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2007年6月 2日 (土)

監督・ばんざい!

★★★

 ハチャメチャ映画とも、漫才映画ともいわれている。30年近く前に、TVでさんまと組んで大ヒットした『タケチャンマン』そのものじゃないか。
 これを映画と呼んでいいのか。全く評価し難い作品である。予告編を観た時は、かなり面白そうな雰囲気を感じたが、実際に観てみると???なのだ。これは好き嫌いがはっきりしそうな作品だね。私の場合は決して嫌いではないものの、何だか妙に寂しい気分で一杯である。

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 そもそもたけしが主役を張れる映画は、クールで暴力的なギャング映画しかない。ところが、もうギャング映画は撮らないと宣言してしまったのだ。彼が作った唯一のヒット作である『座頭市』も、時代劇ではあるがギャング映画そのものである。
 そのことは、彼自身が一番良く知っているはずである。しかし海外で世界のキタノとおだてられ、必死にヒット作を狙い、毎日が苦悩の連続だったのだろう。それがこの作品にそのまゝ表現されているのを、ヒシヒシと感じてしまった。
 もう彼に期待するのは酷である。少なくとも主演は辞めにしたほうがいい。どうしても映画を作りたければ、主役を降りて脇で悪役を演じるか、監督だけに専念するほうが良いだろう。
 本作品では、小津作品のパロディー、ラブストーリー、ホラー、昭和30年もの、忍者時代劇、SFものとあらゆるジャンルの短編を繰り出すが、どれもこれも中途半端。ラストの母娘サギ師の話だけが、やゝ長い話となるのだが、これは余りにもバカバカしい展開に終始するシュールな作りだ。
 ラーメン屋での、蝶野と天山のプロレスシーンには腹を抱えて笑ったが、あとのギャグは古過ぎて笑うに笑えない。もうたけし君は限界だな・・。
 ただ江守徹の怪演と、こんなおバカ映画にあれだけの役者を揃えた監督の力量は評価したいね。
 しかしあの人形は一体何だったのか。ほとんど会話のないたけしそのものを表現したのだろうか。

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コメント

ユニさんコメントありがとう
あの人形といい、馬鹿げたギャグといい、たけしにしか表現出来ない何物かを感じますが、だからどうなんだ・・・という気もしますね。

投稿: ケント | 2007年6月 5日 (火) 18時05分

TBどうもでした!
>あの人形
本当にナゾだらけでしたね。セリフのない人形に、何か別なモノを表現させたかったのでしょうか。(ぅ~ん;)

投稿: ユニ | 2007年6月 4日 (月) 21時12分

stairsさんありがとう
北野監督のファンのようですね。
先行上映で、劇場はやや混んでいました。
ではまた

投稿: ケント | 2007年6月 2日 (土) 19時28分

ご訪問&トラックバックありがとうございます!!
僕はまだ見てないけどかなり期待していますよ。北野監督はそれぞれの作品ごとにそれぞれ違った魅了を感じるので大好きです。
また、訪問させていただきます。
また遊びに来てくださいね!!

投稿: stairs_to_the_future2005 | 2007年6月 2日 (土) 19時03分

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