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2007年1月の記事

2007年1月29日 (月)

幸福な食卓

★★★★

 朝の食卓で、父が息子と娘に向かって、突然「父さんは今日から父さんを辞める」と宣言するシーンから始まる。全く予備知識がない僕には、一体この映画は何なのだろうと感じてしまう。そして家族の食卓には、母親の姿がない。

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 実は数年前にこの父親が自殺未遂をし、母親が別居、伝説の秀才といわれた直兄ちゃんも、フリーターに成り下がり家族が崩壊してしまったのだ。しかし父も兄も淡々と生活しているし、暗いイメージは全く感じられない。そして妹の佐和子も、転校生の大浦くんとだんだん仲良しになる。
 時々母親も家に食事を作りに来るし、一体どこが家族崩壊なのだろうかと思わせる作り方なのだが、以外とこれが面白い。そんなへんへこりんな雰囲気の中で、前向きで明かるい大浦くんと、清楚で可愛い佐和子とのピュアな恋愛ごっこが始まる。
 それから「小林ヨシコ」という、個性的で不思議なムードを持つ「直ちゃんの恋人」が突然現れるのだ。初めの頃は、不愉快なイメージもあったが、佐和子の大好きなシュークリームを手作りで持ってくる頃から、彼女の素晴しさが見え始めてくる。
 なにか全く暗くないし、ほのぼのとした学園ロマンスのようなのだが、クリスマスにとんでもない衝撃的事件が起こってしまう。
 いきなり天国から地獄に蹴落とされる思いがした。それは観ているほうも立ち直れないほど、不愉快な気分になってしまった。
 ところがこの衝撃的な事件こそが、崩壊した家族の再生へと繋がってゆくのだ。なんと皮肉な巡り合わせではないか。

 あまり嬉しくない大転換なのだが、この事件がなければ「一介の学園ラブストーリー」に過ぎなかっただろう。その後の展開によって、本来の家族崩壊のテーマに戻り一回り大きな作品となったと思うので、残念だが許してあげることにした。
 主演の佐和子役には、新人の北乃きいが扮しているが、初々しい演技がなかなか良い。この子は笑うとまるで別人のように可愛い顔になる。これからどのような女優に成長してゆくのだろうか・・・。

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2007年1月28日 (日)

浅草のアリゾナキッチン

 神奈川から浅草は遠い。浅草橋から都営浅草線に乗り替えてやっと到着だ。しかし後でよく調ベたら、神田から銀座線に乗ったほうが近くて便利だったようである。

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 そんな訳だから、めったな事では浅草などに来ることはないのだ。実はこれから暫くは、東京の老舗グルメ巡りをしてみようと思い立ったからなんだね。その第1弾が、浅草の隠れた名店である『アリゾナキッチン』なのである。

        Img_0833_1      

 この店は東武浅草駅から交差点を渡ってすぐの、路地を入ったところにひっそりと佇んでいる。かの文豪永井荷風が、足繁く通った洋食屋なのだ。
 店内の雰囲気はその店名の通り、オールドアメリカンなムードが漂っている。実はこの店には、25年前に1度来た事があるのだ。少し店内の配置が変わったようなので、店主らしき人に尋ねたら、10年前に先代が亡くなり、店もリニューアルしたという。だが以前のイメージはきっちり残してある。

        Img_0838_1

 メニューには、お勧めの「ビーフシチュー」をはじめとして、昔懐かしい「ロールキャべツ」、「カニクリームコロッケ」などが並んでいる。とりあえず永井荷風が愛したという「ビーフシチュー」を注文してみた。
 肉は柔らかく、味はまろやかでソースはあっさりめである。残ったソースを、昔ながらのロールパンですくって食べるのが美味しいね。
 量が少なめでやゝ薄味なので、レトルトやコンビニで育った世代には、やゝもの足りないかもしれない。ただシニア世代には、間違いなく懐かしい味を堪能させてくれるだろう。

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 浅草にはこのような洋食屋がいくつか残っている。当時の言葉を使えば「ハイカラ」というのだろうか。デンキブランで有名な『神谷バー』も魅力的なお店だね。

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2007年1月27日 (土)

さよならの代わりに

 なんと綿密で用意周到なストーリーなのだろうか。ミステリーなのかSFなのか、最後の最後まで明かさないところが憎いね~。
 劇団『うさぎの眼』の一員である主人公和希は、未来からタイムスリップして来たと言い張る祐里とつき合ううちに、ある殺人事件に巻き込まれてしまう。

さよならの代わりに Book さよならの代わりに

著者:貫井 徳郎
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 この殺人事件の犯人が、なかなか判らない。終盤になって犯人が解明されると、なんだと思うくらい当たり前の人物が犯人だった。普通ならこいつが犯人だと思わせて、実は全く思いがけない人物が犯人だったりするものだが、このあっさりし過ぎた展開は、逆に新鮮に感じるから面白いものだ。
 またタイムトラベル中に、インターネット上のフリースペースを使うというアイデアが、斬新で見事だったね。おそらく僕の知っている限りでは、初めて登場したタイムトリックである。
 ラストは実に切ない結末であるが、不思議と涙が出てこなかった。『さよならの代わりに』祐里が残した言葉が、明かるい別の未来での再会を暗示しているからであろうか。ヒシヒシと、心に染み込んで琴線に触れるような、しみじみとしたお話だった。

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2007年1月21日 (日)

悪夢探偵

★★★

 乱歩風の古風でオドロオドロしいタイトルと、ちょっとユーモラスなポスター。これを塚本晋也監督がどのように調理するのかが楽しみだった。
 塚本監督の作品を観るのは、『六月の蛇』以来なので、楽しみにしていたのだが、少し期待外れだったかもしれない。

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 映画の中味自体には、塚本流の世界感が漂っていたが、残虐シーンにこだわり過ぎて、肝腎のテーマがぼやけてしまったようだ。トラウマと自殺願望と夢の相関性について、もっと解析した描写が出来なかったのだろうか。
 また主演の松田龍平には存在感がなく、hitomiに至っては前半の「セリフ棒読み状態」に、観ているほうが恥ずかしくなってしまった。塚本晋也、原田芳雄、安藤政信、大杉漣などの演技が素晴らしかったので、余計残念である。少なくともhitomiに代えて、『六月の蛇』で好演した「黒沢あすか」あたりを使って欲しかったね。
 ただエンディングの曲は、かなりしびれたね。皆さん同じ思いだったのか、明るくなるまで誰一人として席を立たなかった。今後シリーズ化の噂もあるので、次回作に期待したい。

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2007年1月20日 (土)

小さき勇者たち ~ガメラ~

★★★

 ガメラを育てるという発想は二重丸だろう。また田舎の小さな町を舞台に設定したことも良かった。田舎道に突如として出現した怪獣ジーダスも迫力があり、出現のしかたがウルトラQの『古代怪獣ゴメス』のようで懐かしかった。

小さき勇者たち~ガメラ~ スペシャル・エディション DVD 小さき勇者たち~ガメラ~ スペシャル・エディション

販売元:角川エンタテインメント
発売日:2006/10/27
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 だが舞台が大都市名古屋に移った途端、お子様向けの怪獣映画に成り下がってしまったね。それに成長したガメラが、まん丸まなこでまさに着ぐるみそのものじゃないか。以前のガメラは、もっと迫力があったはず。その昔に、怖いゴジラが「シェーッ」をやり、ユーモラス怪獣に成り下がった時代を思い出してしまった。
 また怪獣が名古屋市を破壊しまくっているのに、なぜ自衛隊が出動しないのだろうか。それに子供たちによる『赤い石』のリレーも不可解である。
 確かに大人達がただ逃げ惑う中で、危険を省みずに逆走してゆく子供達の姿には感動してしまった。だがこのリレーは何故か腑に落ちない。そもそも入院している麻衣が、直接ガメラにかかわってこないことには、それまでの過程が、全く無意味になるではないか。
 せっかく前半のノスタルジー溢れる展開に好感を持ったのだが、残念ながら後半はガタガタになってしまった。もういい加減、大都市に怪獣を出現させないで欲しい。スケールを大きくしたいのだろうが、邦画の製作費では大人が納得出来る映像は創れないのだから・・。
 『エイリアン』が大成功したのは、宇宙という「離れ小島」を舞台にしたからなのだ。そのほうが遥かにリアリティー感が湧くのにね。そろそろ日本の怪獣映画も、そのことに気付いて欲しいのだが・・。
 ゴジラにしろ、バランにしろ、キングコングにしろ、小さな村で発見されたときが一番怖かったのに・・・。そうあの『大魔人』が怖かったのも、同じ理由だと思うがいかがかな。

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2007年1月18日 (木)

鉄コン筋クリート

★★★☆

 放映後、隣に座っていたカップルの女性が、「ちょっと重過ぎない!」と不満そうに叫び、彼氏が「ウフフ」と笑っていた。確かにたかがアニメと侮って観ていると、後半になって酷い目に合うかもしれない。

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 キャラは『クレヨンしんちゃん』を思わせる線の弱いほのぼのタッチで描かれているが、背景は『千と千尋』のような極彩色の強いレトロな風景で固められていた。このような描き方は、アニメ版の『時をかける少女』とそっくりだ。これが昨今の流りなのであろうか・・。
 この作品のストーリーは、宝町という架空の町での、地上げ屋と孤児二人の戦いの記録であるが、その中に独特の世界感が埋め込まれている。 
 原作のマンガを読んでいないので、原作との比較は出来ないが、最近の原作ブームには少し飽きれてしまった。確かにある程度の集客キャパは確保出来るものの、映画としてのオリジナリティーが希薄になる。まぁ本作の場合は、アニメだからごたごた言うのは辞めておこう。

鉄コン筋クリート オリジナル・サウンドトラック Music 鉄コン筋クリート オリジナル・サウンドトラック

アーティスト:サントラ
販売元:アニプレックス
発売日:2006/12/20

 前半に、シロとクロがスパイダーマンのようにビルをよじ登り、空中を飛び回わるのは、何を意味しているのか。初め彼等は猫超人かと思っていたが、そうではないらしい。このアニメ独特の表現方法なのだろうか。
 ラストのイタチ召喚と、狂ったようなシロの行動と、あの暗い絵と明かるい絵。実はシロこそ無意識のうちに、超能力を使っていたのかもしれないね。
 声優が蒼井優だし、銭湯でのシーンまでは、シロのことをてっきり女の子だと思い込んでいた。そしてシロが男の子だと判ったところから、物語はだんだん複雑になり、核心に迫ってくるのだ。
 ただ私はアニメオタクではないので、正直この作品の本当の良さは判らない。ただこの映像に関しては、かなりの完成度だと思ったね。それに蒼井優の声優ぶりも、なかなかりっぱなものだ。しかし後半の難解な展開は、一部のマニアックなファンにしか受け入れられないだろう。もちろんお子様向ではないので念のため。

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2007年1月14日 (日)

恋はデジャ・ブ

★★★★☆

 私の「生涯べストシネマ」のうちの1本である。最近レンタルアップしたビデオテープを購入し、12年振りに改めて鑑賞してみた。
 この作品を観るのはこれで4回目だが、飽きない、陳腐化しない、何度観てもワクワク爽やかである。

恋はデジャ・ブ DVD 恋はデジャ・ブ

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2007/02/16
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 主演はビル・マーレイと私の憧れの君、「アンディ・マクドウェル」である。まあそれだけでも嬉しくなるのだが、ストーリーがとても面白いのだ。
 ビル・マーレイ扮する、イヤミで自已中な天気予報士フィルは、とある田舎町の聖燭節を取材に、アンディ・マクドウェル扮する美人プロデューサーのリタと同行する。
 ところが急に大雪になり、町から出られなくなってしまう。そしてホテルで翌朝目覚めると、「昨日」に逆戻りしているではないか。しかもその状況が毎日毎日、エンドレスに繰り返されるのだ。
 フィルはこの退屈な繰り返しを、女性をくどいたり、悪ふざけをして楽しむことにした。やがてそれらに飽きた彼は、美人だが真面目でお堅い、アンディ・マクドウェルを口説くことに専念する。
 彼女の好みを毎日調べあげて、手を変え品を変えアタックするのだが、あと一歩というところで巧くいかない・・・。さてさて二人が、それからどうなるのかは、観てのお楽しみ!
 ~といった展開のラブコメであり、最後まで画面から目が離せなかった。
 ただ中盤、フィルが何度も生き返るシーンだけは、ちょっとしつこ過ぎるかな。一番のハイライトは、彼がけなげに何度もピアノレッスンに通って、パーティーで実力を発揮するシーンだね。
 本当にあれは良かった。最初は何故レッスンを受けているのか理解出来なかったが、後で「なるほど遠大な計画だったのだ」と感心しちゃったね。そして感動の余り、思わず涙ぐんでしまった。
 僕がアンディ・マクドウェルにメロメロになったのは、実はこの映画がきっかけなのである。

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通勤地獄 足を踏まないで

  ちょっと寝坊したせいか、朝の満員電車の混雑ぶりが、いつもにも増して激しかった。そしてこの電車の揺れること、揺れること・・・それにドアドアの真中で、つかまるものもない。そんな悲しい状況のなかで、この電車は更に大きく揺れて、誰かの靴が深爪した僕の足を思い切り踏みつけたからたまらない。
 「痛い!」と叫んで、踏んだ相手を思い切り突き放していた。相手は男子高校生で、「てめえ何すんだよ!」と大声で凄んで、僕を睨み続けた。僕が知らん顔を決め込んでいると、「おいおっさん、次の駅で降りろ」とおどしをかけてくる、しつこそうな奴だ。

      Point

 電車が次の駅に着くと、ターミナル駅のためか、かなり大勢の人がどっと降りてしまい、さっきの高校生も人波にさらわれて、どこかに消えてしまった。でも降りろと言われた手前、僕は気になって一応ホームに降りることにした。あたりを見回わしたが、さっきの高校生は見当らなかった。しかたないので電車に戻ろうとした瞬間に、肩口をつかまれた。
 気がつくと先の高校生が仲間を7~8人集めて、僕の回わりをぐるりと囲んでいるではないか。・・・・
 と、くだんの高校生が急に大声を出して「よう、おっさん!謝れよ!」だってさ。なぁ~んだ、こんな大勢の仲間がいないと、なんにも出来ない奴だったのか・・・・当然僕には、謝る理由も無いし、謝る程気も弱くなかった。ただ深爪の足を踏みつけられて痛かったから押しのけただけだしネ。しかし詰まらんことで、とんだことになったものだ。さてその後の僕の運命やいかに・・・・

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2007年1月13日 (土)

10ミニッツ・アフター

★★★

 世界中の時間を、10分間だけ戻せる携帯用タイムマシンが完成。そしてマシンを奪った銀行強盗を追跡するドタバタSFである。低予算のB級映画だが、アイデア勝負の作品といったところか。

        10m_2

   ただタイムマシンを使うのが、序盤の銀行内と、ラストの飛行機内だけというのが大不満である。銀行以降は、いつタイムマシンを使うのかと、引っ張りに引っ張り続けて、結局ラストに一回だけとはね・・。
 これではインチキ見世物小屋に、騙されて入ったようなものである。中途半端なアクションはどうでもいいから、もっとB級に徹して、タイムマシンでいろいろいたずらして欲しかったんだな。
 この映画、なんだかこのラストシーンのためにだけあるような感じだ。これでは観客の心を掴めるはずはないよね。
 たまたま僕の好きなテーマで、アイデアは面白かったので、エコヒイキしてひとつ大おまけである。もう少しストーリーを捻って、続編を創ってくれないかなぁ。

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2007年1月10日 (水)

スキャナー・ダークリー

★★★

 ア二メと実写の合体というのか、実写のアニメ化と言うべきか、とにかくこのような映像は初体験である。種明かしは、実写映像へのデジタルペイントだという。それによって、リアルだがオドロオドロしい映像が合成出来たのだ。

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 舞台背景は近未来。新種のドラッグ『物質D』を追う麻薬捜査官の、オトリ捜査がテーマになっている。
 捜査官はオトリ捜査であることを見破られないために、自らヤク中になってしまうのだ。そんなダークな心象風景を表現するためは、そのオドロオドロしい映像がピッタリなんだね。
 ただアニメタッチの映像だからといって、この作品を子供に観せてはいけない。会話シーンが多く難解であるだけではなく、麻薬中毒症状やセックスシーンもあるから要注意。
 オープニングでゾロゾロ出現する虫は、とても気味が悪い。観ているほうまで痒くなってしまった。その後の派手な展開に期待したが、以外にも地味なシーンが延々と続く。そして主人公キアヌの、不安に揺らぐ精神描写ばかりで、中だるみ状態なのだ。
 ところが、終盤になり一転して急展開。巧妙なドンデン返しも用意されていて、さあこれから・・と思いきや、あっという間にエンディングとなってしまった。
 これはかなり好き嫌いが分かれそうだ。それで単館上映だったのであろうか。ただあの画期的な映像だけは、必ず話題になるはずである。

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2007年1月 8日 (月)

佐賀のがばいばあちゃん

★★★★☆

 久しぶりに本当に良い映画を観た。これほど人の優しさを感じたのは、一体何十年振りであろうか。心が熱くて熱くて堪らない。終始涙が止まらないのだ。声をあげて大声で泣いた、泣いた、泣いた。

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 そう戦後の日本は、皆んな貧しかった。それでも皆明日を夢見て前向きに、力強く生きていたと思う。吉行和子のばあちゃんが言う、「明かるい貧乏」だったのだ。それに比べると、現在の日本は豊かになったが「暗い金持ち」かもしれないね。

 ケチと質素とは似て非なるもの。確かに昔の人は質素に暮していても、いざと言うときには、ばあちゃんのように大金を惜しげなく出したものである。
 そして先生たちの優しさにも心を打たれた。本当に子供達が好きで好きで堪らない人が、先生になるべきだとつくづく感じてしまう。弁当を交換する先生、母のマラソン参観を共に喜ぶ先生、父親をテーマにした「空作文」で100点をつける先生。

 それから崩れていない豆腐を、指で崩して半値で売ってくれる豆腐さん。診察無料で電車賃までくれるお医者さんなどなど。人情味が溢れ返っている。こうした良き時代は、もう日本には訪れないのかと思うと、悲しいというより寂しくなってしまった。

佐賀のがばいばあちゃん Book 佐賀のがばいばあちゃん

著者:島田 洋七
販売元:徳間書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 僕等が子供の頃は、「おばあちゃん子」と呼ばれる子供がかなりいた。家が狭く、子供が大勢いて、貧しかったからである。実はかくいう僕も「おばあちゃん子」なのだ。
 僕の場合は、小学校に入学するときに祖母の手から両親の元へ引取られた。だが電車で15分程度の場所だったので、その後も土曜日ごとに1人で祖母の家へ泊りに行ったものだ。
 それでも祖母の元を去るときは、随分と駄々をこねて祖母を困らせた記憶がある。僕の祖母も一人で店を開けて、力強く生きていた「がばいばあちゃん」だったのだ。
 だからラストシーンで、鍋を洗いながら、何度も「早よいけ」と苦しそうに怒鳴る吉行和子さんを見て、滝のような涙が落ちて止まらなかった。

 それから運動会で一人でお弁当を食べるシーン。これも僕と全く同じなのである。商売をしていたせいか、両親は遠足や運動会には来たことがなかった。当時は「親なんか来なくていい」と強がっていたが、やっぱり一人で食べる弁当は淋しいものである。
 そういうわけで時代背景も、環境もなんとなく自分に重なる所が多く、感情移入どころか、僕自身がタイムスリップした雰囲気であった。
 それでかなり評点が高くなってしまったのである。反面こうした経験のない若者には、平凡でまったりした作品にしか見えないかもしれないね。
 たったひとつ、途中で三宅裕司がチョロチョロ登場するのがうざったいね。あれさえなければ満点だったのだが。

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削除ボーイズ0326

 第一回ポプラ社小説大賞を受賞したSFジュヴナイル。ミステリアスな展開もあり、大人が読んでも十分楽しめる作品に仕上がっている。

削除ボーイズ0326 Book 削除ボーイズ0326

著者:方波見 大志
販売元:ポプラ社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 主人公は小学生なのだが、いやに老成している感がある。ブログを運営したり、株の売買をしたり、好きな異性に告ったりと、まさに高校生も顔負けなのだ。

 それとも僕が遅れているだけで、最近の小学生達は、実際にこれほどマセコケてしまったのだろうか。TVやネットの影響を考えると、そうであっても不思議ではないがね。小学生達の実態を知っている方がいたら、この際に是非教えて頂きたい。

 さてこの小説で大活躍する削除マシンは、過去の一定時間を削除してしまうという、一種のタイムマシンである。だが過去を削除すると、タイムパラドックスにより現在も変わってしまう、という大きなリスクが伴う。

 またタイトルの「0326」とは、削除マシンで削除出来る最大時間「3分26秒」のことを指している。だがマシンを使っているうちに、この時間もだんだん短かくなってくるのだ。その短い時間設定は、話の拡散と矛盾の坩堝にはまらないための安全装置なのだろう。

 あえて結論を出さずに終幕となったが、読者に結末をバトンタッチする手法は、決して間違ってはいないはずである。342ページの厚い本なのだが、読み易いので一気読みしてしまった。

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2007年1月 6日 (土)

大奥

★★★☆

 まさに豪華絢爛、贅の限りを尽した衣装と、べストキャストな女優たち、そして凛とした江戸城の佇まいに、煌びやかな紅葉が目に眩しい。また江戸の町並や歌舞伎小屋に、町人たちの文化レべルが偲ばれた。見事、見事の花吹雪。

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 さすが時代劇の東映!。これぞ大時代劇の王道である。美空ひばり、大川橋蔵、中村錦之助、東千代之介などが活躍していた黄金時代の東映の面影を、ちらりと観た思いがした。
 だが断っておくが、ストーリー展開についてはかなり注文がある。
 『江島生島事件』とは、正徳四年に実在した大奥大年寄江島と、歌舞伎役者生島新五郎とのスキャンダルだ。事件の発端は、江島が増上寺墓参の帰途に、女中衆を引き連れて、木挽町の山村座にて歌舞伎を観たことに始まる。
 もちろんそれだけで帰れば問題はなかったのだが、その後に生島を茶屋に招いて宴会を開き、大奥の門限に遅れてしまったのである。そして門番と押し問答となり、大騒ぎとなってしまったようだ。
 このため後日、評定所が審査することとなり、大奥の規律の乱れが次々と白日の元に晒される事になってしまうのだ。この結果1300人もの人々が罰せられ、江島自身も死罪判決を受けた。(月光院の嘆願により、高遠藩お預けとなる)
 さてさて、遅刻が原因で死罪判決とは、恐ろしい時代だよね。くわばらくわばら。
 本作品は、こうした大事件を題材にしたわけだが、男子禁制の大奥に縛られた女たちの葛藤を、ラブストーリー仕立てにアレンジしている。だから事実と反する流れがあっても、全く文句を言う気はない。
 しかし逆にそうであれば、生島を拒んでいた江島が心変わりするまでの心理描写がもの足りない。また小舟の中でのラブシーンも、生涯一度の命をかけた恋には見えなかった。
 それから、恋だけにしか生きる道を見つけられない月光院に歯がゆいものを感じる。あれほど母を慕う幼い将軍を、生き甲斐に出来ないのだろうか。病床で愛人の名を呼ぶ母の姿を見た少年の心傷はいかばかりであったろうか。自分自身の経験がトラウマとなり、あのシーンは哀しく、心が痛む思いだった。

 映画館の中は、ほとんどが中年以降のカップルばかり、若い人の姿が全く見つからないではないか。この作品は、おばさまたちのためのラブストーリーだったのであろうか。

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2007年1月 4日 (木)

通勤地獄 ゲロ吹き女

           Chika

 年末年始ともなると、酒を飲む機会が増えるのは仕方ないところ。ただこの時期の飲み会は、自分の意思とは関係なく、半分仕事のような『疲れるしきたり』が多い。
 それでなくとも仕事が忙しく、体調も壊し易い時期に、この『しきたり飲み会』が集中するから堪らない。そしてまずい酒を無理やり飲まされるのだ。
 だから悪酔いする。今日も終電に近い電車の中で、目だけ座ってあっちにフラフラ、こっちにフラフラのOLが乗り込んで来た。皆んな疲れているし、当然誰も席など譲るはずもない。
 かのOLさんは、手探りでやっとドアの横に寄りかかった。電車が大きく揺れた瞬間である。OLの口からゲロが噴水のように吹き出した。
 「オットット」と私は慌てて横に飛ぶ。今度は噴水ではなく、ホースのようになった彼女の口から、白茶けた吐瀉物が、ドアに向かって猛烈な勢いで噴射されたのだ。
 まるで怪獣が出現したかのように、乗客たちが悲鳴をあげて逃げ惑う。そしてそのドアの周辺には誰もいなくなった。
 次の駅でOLさんは、逃げるように降りて行ったが、この状況を知らずに乗り込んできた人々は気の毒だ。その吐瀉物を踏んづけたり、服にくっつけたりで、大騒ぎであった。
 それからというもの、電車に乗っても絶対にドアに寄りかからないことにしている。満員電車なら、力づくでもドア周辺から離れて、奥のほうに逃げ込むことに決めた!。
 
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2007年1月 3日 (水)

嫌われ松子の一生

★★★★☆

 ある不幸な女の一生を、大胆かつマンガチックに描いた大傑作だね。中谷美紀の新境地を切り開いた、ある意味実験的な作品でもある。彼女はこの作品でドロドロになったが、それによって一皮も二皮もむけ、大女優への道を歩み始めたとも言えるだろう。

嫌われ松子の一生 通常版 DVD 嫌われ松子の一生 通常版

販売元:アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2006/11/17
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 序盤のアナクロチックで毒々しい映像には、ちょっと戸惑ったものの、暫くするとそれがこの作品の面白さと重なってゆくのである。またところどころで流れる「昭和のTV映像と流行歌」がヒジョーに懐かしい
 オジさんやオバさんには、涙なくして観られないシーンが盛り沢山だ。また序盤とラストを繋げる懐かしい唱歌にも、心が洗われる思いだった。
 全てが思い出話から構成されたストーリーなのだが、それが別の思い出話で綺麗に繋がってゆく展開は実に見事である。そしてショッキングな結末にも、何故か納得してしまうのだ。
 松子の不幸は、父親が病弱な妹を心配するところから始まっている。それで勝手に焼もちを焼き、トウウマとなってしまったのである。その結果、男の愛に飢えたり、おかしな顔をしたりと、かなりアンハッピーエンドで悲しいストーリーなんだね。死ぬほど悲しいお話なのに、ラストシーンで清々しい気分になれるのはなぜだ。その摩訶不思議なところが中島マジックなのだろうか。
 DVDで1月2日に鑑賞したため、2006年のべスト10に挙げられなかったのが残念である。もう2~3日早く観ていれば、間違いなくべスト10入りしていただろうに。

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2007年1月 1日 (月)

ケントが観た2006年ベストシネマ

 2007年新年明けましておめでとうございます!。

           Photo_18

 このブログが誕生して、そろそろ一年を迎えようとしております。軌道に乗るまでは、いろいろと苦労もありましたが、応援していただいている皆様のお陰で、なんとか格好がつくようになり、とても嬉しい気持ちで新年を迎えることが出来ました。

         Fuji2

 いつもどうもありがとうございます(^^♪
 さていつの間にか2006年も終わり、映画のほうは年間約110本観て終了しました。この程度の映画鑑賞でおこがましいのですが、恒例の『ケントが観た2006年ベストシネマ』を発表したいと思います。
(各タイトルをクリックすると、その記事にリンクします)

硫黄島からの手紙

007カジノロワイヤル

椿山課長の七日間

プラダを着た悪魔

スーパーマン・リターンズ

狩人と犬、最後の旅

時をかける少女

クラッシュ

GOAL(ゴール

歓びを歌にのせて

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