幸福な食卓
★★★★
朝の食卓で、父が息子と娘に向かって、突然「父さんは今日から父さんを辞める」と宣言するシーンから始まる。全く予備知識がない僕には、一体この映画は何なのだろうと感じてしまう。そして家族の食卓には、母親の姿がない。
実は数年前にこの父親が自殺未遂をし、母親が別居、伝説の秀才といわれた直兄ちゃんも、フリーターに成り下がり家族が崩壊してしまったのだ。しかし父も兄も淡々と生活しているし、暗いイメージは全く感じられない。そして妹の佐和子も、転校生の大浦くんとだんだん仲良しになる。
時々母親も家に食事を作りに来るし、一体どこが家族崩壊なのだろうかと思わせる作り方なのだが、以外とこれが面白い。そんなへんへこりんな雰囲気の中で、前向きで明かるい大浦くんと、清楚で可愛い佐和子とのピュアな恋愛ごっこが始まる。
それから「小林ヨシコ」という、個性的で不思議なムードを持つ「直ちゃんの恋人」が突然現れるのだ。初めの頃は、不愉快なイメージもあったが、佐和子の大好きなシュークリームを手作りで持ってくる頃から、彼女の素晴しさが見え始めてくる。
なにか全く暗くないし、ほのぼのとした学園ロマンスのようなのだが、クリスマスにとんでもない衝撃的事件が起こってしまう。
いきなり天国から地獄に蹴落とされる思いがした。それは観ているほうも立ち直れないほど、不愉快な気分になってしまった。
ところがこの衝撃的な事件こそが、崩壊した家族の再生へと繋がってゆくのだ。なんと皮肉な巡り合わせではないか。
あまり嬉しくない大転換なのだが、この事件がなければ「一介の学園ラブストーリー」に過ぎなかっただろう。その後の展開によって、本来の家族崩壊のテーマに戻り一回り大きな作品となったと思うので、残念だが許してあげることにした。
主演の佐和子役には、新人の北乃きいが扮しているが、初々しい演技がなかなか良い。この子は笑うとまるで別人のように可愛い顔になる。これからどのような女優に成長してゆくのだろうか・・・。
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