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2007年2月17日 (土)

墨攻

★★★☆

 「10万の敵にたった1人で挑む」というキャッチコピーに釣られて、『HIRO(英雄)』のような超人活劇を想像してしまった。ところがこの映画には、ワイヤーを使った荒唐無稽な戦闘シーンは全く出てこない。
 もちろん城攻めシーンは、凄い迫力でありスケールも桁外れに大きい。しかしあくまでもシリアスで、現実的な戦闘が続く。また主人公は、「墨家」という当時「儒家」並ぶ歴史的思想団体の一員なのである。

            Scan10181

 「墨家」は中国諸子百家の一つで、博愛主義を説いた。墨家の教えでは、「非攻」という言葉があり、「専守防衛」つまり自衛隊同様、守るための戦いは否定しないという意味である。この「非攻」が「墨守」という言葉になり、さらにこの作品の原作者により『墨攻』という言葉が創られたようだ。
 話の骨子はしっかりしているし、戦闘シーンも見事な出来映えなのだが、肝腎の墨家についての描写が一切ないので、主人公革離の中に入ってゆけない。またラストがかなりはしょられ過ぎて、今ひとつ後味が良くない。それと事前にある程度中国の歴史や、墨家について調べておかないと、革離がなぜ一人で来たのか判り辛いし、物語の焦点もぼやけてしまうので要注意。
 それにしても、人の嫉妬とは醜いものである。だが恩義や慈愛のない者は、いずれ滅び去る運命から逃れられないのだ。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

とんちゃんさんこんにちは
僕もあの梁王は憎らしくて、頭に来ましたね。飼い犬に手を咬まれたというのか、裏切られたというのか・・・
アンディ・ラウは良かったですね。

投稿: ケント | 2007年2月18日 (日) 16時31分

こんにちは~★
 >だが恩義や慈愛のない者は、いずれ滅び去る運命から逃れられないのだ。

そうですよね!!もうあの梁王は憎らしくて憎らしくて。
恩義を忘れたらいけません!!
アンディ・ラウの魅力満載で私は満足しちゃいました(笑)

投稿: とんちゃん | 2007年2月18日 (日) 12時25分

はらやんさんコメントありがとう
確かに戦闘シーンは迫力がありましたが、なにかスパイス不足でしたね。

投稿: ケント | 2007年2月17日 (土) 20時44分

ケントさん、こんばんは。

僕は以前、小説を読んだので多少なりとも知識はあったので大丈夫でしたが、はじめて墨家の考えに触れる方は入り込みにくいかもしれませんね。
孔明のように知略をもって大軍に相対すスペクタクルと思っていましたが、恋愛などが中途半端に入ってきてそのあたりちょっと削がれた感じがしました。

投稿: はらやん | 2007年2月17日 (土) 19時50分

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