主人公は僕だった
★★★★
IRS(米国の税務署)に勤務するハロルドは、朝起きると同じ回数だけ歯を磨き、リンゴをかじりながら、ギリギリバスに飛び乗って出勤する。そしていつも同じ時間に帰宅して、同じ時間にべットに入る糞真面目な生活を繰り返していた。

ところがある日、どこからか自分の行動や考えていることを、ナレーションのように語る女性の声が聞こえてくる。それにその声は、自分にしか聞こえないのだ。気味が悪くなったハロルドは、医者に行くが原因が分からず、次第にノイローゼになってくる。
巡り巡って大学で文学理論の教鞭をとっているヒルバート教授を尋ね、命ぜられるまゝテストを重ねるうち、その原因が解明されてゆくのだった。
かなり荒唐無稽な「原因」なのだが、アイデアとしてはなかなか面白い。まるで手塚治虫のファンタジー作品を読んでいるような気分だ。

前半はやゝ退屈だが、パン屋の女性が登場する頃から、少しづつ楽しくなってくる。やはり映画のエッセンスは恋愛なんだね。ハロルドがギターを弾きながら唄うシーンでは、ハッピーな気分が心にジ~ンと染み込んできた。
そして喜劇から悲劇に転落することを知りながら、あえて「それ」を実行するハロルドの愛と勇気。また名誉とプライドを捨てても、その「愛と勇気」に屈する女流小説家の心情。
これでいいのだ。例え月並みでも、僕はこのラストのほうが素晴らしいと宣言したい。そしてエンディングクレジットの映像と音楽が、またも心を揺するのだ。いつの間にか、僕の体も前後に揺れ続け、足の先はダンスホールの気分で踊っていた。
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この記事へのトラックバック一覧です: 主人公は僕だった:
» 主人公は僕だった STRANGER THAN FICTION [いいかげん社長の日記]
予告編を観て気になっていたので、昨日はちょっと浮気をして、「UC豊洲
」に。
いつもの「UCとしまえん
」では公開されなかった「主人公は僕だった」を鑑賞。
「UC豊洲
」は「UCとしまえん
」以上に空いていて^^;
「主人公は僕だった
」は、200人くらい... [続きを読む]
受信: 2007年6月 6日 (水) 21時53分
» 主人公は僕だった/ウィル・フェレル [カノンな日々]
ホントなら公開初日に観たかった作品なんだけど、風邪ひいたせいで予定が変わってしまいました。事前には劇場予告編の範囲内でしかこの映画のことは知らなかったんだけど「ある小説家が書いている物語が実在の人物とシンクロしちゃう」という奇抜でファンタジックな設定はモ....... [続きを読む]
受信: 2007年6月 6日 (水) 22時53分
» #75.主人公は僕だった [レザボアCATs]
待ってました!ウィル・フェレルの新作。『プロデューサーズ』以来だわっ。にゃはえ、覚えてない?なんて、言いませんよね。あのヒトですよ、あのヒト。鳩と一緒にナチス敬礼してた、あのテンション高いあのヒト。あの時のウィル・フェレルは本当、面白かったぁ〜。... [続きを読む]
受信: 2007年6月 6日 (水) 22時55分
» 主人公は僕だった [日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~]
アイディアが見事でした。そして、そのアイディアを、完全に、とは言えませんが、そこそこ、活かせていたように思えます。
平凡で変化のない日々を過ごすハロルドは、国税庁の会計検査官。過去12年間、判で押したような決まりきった生活をしています。しかし、ある朝、ハロルド... [続きを読む]
受信: 2007年6月 7日 (木) 00時01分
» ★ 『主人公は僕だった』 [映画の感想文日記]
2006年。Columbia. STRANGER THAN FICTION.
マーク・フォースター監督。
ウィル・フェレル、エマ・トンプソン、マギー・ギレンホー... [続きを読む]
受信: 2007年6月 7日 (木) 01時06分
» 主人公は僕だった [とんとん亭]
「主人公は僕だった」 2007年 米
★★★
ちょいと期待しすぎました^^
予告で観たらとっても面白そうだったんだけど・・・・。
ハロルド・クリック(フェレル)は、真面目で堅物な独身男。
国税庁に務める、所謂、民間人からの「嫌われ者」^^
時...... [続きを読む]
受信: 2007年6月 7日 (木) 06時49分
» 「主人公は僕だった」レビュー [映画レビュー トラックバックセンター]
「主人公は僕だった」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:ウィル・フェレル、エマ・トンプソン、ダスティン・ホフマン、クイーン・ラティファ、マギー・ギレンホール、リンダ・ハント、他 *監督:マーク・フォースター 感想・評価・批評 等、レビ..... [続きを読む]
受信: 2007年6月 7日 (木) 07時39分
» 主人公は僕だった [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
私たちの人生のストーリーを書いているのは、運命?神様?それとも自分自身?
国税庁に勤めるハロルド・クリックの場合、なんとそれは“作家”だった!?
平凡で面白みのない男、ハロルド。国税庁の会計検査官である彼は、過去12年間、毎日決まりきった生活を送っている....... [続きを読む]
受信: 2007年6月10日 (日) 22時55分
» [ 主人公は僕だった ]運命を受け入れるために [アロハ坊主の日がな一日]
[ 主人公は僕だった ]を新宿武蔵野館で鑑賞。
斬新で、奇抜なアイデアも2時間近くの映画になった時には、思った以上の面白さが得られず、陳腐なコメディになってしまう事例は多い。
その中でも本作[ 主人公は僕だった ]は、ある男の人生が、イギリス人の女性の声に支配されているという奇想天外なアイデアを、ラストまで思いもよらぬ展開で観客を引き込んでいく秀逸な作品じゃなかろうか。僕はそう思うんです。
... [続きを読む]
受信: 2007年7月 5日 (木) 23時12分
» 主人公は僕だった [虎猫の気まぐれシネマ日記]
もしも,自分がある小説の主人公で,一人の作家によって自分の運命が決定されるとしたら・・・?なんて不思議で,独創的な設定のストーリー!ファンタジーやコメディはいまいち大好物ではない私だけど,仲良しブロガーのゆきちさんが,とても感動したとオススメしてくださったので,観てみました!で,感想ですが,コメデ... [続きを読む]
受信: 2008年2月 4日 (月) 22時45分
コメント
なな さんコメントありがとう
TBも届いていますよ。
この作品はだいぶ前に観たので、余り覚えていないのですが、いい映画だったと思います。
パン屋の女性との恋が始まってから、俄然面白くなったと思いますね。
投稿: ケント | 2008年2月 5日 (火) 20時50分
こんばんは TBさせていただきましたが
届いておりますでしょうか?
DVDで鑑賞しました。
ケントさんとほとんど同じ感想を持ちました。
ラストが拍子抜けだと感じるかたもいらっしゃるかもしれませんが
私も,あのラストが好きです。
>例え月並みでも、僕はこのラストのほうが素晴らしいと宣言したい。
私も全く同感です。月並みなところに,現実の人生の素晴らしさがあると感じました。
投稿: なな | 2008年2月 4日 (月) 23時05分