削除ボーイズ0326
第一回ポプラ社小説大賞を受賞したSFジュヴナイル。ミステリアスな展開もあり、大人が読んでも十分楽しめる作品に仕上がっている。
削除ボーイズ0326 著者:方波見 大志 |
主人公は小学生なのだが、いやに老成している感がある。ブログを運営したり、株の売買をしたり、好きな異性に告ったりと、まさに高校生も顔負けなのだ。
それとも僕が遅れているだけで、最近の小学生達は、実際にこれほどマセコケてしまったのだろうか。TVやネットの影響を考えると、そうであっても不思議ではないがね。小学生達の実態を知っている方がいたら、この際に是非教えて頂きたい。
さてこの小説で大活躍する削除マシンは、過去の一定時間を削除してしまうという、一種のタイムマシンである。だが過去を削除すると、タイムパラドックスにより現在も変わってしまう、という大きなリスクが伴う。
またタイトルの「0326」とは、削除マシンで削除出来る最大時間「3分26秒」のことを指している。だがマシンを使っているうちに、この時間もだんだん短かくなってくるのだ。その短い時間設定は、話の拡散と矛盾の坩堝にはまらないための安全装置なのだろう。
あえて結論を出さずに終幕となったが、読者に結末をバトンタッチする手法は、決して間違ってはいないはずである。342ページの厚い本なのだが、読み易いので一気読みしてしまった。
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コメント
KOROさんコメントありがとうございます。
326ページという発想、面白いですね。
これからも宜しくお願いします。
投稿: ケント | 2007年1月10日 (水) 21時59分
こんばんわ。
コメント有難うございます。それにしても、「0326」というのがなんとなくいい語呂ですよね。私も軽快なテンポで342ページを読みきっちゃいました!326ページだったらもっとたのしかったんでしょうが・・・・・・。
投稿: KORO | 2007年1月 9日 (火) 21時42分