酔いどれ詩人になるまえに
★★★★
アル中でニコチン中毒で女たらし。 仕事は1日ともたないから金もない。何事にもやる気が湧かず、無愛想で無責任なろくでなし。だが小説だけは諦めずに書き続け、出版社に無視されながらも執拗に投稿を重ねる。これが主人公チナスキーのプロフィールだ。
そういえば昔の日本人作家も、飲む・打つ・買うでどん底生活が定番、というより作家の勲章にしていたよね。自分も若い頃は、そうしなければ作家になれないものだと思い込んでいたが、今になって冷静に考えると、単にナマケモノの言い訳 かもしれないな。確かに作家にとっては、経験の豊富さが財産となるが、ただどん底生活だけのワンパターンな経験だけでプロになれる訳はない。だから良い子は決してこんな生活に憧れないように。 主人公チナスキーは実在の人物で、これを演じるのは、「クラッシュ」のマット・ディロン。彼はこのクソッタレ野郎を見事に演じているが、あの逆三角形の格闘家のような肉体では、作家や詩人をイメージ出来ないな。また書いているものの内容が、ほとんど描かれていないのも不満である。 一方相手役の女優達は、ピタリと役柄にはまり込んでいた。個人的には二番目の彼女を演じたマリサ・トメイのほうが好みなのだが、存在感の大きさでは一番目の恋人を演じたリリ・テイラーだろう。 彼女達もタバコ好きで、飲む・打つ・売るのだから、主人公の女性版というか分身そのものなのだ。 この似たもの同士のカップルは、罵り合いながらも、心底惚れあっている。だから二人が、お互いの事を考えて別れるシーンにはグッとこみあげるものを感じるだろう。 その後のさらに荒んだ生活は、観ているのがかなり辛い。だが意外な収束と、余韻の残るエンディングに、この作品が醸し出す渋い味を感じたよな。
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» *酔いどれ詩人になるまえに* [Cartouche]
{{{ ***STORY***
何度職にありついても酒が原因でクビになってばかりのヘンリー・チナスキー。有り金が底を尽き住む家すらなくても懲りずに飲んだくれる日々で、唯一続けているのは“書く”ことだった。湧き出る言葉を書き留めずにはいられない彼は、詩人であり作家なのだ。ただ、せっせと出版社に原稿を送ってもボツになるばかりで日の目を見ることはないのだが。ある時、バーで知り合った女ジャンの部屋に転がり込む
gooより ..... [続きを読む]
受信: 2007年8月25日 (土) 12時16分
» 酔いどれ詩人になるまえに [江戸っ子風情♪の蹴球二日制に映画道楽]
アメリカ&ノルウェー
ドラマ
監督:ベント・ハーメル
出演:マット・ディロン
リリ・テイラー
マリサ・トメイ
フィッシャー・スティーヴンス
【物語】
アメリカの田舎町。“自称”詩人のヘンリー・チナスキーだったが、原稿
...... [続きを読む]
受信: 2007年8月25日 (土) 15時35分
» 「酔いどれ詩人になるまえに」感想 [ポコアポコヤ 映画倉庫]
単にタイトルと、映画のチラシに写っていた、やさぐれ風貌のマットディロンが格好いいという、それが目的で見てみました。
恥ずかしながら、チャールズ・ブコウスキーさんという作家さんを知りませんでした。もし、そ... [続きを読む]
受信: 2007年8月25日 (土) 16時46分
» 感想/酔いどれ詩人になるまえに(試写) [APRIL FOOLS]
酔うほどにあふれる言葉たち。『酔いどれ詩人になるまえに』8月18日公開。ヘンリー・チナスキー、無職、アルコール依存気味、自称詩人。定職に就かず流れるように生きるチナスキー。ただひとつの拠り所は、わきあがってくる言葉だけだった。作品の価値は作家自身が決めるもの。アメリカ人作家チャールズ・ブコウスキーの自伝的小説を映画化!
映画[酔いどれ詩人になるまえに:factotum]オフィシャルサイト
とにかくマット・ディロンがカッコイイ! もうこのへたれニート野郎なのに、色っぽいわクールだわ、男が見てカ... [続きを読む]
受信: 2007年8月26日 (日) 00時37分
» 酔いどれ詩人になるまえに / Factotum [我想一個人映画美的女人blog]
{/hearts_pink/}人気blogランキング{/hearts_pink/}
「酔いどれ」なんて言うと聞こえいいけど、ただの飲んだくれですから〜。
大好きなマット・ディロン出演なので気になってた1本!
来月公開を前に試写でちょっとだけ早く観てきた。
世界中でカルト的人気を誇るアメリカ人作家、
チャールズ・... [続きを読む]
受信: 2007年8月26日 (日) 09時07分
» 感想/酔いどれ詩人になるまえに(試写) [APRIL FOOLS]
酔うほどにあふれる言葉たち。『酔いどれ詩人になるまえに』8月18日公開。ヘンリー・チナスキー、無職、アルコール依存気味、自称詩人。定職に就かず流れるように生きるチナスキー。ただひとつの拠り所は、わきあがってくる言葉だけだった。作品の価値は作家自身が決めるもの。アメリカ人作家チャールズ・ブコウスキーの自伝的小説を映画化!
映画[酔いどれ詩人になるまえに:factotum]オフィシャルサイト
とにかくマット・ディロンがカッコイイ! もうこのへたれニート野郎なのに、色っぽいわクールだわ、男が見てカ... [続きを読む]
受信: 2007年8月26日 (日) 09時15分
» 酔いどれ詩人になるまえに [ようこそ劇場へ! Welcome to the Theatre!]
”Factotum”原作=チャールズ・ブコウスキー『勝手に生きろ』。脚本・監督=ベント・ハーメル。脚本=ジム・スターク。撮影=ジョン・クリスチャン・ローゼンルンド。音楽=クリスティン・アスビョルンセン、トルド・グスタフセン。多くの俳優や歌手たちに支持されたカルト作家、故チャールズ・ブコウスキーの作家修行時代を基にした自伝的小説の映画化。☆☆☆☆... [続きを読む]
受信: 2007年8月26日 (日) 16時07分
» 「酔いどれ詩人になるまえに」 [ハピネス道]
チャールズ・ブコウスキー(1920-1994)詩人、作家
多くのアーティストに影響を与えているというこの人物の作品に、
私は一度も触れたことはない。
今回、主演のマット・ディロンを観に行ったようなもの。
観終わって、この作家の作品を読んでみたいとは思えなかった。
しかし、映画はとても良かった。
マット・ディロンは
素晴らしい。
また、それに勝るとも劣らない演技で光っていたのが相手役
リリ・テイラー。
印象的なシーンや心に残るフレーズがいくつかある。
どうして... [続きを読む]
受信: 2007年8月26日 (日) 20時07分
» 酔いどれ詩人になるまえに [シャーロットの涙]
自称マット応援隊の私。爆 [続きを読む]
受信: 2007年9月25日 (火) 12時21分
コメント
シャーロットさんコメントありがとう
TBは反映されていますよ。
ただ承認するまで反映されないだけなんです。
ご安心下さい。
僕の中の評価は、良いですよ。ことにエンディングが良かったと思っています。
投稿: ケント | 2007年9月25日 (火) 21時24分
こんにちは。こちらからはどうもTBが反映されないようです;
あ、結構評価は良いのでしょうか。
マットファンとしては嬉しいですー。
私的にはあまりはまれなかったのですが;(カッコいいとも思えなかった;)作品の余韻は良かったですよね。
投稿: シャーロット | 2007年9月25日 (火) 12時25分