい、走ったことのない正丸トンネルを越える勇気がない。しかたなく大渋滞の秩父市内を抜けて、行きに降りた花園インターに向かった。

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2007年11月18日 (日)

笑の大学 

★★★☆

 原作はあの『有頂天ホテル』の三谷幸喜だという。セリフのある出演者は、役所広司とスマップの稲垣吾郎のたった二人きりだ。しかも舞台の約9割は、ガランとした取調室が中心なのである。

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 もともと舞台用に書かれた脚本で、以前に舞台上演されたという。舞台劇としては、かなり秀逸な出来であるが、わざわざこれを映画にする意味は乏しい。
 ましてや二人芝居なのだから、抜群の演技力を備えた二人を選ぶ必要がある。役所広司は見事にこの役をこなしたが、稲垣吾郎にはかなり荷が重かったのではないか。
 そうしたマイナス面を考慮してもなお、この作品の素晴らしさに拍手を送りたい。なぜなら二時間余の時間があっという間に経過しても、もっと見続けたいという気分が溢れてきたからである。
 また全編に流れる心和む懐かしい音楽も実にマッチしていたし、あの楽しさ一杯のエンディングクレジットも見過ごせないだろう。

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通勤地獄 注意されない人々

 どうも最近の若者は、注意すること、されることにうといようです。だから文句があっても言葉で注意しないで、すぐ睨みつけたり、体を押しつけたり、物を投げたりする傾向があるのでしょうか。
 また逆に注意されると、反論もせずに、すぐ逆切れして体で表現してしまうのです。

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 最近はそれらが高じると暴力に繋がり、果ては殺人事件にまで発展することも少なくありません。

 先日通勤電車の7人掛シートの中央で、お互いに横を向き合って3人分のシートを占領している若い男女がいるではありませんか。
 その他の座席は満員であり、僕も非常に疲れていたので、『すみません、詰めてもらえますか?』と声をかけました。
 すると、男のほうが、僕を睨みつけると、いきなり席を立ったのです。一瞬少しひるみましたが、男は無言で僕を睨んだままで立ちつくし、女も慌てて席を立ち彼をなだめました。
 僕は座りながら『7人掛けなので、座れますよ』と言いましたが、男女はさっさと別の車両に移動して行きました。
 多分この若者は、子供のときから他人に注意されたことが一度もなかったのかもしれませんね。僕が子供の頃には、見知らぬおじさんおばさんによく注意されましたが、いつ頃から誰も注意しなくなってしまったのでしょうか。

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2007年11月14日 (水)

僕のピアノコンチェルト

★★★★

 邦題やチラシを見る限り、天才ピアニストのお話しと勘違いしてしまうだろう。もちろん主演の少年は、実物の天才ピアニストであり、劇中もピアノの演奏が一番感動的ではある。

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 しかし原題が主人公の名前であることからも判るが、この作品は音楽映画はなく、脅威的な天才少年の悩みを描いた物語なのである。だからピアノはひとつのアイテムであり、選択肢のひとつに過ぎない。
 主人公のヴィトスは、幼い頃からIQが異常に高く、中学生になると既に大学教授レべルの知能を保有してしまう。
 いやそれ以上だろう。抜群のピアノ演奏力はともかくとして、金融オプション取引で大儲けし、大人の女性にプロポーズし、あげくは飛行機の操縦までしてしまう。
 こうなると天才というよりは、超人とか怪物といったほうがピッタシだよな。だからこそ彼も普通の人になりたいと苦悩するのである。
 少年が唯一心を許し癒せるのは、田舎で木工職人として生活する祖父の存在だ。この漂々としながらも、渋い老木のような祖父は、少年を叱りもせず、甘やかすこともない。
 ただ淡々と少年と遊んだり、一緒に仕事をしたりする。だが少年が困ったときには、さりげなくアドバイスをしたりする。
 まさに男の子にとっては、最高のおじいちゃんであり、観客も少年の心に戻って、ついついうなづいてしまうのだ。また死に方も実にあっさりとしていて、実に好感が持てるじゃないか。
 この作品の奇妙なオープニングが、あのラストシーンに繋がってゆく様は、なかなか見事で味わい深い。全く現実的な映像ではあるが、不思議とファンタジックな香りのする一風変わったスイス映画である。

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2007年11月11日 (日)

インベージョン

★★★☆

 原作はジャック・フィニイの『盗まれた街』、SFファンなら誰でも知っている古典である。秀作だった二作目の『SFボディスナッチャー』から29年、これで映画化は4度目となる。
 宇宙から飛来した細胞のような生命体が、次々と人体に侵入し、別の人格を形成してしまう。主人公以外の人間はほとんど侵略され、もはや主人公も風前の灯・・・。

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 ここまでの展開は変わらないのだが、免疫を持つ子供が存在することが、大きなアレンジとなっている。また現代版として、科学的解明にチャレンジしているところに斬新さが匂う。
 だがやはり「リメイク」は辛い。本来ホラーSFであるはずだが、話の展開が判るため、ちっとも恐怖感が湧いてこない。
 原作や前作の映画を知らず、初めてこの作品を観る人と比べると、かなりのハンディを背負ってしまったようだ。それに結末に何かがあると注視していたのだが、結局どんどん返しは起こらなかった。
 なにか食い足りない、もうひと捻りが欲しいね。
またもや、ニコール・キッドマンによるニコール・キッドマンのための映画になってしまったようである。それにしても、彼女はいつ観てもいい女だなあ。

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2007年11月10日 (土)

ゲゲゲの鬼太郎

★★★

 なぜ今更『ゲゲゲの鬼太郎』なのだ。いい加減にしてくれよと思ったが、実写だし予告編を観るとなかなか良い味を出している。
 だが1800円出す気は起こらず、DVDが出るのを待っていた。

ゲゲゲの鬼太郎 スタンダード・エディション DVD ゲゲゲの鬼太郎 スタンダード・エディション

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発売日:2007/10/26
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 う~ん、何と言ったら良いのか。ストーリーは正直つまらないが、ネズミ男に扮した大泉洋が、実に良い味出してたね。あとネコ娘の田中麗奈も、ちょっぴり色ぽくて可愛いし、砂かけ婆と子なき爺もそっくりまんまだ。
 鬼太郎を演じたイケメンのウエンツ瑛士は、マンガの鬼太郎とはイメージが異なるが、ニュー鬼太郎という感じでフレッシュだったね。
 CGがあるので、昔の実写版と比ベれば格段の進歩だが、まだまだ洋画に比べるとSFXは幼稚で甘いよな。
 唯一凄いのは、超豪華キャストである。西田敏行、谷啓、小雪、中村獅堂、YOU、間寛平、室井滋、田中麗奈と続く。さらには声の出演でも、柳沢慎吾、石原良純、伊集院光、デープ・スペクター、きたろう等々、とにかく凄いメンバーなのだ。このメンバーにひとつおまけしてしまった。

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2007年11月 7日 (水)

象の背中

★★★

 タイトルの意味は難しい。ストーリーの中で、胃がんに侵された笹野高史が、「象は死期を悟ると一頭だけ群れを離れ、死に場所を探す」と言う。
 だが肺がん宣告を受けた主人公の役所広司は、逆に昔の友人や初恋の人に逢いにゆく。人は象とは逆に、群れを探し求めて彷徨い続ける。仲間たちに自分の背中を見つめて貰いたいという願望なのだろうか。

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 それにしても、この映画は美し過ぎる。映像もさることながら、主人公を取り巻く人々の心が美し過ぎるのではないか。
 そして主人公は余りにも恵まれ過ぎている。大企業で出世して、大きな家を持ち、美しく優しい妻と、良く出来た子供たち。それに若く美しく自立した愛人までいるのだ。
 また会社の同期や、昔の友人、実兄も良い人ばかりである。だから若くして他界しても、この人は幸福な人生だったのかなあ、としか感じないのだ。
 そんなこともあってか、涙もろい私にしても、全編ほとんど泣けないのである。ただ岸部一徳扮する実兄と、スイカを食ベながら語り合うシーンには、思わず涙せずにいられなかった。
 そして岸部一徳が淡々と「なんとなく長男って面倒だよね」とつぶやく言葉には、しみじみとした男の哀愁を感じてしまった。私にはこのシーンこそ、この物語の全てが凝縮していたように感じるのだ。
 主演の役所広司は、この役作りのために12キロ減量したという。むろん痩せただけではなく、その迫真の演技力にも惹かれた。
 ただこの作品には、原作者秋元康氏の男の願望ばかりが臭ってきてうざったい。それが同じようなテーマを扱った『明日の記憶』との決定的な違いといえよう。
 最後に妻役の今井美樹ちゃん。スリムで上品で、知的な美しさを感じたが、生活感が全く漂ってこないのだ。こんな女神のような奥さんがいるのに、なぜ不倫する理由があるのか。ここのところが今ひとつ絡みあわないのだね。

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2007年11月 4日 (日)

ALWAYS 続・三丁目のタ日

★★★★☆

 初日ということもあり、映画館は大行列。それもいつもは映画には全く縁のない「おじさん達」の群れにはびっくりした。
 一作目には、これほどおじさんはいなかったはずだ。やはり前作で日本アカデミー賞を総ナメし、センセーショナルな話題となったことが影響しているのだろう。

     Scan10266

 館内は超満員で熱気ムンムン。
おじさんとおばさん達の爆笑と涙声が渦巻く。彼等は昔懐かしい昭和30年代のシーンを観ているだけで、まなこはウルウルになってしまうのだ。
 映画としての出来栄えは一作目を遥かに超え、圧倒的なSFXには度肝を抜かれてしまった。日本橋やこだま号など、CGとは思えない見事な出来である。
 またオープニングのゴジラも凄いね。本家のゴジラ映画よりずっと迫力があったくらいだ。この二作目には、スタッフの意気込みと、パワーと豊富な製作費を感じるね。
 なぜか今回は、皆んなラブラブだった。茶川とヒロミの恋愛がメインテーマであるが、お母さんや六ちゃん、一平君までがちょっぴりラブラブなのである。
 そして芥川賞。今はキンキラキンの商業べースに成り下ってしまったが、昔は文学青年の憧れの的であり、文学会の金字塔だった。高校時代の担任で、国語の教鞭をとっていた東大出のS先生も、こっそり芥川賞を狙っていたものだ。
 また商売人の子供達は、皆よく家の手伝いをしたよな。手伝いというより、まさに使用人であり、僕も店の掃除をして、味噌汁を作ってから小学校に通っていたものね・・。
 ただ残念ながら一作目の驚きと感動がない。これはシリーズものの宿命なので仕方ないが、この映画の限界なのかもしれない。
 それはそれとして、昭和ブームを盛り上げたこの作品の功績は実に大きい。製作者やスタッフの方々、そしてキャストの皆さん、ご苦労様。そしてまるで宝石箱のようにきらめく、『懐かしい思い出と風景』をありがとうございました。
 
 

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2007年11月 2日 (金)

ヒートアイランド

★★★☆

 ジャンルはミステリーということになっているが、かなり毛色の違ったミステリアスドラマってとこかなあ。アクションありコメディーあり、そして終盤のパズルチックな展開も楽しかったな。
 またオープニングの渋谷の風景、赤茶色の画面もなかなか渋いよね。そして軽快なロックサウンドに乗って、ファイトパーティーとカジノ襲撃が同時進行するかっこ良さ。う~んかなりご都合主義だが、なかなか面白ぞ!。
 ただあのギルティという集団、リーダーのアキも含めて、余り個性が発揮されずじまいでなんとなく影が薄いのが気になる。

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 ストーリー展開もあるが、やはり若い連中の演技力のなさが目立った。それに反してべテランたちの演技が光りまくったね。
 ことに強盗団の三人は巧かった。実は彼らが主役だった、といってもよいのかもしれない。だから折田の死は、ちょっと残念だったな。また助けられた女の子の役割も中途半端なのだ、もう少しロマンスを絡ませてくれよ。
 かなり面白かったのだが、ストーリーに深味がないため、いまひとつのめり込めない。それと観客は、イケメンの城田優目当ての若い女の子ばかりで、オジさんには場違いだったようである。

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