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2007年3月の記事

2007年3月31日 (土)

デジャヴ

★★★☆

 海兵隊員とその家族達が、続々とフェリーに乗りこんでくる。ミシシピー川で、お祭りでもやるのであろうか。女の子がデッキの上から、人形を落としてしまう。可愛そうな人形は、海の中へ吸い込まれる。
 やがてフェリーは定刻に出発し、ブラスバンドの奏でる派手なマーチと、カーステレオから流れる古い音楽が重なり合う。そしてクレセント・シティ橋に近づいたとき、突然フェリーは大爆発する。この悲惨なテロ行為により、なんと543名の命が犠牲となってしまうのだった。

デジャヴ Book デジャヴ

著者:ビル・マーシリイ,テリー・ロッシオ
販売元:竹書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 長いオープニングである。その後、捜査員役のデンゼル・ワシントンが登場して、やっと本編が始まるのだから。
 路面電車の走る街に、渋味がかった映像。音楽も効果的だし、ストーリー展開もスピーディーで小気味良い。サイコロジカルなサスペンスが似合いそうだが、実はテクノロジカルなSFだった。
 ストーリーが急展開し、「タイム・ウィンドウ」という、102時間前の過去を写し出す装置が出現する。まるでグーグルアースのように、地図上で場所を指定して、拡大し3D表示してゆく。さらにこのシステムでは、家の中の映像まで覗き見出来てしまうのだ。
 なにか現在の衛星監視システムを思わせるようであり、かなり気味が悪い。実際に我々も、衛星で私生活を覗かれているのだろうか。
 しかしこのシステムで覗くのは、過去の映像なのである。それがリアルタイムに、まるで現在の出来事の如く写し出されてゆく。
 ところでこれは一種のタイムトラべルであり、なかなか斬新で面白いアイデアである。思わずその後の展開に期待してしまったが、メモを過去に送るところから、どこにでもあるタイムマシンに成り下がってしまったのが残念だ。
 また可視範囲が限定していることと、ゴーグルの存在には全く説得力がない。たぶんアクションシーンにこだわり、ゴーグルを使ったカーチェイスシーンを挿入するための方便だったのだろう。このサーカスまがいのカーチェイスは、全く必然性がないばかりか、ストーリー全体のバランスを崩してしまった。
 またラストの展開は、思った通り再びあの長いオープニングシーンに繋がる。まさに最初のオープニングで、デジャヴを見たと言えるだろう。
 映画を観ている途中では、なぜラストで犯人がフエリーに戻ったのかが、良く判らなかった。あの車を観て戻ったこと。逮捕されたとき、いやに落ち着いて、「運命は変えられない」とほざいていたこと。
 もしかして、犯人も別のシステムを使って、未来から跳んできたのだろうか、あるいはデジャヴ能力を持つ超人だったのかもしれない。

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2007年3月29日 (木)

バッテリー

★★★★

 子供が主演の映画には、いつでも泣かされてしまう。やはり子供たちの心が真直で、透明だからなのだろうか。
 野球は個人競技ではない。どんなに優れた選手がいても、チーム全員の心が一つにならねば勝てるはずがない。当たり前の事だが、伝統ある某プロ球団でさえ、そんな簡単なセオリーを守れず、ズルズル負けているではないか。

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  ところがアマの場合は、超天才的な投手が1人いれば、かなり勝率が良くなることは確かである。しかしながら、その投手の球を受けられる捕手がいないことには、お話にならない。また投手と捕手の関係は、捕手のことを女房役と呼ぶほど、重要でありかつ繊細な呼吸が必要になる。従ってプロの世界では、投手交代と同時に捕手も交代することがある。

 この作品は、そのバッテリー間の友情と信頼感と家族愛がテーマになっている。ブッキラボウで高慢な投手原田巧は、新人の林遣都が好演していた。会話が少ないところが、やゝもの足りないが、あの天才巧役にはピッタリかもしれない。
 また弟青波を演じた鎗田晟裕と捕手永倉豪役の山田健太が良い味を出していたよね。ことに山田健太はこの役のために、10Kgも太ったというから、子供ながらも見事な役者魂とガッツの持ち主だね。
 あとピッチングのときの、凄まじい球速はCGだったのだろうか。思わず映画『ピンポン』を思い出してしまった。実に爽やかで瑞々しい青春映画だ。それに友情・家族愛・野球の素晴らしさを、改めて教えてもらったような気がする。
 それにしても、あさのあつこさんの原作本はシリ一ズ累計で、約800万部を突破したという。それにしても、驚異的な数字である。そして今時サッカーじゃなくて「野球」だということも面白いね。やはり野球は永遠に不滅なのだろうか。

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2007年3月21日 (水)

いざ稲取へ

 伊豆稲取へ来たのは二度目だが、稲取温泉に宿泊するのは初めてである。ここ稲取には漁港があり、もちろん魚は旨いが、ことに金目鯛の味が良い。また「吊るし雛」でも有名だ。

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 「吊るし雛」とは、「桃の節句」で雛段の両側に、はぎれで作った小さなぬいぐるみを吊るす風習である。この風習は江戸時代より伝えられ、子の成長を願う親の深い愛情の表れであるという。稲取以外では、山形の酒田と九州の柳川にも伝承されているという。

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 ぬいぐるみには、赤児やだるま、枕、手鞠などのほか、ねずみ、さる、うさぎ、鶴、など様々なものが飾られていた。町の中はこの「吊るし雛」一色で、あらゆる場所でこれらを展示している。もちろん本日の宿である『いなとり荘』の口ビーにも飾られていた。

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 この『いなとり荘』は、海のまん前に建つ全室オーシャンビューの和風旅館である。従って部屋からの眺望は抜群で、朝日の昇る方向に、伊豆七島を見渡すことが出来るのだ。ただ今回は残念ながら雨模様で、その絶景を拝むことが出来なかった。

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 『いなとり荘』の売りは、豊富な風呂と美味しい食事である。風呂は本館最上階にある大浴場と露天のほか、「ゆっくら」と呼ばれる別館にも3つの浴槽があるのだ。さらに有料だが4つの「貸切風呂」や「エステ」もある。
 そして夜の風呂上がりには、飲み物やデザートが出るし、朝風呂のあとには、「金目のみそ汁」が飲めるのは嬉しいね。至れり尽くせりだが、男性露天が周囲の建物からまる見えなのが気に入らなかった。男だから見えても良いというのは、いかがなものか。なんだか落ち着かないし、第一風情が味わえないではないか。

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 さて食事のほうは、まず5種類の魚から、刺身にしてもらいたい魚を2種類選択する。嬉しいことに、それとは別にさざえと伊勢海老も付いてくるのだ。

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 あとはなんと言っても金目鯛づくしが凄い。金目の土瓶蒸し、金目の味噌焼き、そして大望の金目の姿煮だぁ。やはりこれが一番旨いね。

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 さてこの宿のもう一つの自慢は、チェックイン2時、チェックアウトが12時という、ゆったりシステムであり、今回は本当にゆったりとくつろぐことが出来た。また来たくなる宿といえよう。

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 それから前日に伊東で立寄った、『花季(はなごよみ)』という海鮮割烹店もお勧めである。ここは弟が愛想の良い営業マンで、姉が調理場に入って腕を振う。

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 店の名前も含めて、まさに「女性による、女性のための料理店」であった。見た目が美しく、味も良い割には、リーズナブルな料金である。伊豆に行ったら、是非ここの海鮮ランチを食ベてみよう。

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2007年3月18日 (日)

ゆれる 

★★★★☆

 兄弟の存在とは難しいものである。子供の頃は、弟は兄を慕い尊敬し、兄はそんな弟が愛しくて可愛がるものだ。
 ところが大人になると、立場が逆転することがある。自由な弟のほうが処世術に優れ、ポジティブで人に好かれる。一方兄のほうは、堅実で人柄は良くとも、ネガティブで融通が効かない。そんな兄弟を良く見かけるはずである。ことに田舎では、その傾向が著しい。

ゆれる オリジナルサウンドトラック

ゆれる オリジナルサウンドトラック 

アーティスト:カリフラワーズ
販売元:インポート・ミュージック・サービス
発売日:2006/07/05

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 この物語では、そんな兄弟の在り方に鋭くメスを入れ、裁判という舞台を借りて、兄弟の葛藤と本音を見事に焙り出している。家の犠牲になり真面目に働くが、女にもてない兄役に香川照之。都会でカメラマンになり、ハンサムで女にもてる弟役に、オダギリジョーと、キャスティングもピタリとハマり切っている。
 妙なタイトルだと思ったが、実はこれほどこの作品を語っているタイトルもない。水面の微妙な波紋、吊橋の危険な揺れ、女心の激しい動揺、そして兄弟二人の心がゆれて、ついに判決さえも、大きく揺らいでゆくのだから・・。
 家族はいつも兄を頼りにする。だから少年時代に、弟は常に兄の後塵を拝してしまう。だから兄は常に兄であることを意識し、嫌でも兄を演じざるを得ないのだ。もちろん弟側にも、いろいろ言い分があるだろう。
 だが新民法下では、兄が優位に立てるのは、子供の頃だけである。先に述べたように、大人になれば立場が逆転するほうが多いと思う。
 従って弟が弟を演じる時間は僅かである。それに対して兄は、例え落ちぶれても、死ぬまで兄を演じ続けなくてはならない。ここに弟には判らない兄の苦悩が潜んでいるのだ。
 オダギリジョーが少年期の8ミリを観て、とめどなく涙を流すシーンには、誰もが感動するに違いない。だが彼が心変りしたのは、単なる懐古的感傷だけではない。それは兄が子供の頃から、必死に兄を演じ続けている苦しみを、理解したからにほかならない。
 ラストで兄が弟に向かって微笑むシーンはかなり印象的で、バスの陰に隠れた兄のゆれる心を垣間見た思いがした。

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2007年3月15日 (木)

松ヶ根乱射事件

★★★☆

 タイトルと予告編を観た限りでは、田舎町に勃発した殺人事件を、駐在所の巡査がオロオロしながら捜査する映画のように感じる。ところがちょっと違うんだなあ。
 異様なオープニングである。雪の中で大の字になっている若い女性の死体。その死体を小学生が眺めている。そして男の子は、死体の胸を、さらにスカートの中を、まさぐり始めるではないか。

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 そんな演技を子供にさせて良いのかなぁ・・・などと考えているうちに、今度はその死体がスッポンポンで警察の検死台に横たわっている。しかも映像は、女のアンダーへアーを、余すところ無く、はっきりと写し出しているのだった。
 これで終わりではない。実は女は死んでいたのではなく、失神していただけだったのだ。これが「世界一不謹慎な死体」と呼ばれる所以である。
 この失神女を激演したのが川越美和。彼女は昔、日本レコード大賞新人賞を受賞したアイドルだったという。過去の栄光をかなぐり捨て、恥毛まる出しの女優根性には脱帽する。しかもふてぶてしく嫌味な演技も、決して捨てたものじゃない。
 その恋人で獰猛な男の役を、これもまたあの木村祐一が見事に演じている。『花よりもなほ』の痴呆役とは対極をなすシリアスな役柄であり、彼の器用さには感心するばかりだ。
 この二人の凶暴さと図々しさは、圧倒的な存在感を示し、本流である鈴木家のドラマを食いつくしてしまう。そしてのどかだった松ヶ根町は、二人の登場で一気にバランスが崩れ、狂気に支配され始める。
 この危険なアンバランスさが、本作独自のテイストを醸し出す。ただわざとボタンをかけ違えた様な意味不明さに、だんだんむかついてくるのも確かだ。
 鈴木家という田舎町の畜産農家が、コアになっていることは先に述ベたが、その家族にはどこか異様な雰囲気が漂う。別居中の父親は無責任な女たらし、祖父は助平なボケ老人、双子の兄は社会不適応、母は陰鬱で、姉はヒステリーという具合だ。
 一番まっとうなのが、この町で巡査をしている双子の弟なのだが、彼にもイライラが募り始め、カタルシスが得られない。やがて彼も、次第に狂気の渦に巻き込まれてゆく。
 ひと皮剥いた人間の本音と独善。それを絶妙のタッチで、「ブラックコメディー」に仕立てた山下敦弘監督の感性は評価したい。
 ただ前半の過激さに比ベて、後半はかなりおとなしく納まり、結局何も変わらない日常へと環流してしまうのだ。それがこの作品の風味かもしれないが、かなり消化不良感が残ったことは否めない。  

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2007年3月11日 (日)

パフューム ある人殺しの物語

★★★☆

 ある天才調香師が、究極の香水を調合するまでの、数奇な運命を描いた作品である。 彼は天才というより、超人的臭覚を持つミュータントといったほうがよいかもしれない。そして悪臭漂う吐きだめ地獄から這い上がり、恍惚の香を求める狂気の男でもあった。

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 前半はグロテスクな世界で、彼が調香師として一人前に育ってゆくまでを描く。なぜか彼を手放した者達は、ことごとく事故で死んでしまう。不思議なムードがスクリーンを支配し始めてゆく。
 後半になると、煌びやかな貴族社会を見て、彼の狂気が一気に暴発する。そして殺人鬼に変貌した彼は、美女達を続々と殺戮し始めるのだ。この辺りから、いつの間にかホラー映画になってしまう。
 ラストの処刑シーン。彼は殺人鬼から超人となり、やがて神へと昇格してしまう。観客達は、このエキセントリックな展開に、とてもついてゆけない。まるで狐に騙されたかのようだ。

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 このストーリーは、あたかも歴史的事実の如く、大真面目なナレーションに導かれて進行するが、どう解釈してもこれはマンガとしかいいようがないね。
 そして話題の750人同時セックス。これは確かに、斬新かつ圧巻であるが、なんだかラファエロの絵画を眺めているようであった。
 この作品は、中世フランスの光と影、陰と陽を、「臭い」という手法を用い、まるで油絵のように描いた野心作である。ただ余りにも残虐で、不潔で、無神経なシーンが多いので、綺麗好きな女性達のカタルシスは得られないかもしれない。 

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2007年3月10日 (土)

新宿末廣亭

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  ここに来るのも約40年振りだ。当時はTVでも寄席の放送が多く、三遊亭金馬、桂米丸、雷門助六などのお馴染みの落語家達が、ここに登場していたのを覚えている。
 しかし現代のTVに出て来るのは、吉本系のお笑い芸人ばかりなので、落語家の名前が良く判らない。もっとも最近、TVはほとんど観ないので、吉本系の人が出演しても判らないけどね。
 もちろん落語が中心になるのだが、漫才、手品、曲芸、紙切りなども登場するので、長時間観ていても全く飽きることがない。ちなみに入場料は、2700円で映画に比ベれば高く感じるが、実質はかなり安いと思う。
 というのは、昼の部が4時間半、夜の部も4時間で入れ替えがないからである。さらに昼と夜は芸人も異っているのだ。ほぼ1日中楽しんで、今どき2700円の娯楽なんてあるはずがないよね。

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 入口には江戸勘亭流で書かれた芸人の名札が並ぶ。そして定員313席の狭い小屋であるが、なんとも粋な雰囲気が漂っている。
 中に入ると小さな売店があり、座席は中央が椅子席で、両サイドと二階が座敷になっていた。椅子席のほうが楽かもしれないが、空いていれば座敷のほうがくつろげるし趣があって良い。ここは実演中も自由に飲食出来るので、ゆったりした気分で楽しめる仕組になっているのだ。
 それにしても「寄席ブーム」というのだろうか、場内は超満員で立見している人達がいる。客層はどちらかと言えば中高年が多いが、若いカップルも目立っていたね。
 落語のほうも、堅苦しい古典落語一本槍ではなく、漫談風ヨタ話に始まり、本ネタも分かり易くアレンジしていた。一番驚いたのは女性の落語家が登場したときだ。時代の変遷にはかなわないが、すでに13人の女性落語家がいると聞いて二度びっくり。
 トンネルズ以降のTVでのお笑いは、ど突いたり罵ったりと品が良くないが、寄席では本物のお笑いを体験出来る。大声を出して心の芯から笑えたのは、ほんとに何10年振りであろうか。

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2007年3月 8日 (木)

それでもボクはやっていない

★★★★☆

 全編のほとんどが、痴漢冤罪の裁判シーンという重いテーマにも拘らず、全く退屈することなく、最後まで息を呑んで見入ってしまった。それほど周防監督の力量が秀逸なのだろう。

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 痴漢冤罪というテーマにも興味があったが、それよりも何よりも、我国の裁判というシステムの頼りなさに腹が立った。本来の裁判とは、公正な立場で人を裁くものだ。
 「例え10人の有罪を見逃しても、決して1人でも無実の者を有罪にしてはならない」という言葉がスクリーンに流れる。ところが実態は全く逆であり、無罪判決は検察側、つまり国家権力に逆らうことになり、その判決を下した裁判官は絶対に出世出来ないという。
 もちろん全ての裁判官が出世の亡者ではなく、真実解明と正義感に溢れるりっぱな人もいる。だがそれは少数派のようだ。
 彼等も人であると同時にサラリーマンであり、養うべく妻子もいる。だから裁判官だけを責めても問題は解決しないのである。実は裁判官に全ての権限を与えているシステムに、重大な欠陥があるのだ。そろそろ日本でも、陪審員制度が必要なのではないだろうか。
 それにしても、痴漢冤罪の代償は余りにも大き過ぎる。逮捕され、投檻され、屈辱的な取調べを受け、裁判に大金と時間をかけ、場合によっては家族や会社にも見放される。それにこの手の裁判で無罪になる確率は1%もないという。それで一生台無しになってしまうなんて、とても信じられない!。
 ところがすぐに罪を認めて、罰金5万円を支払えばすぐに開放されるという。一体この国の法律はどうなっているのだ!。
 通常これだけのバカバカしいリスクを犯してまで、裁判に持ち込む者は「狂人」に違いない。でなければ「無罪」に決まっている。裁判官は、まず容疑者の精神鑑定を行って、正常なら無罪と考えても良いのでは。
 たかが5万円払えば済むものを、ほとんど一生を棒に振る覚悟で裁判に挑むのだから、無罪としか言いようがないではないか。そもそも目撃者もなく証拠もなく、被害者の証言だけで「有罪」と裁くことに無理がある。
 例えば被害者が、勘違いや悪意で訴えたとしたらどうだろう。正しい裁判が行われない現状では、嘘でも何でも訴えた方の勝ちなのだ。結果が判っているのに、なぜ延々と1年以上も、こんなバカげた裁判を続けるのだろうか。
 これではまるで倒産した会社の株を買うようなものだ。とてもじゃないが、割に合わない。だからやっていなくとも「それでもボクはやりました」と言って5万円払ってしまうのが正解なのかもしれない。

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2007年3月 6日 (火)

通勤地獄 5ドアの電車

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 通常の車両は4ドアですが、最近、後部の2~3車両に限って、5ドア仕様の車両が繋がっている電車が多くなりましたね。
 通常の座席が、3・7・7・7・3人掛となっていて片側に27人が座れるのに、この5ドア車両の座席ときたら、3・3・3・3・3・3人掛で、たった18人しか座れないのであります。
 おまけにラッシュ時には、自動的に折りたたまれて、立席オンリーとなってしまう。
 さらに網棚の位置が異常に高く、スペースも、2~3人分の荷物しか置けないミニスペースで、実に使い辛い。そのうえ何の意味があるのか、向かいの座席との中間に、太い支柱が立っていて通行の邪魔であります。
 なぜこのような使い勝手の悪い車両を導入したのでしょう。お偉い方々が、いろいろと分析して、より多くの人間を積み込めるような構造にしたのかもしれませんが、乗るのは物や家畜ではなく、生身の人間であることをお忘れなく!
 そもそも、お偉い方々は、いつもグリーン車に乗っていて、殺人的な通勤ラッシュなんて体験したことないのでしょうね。

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2007年3月 4日 (日)

蒼き狼 地果て海尽きるまで

★★★☆

 序盤では、モンゴル人が日本語で喋ることに違和感があったが、中盤以降は全く気にならなくなった。逆にモンゴル版大河ドラマという乗りで、返って判り易くて好かったかもしれない。

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 製作費30億円、全国425スクリーン確保と、いずれも邦画としては破格のスケールだ。そもそも角川映画の特徴は、小説との連動とスケールの大きさにある。そして詳細な内容とか登場人物の心情は、あえて描かない。
 「それを知りたければ、角川文庫を是非読んで欲しい」という出版社としてのビジネス戦略があるからである。 極端な話、映画の興行收益はトントンであれば良い。つまり映画を、本を売るための宣伝費と考えるのであろう。
 その意図を知らないと、ストーリー展開が雑だとか、心理描写が足りないという「批判漬け」に陥ってしまう。良し悪しは別として、あくまでもこの作品は、原作本と一対になって楽しむエンターティメント、と理解したほうが無難だろう。

 ところでこの映画、ネットでの評価はすこぶる悪く、映画館は初日にも拘らず約半分の入りだ。どうも若者たちに嫌われた感がある。
 確かに作り方は粗っぽいが、それは先に述ベた角川戦略と割り切っていたので、それほど酷い映画とは思えなかった。むしろあの圧倒的な戦闘シーンや即位式の模様、果てしなく続くモンゴル平原の自然に身悶えしたくらいだ。
 また角川戦略に乗せられ、小説も読む気にさせられ、モンゴルの歴史に興味を持つことになってしまったが、決して悪いことではないだろう。また常に一緒に戦っていたクランが、実はチンギス・ハーンの第2夫人で、彼には7人の妻が存在していたことも判った。
 主演の反町隆史が熱演していたことは認めるが、何と言っても母ホエルンを演じた若林麻由美の、演技と年令ごとのメーキャップに注目したい。さらにジャムカ役の平山祐介、ハサルの袴田吉彦、ボオルチュの野村祐人の存在感がこの映画を支えていたと言えるだろう。あと音楽が素晴らしい。
 ただ、ジェムカ・トオリル連合軍との戦いの結末と、ジュチの描き方が乱暴過ぎる。たぶん長過ぎるので、編集カットされたのだろうが、そこが不評の種なのかもしれない。  

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2007年3月 3日 (土)

ドリームガールズ 

★★★★☆

 久々に素晴らしい米国映画を観た気がした。圧倒的なパフォーマンスで贈るミュージカルと黒人の組合わせ。これこそ米国映画にしか出来ないメニューである。
 オリンピックにおいても黒人がいなければ、ロシアや中国に勝てない米国。とうとう映画も同類になってしまった、と感じるようなイキの良い作品だった。

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 監督・脚本は『CHICAGO』で脚本を書いたビル・コンドンだが、CHICAGOよりも断然面白かった。それは何よりも音楽が抜群に良かったからである。殊にアカデミー助演女優賞に輝いたジェニファー・ハドソンは、抜群の歌唱力と圧倒的な存在感で、主演女優のビヨンセ・ノウルズを完全に食ってしまったね。
 またジミー役のエディー・マーフイーも、アカデミー助演男優賞にノミネートされたが、彼の歌と演技もかなり光っていた。この人を見ていると、竹中直人を思い出してしまったのは僕だけだろうか。
 ミュージカルだから、複雑なストーリーは不要であるが、ちょっとシンプル過ぎたのが満点をつけなかった理由。そのほかは文句のつけようがない。
 ラストシーンでの「ドリームガールズは、三人ではなく四人なのです~」というくだりには、思わず涙ぐんでしまった。彼女たちの心の底から湧き出してくる歌声が、僕の心の琴線に触れたのかもしれない。まさに魂を揺さぶるような歌声であった。
 最近CGや他国映画のリメイクばかりが目立つ米国映画はやや下降ぎみだが、これこそ米国映画の真髄であり、新骨頂といえるだろう。今後のハリウッド映画の方向性を示してくれた貴重な作品である。

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